負けヒロインが多すぎる!〜八奈見さんの空腹対策(精液補給)から始まる、文芸部と生徒会の狂信ハーレム〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
放課後、校門を出た俺、温水和彦は、いつもとは違う緊張感を胸に抱きながら足を進めていた。
目的地は、生徒会長、馬剃天愛星さんの自宅である馬剃邸。
名目は生徒会の実務や今後の校内風紀の相談という点になっていたが、わざわざ放課後に自宅へ招かれるという状況だけで、心臓の鼓動がわずかに早くなるのを感じる。
向山大池公園の緑と溜め池の気配が近くに漂う住宅エリアを通り、馬剃邸に到着してインターホンを鳴らす。
間もなくして扉が開き、姿を現したのは、学校でいつも見かけるきちんとした生徒会の制服姿の天愛星さんだった。
「お疲れ様です、温水さん。どうぞ、入ってください。……弟は今、自分の部屋にいますから、大きな声は出さないでくださいね」
「あ、はい。お邪魔します……」
玄関を上がり、静かなリビングへと案内される。
奥の部屋からはかすかに弟さんの気配が感じられ、家の中に家族がいるという特有の密室感と緊張感が漂っていた。
リビングのテーブルに資料を広げようとしたその時、視線は制服姿でピタリと止まった。
学校での厳格な生徒会長を象徴する、綺麗にリボンが留められた固い制服。
「……あの、天愛星さん」
「はい? なんですか、温水さん」
「突然で申し訳ないんだけど……着替えてくれないかな?」
「えっ……!? き、着替える……って、どういうことですか!?」
唐突な申し出に、目を丸くして困惑の声を上げた。真剣なトーンを崩さずに、脳裏に焼き付いている「あの日の記憶」を言葉にする。
「前に二人で出かけた時のこと、覚えてる? あの……白い襟が特徴的な、紺色のワンピース。親戚の結婚式に出席するみたいな私服。あの姿に、着替えてほしいんだ」
「っ……!? あ、あの時のワンピースですか……っ!?」
具体的なリクエストを聞いた瞬間、顔がみるみるうちに爆発しそうなほど真っ赤に染まった。両手で制服の襟元をぎゅっと押さえながら、羞恥に震える声で叫ぶ。
「な、なんで急にそんな……っ! 恥ずかしいですし、今日は生徒会の実務の相談で……っ!」
「ダメかな。せっかく二人きりなんだし、制服じゃなくて、魅力的なあの私服姿の天愛星さんを見ながら話したいんだけど」
「うぐぐ……っ! そういう、妙にストレートでねちっこい……本当に反則です……っ! わ、わかりましたよ……! 着替えてきますから、ここで待っていてくださいね……っ!」
顔を真っ赤にしたまま、逃げるように二階の自室へと向かっていった。
数分後。階段を降りてくる控えめな足音が聞こえ、リビングのドアが静かに開いた。
そこに立っていたのは、白い襟が上品に映える、あの紺色のワンピースに身を包んだ姿だった。
普段の固い制服姿とは一線を画す、女の子らしさと清楚さに満ち溢れたその私服姿は、薄闇の差し込むリビングの中で眩しいほどの存在感を放っている。
「……これで、満足ですか……っ? あ、あまりそんなにじっと見つめないでください……恥ずかしさでどうにかなりそうですから……っ!」
両手でワンピースの裾を細い指でキュッとつまみ、真っ赤な顔でうつむく天愛星さん。
「……あ、あの、温水さん。あんまりそんな、穴が開くほど凝視しないでください……っ」
お気に入りの紺色のワンピース姿となった天愛星さんは、リビングのソファーの端にちょこんと腰掛け、頬を赤く染めながら小さく身を縮めていた。
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