※この作品はR-18です。

少女Xスライム~女魔法使いにスライムを添えて~   作:霧里

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スライムからの愛撫(Hシーン2

 

__ポタリ

 

雫が、頬に落ちる。水にしては随分と粘っこい。それは__そう、それはまるで……。

 

「いやぁぁぁぁぁっ!!」

 

洞窟の向こうから、声が響いた。ボンヤリとしていた意識が、現実に引き戻される。絹を裂くような少女の悲鳴には、聞き覚えがあった。きっと、パーティにいたシスターの子だろう。優しくて、明るくて、いかにも女の子らしい。冷めた態度しか取らない私にも、分け隔てなく接してくれた子。

 

正直、嫌いではなかった。

 

おせっかいを鬱陶しいと思うときはあっても、おべっかを使われるよりはよっぽど気安い。助けられるものなら、助けたかったな。同時に理解したのは、私にはもう、挽回するチャンスが無くなってしまったこと。

 

今から向かって、間に合うもんか。

 

間に合ったとして、魔力の切れた魔法使いなんて、足手まといも良い所。私なんか放って逃げればよかったんだ。

 

「……バカ」

 

だけど、私のほうがもっとバカ。薄っすらと見下してさえいた。あの子さえ、私を助けるのを諦めなかったのに。彼女にできて、どうして私に出来ない理由があるのか。一度達してしまえば、こんなもの。不満を残しながらも、ようやく外に意識を向ける余裕ができる。

 

杖さえ、あったら。

 

そこに残った魔力を使って、彼女一人くらいは助けられるんじゃないか。

まだ、生きていればだけど。諦めるのは、せめて確かめてから。こんな所で不貞腐れている暇なんてない。立ち上がろうとして、でも手足が動かなかった。

 

「ぇ?」

 

地面に倒れ込んだ時のまま。

どう頑張ってはみても、手首と、足首の先から動かせない。視線を投げたその先には、ベッタリと、薄青い粘液が纏わりついていた。右手は縛られ、左手は完全に飲み込まれてる。つま先が、濡れていた。ブーツの先を溶かしたスライムは、靴の中にまで流れ込んでくる。

 

分からない。

 

全部、吹き飛ばしたつもりになっていた。ほとんどの魔力を放出してまで、こんな無様を晒す。体勢を整える暇も、すっかりオナニーで消費してしまっていた。

飛び散った体を纏め上げたスライムは、私よりも早かった。これも、経験の差なんだろうか? 勝った気になって、良い気になって。いや、ダメだ。後悔も、反省も後でいい。対処のほうがずっと先。

 

「アウスっ!」

 

半端に残った魔力を右手に集めて放出する。そこでも、また間違える。

咄嗟に、利き腕を解放してしまった。強引にスライムを吹き飛ばすなら、完全に飲まれてしまっている左が先。何とか半身を起こすことは出来ても、左手にへばりつくスライムを引き剥がしきれない。

 

もたついている間にも、ブーツの中を満たしたスライムが這い出してくる。

ふくらはぎを伝い、膝に絡まり、ぐっと足を広げられた。刻々と追い詰められていく。一つ、二つ、三つ……。時間は私の味方をしない。焦る。左手を引っ張り、足をバタつかせ。確かめられたのは、自力じゃ抜け出せないということだけ。

唯一、自由に動く右手を、どう扱っていいかも分からなくなっていた。

 

じっとりと、粘液で濡れた肌が熱を訴える。

スライムよりも早く、麻薬のような陶酔感が這い上がってきた。意地だけでどうにかなるものじゃない。心と体は不可分だった。性感に耽る心地よさを、身を持って知ってしまった。

 

もう、わかったから。また、あんなのは。

痴態を晒し、見下される自分を想像しそうになった。頭を振って、理性を叩き起こす。発情を抑える薬があれば。媚薬についての理解も深めておかないと。次は失敗しないように……。

 

次。

 

そう、次。

 

その次があればの話。皮算用ならまだよかった。足りないものは補える。

でもそれが、無いものねだりだったとしたら? 何処にもないものをどうやって。

 

忘れてたんだ。

 

考慮にも入っていなかった。私が失敗するわけ無いと、本気で信じてた。

失敗した冒険者の末路なんてロクなものじゃない。だって、最低限生きて帰れれば、成功と呼べる世界だから。それでようやく次に活かせる。本当の失敗は、それすらも許されない。

 

「……ひぅっ!?」

 

悲鳴が、喉に詰まる。心臓が、一瞬で凍りついた。

ひんやりと、程よく冷えたスライムの塊。それはまだ、手に乗るボール程度の大きさで。

 

__ベチャっ

 

潰れた水音は、弾けるというほど軽くはない。洞窟の天井から、お腹の上に落ちてくる。すぐに、振り払えれば良かったのかもしれない。スライムが、私の肌にへばり付くその前に。

 

でも、出来なかった。

 

お腹を殴られたような痛みと衝撃に、体が竦んでしまう。

また、口を塞がれるんだろうか? 一瞬でも、その先を想像してしまったのもまずかった。媚毒を塗り込まれて、飲まされて。

 

__ゴクリ

 

何を、私は何を飲み込んだんだろう。

期待なんかしていない。でも、不満を残したまま、終わってしまったのも確かだ。アレ以上? その片鱗は既に味わってしまった後。そんなことがあるもんか。もし、そうなら私はきっと。

 

「いやっ! 離れて、気持ち悪いっ、このっ、このっ!」

 

そんなの、間違ってる。自分に言い聞かせるように声を上げた。

唯一、自由に動く右手で、スライムに爪を立てる。だけど、不定形な体に引っ掛かる所なんて何処にもない。爪が滑り、指が沈んで、濡れた指先がじんわりと熱くなった。

 

くすぐったい。爪の隙間がピリピリと痺れだす。

慌てて指を引き抜いた。せめて、両手が使えたら。お腹の上からスライムを押し出せたかもしれないのに。力の均衡は、あと僅かに傾かない。

 

息を止めて、思い切り、頭に血が上るほど力を込める。それも長くは続かなかった。ゆっくり、ゆっくり……ジリジリと。お腹の上から、胸元へ。押し止めようと、塞いだ右腕の下をくぐり抜けられ、薄い谷間に流れ込んでくる。

 

「いやっ、やだぁ……っ」

 

首筋を反らし、顔を背けて、少しでもスライムから口元を遠ざけた。

谷間を抜けたスライムが、鎖骨の窪みに沈み込む。そのまま指先を伸ばすようにして、あごの下を這い上がってくる。

 

我慢できなかった。

 

耐えられなかった。

 

あとちょっと、もうちょっとだったのに。

 

唇をなぞられた瞬間、鼓動が跳ねた。

甘いんだ。最初に口に含んだときより、ずっと甘く感じている。まだ、舌に触れてさえいないのに。引き結んだ唇の奥で、舌先が歯の裏を舐めていた。まったくの無意識。思い当たった思考の欠片に、ゾッとする。

 

「っ!」

 

スライムの全部を吹き飛ばせなくてもいい。

けれど、次の魔力が溜まるその前に、スライムが私の口の中に入るほうが早いだろう。また、飲み込むなんて。そんな無茶をやれるだけの余裕は残っていなかった。

 

せめて、左手だけでも動かせるようになれば。

まだスライムが小さいうちに。両手が自由になれば、私にも引き剥がせるかもしれない。鼻から息を吸い込み、思い切って唇を開く。

 

瞬間。

 

体内で励起した魔力は、急に萎んでいった。

 

何が起きたのか。自分でも分からなかった。口を塞がれたわけじゃない。

呪文を紡ごうとした一瞬、頭の隅で火花が散っただけ。だけど、その一瞬が致命的だった。中途半端に拡散した魔力は、スライムの体内に消えていく。力を増したスライムは、胸元を抑えていた右手を端へと追いやって、私の体を無防備に開いていった。

 

あぁ……

 

あぁ……

 

気付かなかった。

 

ずっと顔を背けていたから。唇を守ることだけに必死で。

見下ろした私の体。薄い谷間に流れ込んだスライムは、膨らみの袂を覆うように広がっていた。伸びた触指は、だけど垂れ落ちてはこない。重力に逆らって、小さな雫が膨らみの先へと届く。

 

胸が熱い。

 

心臓がドキドキする。

 

スライムの粘液で濡れた肌は火照りだし、言いようのないもどかしさを訴えた。

強制的に性感を増幅されている。媚毒に犯される心地よさが脳裏を過ぎった。

きっと、体が震えたのは恐怖からだけじゃないはずだ。

 

雫が糸を引きつれ、伸びたスライムの触指が乳首に触れる。

 

そう、触れているだけだった。

 

まだ、何をされた形跡もない。

 

右手はスライムに絡みつかれていた。左手は貼り付けにされたまま。

右足も、左足も、無意味につま先を むずがらせるのがやっとだ。

 

見ているだけ。

 

何も、出来ないの?

 

自分の乳首がスライムに嬲られる瞬間を、固唾をのんで見守っていた。

悔しさに溢れた涙すら、拭えない。鼓動の音に合わせて、薄青いスライムの体表がドクドク揺れる。やめて、やめて、触らないで。いま、触っちゃ、触られたら。

 

惨めだ。

 

懇願を、口にすればするほど、スライムなんかに負けた自分を正しく認識してしまう。こんなはずじゃなかった。こんなの間違ってる。悪夢を振り払うように頭を振っても、現実は何も変わらない。

 

__ドロリ

 

縮こまった乳首の周りに、スライムが流れ込む。ヒヤリとした冷たさも長くは続かない。一度は振り払った感覚が戻ってくる。中途半端に昂っていた体は、スライムの愛撫を簡単に受け入れた。肌を浮かれさせる媚毒の熱が、恐ろしいくらいに馴染んでいく。

 

達したつもりで、ダメだった。

あんなのは、積み重なった疲労で緊張の糸が切れただけ。

期待していたものじゃ、全然ない。それを蔑んでいた頃の私が、思っていた通り。

他にやることがない人の、手慰みでしかないと。だけど、これは……。

 

スライムの触指が乳首を包む。甘い痺れから目を離せない。どうしようもなかった。モゾモゾと背中を揺らしても、快感を誤魔化すどころか、悪戯に自分を煽っているだけ。

 

気持ちがいい。

 

同じ、触れるだけなのに。

 

自分で触るよりも、スライムに触られている方が何倍も。

心地よさが全身を包み込む。体から力が抜けていき、吐息が口の端から漏れ出した。

 

「ぁっ……」

 

唇、閉じないと。快感の余韻を振り切ろうとして、私はそれに逆らえない。

下あごに力が掛かる。引き結ぼうとした唇に、上手く力が入らなかった。艶めかしい吐息が立ち上る。クイッと、口を大きく開かされ。

 

__ドロリ

 

下唇を乗り越えて、スライムが口の中へと流れ込んできた。

「んっ、んっ!?」もう、迷ってなんかいられない。噛みちぎったスライムの欠片を、咳き込み、舌で追い出し、それでもだ。歯の隙間から次々入り込んでくる。口の中いっぱいに、水風船のように膨らんで、私の口はこじ開けられた。

 

まるで、大きな棒を咥えさせられたみたい。

重たい甘さが舌に乗る。開きっぱなしの下あごが、だんだんと痺れだした。

頬が一気に赤みを増して、耳の先が火傷しそう。

 

__ジュルリ、ジュルリ

 

口の中でスライムが蠢く。体表を濡らす媚毒は、その量を増して喉を塞いだ。

飲み込むわけには……。だけど、苦しい。興奮を思い出した心臓は、ドクドクと血を巡らせる。乱れた自分の吐息に首を締められ、鼻だけで息をするのも限界だった。

 

「んっ、んふっ!? っ、っぁっ!!」

 

逆流した粘液が、鼻から飛び出した。染み入るような刺激に、涙が溢れる。

飲み込みたい。欲望が大きくなる。甘ったるいその匂いに、頭がクラクラした。

飲み込めば、もっと気持ちがよくなれるから。一度味わった快感は、そこに焼き付いたまま。グルグルと、お腹が鳴り始める。

 

それで、何が変わったんだろう?

 

喉を塞いでいるのは、スライムの体だ。滲む粘液は止まらない。口の中に収まりきれなくなれば、自然とそこへ流れ込んでくる。我慢した所で、ただただ苦しいだけだった。つぅっと、糸を引くように、首筋が、その裏側が熱くなる。胸に広がり、胃に落ちて、大きく吐いた溜息が、鼻から抜けていく。

 

ぁぁ……

 

ぁぁ……

 

声を出せたら、きっと私は。

 

スライムの体表が波打ちながら、胸の膨らみを覆い尽くす。じわじわと媚毒が肌に染み入り、だんだんと昂ってくる鼓動を無視できない。伸びた触指に乳首を転がされるだけで、頭の中まで掻き回されるみたいだ。

 

気持ちがいい。

 

思考が鈍り、視界が霞む。頭の奥で火花が散る度、ゾクリと背筋が震え上がった。

絶頂の予感。胸への愛撫だけでイカされる。自分を慰めることも出来なかった私が、スライムなんかにイカされる。そんな情けなくて、みっともないのは……。

 

何も、させてもらえない。

 

口は、塞がれてる。地面に呪文を描こうにも、指先はスライムの中で溺れたまま。

どうすれば、私たちを無力化出来るのか。私が知っている彼らのことより、彼らの方がよっぽど私を熟知していた。

 

知恵ではなく機能として。

 

この間、学校を卒業したばかりの私とは、まるで経験値が違いすぎる。

生きるのに、必死だっただけ。彼らがしてきたのは、お勉強じゃなくて、生存競争だったんだ。

 

勝てない……の?

 

慎重さを欠いた私は、見事に足元をすくわれる。

そこから、どうしていいか分からない。学院では、立ち上がり方にすら答えがあった。想定の範囲外。スライムに拘束されたときの脱出方法なんて、知らない。

習ったこともない状況への対処がまるで、思いつかない。

 

__ギュっ

 

乳首を絞られる。その瞬間、後悔が溶けた。

喉に詰まった悲鳴が、鼻から抜けていく。全身に広がる甘い痺れ。火照った肌から沸き立つように、汗が吹き出す。背筋を反らして藻掻く私を、だけどスライムは離さない。四肢を拘束されたまま、愛撫を受け続ける。快感から逃れようと胸を揺らしても、スライムの体表が波打つばかりで、どうすることもできなかった。

 

彼らのほうが、よっぽど上手いんだ。

 

女の悦ばせ方。私は自分一人、満足させられなかったのに。

乱暴にこねくり回すだけだった。傷ついた乳首は、薄っすらと痛みすら発していて。ヒリつくその痛みすら、彼らは快感に置き換えた。

 

縮こまる乳首を優しく嬲る。媚毒を使うなんて、ズルい。

我慢比べも、限界。胸に広がった体表は穏やかに揺れ動き、誘いに乗った乳首は、見る見る膨らんでいく。敏感になった肌は赤く染まって、汗の雫すら感じ取ってしまう。

 

でも、それが彼らの機能としてあるなら?

 

女の体に、快感を受け入れる機能があるみたいに。使えるものを、使っただけだ。何も対策してない私が悪い。スライムが出ること。魔物化した後の特性。自分が女であることを意識してなかった。媚毒を持つ魔物への対策は、絶対的に必要だった。出来ることは、いくらでもあったのに。

 

不意に力が抜けて、背中から沈み込む。

 

また、この感覚だ。ブルッと体が震えたかと思えば、疲労感がひっくり返る。

ずっと、そうしていたい。虜になるほどの心地よさ。多幸感に包み込まれて、抵抗することさえ忘れさせる。

 

どうして、こんなこと?

 

女性に快楽を与えるだけで、どうしようっていうんだろう?

薄ぼんやりと、溶けた思考に浮かんだ答えは一つ。

 

捕食だ。

 

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