濡れた衣擦れの音が、耳に纏わりつく。
一体、何を見せられているのか分からなくなった。
ティナの胸元をまさぐる白雪姫。剣で裂かれた服は、白い指を素通しつつも、肝心な部分を俺にだけ隠していた。
何故?
疑問が、頭の中で幾つも泡立つ。
何故いなくなったのか。何故ティナに触れているのか。何故肌を隠そうともしないのか。ティナの素肌と比べた分だけ、その白さに目を奪われた。
白雪姫と呼びたくなる気持ちも分かる。
冬の朝一番に、足跡つけたくなる衝動に駆られてしまいそうだ。
何てことのない日常。友人同士のじゃれ合いなら、俺だって、ちょっとした下心で見てられたのに。
胸の鼓動が焦りを生む。
このまま見ていたら、きっと。ティナがいなくなるんじゃないか。
想像した悪い予感を振り払おうと、腕に力を込めた。回復薬なら……まだ。
強い薬だ、短時間での乱用は褒められたものじゃないが。それでも、立ち上がれもしない方がもっと不味い。
腰のポーチに手を伸ばす。
ゆっくり、ゆっくり、バレないように。
白雪姫が、ティナに夢中になってくれてるのは有難い。もう少しだけ、我慢していてくれ。羞恥を押し込めるように、引き結ばれた薄い唇。今にも泣きたくなるのを、ぐっと堪えるような。そんなティナの顔、一度だって見たことがない。
親に叱られたときだって、納得がいかなければ噛みつくような女の子だった。
一体、何を言われたらそんなに。
ただ恥ずかしいだけじゃないんだろ?
俺を庇って動けないのか、俺が自由にさえなれば。何十秒と掛けてようやく、ポーチの小瓶に指が触れる。ゆっくり、ゆっくり、引き抜いて、引き抜こうとして、指が動かせない。大げさに、顔を動かすわけにいかなかった。恐る、恐る、探るように視線だけを腰へ向けると……。
__コロン
指から、回復薬の小瓶が滑り落ちた。
苦しげなティナの吐息。素肌を撫ぜる衣擦れの音ばかりが聞こえていた洞窟で、甲高いガラスの音は目立つ。動けない。白雪姫の様子も気にかかるが、それよりも。腕に絡むスライムの方を、どうにかしないといけなくなった。
万全の状態だったなら、まだ振り払えたかもしれないのに。今の俺の体力じゃ、スライムの力に押し負ける。
どうする? どうしたらいい?
焦る気持ちを逆撫でするように、聞こえてきたのは涼し気な笑い声。
「……ふふっ♪ やんちゃですね? ティナ、あなたのお友だちは。好きですよ、そういう無駄な努力。ええ、私は諦めてしまったから。いいじゃないですか? 欲張らなくても。大人しくしていれば、あなたの命は助かるんですから。ねぇ、トニィ? 諦めも、肝心だと思いませんか? そこからの眺めだって、そう悪いものじゃないでしょう?」
すっと、蠱惑的な声が耳を素通りして、直接頭に響くようだ。
薄く持ち上がった口の端は、だけど笑顔を映さない。人を見てはいなかった。
道端で子犬を見るような。それでも遠い。もっとこう……背筋が冷える。子どもが掴まえた虫の体を刻む、無邪気な悪意が垣間見えた。
「ねぇ、シルヴィア……やめようよ、こんな事。今なら……まだ、ね? 戻ろ? 一緒に。戻って、私たちとパーティ―組もうよ。嫌なこと言うやつも、一杯いるかも知れないけど。そんなの、トニィが全部ぶっとばしてくれるからっ!」
俺かよ……。
それでも、湿度を上げるばかりの空気が和らいだ気がする。
いけるのか? ティナの胸元を弄る白雪姫の手が、ゆっくりと離れる。何処か、何かを懐かしむような顔に、無邪気さの輪郭は鳴りを潜めていた。
「その言葉、もうちょっと早く聞きたかったなぁ……」
少しだけ幼い口調だった。ティナの頬に手を添えて、二人はしばし見つめ合う。
__ちゅっ。
遅れて、ティナは目を丸くする。俺だって、何が起きたのか分からない。
さっきまで青ざめていた顔は赤く染まって、白雪姫を睨むでもなく口をパクパクさせていた。
「ちゃんと、準備してきたんですね? 偉いですよティナ」
「それは……だって。シルヴィアが、情報を持って帰ってきてくれたから。ギルドの人にも気をつけろって、スライムの見つけ方だってそうっ。あなたのおかげなんだよ? 生きて戻ったのは、絶対無意味なんかじゃ」
なにか、違和感がある。
白雪姫のおかげで、スライムの危険度が更新されたのはそうだけど。
それだけか? 口にするのを避けている。俺だけが、何かを見逃してしまっているような気がしてならない。依頼の説明を受けた後、ティナはギルドの職員と何かを話していた。気にはなりつつも、はぐらかされている内に、いつの間にか忘れてしまっていたけれど。
それ、なのか?
たかだかスライムの討伐依頼に、一体なんの脅威があるって。
「本当に、ダメなの? 本当に、絶対?」
「……ティナ。約束、破るんですか?」
「そっか……。それじゃあ、ごめんねっ!!」
大きく息を吸い込んだティナが、呪文を叫んだその瞬間。
視界が眩く光ると同時に、狭い洞の中に轟音が響く。雷の魔法。ティナの一番得意な魔法は、いつにもまして輝いた。杖もなしで、制御も何も。天井に、壁に、地面に、お構いなしだ。
それは俺だって例外じゃない。
バチバチと焼けた音が反響すると、溶けたスライムがそこらで流れ出す。
手が自由になったまではいい。倒れ込んでいた俺ごと巻き込んだ雷撃は、回復薬まで沸騰させて小瓶ごと砕け散る。
「トニィっ。ねぇっ、トニィたらっ! 大丈夫っ、生きてる!?」
「かはっ……あぁ、くそっ! 死んだよっ、お構いなしにぶっ放しやがって」
「バカっ……生きてんじゃん。ごめんね、でも……」
「いい、よくやった」
「えへへ……」
加減なんてしてられなかった。やらなければ、やられる状況だった。
小悪党を懲らしめたことはあっても、殺すつもりで使うなんて状況は、なかなかキツイ。実際に呪文を唱えたティナを思えば、多少体が痺れたくらいなんてことは。
__ベチャっ
聞こえたのは、足音のはずだった。
けれど、それが本当に人のものだったのかは分からない。濡れた服を、高いところから落としたような。黒焦げになった筈の白雪姫は、ヨロヨロと立ち上がって、また。
__ベチャっ
よろけた足が前に出る。そこに、つま先はなかった。
薄青く透き通った手足。一見すれば分からない。彼女の肌が元の白さを取り戻した頃にはもう、ちゃんとした指が生えていた。見間違いだったのかと、自分の目すら疑った。
一体、何が……?
「ふふっ、あはははっ♪ ほら、やっぱりそう。私、間違ってなかった。こんな、こんな状況になったら誰だって。全力で、後のことよりも、今どうにかしないとって、冷静な判断なんて出来るわけ……」
くつくつと、白雪姫は肩を揺らして笑い出す。
その笑顔は、誰に向けられたものでもない。後ろめたくて、後ろ暗い。まるで、過去の自分を嘲笑しているようだ。
「__あれ? なんで、離れてっ、はずれなっ。うそっ、私、だって、全力で……やったのに。スライムくらいっ。ねぇっ、トニィっ変だよっ、トニィっ……ひっ!?」
見て、しまった。
ティナを縛るスライムは、あれだけの雷撃を受けても形を保ったまま。
溶け崩れる気配どころか、ギぃっとより締め付けをキツくする。藻掻いて、暴れるその横で、立ち上がる白雪姫こそ、人の形を為していない。
溶け崩れた体は、何の音もなく元に戻っていく。
果たして、目が合った彼女は本当に人間だったのか。薄青い瞳が揺れ動いたのは、見間違いなんかじゃなかった。
「いや……やだ。こないで、トニィ……たすっ、んっ。ふぅ、はぁ……っ」
恐怖に目を見開いたティナは、それでも助けを呼ぶ声を飲み込んだ。
さっきまでとは状況が違う。時間稼ぎ。俺が動けるまでの、全力の魔法をぶつけるまでの。それでも届かなかった。回復薬も全部割れて、痺れた体は余計に動かない。俺だって、そうしたはずだ。ティナが助かる可能性があるのなら、少しでも白雪姫の気を引くしかない。
「なん、なの……シルヴィア。あなた、からだ、なに?」
「いないんですよ」
「なにがっ!?」
「シルヴィア・ロゼンベルグなんてのは、もう。分かるんです。ちょっとずつ、ちょっとずつ。人間じゃなくなっていくのが、もう人間じゃないんだって……」
「わかんないよっ、シルヴィアっ!? あなたはっ……んっ、んんぅぅ」
キス。
悪戯に重ねて見せたんじゃない。さっきよりも、ずっと深い。
両手に頬を挟まれたティナは、抵抗らしい抵抗もできないまま。頬の内側で、舌を押しのけ合いながらも、次第に押し込まれていく。グチュグチュと絡んだ唾液に咳込んで、目尻に大粒の涙が溜まっていった。
__ゴクリ
細い喉が鳴る。遅れて、大きな鼻息が漏れる。
分からないを言葉に出来ないまま、ゆっくりと離れていく白雪姫を、ティナは呆然と見つめるばかり。
「食べたんですよ……」
「なに、なに……いって。ねぇ、いま私に……何を。だめ、ヤダっ!?」
イヤだ。嫌だ。言うんじゃない、言わないで。聞きたくない、それ以上は。
「やめろ、シルヴィアっ。ティナからはなれっ……!?」
吠えるしか出来ない俺は、ただ一瞥されただけ。その薄笑いには敵意もない。
薄青い瞳の奥、灯る赤い眼光の中に俺は映ってすらいなかった。
白雪姫の細い指が、ティナのアゴの下をくすぐりながら、首筋へと降りていく。
大きく開いた胸元を通り、おヘソの上でクルリと円を描いた。
「……スライム。ほら、ここに」
ちょんっと、胃の腑の上を叩く。その微笑みは、ぞっとするほど美しい。
ティナの頬に流れる涙。嗚咽から、えづく。けれど、口から出るのは渇いた咳ばかり。
「ぅっ、ぁぁっ……ゃっ。ぅぇ、ぉっ、けほっ、かっ、はっ!? ふぅ、ふぅっ、はっ、はぁっ、おぇっ!!」
「ティナっ、ティナっ! 大丈夫だからっ、おちつけっ、ちゃんと息をっ」
吐いても、吐いても、何も出ない。
ティナのお腹は何度も凹んで、不自然に波を打った。名前を叫んでも返事がない。
肩で息をして、その間隔は短くなって、自分で自分の首を締め続ける。
「パンケーキとか好きなんですよ、私。小さい頃、お母さんが焼いてくれたの。
でもね、だんだんと美味しいなって。パンケーキよりも、こっちがいいって、思うようになってね? それがちょっと寂しい……今でも大好きなのにな」
頬を掴まれ、顔を上げさせられる。
唇を割り開いた人差し指が、歯の隙間をこじ開けた。
「ほら、あーん……」
ティナの顔を覗き込みながら、白雪姫も大きく口を開いて舌を伸ばす。
ピンク色の舌先から滴る雫。次第に青みがかったそれは、崩れた舌ごとティナの口の中へ……落ちる。
「んっ!? んっ!? っ……!?」
首を振って、舌で押し出して、それでもティナの口を塞いだスライムは剥がれない。俺からはもう、見えなくなった。内側から押し上げられた頬が、小さく萎んでいくほど、息を詰まらせたティナは華奢な体を何度も跳ねさせる。
__ゴクリ
また、喉が鳴る。空になった口から、ようやく吐息が漏れた。
「ぁぁぁ……ゃだぁ、たべ、ちゃっ。わた、し、すらいむ……なんで、やだぁ」
一度流れ出した涙は止まらない。抵抗する気力も、崩れた嗚咽に飲み込まれていく。苦しい。悔しい。胸が痛い。泣き顔に耐えられなかった。
いつも明るく、元気で、少し無鉄砲。俺にとってのティナはいつだって。
転んで膝を擦りむいたのとは理由が違う。家までおぶって帰ってやることも、してやれない。
藻掻く。
最初の不意打ちと、ティナの雷撃のダメージは抜けきってない。
這いずるようにして、やっと。手を伸ばしてズルズルと、体を引き摺り進んでようやく。
「ティナをっ……離せっ!」
届いた。
はず、だったのに。透けて見えるほどの白い肌。掴んだはずの足首に指が沈む。
水の中に手を突っ込んだみたいだ。勢いよく閉じた人差し指が、親指の根本を引っ掻いた。
「それより、ティナ? 約束はもう良いんですか? 私……殺すつもりで撃ちましたよね? さっきの魔法」
「ひっ……そ、それは。ちがっ、ちがうの……だって、だから、えっと」
また、約束だ。
白雪姫は俺を一瞥もしない。あの時囁いていた言葉は、一体なんだったのか。
突きつけられた恐怖に、涙が引っ込むほどの。ティナは必死で言い訳を探してはいるようだが、あれだけの魔法を直接ぶつけておいて、間違いでしたは俺でも信じない。
「なんでっ……そんなの、シルヴィアがすれば良いじゃない。私なんか」
「もう、ダメなんですよ。私じゃ……だって、ね?」
頬に掛かった髪を払う。何てことのない仕草だった。
ヒラリと舞った銀糸の髪が、ドロリ……溶けた。雫が一滴、俺の手に落ちた途端、火傷をしたような痛みに襲われ、喉が引きつる。
「産んで上げられないの、もう。自分を増やすことは出来ても……私の体は、ほとんどが」
スライムだ。
薄青い体を波打たせ、焼けた肌がさらに溶かされる。痛いよりも、熱い。
慌てて手を引こうにも、白雪姫の足首に沈んだ手は、掴み返されたように動かせない。その間にも、ますます大きくなったスライムは、手首から肘へ、さらに俺の腕は覆われていく。
完全に溶かされるまで、どれだけ掛かる?
腕の一本でティナが助かるなら良い。けれど……それすらも夢物語に思えてならない。
「まってっ、シルヴィアっ! 約束っ、約束したでしょっ、トニィには手を出さないってっ!?」
「やくそく? なんでしたっけ、それ?」
ダメだ。
ダメだ。
耐えなきゃいけない。
今、俺が声を上げてしまったら、ティナは踏みとどまれない。
分かっていても、それでもだ。目の前で自分の腕がジワジワと溶かされていく、痛みと恐怖に、声も出さずにいられるほど、俺はまだ。
「うぐぅ……っ! だめ、だ。ティナっ」
「トニィっ!? 動いちゃっ、無理しないで私は大丈夫だからっ」
薄笑いを浮かべた白雪姫は、唇に指を当てて知らんぷり。
苦悶を漏らした俺に、ティナはますます焦りだす。これは約束なんかじゃない。
首を振っても、頷いたって、俺達の未来は変わらない。どっちだって良いんだ、彼女には。ただ悪戯な悪意をぶつけているだけ、そんな八つ当たりにも等しいものを。
「産むっ、産むからっ! スライムっ、産めば良いんでしょっ!! だからっ、トニィを……トニィを助けてぇ」
腕の痛みが引いていく。さっきまであんなに熱かったのに。
__ポタリ。手の甲に落ちた雫が温かい。ティナの温もりだ。まだ、彼女は無事で……。
約束って、なんだ?
いま、ティナは何を言った?
誰が、何を……。
聞こえたはずの言葉を聞きたくなくて、頭が理解を拒む。
「助けませんよ? ただ大人しくしてる分には手を出さないというだけ。今度こそ、破っちゃイヤですよ? 良いですね……ティナ?」
小指と小指が絡む。
「だめだ……ティナ。俺は、いいからっ」
幼いばかりの口約束は、間違いなくティナの未来を閉ざすものに違いはなかった。
震える指先。噛み締めた唇が解けて、二人の声が重なっていく。繋いだ指を振り合うだけの行為は、どこか儀式めいていた。
「大丈夫だよ、トニィ。私は……大丈夫だから」
屈託のない笑顔に、胸が締め付けられた。
頬が引きつっている。ティナが嘘をつく時の悪い癖。どんなに無理を浮かべても、その渇いた笑いまでは誤魔化しきれていなかった。
何でもないんじゃないか?
そう思いたいだけ。簡単ではないけれど、きっと他にもまだ手があるって。
「大丈夫だよ」そう言ったのだって、下手に俺が暴れるほうが邪魔になるからで。
だから、やめてくれ。白雪姫の薄い唇が持ち上がる。願うだけのか細い希望は、蜘蛛の糸より細くて脆い。
「さっきから、大丈夫ってなんですか? 不妊薬を飲んでるから平気だとでも?」
一瞬で、ティナの顔が凍りついた。
図星だ。俺を安心させようなんて余裕もなくして、怯えた視線で白雪姫を覗き見る。
不妊薬。
それは、女の冒険者に支給される薬の総称だ。
その効果は、ほぼ名前の通り。性感を抑えることに始まって、予防的に使うための。
どこかで考えないようにしていた。意識すると二人でいるのが気まずくなる。
俺に裸を見られても、全然気にもしない。俺だけ反応してしまうのが悔しくて、意地を張ってみたりして。
考えれば、分かるはずだった。
依頼の説明を受けた後、ティナだけが呼ばれたこと。
耳元で囁かれた白雪姫との約束だって。ティナがはぐらかそうとしていた理由は……。
__パチっ
白雪姫の指先が眩く光る。
雷の魔法だ。見た目にも、威力はほとんど感じられない。学院生が練習で使う程度なもの。ティナが向けたものに比べれば、痺れるほどもないように見えた。
「あっ……!」
上ずった声が、耳に障る。腑抜けた吐息に、胸が騒いだ。
俺だって急に針で刺されば、そんな声も上げるかもしれない。無防備に晒されていた、胸の膨らみに触れるだけ。白雪姫は、ティナの乳首を転がしながら、時折指を光らせる。
「酷いじゃないですか、あんな魔法いきなりぶつけてくるなんて。けっこう驚いたんですよ、私?」
驚いた、で済むものか。普通の人なら死んでいる。
体を半分も崩しておきながら、白雪姫の声にトゲはない。悪くて、子どもの悪戯をたしなめる程度の声色でしかなかった。
くるくる。
くるくる。
叱るほどもなく、触れる指先はただただ優しく円を描く。
胸元を見下ろすティナの視線は揺れていた。呼吸は浅く、指の動きがピタリと止まると同時に息を呑む。
何もない。
一安心。かと思えば、遅れて白雪姫は指に光を宿す。
「あぁっ……!?」
ビリっと肩が跳ねた。同時に漏れた声が鼻に掛かる。
なんで? 問いかける視線に、白雪姫は微笑みを返すだけ。転がされている内に角が取れ、だんだんとティナの反応は丸くなっていた。それを見ているのが辛い。どうしても、彼女の中に女を見てしまう。
「んっ、ゃっ、あっ、だめ……しるゔぃあ、やめっ、んぃっ、はぁぁっ♥」
顔は伏せられても、耳までは塞げなかった。
苦しい。掻いた地面を指が巻き込んだ。一番苦しいのはティナのはずなのに、彼女の献身も忘れて頭が熱くなる。
耐えられない。
このまま何もしないでいると、自分が許せなくなりそうだ。
腹の内で悪い考えがムクムクと育っていく。白雪姫を睨みつけたのは、ティナの為なんかじゃなかった。手を伸ばして、もう一度掴みかかろうとした俺を、ティナの声が引き止める。
「だめっ! トニィ……おねがい、やめ、て? ね? はぁっ、んっ、ゃっ♥ わた、し。大丈夫、大丈夫……だから」
細切れになった言葉は脆い。大丈夫の言葉は、俺に向けたものじゃなかった。
何度も自分に言い聞かせるように。口を開くたび吐息は弾んで、熱を零す。
想像でしかなかった女の声が、耳に張り付いた。戯れ合って色気を出すんじゃない。一番近くにいる女の子の生々しい嬌声に、胸が掻き乱される。
「はぁっ、はぁっ、んっ……ぁっ、ひゃっ♥ んくっ、ふぅっ……ゃぁぁっ」
目の前で、ティナのつま先が揺れている。
俺に出来ることはもう、せめて、見ないでいることだけ。響く甘い声に合わせてユラユラと。耐えるようにモジモジと。固いブーツの奥底で、足の指が踊っているのが想像出来てしまう。
__ポタリ
雫が落ちた。
汗にしては、随分と粘っこい。まるで、スライムのような感触に、体が一瞬強張った。だけど、違う。それはまだ温かい。視線の少し先、引き下ろされたスパッツが、膝の上で丸くなっていた。その中心。伸びた生地の真ん中にある深い染み。生まれた雫が、つぅっと糸を引き……。
__ポタリ
地面に落ちる。
「なに、したの? シルヴィア……私、薬ちゃんと、飲んでたのにっ」
「何って、スライムですよ?」
事もなく微笑む白雪姫に、ティナの声は震えていく。
「ティナのお腹の中で、ずっと媚毒を作ってるんです。あなたの魔力を吸いながら、ね? ふふっ。笑うのずっと我慢してたんですよ、私。魔力が回復するまで耐えればきっとって、本気で思ってるんだもの」
「え、あれ……あぁっ」
ティナの掠れた声が濁っていく。信じるばっかりで、確かめることをしなかった迂闊さ。そもそも、俺達にはそんな余裕もなかったが。時間は敵に変わっていた。
時が経つほど媚毒はティナの体を蝕んで、自由を奪っていく。
「ねぇ、ティナ? 薬だって、毒なんですよ? 本当なら、あなたの体はちゃんと赤ちゃんを作れるのに……」
「なに、言ってるの? ねぇ、シルヴィア……」
「浄化の魔法」
「あっ__。やだ、だめっ、だめだめだめだめっ!?」
「不妊薬を押し流すほどの媚毒に浸った体……一体、どうなるんでしょうね?」
足が暴れ出す。切羽詰まったティナの声は急に余裕を失くして、白雪姫から逃れようと身を捩らせた。一体……何が? 思わず顔を上げてしまった。飛び込んできた光景に、一瞬考えることも忘れて魅入られる。
ティナの裸。
肉付きの良い健康的な裸体は、白雪姫とは正反対。
細工めいた美しさはない。肌には細かな傷が幾つも浮いている。比べれば、霞んで見えるのも当然だ。両目に映る二人の少女。だけど、俺の目を惹いたのは、間違いなくティナの裸だった。
剣で裂かれた服は、彼女の体を隠しもない。俺を煽るようにユラユラ揺れる。
汗の浮かぶ、火照った肌。赤く染まった頬が、涙で濡れていた。悪戯に弾かれた乳首がピンっと跳ねる。甘い声が弾けた。視線を下げたティナと目が合ってしまう。
「やだ、見ないで、トニィ……」
スケベだとかエッチだとか。俺をからかう言葉は、いくらでも聞いてきたのに。
涙の混じりの声は、あまりに弱々しい。初めてだった。ティナが俺を異性としてみている。恥じらうように腰を引き、寄せた太ももに視線を遮られた。
そこに割り込んできたのは、白雪姫の白い手だ。
繊細な指先が、閉じた太ももを割り開き、中へ潜り込んでいく。
呪文を呟き、魔力の灯りが漏れたその瞬間に、ティナのつま先が浮きあがった。
__パタっ
俺の顔に何かが飛んでくる。頬を濡らす液体は、生温かい。立ち昇る甘酸っぱさは、汗の匂いとはまた別の。思い出すのは、ティナの寝顔だった。
安宿のベッドで一緒に寝た時と同じ。寝起きの彼女に感じた、女の気配に息苦しさを思い出す。地面に落ちる雫は量を増して、引きつっていたティナの足まで流れ落ちてくる。
「どうですか? トニィ。随分可愛くなったでしょう?」
「え、あ、いや……それは」
急な問いかけに、何も答えられなかった。
罪悪感に押しつぶされそうだった。見ているだけで、何も出来ない。見るなとも言われていたのに、目を離せずにいた。気まずそうに目を伏せるティナに気づいて、ようやく彼女から視線を引き剥がす。
「乳首に触れるだけで、ほら? 摘んであげると、もっとね? おまんこだって、もうこんなに素直になってる」
「んっ♥ あっ♥ や、め……っ」
見ない。見ない。でも、分かってしまう。
一つ、二つ、三つ。滴る水音が、ティナの興奮をイヤでも俺の耳に伝えてきた。
イヤだ。イヤだと。口では言っていても、その声に抵抗は乗ってこない。
射精の後の倦怠感を思えば、俺だって同じになるはずだ。それを媚毒で何倍にも膨らませられれば、ティナが悪いわけじゃない。それでも、娼婦のように振る舞う彼女に、劣情が募っていく。
「可愛い。初めて見るんですね、トニィは。でも、ティナの方はどうでしょうか?」
「へ? な、なにをいって……私、だってっ」
「そうでしょうか? 不妊薬なんて、貰っていても使う人は少ないんですよ?
私は大丈夫。なんて、変な自信があるものです。なんとなく怖いですし、そんな薬。前もって使っていた人は、そういう経験がある人ばかりでしたね」
例えば、恋人がいるだとか。
例えば、体を売ったとか。
例えば、暴漢に襲われたとか。
例えば、モンスターに犯されたとか。
違う。
そんなの、俺達を動揺させるための戯言だ。
ティナとはずっと一緒に居たんだ、そんな素振りは……一度だって。でも、だけど、もし。一日中、見ていたわけじゃない。銭湯に行ってる間や、買い物に出ている間だって、本当の所はどうだったのか。
「違う。違うよ、トニィ。私、本当に違うんだから……」
「分かってる。大丈夫だ、ティナ。疑ってなんか」
それなのに、どうしてティナの顔を見れないんだろう。
違うと言ってるのに、どこかで引っ掛かる。白雪姫に触れられ、声を上げる彼女の姿に、どうしても邪な感情が重なってしまう。必死に否定するのは、何か隠してるからなんじゃないか。
「じゃあ、そろそろ確かめてみましょうか?」
分かってる。分かってた。
ずっと、考えないようにしてただけ。スライムを産む。ティナの口から聞いた時から、その未来は何も変わってない。
だけど、それは……なんだ。
悲鳴を喉に詰まらせたみたいに、ティナは声を上げることすら出来ずに固まっていた。
白雪姫の股間から伸びる肉の棒。
丸っこい亀頭。広がるカリ首。浮かんだ血管を波打たせながら、薄青い体表は、彼女の肌色に溶けていく。見た目だけなら、完全に男のモノと変わりがない。
むしろ、自分のモノと比べれば随分と立派なくらいだ。
「気に入りませんか、ティナ? ごめんなさいね、トニィのモノより貧相で」
「ちがっ、トニィのはもっと……じゃなくてっ。そんな、なんなの……それ。気持ち悪い」
「残念、ですね……」
口では落胆して見せても、白雪姫は薄笑いを浮かべたまま。
ティナのアゴを掴まえて、今度は強引に口づけた。ほんの一緒。まるで、味見でもするような短いキス。抵抗したのも最初だけ、いや驚いて肩が跳ねただけだ。
離れていく唇を見つめたままのティナは、どこか名残惜しそうに瞳を潤ませる。
「せめてと思ったんですけど。コレが嫌だというのなら……直接スライムを流し込むしかないですね」
肉棒が、溶けた。
白い肌は薄青さを帯びて、伸びた触手がティナの股間に__ベタリ張り付く。
「まってっ!!」
叫ぶ。その悲鳴が霞むほど。
胎内を異物で汚される恐怖は、男の俺には絶対に分からないものだろう。
だから、仕方がない。今はこうするしかないだけ。倒れて見ているしか出来ない俺だって、同罪だ。
「それは、やだ。さっきの……さっきので、いいから。おねがい、おねがい……します、シルヴィア。ほんとに、それ、やだぁ」
「さっきのって、何ですか? 分かるように言ってくださいよ?」
「だから、だからぁ……」
口ごもるティナが、俺を見ていた。
だからって、どうもしてやれない。俺のことは見捨ててくれていい。代われるなら、代わってやりたい。見つめ合った俺達は、どちらからでも目を逸らすしかなかった。
せめて、見ないふりを……。
それが、俺に出来る精一杯。
「おちんちん……」
涙混じりの声。ティナの口から聞く幼語に頭が熱くなった。
イヤなくらいに腹立たしい。興奮が鼓動を逸らせ、股間に血が集まってくる。
「シルヴィアの……おちんちんで、おちんちんがいい。スライムは、やだぁ。せめて、せめて、おちんちんで、犯して……そのくらいは、いいでしょ。お願いだから……シルヴィア」
ティナの腰が抱かれた瞬間、俺は咄嗟に目を伏せた。
聞こえるのはティナの吐息と、口の中で唾液を掻き混ぜるような音だけ。
__クチュリ
__クチュリ
広がって、沈んでいく。
すすり泣くような鼻声は、次第に甘く溶けて、痛がる素振りはどこにもない。
本当に、初めてなんだろうか? そのはずだ。そうであってほしい。でも、そうだとしたら。彼女の初めては相手は俺じゃない……。いや、白雪姫ですらないのか。
「よかったですね、トニィ。本当に、初めてみたいですよ。彼女」
「うっ、あぁ……やめてよ、シルヴィア。そういうの、いいから……もう、早くして」
ティナの懇願を受けた白雪姫は、ただ微笑むばかりで俺を見下ろした。
「本当に良いんですか、トニィ? 今ならまだ、残して上げられますよ? スライムなら破らずに中に入ることだって」
「だめぇっ!! だめだからねっ、トニィっ。頷いたら、絶対に、それだけはっ。ホントに無理だからぁ……っ!?」
「分かってる……分かってるっ! やるならさっさとしろよっ、シルヴィアっ!」
__ぷちっ
音が遠くなる。ティナの下腹がわずかに盛り上がり、おヘソの下に異物が浮き上がった。深と世界が静まり返る。遅れて聞こえた小さな悲鳴は、痛がるどころか、甘ささえ含んでいた。打ち付けられる白雪姫の肉棒と、跳ねるティナの体。時間が止まったような感覚の中で、ソレだけが動き続けてる。
「まぁ、どうせ産む時には破れるんですから、同じなんですけどね、ほらっ♪」
「あっ、やぁ、ひっ♥ んっ、ふぅっ、なに? 産むの? わた、すらいむ……わかんな、とめてよっ、それうごいちゃっ、分かんなくなるからっ! だめっ、だめなのに。なにこれ、しらな、なんでこんなわたっ、きもち、すご、きちゃ、なんか……ああっ♥」
媚毒のせいだ。だから、こんな……。
見ちゃいけないのに、目が離せない。初めて見たティナの痴態。頭の中で何度か想像した光景が、目と鼻の先にあった。なのに、届かない、触れられない。ティナを感じさせてるのは俺じゃなかった。胸を掴んだ白雪姫は、その体を持ち上げる。惜しげもなく晒されたティナの肌を、まるで俺に見せつけるように。
「やだぁ、トニィ。みないで、みないでぇ。こんなの、わたし……じゃっ」
「でも、気持ち良いですよね? さっきより、ドキドキしてますよ? オマンコだってヒク付かせて、彼に見られて興奮してるんですか? ほら、電撃のお返しです」
「ちがうっ。きもちよくなんかっ、ちがぁ……っ。ちがうからっ、とにぃっ。だめ、へんにっ、あたまへんなのっぉ……やあぁぁ♥」
白雪姫の指先に光が灯る。ティナの下腹がとんっと叩かれると同時に、また俺の顔に飛沫が飛んだ。
「あっ、あっ……あぁぁぁ。やだ、だめ、それ……まってっ、んひっ♥」
__とんっ
__とんっ
__とんっ
繰り返される刺激。絶頂の瞬間すらも握られて、ティナは何度も腰を跳ね上げた。
呂律も回らず、泣き叫ぶ。もう、自分が何を言ってるのかすら頭にない。
「やめっ、ゆるし、ぇ。あぁぁ、あ、あ、あ、あっ、ひっ♥ くぅ……ふぅふぅ、は、は、シルヴィア、はやく、はやくっ、おわって、だしてよっ。しんじゃ、こんな、わた……。トニィが、みてるの。みられたくないの。こんなわたし、ちがうからっ。もう終わらせてよ。出して、くださっ、精液、おちんちん、していいからぁぁぁっ!」
そんなティナを、白雪姫は後ろから抱きしめた。
顔を上げさせキスを繰り返す。胸を揉みしだかれながらも、ティナはそれを嫌がりもしない。離れた唇どうしを繋ぐ舌先が絡み取られて、引き込まれる。
__ゴクリ
ティナが何かを飲まされた。いや、飲み込んだんだ自分から。
それは、お互いの混ざった唾液だったのか。それとも、スライムだったのか。
「ごめんっ。ごめんねっ、トニィっ!? あぁぁっ♥ でも、これっ、むり、むりっ、むりぃ。いっちゃ、もうだめ。ごめんなさい、ごめんなさい……ごめん、ね。あぁっ♥」
膨れる下腹、下から押されたおヘソが歪んで見える。
ガクガクとティナの腰が震え上がった。小刻みにペースを上げていた肉棒の動きが、一瞬止まる。その動きには、俺にも覚えがあった。
射精の寸前。
白雪姫の口から、恍惚と漏れる吐息。
髪を揺らす刺激だけで、色めき立ったティナは、声を上げて身悶える。もう少し、快感を味わっていたい。わざとペースを落として、腰のストロークは長く深いものへと変えていく。
知っている動き方だ。
さっさと出してしまうだけでは味わえない。
根本がチリチリする。堪えて、溜め込んで、それを一気に吐き出した時の快感と、開放感。それは、ティナにとっての不幸でしかなかった。
腹の中で熱を上げていく肉棒。
膨らんでいく射精の予感と、スライムを産み落とすという現実。
ただ乱暴されたんじゃない。望まない妊娠などではもっと。ペースが落ちたことで、僅かでも生まれた余裕が、彼女に恐怖を想像させてしまった。
「やっぱり……やだぁっ。スライム、なんて……わたし。トニィ……やだよぉ、こんなっ、こんなのぉ」
最後の瞬間。最後の力を振り絞って、ティナは暴れ出す。
けれど、彼女を縛るスライムは離れない。肉棒は深くに刺さったまま。白雪姫が腰を入れると、更に深く沈み込んだのが外からでも分かる。膣の奥、その先に。
「トニィっ……たすけ、てっ」
虚ろだったティナの瞳が俺を映す。
そこに面影を見てしまった。まだ、泣き虫だった頃の俺達。ケンカをしては泣いて、叱られては泣いて、怪我をしてはまた泣いて。そこに、冒険者としての彼女はいない。意地も張れずに、泣きじゃくるだけ。ようやく漏らした弱音が、助けを求めて手を伸ばす。
「ティナっ!」
諦められない。諦めたくない。ここで手を掴まなければ、一生後悔する。
そんな焦りが、俺に名前を叫ばせた。だけど、どうしてだ。あと一歩の距離が埋まらない。互いの指は空を切るばかりで、掠めることもしなかった。
不意に、ティナが遠くなる。
最後の瞬間、彼女を抱き寄せたのは白雪姫だった。
__ドックン
長くて深い脈動。
一回、二回、三回……。繰り返されて、ジワジワと、広がった割れ目の境から白濁液が滲んできた。甘酸っぱい女の香りと、生臭い精の匂い。
逃げ出したいのに、快楽はティナを掴んで離さない。脈動に押されて達するたび、ティナの股間から飛沫が上がる。そこに、少しだけ鉄錆びた血の気配が漂っていた。
「とにぃ……とにぃ……っ♥」
手が、落ちる。助けを求める声は、もう聞こえない。
現実逃避だったのか。呆然と、繰り返し、俺の名前を呼び続けていたティナは最後に「ごめん」と謝った後……。
「大好き……だったよ」
返せ。
返して、くれ。
壁を殴りつける。一体どこに消えてしまったのか。
スライムに抱かれたティナは、白雪姫ととも壁の向こうへ溶けて消える。
最初で最後の告白。消える直前、ティナが残した言葉をずっと反芻していた。
俺だって、大好きだった。なんとなく想い合ってるのは分かっても、言葉にできないまま、もう手遅れ。後に残ったものは何もない。
「ティナぁぁっ……ぐっ、あっ!」
__グサリ
突然、腹から薄青い槍を生やした俺は、目を回して倒れ込む。
溢れた血が口を塞ぐ。窒息が先か、失血が先だったのか。痛くも何ともないのが、せめて、せめて助けを……誰か、ティナを。ジュッと、最後に肉の溶ける感覚が肌を焼いた。
そうか……
ティナに食べられるのなら、俺は……
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以降、スライムの危険度は急増する。
白雪姫とその眷属たちが数を増す一方で、魔法使い、特に女の魔法使いはその数を減らしていった。掴まれば母体にされる。噂は、事実となって広まった。
引退するもの、別の街へ移籍するもの。逃げたと揶揄する声も、彼女たちを引き止めるまでには至らない。
学院の威信をかけた討伐依頼も、ほぼ全滅。
白雪姫が改良を続けたスライム達は、魔法にまで耐性をつけていた。
耐久性すら改善されたなら、もとより高い物理耐性と再生能力でほとんどの衝撃を流してしまう。本体である白雪姫も、学院を首席で卒業するほどの才能だ。
もはや、伝説に並ぶドラゴンと変わらない。彼女が災害と化すのに、時間は掛からなかった。
復讐。
そんなつもりは、なかったんだけどな。
「……ふふっ♪」
でも、いい気味。
結果として、学院によって成り立っていたあの街は、その権威の失墜とともに衰退の一途を辿ることになる。
オマケ画像。
【挿絵表示】
最後に一つになれたので、ハッピーエンドだと思います。
爆誕。スライム少女シルヴィアちゃん。たぶんトゥルールート。
もしもあの時声を掛けていれば、3人のイチャラブルートもあったかもしれない。