sideクリフ・グリモル
ルーデウスは天才だ。
僕が天才だと?笑わせる。
僕より年下のルーデウスは誰よりも魔術を扱えるのに、
誰よりも謙虚に他人の為の魔術の向上に力を入れている。
僕も彼を見習って、より高みを目指し、
誰かのために僕のちっぽけな才能を使って行こうと思う。
[chapter:ザノバ・シーローン]
師匠のもと、人形製作を始めましたが、上手くいきません。
私には魔術の才能はなかったため、
奴隷を雇って教育していくことになりました。
道はまだまだ長い。
いつか師匠のような人形師になるため努力いたしますぞ。
sideアリエル・アネモイ・アスラ
ルーデウスを取り込めない。
彼には野心がなく、飄々と逃げられてしまう。
甲龍王ペルギウスを後ろ盾にしたボレアス家の話は私も聞いている。その一人娘の婿がルーデウスだ。彼を取り込めば、政権争いに王手を掛けれる。終わらせることができる。
業を煮やしたルークがルーデウスに決闘を申し込むが、ルーデウスのメイド(妹:8歳)がそれを阻止。メイドの部下である獣人リニア&プルセナに勝てれば、メイドが相手をし、メイドに勝てればルーデウスが相手をする決まりらしい。
ルークは獣人コンビに完封されてしまった。
獣人曰く、メイドは獣人の10倍強く、ルーデウスはメイドの100倍強いらしい。
ほんと、どうしようかしら……
sideリニア・プルセナ
夜中。2匹の獣人が作戦会議をしている。
「ボスは子供だけど強いニャ。魔術有りですら勝てんニャ。」
「正面から戦うと絶対負けるの。不意打ちなら勝機はあるの。」
下剋上の時は近い。
8歳の子供(ボス)に負けたままではいられないのだ。
勝つための情報を集める。
「え?お兄ちゃんの実力??んー……ラノア魔法大学くらいなら更地に出来ると思うよ。10分くらいかな」
一般生徒が言ってれば明らかな嘘だと笑える話だ。
ただ、ボスが兄について嘘をつかないことを2匹は知っている。
ボスを倒せば兄が出てくる。
下剋上の時は、まだまだ先だ。
sideナナホシ・シズカ
ルーデウスがやっと研究棟に来た。
これで研究を効率よく進められる。
ルーデウスは定期的に来てくれるようになった。
アイシャちゃんは来る度に私の部屋を掃除している。
そんなに汚いかしら……効率良い置き方してるだけなのに。
ルーデウスはアイシャちゃんが掃除でいない隙を狙って相談事をしてくる。そろそろ15歳になり卒業できるが、どういう風にしたら女性は喜ぶのか?という話。多分アイシャちゃんに聞こえてるわよ。あの子抜け目なさそうだし。
『私は経験ないから知らないし、あなたは私より年上だから経験あるんじゃないの?』と聞いたら『経験ない』とのこと。
処女と童貞では結局どうしようもないので、お互いの理想のシチュエーションを話して終わる。
私も前世に戻ったらルーデウスのように楽しく恋愛できるようになるのかしら。
sideラノア魔法大学
ルーデウスが来てから大学は随分と平和になった。
定期的に起きていた喧嘩はすっかりなくなっている。
ルーデウスは自身の講義の中で、魔術は喧嘩や弱い者イジメに使う物ではないと度々公言しているからだ。
ルーデウスは自身の事を全く語らないが、少し調べば
聖級魔術師、Sランク冒険者、魔王討伐、無詠唱の使い手
といった嘘のような情報が手に入る。
血気盛んな学生達は、ルーデウスに決闘を申し込む。
と思われたが、
初日に当時学校最強格だったリニアプルセナを半殺しにして下僕にした噂が流れ、実際に2人が付き従っているため、誰もルーデウスに決闘しようとは思わなくなった。