負けヒロインが多すぎる!〜八奈見さんの空腹対策(精液補給)から始まる、文芸部と生徒会の狂信ハーレム〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
それは、あの過剰なる「栄養補給」が行われた数日後の放課後だった。
文芸部室の静寂を破り、八奈見杏菜はパイプ椅子を派手に鳴らして座ると、机に突っ伏して深く重苦しい溜め息を吐き出した。
「はぁ……。もうダメ。動けない。温水君、私、今すごくピンチ」
「どうしたの。校内からの食料調達に失敗した?」
八奈見さんを直視できず文庫本から目を上げずに返すと、机に伏せたまま恨めしげな視線を向けてくる。
「違うよ。陸上部から借りてきたプロテイン、昨日で完全に食べきっちゃったの。……だからさ、ほら、わかるでしょ?」
「また粉のまま!? てか、何が?」
「とぼけないでよ! 私の体内のタンパク質濃度が著しく低下してるの! 同じ部活の部員が栄養失調で倒れてもいいの?」
ガタッと椅子から立ち上がると机に両手を突き、前回の成功体験に裏打ちされた、確信に満ちた笑顔で迫ってきた。
「温水君のタンパク質、効率よく吸収できたからさ。……今日も、しっかり提供してよ!」
相変わらずの支離滅裂なロジックと、不当な権利主張。だが、今日は前回の二の舞を演じたくはない」
「今日は、やめておこう」
「えっ……? なんで? そういうとこだよ、温水君!」
「前回、八奈見さんはタンパク質を得るために運動量が多すぎた。これは経済活動として非効率だ」
ゆっくりと文庫本を閉じ、動揺する八奈見さんを見据えた。
「タンパク質という『資源』を提供するなら、もっと効率的な方法があるはずだ」
「……効率って? お金なら部費から落とすけど」
「お金はいらない。物理的な刺激だけでなく、視覚的な刺激。……効率化の手法として、む、胸を見せて……欲しい」
部室の空気が凍りついた。
「は……あぁ?」
八奈見さんは、何を言ったのか理解できないという顔で固まり、その顔が次第に驚愕と軽蔑、そして若干の羞恥へと染まっていく。
「温水君、意外とそういう、ストレートにエッチなとこあったんだ……」
「こ、これは純粋な、効率化の手法でっ。胸元という視覚的資源がもたらす熱量は、エネルギー消費を促進する」
「う……うわぁ。理屈っぽいエッチってタチ悪いね……」
自分の胸元を隠すように腕を組んだ。
だが、俺は知っている。八奈見さんは食欲に勝てない。そして、タンパク質を渇望している。
「……胸を見せれば、前より効率よくタンパク質をくれるの?」
「お、男は視覚からの刺激に弱いんだよ」
しばらく葛藤するように眉をひそめていたが、やがて睨みながら、渋々とブラウスの第一ボタンに手をかけた。
「……温水君、エッチだね。でも……プロテインのためなら、仕方ないよね……?」
交渉は成立した。
指先がブラウスのボタンを解き始めると同時に、部室の熱量は、前回とは異なる、より過剰で密度の高い領域へと上昇し始めるのだった。
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