人間と、魔法使いの体に大きな差なんてない。
魔法を使うだけなら、普通の人にだって出来る。唯一違っているのは、体内で魔力を生み出せるかどうか。要は才能。体質の話でしかない。
女で、子どもで、魔法使い。
外から魔力を供給し続けなければ、消えてしまう、スライムみたいな魔法生物にとっては、この上ない獲物だったろう。
私で何人目?
どんな生き物でも、少なからずの魔力はある。
生きてきた時間だったり、体の大きさであったり。個体によって加減はあっても、人くらいになれば、スライムにとっては十分すぎる。
最初は偶然だったのかもしれない。それも、だんだんと見分けがつくようになる。
選ぶことを覚えた後には、残るのは効率だけ。無力化して、魔力を奪う。でも、それは殺すこととイコールじゃない。食事を取らなければ死んでしまう。その点に関しては、人もスライムも違いはなかった。
なら、自ら魔力を生み出せる魔法使いはどうだろう?
いくらでも殺すチャンスはあったのに、彼らはそうしなかった。
いまだってそう。捉えた魔法使いを、生かさず、殺さず。何のために、快楽を……。この快感が、次いでだとは思えなかった。
「んっ……!?」
思わず、足を閉じた。
おヘソを下ったスライムが、鼠径部の溝に流れ込んでくる。
閉じた太ももの隙間が濡れていたのは、粘液のせいだけじゃなかった。あったはずの服がない。いつの間に、溶け落ちたんだろう? 擦れあった肌が、ヌルリと滑る。防御魔法の張られたローブですら溶かされたんだ。ただの服なんて、彼らには邪魔にもならない。
モジモジと……
それは、焦がれるみたいだった。
サワサワと……
それは、唆すようでもあった。
鼠径部が形作る頂点に、溜池が出来る。太ももとの境で、スライムが波打った。
正しい呼吸と、一定の鼓動。それが、効率よく魔力を生み出すためのコツ。要は常に冷静でいること。それとは別に、命の危機や、感情の高ぶりによっても魔力の多寡は大きく跳ねる。普段なら絶対に頼らない方法だ。コントロールを失って、自滅する確率のほうが滅法高い。
そっか……。
快感、でもいいんだ。
空っぽだった魔力が僅かに戻る。それは、自然に回復するよりずっと早い。
同時に、感情の波を抑えられない自分を恥じた。気持ちいい。頭に浮かんだ言葉は呪文じゃない。お腹が熱い。肌が火照る。血に乗って巡る魔力は、確かに私の意識を引き上げた。不本意だけど、今はこれを利用するしかない。
歯を食いしばり、藻掻く。
手を握りしめ、つま先が縮こまる。背中を反らせて、腰を踊らせた。だけど、どれだけ暴れても、スライムを振りほどけない。今度は、噛みちぎれもしなかった。
指でもいい。つま先だって。お尻で呪文を描こうとしては、尻餅をついて潰してしまう。
太ももの境に溜まっていたスライムが、ドロリと地面に垂れ落ちた。濡れた肌が冷える以上に、快感の熱が肌を火照らせる。擦り合わせていた太ももが離れ、その隙間には透明な糸が引いていた。
それは橋を作り、雫を作って。
__ポチャリ
スライムの体が波打った。まるで、喜んでいるように。
落ちた雫が分からない。きっと、彼らの粘液のはずだ。なのに、どうしても。
私の愛液だったんじゃないのか。そこに含まれる魔力は、一体どれだけだったのか。そんな想像を、否定しきれない。
太ももの隙間が広げられていく
持ち上げたまま、腰が動かせなくなった。
見下さなくても、見えてしまう。下半身に纏わりつく、スライムの薄青い体表。
腰に、太ももに。膝に、ふくらはぎにも。絡みつかれた私の体を、操り人形みたいにして。唯一、自由に動かせたのは、つま先だけ。それも、ギュッと握りしめるのがやっと。
ドロドロに濡れた私自身。
一本、二本、三本と。そこに伸びるスライムの触指が私に触れると、そっと割れ目の筋を撫でていく。
腰が甘く痺れる。
指先が解け、つま先が開いた。体が熱くなるほどに高まっていた魔力の流れが、引いていく。違う。吸われてた。彼らの触れている所。唇に、口の中。胸の膨らみと、乳首の先。快感を強く感じる場所。それが、一番強いのは……。
「んんんぅぅぅぅっ!!」
バカみたいに首を振って、今にも目が回りそう。肩をすくめて、腰が跳ねる。
叫び声も上げられないのに、嬌声が頭に響いてしょうがない。こんなのなければいいのに。子どもを作るためにも使わない。快感を得るしか能のない。私が感じやすいんじゃない。こんなことされたら、誰だって。
包皮が捲くられていく。根本を締め付けられ、押し出されるように。
無防備に晒されたクリトリスは、ただそこにあるだけで もどかしい。触れたら、きっと気持ちがいいんだろう。下着越しじゃない。今度は、直接。媚毒に塗れたスライムの触指にならもっと。
嘘のように、力が抜けていく。
昂った快感と一緒に魔力が吸われて、私の心は宙ぶらりん。
イッた。イッたはず。少なくとも、自分で慰めるよりはいい。多幸感に足を取られはしても、どうしても物足りない。
乳首で感じた絶頂。
クリトリスなら、それはもっとすごいんだろう。
だけど、拍子抜け。どこかで期待しなかったはずもない。
不満が積り、心が乱れると、空になった魔力がまた少し。そっか、そうなんだ。
どうして、こんな回りくどいこと。魔力を得るだけなら、ただ殺せばいい。
死ぬ間際の抵抗でも、きっと彼らには十分過ぎる魔力を得られたはず。
それだけなら。
でも、そうじゃない。
いつ獲物がくるかも分からない、洞窟で見つけた最上の獲物。
バカな女魔法使い。それを、逃さない手はなかった。私がスライムでも、きっと同じ事を考える。
それこそ、バカだ。
彼らに、そんな知能があるわけ。
力なく、首を振る。溢れた涙が視界を歪ませた。そうやって見下すから、私は。
心は冷えるのに、体は熱い。大切に仕舞っていた訳じゃない。女ってだけで舐められるなら、男に生まれたかったと思ったこともある。けれど、いざ失くしてみると、自分の女性が急に惜しい。こんな風に奪われていいものじゃ、決して無かったはずだ。
下腹部に広がる違和感。
__ドロリ
開かれた割れ目の奥に向かって、流れ込んでくるみたい。
不定形なスライムは、私を傷つけることはなかった。それでも、居心地は悪い。指の一本だって差し込んだこともない。正真正銘の処女は、異物をただそうとしか受け入れない。
体の内側から舐め回されているような薄気味悪さに、ゾクリとした。
快感の残り火が消えていく。媚毒の効果がなければ、痛みだってあったはず。それでも、彼らは私への愛撫を止めなかった。見たくない。そっと、現実から目を逸らした。入り込んできたスライムは、愛液を吸い上げながら、少しずつ膨らんでいく。まるで……そう、まるで。
浮かんだ言葉を振り払う。
考えたくはない。見たことだって。せいぜいが、犬や、馬の。
肉の棒。その塊に、広げられていく、私。掻き出され、押し込まれる。隙間から溢れた粘液は、トーストにのったバターのように溶けていく。火照った肌に染み込んで、さらに熱を生み出した。
スライムの動きに合わせて、体が揺れる。
ゆっくりと、決して激しくはされない。
知っているんだ。乱暴にした所で、快感は遠ざかるだけ。
焦る必要はなかった。媚毒に塗れた少女が、自力で抜け出せるはずもない。口の中に溜まる粘液をコクリと飲み込んだ。頭がぼやける。平静は溶け切り、呪文の一つも浮かばなくなった。宥めすかす鼓動は私を振り切り、全身へ快楽を運んでいく。
気持ち悪い、そのはずだ。
だけどそれは、残った理性が発する警告でしかない。
大きくなっていくストロークは、浅い所から深みに嵌っていく。僅かな痛みに喉が詰まった。ささくれを引かれるような感覚に、腰が引ける。薄皮一枚。私を守るには、あまりに脆かった。
__ぷつ
音すら聞こえない。
ヌルリと、愛液の溢れた膣は異物を拒めない。スライムの粘液が、それをさらに後押しする。お腹に、力を入れることすら出来なかった。顔をしかめる程度の痛みは熱に変わって、それすらも快感にくべられていく。
悔しい。
心が潰れるほどの後悔も。感情が大きく動くほど、生み出された魔力は彼らの方へ吸い寄せられていた。奪い返そうと、自分の体に意識を向けても、快感を感じるたびに、気を散らされる。
出来ることなんて、なにもない。
捕まった時点で、終わってた。
女の体が、彼らに都合が良すぎるんだ。童貞を失くすより、処女を奪われる方が、感情の波はより大きい。男のように、果てて終われない。一度絶頂を迎えても、また次がやってくる。涙のひと粒から、悲鳴に至るまで、彼らに吸い上げられていく。それは、私だって例外じゃない。処女を奪われた衝撃は、どうしたって心を乱す。
苦しいのも、気持ちがいいのも、お腹に詰め込まれ、かき混ぜられる。
訳も分からなくなって、ただ藻掻いた。背中が地面に擦れて、薄い肌に傷がつく。
その痛みだけが、唯一の繋がりだった。スライムなんかに、負けてない、負けたくない。意地を張って、歯噛みする。歯ぎしりさえ出来なくても、思い通りになんて。
あ……。
見られてた。
頬に落ちた雫を追って、天井を見上げてしまう。
そこには、いっぱいの薄青い粘液が広がっていた。あの時とは正反対。卒業式の日。壇上から見下ろしていた私は、今や見下される側だった。それも、スライムたちに。目玉が付いてるわけじゃない。それでも、一つ、二つ、三つ……。幾重にも注がれた彼らの視線が、私を舐めた。
羞恥心だったのか。敗北感だったのか。
見られていることに気づいた私の肌は、かぁっと熱くなる。少しでも、視線から逃れようと身を捩った。けれど、肌を隠すどころか、纏わりつくスライムは、まるで彼らに見せつけるように、私の体を開いていく。
両手を、両足を。背筋を反らされ、胸が揺れた。
開いた割れ目には、半透明の肉棒が挿し込まれ、中が透けて見えそうだ。
「んっ……!?」
ぐっと、突然にお腹を突かれて、慣れない刺激に腰が持ち上がった。
乳首を絞られたとき、クリトリスを直接触れられたとき。強すぎる快感は、痛みにも近い。私の中で、スライムは形を変える。ぐっと、ぐぅっと。まるで、まだ奥があるみたいな。
ゾッとして、息を呑む。
内側から押された下腹が、それらしく膨らんで見えた。
膣の、さらに奥。まさか、スライムを孕むなんてこと、あるわけない。
彼らの増え方は、基本的に自己増殖。単為生殖だといっていい。女の腹になんて興味あるわけ。
ありったけの知識が、頭を駆け巡る。
思い描いた最悪の想像を、けれど否定する材料はどこにもない。
だって、私がスライムなら、きっとそうするから。
死にたくない。原始的な欲求を叶えるのに、これ以上の場所はなかった。女の魔法使いの腹の中。快感を与えてやれば、勝手に魔力が供給される。増殖するなら、この上ない巣穴だ。増えたスライムを、股から生み出す。それは、身ごもっているのと、どれほど違うの?
強くまぶたを閉じて、頭を振った。
頬を舐められ、零れた涙も彼らの中へと吸い込まれる。
慣れていくんだ。
私の呼吸に合わせて、抽挿がリズムを作る。重くなった下腹が甘く痺れた。
乳首とクリトリスの刺激を重ねられ、快感の受け止め方を覚えこまされていく。
そこにはもう、違和感なんて残ってない。ご飯を食べすぎたときよりも、膨らんだお腹があるだけだ。中で波打つのが、外からでも見えてしまう。
気持ちがいい。
認めてしまえば、きっともう。
頭の裏で、火花が何度も弾けていた。
意識が白んで、力が抜ける。絶頂にも近い快感は、だけどそこには届かない。
魔力と一緒に、快感までスライムに吸われてた。中途半端に達したまま、快楽の熱は一度下がる。
ニ度、三度、再び快感を高めても、それは変わらない。
堪らなかった。
耐えられなかった。
確かに、達しているはずなのに。本当に、生殺し。もっと……。スライムが、一度に吸いきれないくらい。もっと強い刺激が欲しい。知らず、知らず、お腹を見つめていた。
まだ、入口は閉まったまま。
こじ開けようとすれば、出来るはずなのに、どうしてしないの?
胸の膨らみを、ぎゅぅっと潰された。浮かれ上がった乳首をさらに絞られ、目の前がチカチカと明滅する。一瞬の絶頂は、掠めるだけ。ギリギリの所で、乳首の先から抜けていく。まるで、母乳を吸われているみたい。まだ、生んでもないのに。
そう遠くない未来を想像して、背筋が震え上がった。
ぐぅっと、お腹を押される。同時にクリトリスを転がされて、腰が慄く。
奥を突かれて、掻き出された愛液が飛び散った。持ち上がった腰から、下腹部を伝い、おへそに溜まる。表からも、裏側からも、媚毒の混じった愛液が、快感を更に押し上げた。
きもちが……
きもち、よくなんて。
快感を覚えた子宮口は快楽を滲ませ、口を開きそうになる子宮を、必死で抑え込む。__カチン。大きな音が頭に響いた。口を塞いでいたスライムが、弾けて溶ける。どうせ、噛み切れるわけがない。安心しきっていた。悔し紛れ、スライムの体に思い切り歯を立てた瞬間だった。
__コクリ
驚いて、喉が鳴る。
「けほっ、けほっ……!」
飲んじゃった。慌てて吐き出そうと えづいてみても、千切れたスライムの体は、喉の向こうに落ちていく。ストンっと、お腹が重たくなる感覚。最初に彼らを飲み込んだときと同じ。媚毒を含んだ粘液がお腹を満たし、快感の熱が一気に__。
声が、震えてた。
今なら、魔法を唱えられるのに。
呪文が、一つも浮かばない。代わりに、口にできない言葉が、いくつも溢れかえる。
いわせ……たいんだ。
分かる。
そうだよね。
私だって、そう。
頷いて、受け入れる。お腹を満たす絶望は、きっと彼らだって一気に吸えないだろう。それで、私もようやく絶頂できる。イキたい、イキたい。そんな自分に、嫌悪すらしていた。感情の波が大きくなるほど、快感の予感は強くなるばかり。
スライムの動きに合わせて、腰を泳がせる。
掠めるだけじゃイヤ。もっと押し付けて。このまま挿ってくるんじゃないか。
乱暴なくらいで丁度いい。心が震え上がるほどの、感情が欲しくて堪らない。腰を落とし、背筋を反らせて、もうバカみたい。みっともない自分の姿は、さらに私を興奮させていた。
そこ、もうちょっとだけ、強く触れられたら。
イきそう、やっと、絶頂できそうで。
__ピンっ
クリトリスを弾かれた。突然の刺激に、意識が飛ばされる。
一瞬の空白。大切に温めてきた絶頂の予感は、急に萎んで、スライムの中へと吸い込まれていった。
「あっ……あぁぁぁ。いや、やだぁぁっ、もう、もうっ……ぅ」
鼻の奥が、焦げ臭い。
頭が、壊れる。
イキたいのに、ずっとイカせて貰えない。
私の中で、スライムが大きく膨らんだ。そのまま一気に押し付けて、彼らの全部を注いで欲しい。衝動が、知らず知らずに、腰を持ち上げさせる。胸を掻き毟りたい。だけど、開かされた両腕はスライムが張り付いたまま。蹴り出した足は、空を切るばかり。
最悪で、最高の瞬間だった。
「いって……」
唇が、ワナワナと震えていた。紡ぐ言葉は、魔法の呪文とは程遠い。
「きて、入っても……いいから。いかせて、お願いっ、お願いっ。これ以上はもうむり、魔力っ! 全部……あげるから、吸っていいから。貰って、貰って下さい。子どもだって作るからぁ。だからっ、だからぁ……っ!」
お腹が大きく膨らんだ。おヘソの手前から、おヘソの真下に。
口を開いた子宮口は、美味しそうに彼らを飲み込んでいく。ゴクリ__ゴクゴク。もう、止まらない。止められない。
「……あはっ♥」
口元が緩んでいた。
予想通り。一気に燃え上がった快感は、私に向かって逆流してくる。
彼らと、一緒。皆で快楽に溺れていくのが心地よかった。気持ちいいから、気持ちよくなって。気持ちよくしてあげるから、気持ちよくして。
全部。
全部だ。
全部が抜け落ちた。
プライドも、何もない。
そこに残っていたのは、スライムに取り憑かれた私だったもの。
薄笑いを浮かべて、快感を夢見るだけの少女……。こんなの見られたら、首席どころか、落第だ。
私の中から、スライムが抜け出していく。
ようやく終わった。心地よさと安堵の中に、ちょっとした寂しさも混ざる。それはきっと、隣に恋人が入れば解消できたのかもしれないけれど。私を包みこんでいたのは、形さえ不確かなスライムだった。
「……あひっ♥」
抜けて出たはずのスライムが、勢いよく私の中を遡る。
奥まで突き抜かれ、快楽にまどろんでいた私を、一気に目覚めさせた。
「あ、なんで、まって。いま、はっ。うごいちゃ。一杯吸ったでしょっ、魔力……全部上げたのに。なんで、またっ」
さっきまで、あんなに優しかったのに。
今度は貪るように私の体を求めてくる。絶頂の後、敏感になっていた体は、すぐに熱を取り戻す。一気に快感は高まって、その瞬間、スライムの中へと吸われていった。
きっと、彼らも物足りないんだ。
一気に魔力を吸い込んだせいで、驚いているのかもしれない。さっきと同じか、それ以上の魔力をせっついてくる。だけど、中途半端な絶頂ばっかりじゃ、私だって魔力を作ってあげられない。
耐える。
耐える。
耐える。
絶頂が。それしか考えられなくなるくらい。
スライムたちは、思い思いに私の肌に体を擦り付けた。背筋をなぞられただけで、意識が飛びそうになる。塊になった肉棒を握らされると、指先ですら性感を奏で始めた。
せっかく、溜めた快感も流れ出す。
我先にと魔力は貪られ、中途半端な絶頂を何度も繰り返していた。
そんなんじゃ、全然足りない。もっと強い感情がいる。単純な刺激じゃ、もうだめ。私を壊すくらいで丁度いい。
たとえば、そう。生き物がもっと強く魔力を放つ瞬間。
火事場の馬鹿力と、名前がつく一瞬の輝きなら。先に動いたのは彼らの方だった。
痺れを切らしたのか、私の意図に気がついたのか。細く伸びたスライムが、首筋に巻きつき、それはヘビのようにトグロを巻いた。
__キュッ
息が……止まる
あまりの苦しさに身悶えた。首を掻こうにも、スライムに囚われた両手は動かせない。目が霞んで、いよいよ死んじゃうんじゃないか。下手くそ……。そんなんじゃ、殺しちゃうでしょ。まぁ、でも。もう、それでも……。
意識が遠のき、快楽の入り混じった微睡みに瞼が落ちる。
同時に、お腹の奥を突き上げられた。
「かはっ!? あ、あ、あ、あっ、あぁぁぁぁっ!!」
死を意識した瞬間、快感の火花が散った。
爆発した魔力が一気に溢れ出す。お腹の奥でゴクゴクと。彼らは魔力を啜って、私はようやくの絶頂に息を吹き返した。
本当に、殺される。
逃げ出すなら今しかない。
死ぬほどの快感は、十分過ぎる魔力を生み出した。彼らも、まだそれを吸い切れてはいない。__ドプっ。頬に、胸元に、粘液が降り注ぐ。白く濁った魔力の残滓。あまりの量を吸い込みきれずに、スライムは末端から魔力を吹き出しながら崩れていく。
拘束が、緩む。
口だって、塞がれてない。
今なら、魔法生物だけを殺す魔法だって唱えられそう。
負けっぱなしの私が、唯一勝てるとしたらここしかない。
「っ、ぁ……ぅぅ……んっ」
なのに、私は鼻を啜っただけ。
喉元まででかかった呪文は、声にすらならない。
もう一度。首筋に巻き付いた彼らは、またゆっくりと締まっていく。
絶頂できなくなれば、本当に殺されるんじゃないか。首に手を掛けた私は、だけど何もしないまま。薄っすらと微笑んですらいた。自分から顎を持ち上げ、首筋を差し出すように。スライムの体表をそっと撫でる。
息が止まり。
意識が遠のく。
ピンっと伸びたつま先が、ダラリと落ちた。
「んぎぅっ!」
まるで、心臓マッサージ。死にかけた私は、子宮口を突き上げられて目を覚ました。ドッ、ドッ、ドッ__。激しい抽挿に上手く息も吸えないまま、ただ藻掻く。背筋を反らし、ガクガクと腰を震わせる。押し入ってきたスライムに、お腹が膨らんでいった。勢いよく魔力を吸い上げられながら、目まぐるしい快感に身を焦がす。
絶頂。
乳首からも、クリトリスからも。全身、スライムが触れてる所全部が、気持ちいい。白く濁った魔力の残滓が端々から吹き出して、私の体を汚していく。
お腹が大きく波打った。崩れたスライムと一緒に、白濁色の汁が割れ目から流れ落ちる。
これだ。こうして欲しかった。
オナニーしてたときも感じていた違和感。完璧な自分を貶めたとき、どうしてか心が疼く。
今に殺されかけたっていうのに。
スライムに犯されてるっていうのに。
私より弱いスライムなんかに、私の全部を明け渡す。綺麗なガラス瓶を、叩き落としたみたい。滅茶苦茶になった心は、出鱈目な魔力と一緒に、最高の快感を噴き上げた。
「ぁっ……ぁぁ……」
皮肉。
かな?
望んだ快楽の果て。その終わりはあっけない。
やっぱり、スライムはスライムだ。あんまりな量を吸い込みきれず、蒸発してしまった。私を見下ろしていた視線も、今や何処にも見当たらない。
嘘のような静寂に取り残される。
戦闘の音も、とっくに聞こえなくなっていた。
一人、洞窟の暗がりに放り出された私は、どうしていいか分からない。
街に戻ることも、パーティーの生き残りを探しもしない。ただ快楽の余韻に吐息を漏らし、薄っすらと微笑むだけだった。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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