※この作品はR-18です。

少女Xスライム~女魔法使いにスライムを添えて~   作:霧里

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裸ヴィア


【挿絵表示】



媚毒の熱にあてられて(Hシーン1

 

 

__ストン

 

杖を取りに戻ろうとして、膝から崩れ落ちた。

急に力が抜けて、嫌な汗が滲み出す。ドクドクと、逸る鼓動。その感覚には、覚えがある。出来るから、作ってみただけ。何も知らないまま捨て置いてしまうのは、どうにも心地が悪いから。

 

媚薬だ。

 

それも、自分に使ってみたものより何倍にも強い。

急に鼓動が跳ねたのは、反射的な防衛だ。滲んだ汗は、代謝が上がった結果に過ぎない。すぐにでも、対処しないと。既に頭がふらつき始めていた。服が擦れる刺激すら、大げさに受け止めてしまう。

 

簡易的な浄化の魔法。ただの媚薬なら、それで十分だった。

原因はわかってる。きっと飲み込んだスライムの影響だろう。獲物を無力化するために、媚毒を持つモンスターだって少なくはない。気持ち悪い。これを作った作者は、きっと良い趣味をしているはず。まずは、性感を抑えて。それから……。いくつもの対処を思い浮かべながら、最初の一つ。浄化魔法を行使しようとした時だった。

 

あれ?

 

呼吸が乱れ、思考が鈍る。

 

子どものように太ももを広げて、座っているのもやっと。唇さえも震えだし、崩れた呪文は何の奇跡も起こさない。

 

「はぁっ、はぁ、んっ。ぷる、が……ぷる、ぅ、ぁぁ……」

 

大きく息を吸って、鼓動をなだめすかす。正しい呪文と、正しい魔力の流れ。

それさえ間違えていなければ、魔法はいつだって私の力になった。「プルガ」今度こそ、正しく呪文を紡いだ私は、ようやく気づく。いつもより魔力が乏しい。

発動しかけた浄化の魔法はユラユラ揺れて……ふぅっと、結局は消えてしまった。

 

ああ、違う。

 

無意識に体を揺らしていた。股間がムズムズとして、落ち着かない。

背筋がゾクリとする。地面に肌が擦れるたびに、少しだけ気持ちが楽になった。

だけど、どうにも物足りない。重くなった溜息には、不満が混じっていた。気を抜けば、もっと腰を揺らしたくなる。何もしないで耐えるだけが、酷く悩ましい。

 

思い切って、唇を噛む。

 

だけど、痛みは私を引き止めない。自分で食んだ唇が甘く痺れて、独り善がりなキスのよう。違う。違う。こんなの、私じゃない。降りていく指先を止めようと、ブラウスの裾をギュッと掴む。触れたらダメ。今、そこに触れてしまったら、私を抑えられなくなる。

 

でも、どうしても。

 

少しだけなら。

 

体と理性が離れていく。それもきっと、媚毒のせいにして。

触れられないなら、出来ることは一つだけ。太ももを擦り合わせて、刺激を送り込んだ。溶けるような温かさに包まれ、股間が疼く。それは、紛れもない快感だ。

そんなものに振り回されている自分が情けない。媚薬を使ったのだって、知っておけばどうとでも出来ると思ったから。

 

事実、それは正しかった。

 

こんな物に時間を掛けてられない。

 

物思いに耽る暇があるなら、魔術書の一冊でも読んだほうが有意義だ。

それが間違っていたの? 知っているけど、慣れてはいない。

自分の状態を正しく認識しながらも、抑える手段を持ち合わせてはいなかった。

困惑と、動揺。トイレを我慢するような焦燥感が、何よりも抗いがたい誘惑に変わる。

 

おぼつかない思考の片隅で、なんとか答えを探していた。

 

呪文は正しい。なのに、浄化の魔法は発動しない。

飲み込んだスライムに、魔力を吸われているせい? それに加えて、力の調節もなかったから。空になった私の魔力は、浄化の魔法すらもなし得ない。回復するのを待とうにも、それは鈍い。

 

だけど、ゼロじゃないなら。

 

少しずつでも、魔力は戻ってきている。

小さくなったスライムなんかに吸い尽くせるほど、私の回復量は低くはないんだ。

中途半端に魔法を使わず、確実に使えるまで耐えればきっと。まずは苦し紛れに飲み込んだスライムからだ。これがいなくなれば、媚毒の熱なんてすぐに治せるはず。

 

「ふぅっ……ふぅっ……」

 

なんて有様だ。自分の吐息に幻滅する。こんな、はしたなくて、みっともない。

娼婦ですら、もっと上品に喘いで見せるだろう。快楽も知らない小娘が、覚えたてのオナニーに耽っているだけ。積もるもどかしさに、理性が歪む。こすり合わせるだけじゃ、もう。

 

硬い地面に自身を押し付けた。まるで別の生き物みたいに、腰が揺らめく。水を含んだショーツが、肌にべったり張り付いた。小石と砂粒が、不規則に私を刺激して、お腹の奥で快感が育っていく。

 

直接、触れてみたい。

 

ブラウスを掴む指が、ひとりでに解けていた。お腹を撫でた指先が、おヘソの下へと降りていく。キュロットの内側へ入り込み、欲望に指を掛ける。薄布を摘むと、水気を含んだショーツをゆっくり剥がす。出来た隙間に手を差し込み……。

 

「プルガ・ティオ……っ!」

 

瞬間。正しく発動した浄化の魔法は、私の体内からスライムを消し去った。

だけど、それだけだ。私の体は間違えたまま。

息が苦しい。乾いた喉に流し込んだ生唾が、スライムのように張り付いた。

次に浄化の魔法が使えるまでは……。一秒、一秒が長過ぎる。直前で止まった指が震えだし、歯がカチカチと鳴りだした。

 

少しだけ。

 

もう、少しだけ。

 

耐えられなかった。

 

悔しい。情けなさもある。わかっていても、体の熱を抑えられない。呼吸は乱れ、滲んだ汗が甘く香る。発情した女の匂いに、自己嫌悪が重なった。

鼓動を重くする後ろめたさが、快感を助長する。少しだけだから。これは、媚毒のせいだから。子供じみた言い訳が、そよ風みたいに頬を撫ぜた。

 

__シュルリ

 

胸元のリボンを解き、一つ、二つと、ボタンを外す。肩紐を滑らせブラを外すと、細やかな2つの膨らみが晒された。外で裸になる。咄嗟に周囲を見回した私は、そっと岩場の影に身を潜めた。

 

気にして、どうなる?

 

体格には恵まれなかった。それは、女性としてもだ。同年代の子たちと比べても、発育は伸び悩んだまま。私の裸に、異性が興味を向けるなんて思ってもない。

 

白雪姫。

 

気にしてないつもりだった。自分について回るブランドイメージ。皆が思う私はきっと、オナニーなんてしないだろう。実際、昨日まではそうだった。媚薬の実験をしてみたくらい。あんなの時間の浪費だと、切り捨てたつもりで。

 

胸に触れる。

 

たったそれだけ。

 

細やかな膨らみに指が沈んで、雪解けのような淡い快感が広がった。

洞窟の冷ややかさを押し返すほどの肌の火照り。その向こうから、響く鼓動が指を震わせる。流れ落ちる汗を、指先が追いかけた。作法も分からず、熱を持った体を持て余す。快感と、こそばゆさの境を行ったり来たり。くすぐったさに負けて、身を捩った瞬間。爪の先を乳首に引っ掛けてしまった。

 

「ぁっ……♥」

 

なんて声。鼻に掛かるような甘いどよめき。

慌てて口を閉じた後も、その余韻はまだ喉の奥で響いていた。それだけじゃ快感を散らせない。一瞬、体は楽になるけれど、すぐにまた熱が戻ってくる。

 

触れたら。

 

きっと、もっと。

 

背中を丸め、太ももをキュっと閉じた。

薬指の腹で、乳首の先を転がしただけ。それだけだった。下腹に生まれた熱を、閉じた足の隙間に何とか抱え込む。

 

とっぷりと……。

 

ひくつく筋の隙間から、溢れ出す愛液。

 

そんな自分の姿を想像して、ゴクリ__息を呑む。

 

なんて、みっともないんだろう。わかっていても、乳首への愛撫を止められなかった。止めたら気が狂いそう。快感を感じてる間だけが、今の私を繋ぎ止めている。時間稼ぎの行為のはずが、いつしか没頭してるのにも気付かない。

 

どうすれば、もっと気持ちよくなれるんだろう?

 

転がしていた乳首は、少しずつ膨らんで、快感はもっと大きくなる。

爪の先で引っ掻いた。親指と挟んで、こねくり回す。摘んで引っ張って、胸の膨らみごと、手のひらに擦り付ける。

 

モジモジと、太ももを擦り合わせているのに気づいても、止まらない、止められない。むしろ、動きはより大胆になって、粘つく水音すら聞こえ始めていた。

伸ばした指の、あと少しが届かない。理性と欲望がせめぎ合う。キュロットに潜り込んでいた手は、太ももに挟まれて身動きが出来なくなっていた。指先が触れる間際、逃げるように身を捩って、腰が引けてしまう。

 

これ以上は、ダメ。

 

ギリギリの所で、理性が私を引き止めていた。

 

そんなんじゃない。怖かったんだ。

絶対に、気持ちがいいから。頭がバカになりそうで。性欲に振り回される自分がイヤ。色恋に現を抜かしている彼らと、同じになりたくない。

 

「ぃゃ……っ」

 

なのに。

 

我慢も何も無いんだ。歯を食いしばっていたのがバカみたい。

小指の先の爪の先。張り付いたショーツの筋には届かない。僅かに掠めたのは、結び目に顔を出していた しこりだった。薄布の上から、爪の先が引っ掛かる。

 

頭が真っ白になった。

 

下腹に力が入って、抱えていた愛液を零してしまう。

 

何を? 何が?

 

目の前がチカチカした。

 

私の知ってる快感は、こんなのじゃない。

確かに、持て余すような衝動はあった。だけど、自分を見失うようなものじゃ決して。だから、切り捨てられたんだ。こんなものかと、下らないと吐き捨てられた。

 

「ぁっ、ぁぁ……っ」

 

触りたい。もっと触りたい。これ以上はダメになるのが分かるのに、渦巻いた衝動は声にならない声に変わる。あぁ、まただ。乳首を転がし、クリトリスを撫ぜると、また。トイレを我慢しているような、あの衝動が下腹に溜まっていく。

 

さっきのが、絶頂?

 

イったの、私は?

 

頬を伝う涙の理由さえ危うげだ。

 

スライムなんかの媚毒に犯されて、醜態を晒してしまった。初めて思い知った快感の大きさに驚いて、歓喜して……。ああ、それは。まだほんの小さかった頃。

 

誕生日に初めて食べたショートケーキによく似ている。

 

真っ白い、雪のようで、口にすれば甘く溶けていく。頬が汚れているのにも気付かずに、夢中になってケーキに齧りつく。今思えば、私を見つめる両親の笑顔に、少しくすぐったくなったかもしれない。

 

「っ……プルガ」

 

浄化の呪文を紡いで、ようやく媚毒の熱を吹き消した。

それでも、指は止まらない。わかってる。毒はあくまで、快感を増幅するものだ。

私自身から生まれた衝動は、決して無くならない。そう、絶頂寸前にまで追い詰められた快感を我慢するなんて、出来るわけがなかった。

 

「ごめんなさい、ごめんなさい。お父さん、お母さん……っ」

 

いつの思い出だろう? なんで思い出したんだろう?

 

学院を首席で卒業したときに、一番喜んでくれた人たちだ。

たくさん褒めてくれて。私もつい子どもみたいにはしゃいでしまって。そんな、両親を裏切るみたいな。窮地に陥ってるパーティーを放って、一人物思いに耽るなんて。

 

「あっ、ぁぁ……くるっ、また、きちゃ……♥ 早くっ、はやっ……くぅぅっ!」

 

無意識だった。下腹に力が入って、背中が丸くなる。グリグリと痛いくらいに乳首を抓り、爪の先で何度もクリトリスを引っ掻いた。完全に、順番を間違える。先にイッてしまうべきだった。

 

絶頂の間際が、延々と引き延ばされる。媚毒が消えても、性欲は無くならない。

期待していた強い刺激は遠ざかり、快感が鈍る。普通のオナニーじゃ、もう満足できない。まして、自分のことも分からないままの手淫だなんて、どうしたって乱暴になるしかなかった。

 

違うっ。違う、ちがう。

 

擦れた刺激はだんだんと、痛みにも近くなった。

カリカリと引っ掻き続けたクリトリスが、焼け付きはじめる。絶頂の間際でお預けを食らって、目が泳ぐ。探してしまった。スライムの欠片……きっとアレを飲み込んだらまた、媚毒に犯される、その甘美な蜜の味を。

 

ゾクリとした。

 

ビクッと肩が跳ねて「んっ♥」と、甘い悲鳴が喉を震わせた。

悔しい。恥ずかしい。でも、気持ちいい。情けなく快楽に喘ぐ自分の姿を思い浮かべて、快感の熱が僅かに戻ってくる。

 

「い、く……いくぅ。スライムの、なんかで、私。でも、きもちっ、気持ちいいの……。今だけ、今だけだから。ごめん、な……さぃっ。もっと、もっとぉ……♥ 乳首、クリも、痺れて……あぁぁ、ぁぁっ♥ きて、きちゃ……ぃぅぅっ」

 

言葉にして、煽る。

 

鈍っていた快感が、それで少しはマシになるのに気づいてしまった。

洞窟に響く自分の声に、何度も嬲られる。戦闘中でもなければ、きっと彼らにも聞かれていたかもしれない。情けなくて、みっともない私。他の誰にも見せたことがない自分の姿。

 

洞窟の向こうでは、まだ皆が私のために戦ってるっていうのに。

 

私はいま、どんな顔して。気まぐれだった。快感を煽れるなら、なんでもいい。

自分の痴態を正しく意識すれば、きっともっと気持ちよくなれるかもしれない。

 

「はぁっ、んっ。ふぅっ……ミロワール」

 

光を反射させるだけの魔法。空中に、小さな鏡が浮かぶ。

ああ、なんて酷い顔。だらしなく口を開いて、涙と涎で頬を濡らす。頬を真っ赤にして、凄く必死。口走った言葉は、形にすらなってない。私を見つけた彼らは、きっと口々に罵るだろう。指を指しながら、向けられる嫌悪の視線を想像した瞬間だった。

 

糸が切れたみたいにプッツリと、頭が真っ白になる。

 

「ぁっ……」

 

もっと派手にいくんじゃないか。そう、思っていたのにな。

実際は、小さく吐息を漏らしただけ。ブルッと体が震えたかと思えば、どっと押し寄せた疲労感に押し倒された。もしも本当に、見られていたとしたら。逆上した彼らに、私はきっと……。

 

崩れるように倒れ込む。座ってさえもいられなかった。

 

一体何を、やってるんだろう?

何も無い洞窟の天井を見上げながら、呼吸でさえもおぼつかない。徒労感が、疲れ切った体を覆っていく。あれだけ求めていた絶頂は、あっさりと通り過ぎていた。不完全燃焼。まるで、割に合ってない。終わってみれば、自己嫌悪でしかなかった。

 

濡れた股間が気持ち悪い。擦りすぎた乳首が痛む。

 

思った通りだ。

 

オナニーなんて、やっぱり。

 

でも。

 

思い返して、僅かに鼓動が高鳴った。

 

媚毒に犯されていたあの時間だけは、たしかに、私は……。

 

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