※この作品はR-18です。

外道勇者と性悪ビッチ聖女『偽善の聖剣、背徳の聖杖』    作:みなぽん

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外道勇者エステバンとエルフの未亡人

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雨が降っていた。

 

灰色の空から落ちる冷たい雫が、エルフの女性の頬を濡らしていく。

 

セレスティアは小さな家の前で立ち尽くしていた。

 

かつては夫と共に暮らした家だった。

 

今は違う。

 

夫は三年前の戦争で帰らぬ人となった。

 

残されたのは二人の幼い子供と、莫大な借金だけだった。

 

「お母さん……」

 

幼い娘が不安そうに服の裾を握る。

 

セレスティアは無理に笑顔を作った。

 

「大丈夫よ」

 

だが、その言葉に根拠はない。

 

現実は残酷だった。

 

戦死した夫が残した借金は、利息によって膨れ上がり続けている。

 

そして、その債権者であるゴーツ商会は容赦がなかった。

 

雨音が、貧しい長屋の屋根を叩いていた。

ゴーツ商会の主、ゴーツ=クーは、その湿った音をBGMに、目の前の悲鳴を聞いていた。

 

「……お待ちいただけませんか、ゴーツ様。あと一月、いえ、半月あれば、必ず……」

 

テーブルの向かい側で、エルフの未亡人セレスティアが震えていた。透き通るような白皙の顔は、恐怖と疲労で蒼白になり、銀色の長髪が乱れて頬に張り付いている。その瞳は、懇願するように潤んでいた。

 

「半月? 笑わせるなよ、奥さん」

 

ゴーツは太い指でテーブルをコツコツと叩いた。彼のねっとりとした視線は、セレスティアの顔ではなく、その豊かな胸元や、薄い布の下に浮かぶ腰の曲線を舐めるように這っていた。

 

「あの戦死した旦那の借金、もう三年だぞ? 利子が利子を呼んで、今や返せる目処なんて立ってない。あんたが必死に働いてるのは知ってるが、ちまちました稼ぎじゃ、利息すら払いきれねえ」

 

「……ですが、子供たちがおります。まだ幼いのです。お願いです、お慈悲を……」

 

セレスティアはテーブルに額を擦り付けるようにして頭を下げた。誇り高きエルフの血筋など、貧困の前では無意味だった。夫の残した借金は、彼女と二人の子供を骨の髄まで吸い尽くそうとしていた。

 

ゴーツは鼻を鳴らし、ゆっくりと立ち上がった。その巨体が投げる影が、セレスティアを覆う。

 

「お慈悲、ねえ。商売人にそんなもんはないんだよ。ただ……」

 

ゴーツの汚れた手が、セレスティアの顎を強引に持ち上げた。無理やり顔を上げさせられた彼女の瞳が、屈辱と恐怖で揺れる。

 

「あんたには、金より価値のあるものがあるじゃないか」

 

その言葉の意味を悟り、セレスティアの顔がさっと紅潮した。そして、次の瞬間には血の気が引いていく。

 

「……いえ……そんな……」

 

「美しいエルフの未亡人だ。高く売れるよ、俺の店でな。あるいは……俺が直接、査定してやってもいい」

 

ゴーツの視線が、彼女の全身をねっとりと汚していく。それは、純潔な白い花に這い回る醜い毛虫のようだった。

 

「嫌です! 夫に……亡き夫に顔向けができません!」

 

セレスティアは拒絶し、後ずさりした。夫との愛の証を、この下品な男に汚されるなど、死んでも嫌だった。

 

だが、ゴーツは冷酷に告げた。

 

「あそう。じゃあ、明後日には役人と手付け金を取りに来るよ。この家も、あんたも、ガキも、全部差し押さえて、奥の炭鉱で働いてもらう。エルフのガキでも、穴掘りくらいにはなるだろ」

 

「っ……!」

 

セレスティアの息が止まった。炭鉱。それは死と同義だ。幼い二人の子供が、過酷な労働で骨と皮になる姿が脳裏をよぎる。

 

「どうするんだい、セレスティアさん。あんたのその体一つで、全部チャラになるんだぜ? あんたの価値ある体でよ」

 

長い沈黙の後、雨音だけが部屋に響いた。

 

セレスティアの肩から、力が抜け落ちた。彼女はゆっくりと、糸が切れた人形のように立ち上がった。その瞳から、光が消えていく。

 

「……わかりました」

 

その声は、あまりにも弱々しかった。

 

「ただし……子供たちには、見せないでください。あの子たちには……」

 

「ああ、向こうの部屋で寝てるだろ。静かにしてりゃ起きねえよ」

 

ゴーツがニヤリと笑い、セレスティアの細い手首を掴んだ。

 

粗末な寝台の上。セレスティアは、震える手で自らの服に手をかけた。ボタンが外れるたびに、夫と結んだ絆が引きちぎられていくような気がした。

 

白く滑らかな肌が露わになる。長い間、夫以外の男に触れられたことのない神聖な領域が、ゴーツの貪欲な視線に晒された。

 

「ほお……さすがエルフだ。死んだ旦那も、こんな上物を抱いてたのかねえ」

 

ゴーツの下卑た言葉が、セレスティアの心を刃で突き刺す。

 

『あなた……ごめんなさい……ごめんなさい……』

 

心の中で、幾度も幾度も、亡き夫に謝罪した。愛した人よ、どうか許してください。私は、子供たちを守るために、あなたとの誓いを汚します。

 

ゴーツの脂ぎった手が、セレスティアの胸に触れた。

 

「ひっ……!」

 

冷たい手の感触に、セレスティアの体が強張る。夫の手とはあまりにも違う、粗暴で欲望に満ちた手つき。その手は容赦なく、白い肌に赤い痕を残しながら這い回った。

 

「いい肌だ。白くて滑らかで……たまんねえな」

 

ゴーツは、まるで獲物を玩ぶように、セレスティアの体を弄んだ。夫との行為はいつも優しく、愛に溢れていた。しかし、今は違う。これは一方的な略奪だ。

 

「あんた、こんな体してるから、旦那も戦場で死ぬまで帰りたかったんだろうなあ」

 

「言わないで……! お願いですから、そんなこと……!」

 

夫への冒涜に、セレスティアは涙を流した。しかし、ゴーツは彼女の涙さえも楽しむかのように、その顔に舌を這わせた。

 

そして、決定的な瞬間が訪れる。

 

夫以外の男に、最も深い場所を侵略される背徳。

 

「あぐっ……!」

 

裂けるような痛みと、強烈な異物感。夫とは明らかに異なる、野蛮な雄の楔が、セレスティアの奥深くをこじ開ける。

 

『ああ……もう、あなたのものじゃない……私の体は、もう……』

 

セレスティアは天井を見上げた。視界が涙で滲む。隣の部屋で眠る子供たちの顔が浮かぶ。彼らのためだ。彼らの未来のためだ。そう自分に言い聞かせても、体の奥底から湧き上がる屈辱と、抗えない生理的な快楽の混濁に、彼女は狂いそうだった。

 

「くっ……狭いな、奥さん。旦那のモノより俺の方がいいんだろ?」

 

「ち、ちが……うぅっ……!」

 

ゴーツの腰が、容赦なく打ち付けられる。卑猥な水音と、肉がぶつかる音が、狭い部屋に響き渡る。

 

『あなた……愛してる……愛してるわ……!』

 

心の中で夫の名を叫ぶ。しかし、口から漏れるのは、夫を裏切る甘い悲鳴だった。

 

「あっ、ああっ……だめ……そこは……!」

 

長いエルフの耳が、快感にピクピクと震える。夫が決して触れなかった場所を、ゴーツの指が残酷なまでに攻め立てる。熟れきった果実のような反応を、ゴーツは貪欲にむさぼった。

 

「どうだ? 感じちゃいるんだろ? 夫に悪いと思ってる割には、こんなに濡らしてさ」

 

ゴーツの嘲笑が、セレスティアの理性をさらに削り取る。否定したいのに、体は雄の欲望に順応し、快楽の蜜を溢れさせてしまう。その事実が、彼女を深い絶望の底へ突き落とした。

 

『許して……あなた、許して……! 私は、汚されていく……あなたの知らない快感で、壊されていくの……!』

 

激しい律動。略奪の嵐。セレスティアの銀髪が、汗と涙で寝台の上に乱れ散る。その美しい顔は、苦悶と恍惚が入り混じった、ある意味で聖女のような背徳的な表情に歪んでいた。

 

「くっ……出すぞ、奥さん! 旦那の代わりに、俺の種を注いでやるよ!」

 

「いやっ! だめっ! 出さないでっ! 中には……中には出さないでぇっ!!」

 

拒絶の言葉とは裏腹に、セレスティアの膣壁はゴーツのものを締め付け、貪るように吸い上げていた。夫にも許さなかった中出しを、この男に許そうとしている。その倒錯した事実に、セレスティアは自らの身を裂きたいほどの羞恥に苛まれた。

 

「あああああっ!!」

 

ドクドクと、汚濁した欲望が子宮の奥に注ぎ込まれる。夫との温かな交わりとは何もかも違う、暴力的で熱く、粘着質な注湧。

 

その瞬間、セレスティアの脳裏に、かつて夫と交わった優しい記憶がフラッシュバックした。しかし、その光は、目の前の男が注ぐ濁った欲望によって、容赦なく塗りつぶされ、黒く汚されていく。

 

『あなた……! あなた……!!』

 

叫びは声にならず、ただ涙となって頬を伝い落ちた。

 

事が終わった後、ゴーツは満足げに服を整えた。

 

「いい女だ。借金は全部チャラだ。だがな、また金に困ったら……いつでも俺を訪ねて来い。あんたの体は、俺が一番よく知ってるからな」

 

下品な笑い声を残し、ゴーツは部屋を出て行った。

 

雨音だけが残された部屋で、セレスティアは動けずにいた。太股には、夫以外の男の白濁した痕跡が垂れ落ちている。それは、彼女が踏みにじられた誇りのようだった。

 

彼女は震える手で、体を抱きしめた。

 

隣の部屋から、子供の寝息が聞こえる。

 

「……守れたのね」

 

その言葉は、誰に向けたものでもなかった。ただ、自分を奮い立たせるための、呪文のようだった。

 

セレスティアは、窓の外の雨を見つめた。彼女の心の中で、亡き夫の墓前にて、永遠に謝罪し続ける自分の姿があった。

 

もう、後戻りはできない。彼女は、最も大切な場所を代償に払い、深い泥沼の中で、これからも生きていかねばならないのだ。

 

金糸のような髪が、夜の闇に溶けていくようだった。

 

⭐️未亡人の決意

その夜。

 

子供たちが眠った後、一人で考えた。

 

そして結論を出した。

 

冒険者になるしかない。

 

若い頃の彼女は銀等級に届く寸前までいった実力者だった。

 

結婚を機に引退したが、弓の腕はまだ衰えていない。

 

翌朝。

 

セレスティアは古びた弓を背負い、冒険者ギルドの扉を開いた。

 

久しぶりの空気だった。

 

酒と汗と鉄の匂い。

 

受付嬢は驚いた顔を見せた。

 

「セレスティアさん?」

 

「復帰しようと思って」

 

ざわめきが起きる。

 

未亡人の美しいエルフ。

 

しかも生活に困っているという噂は、すでに広まっていた。

 

だからこそ。

 

彼女にはすぐに声が掛かった。

 

「俺たちのパーティに来ないか?」

 

「ちょうど弓使いが欲しかったんだ」

 

男たちは愛想よく笑う。

 

セレスティアは疑わなかった。

 

藁にもすがる思いだった。

 

そして数日後。

 

彼女はその男たちと共にダンジョンへ潜っていた。

 

最初は普通だった。

 

魔物を倒し、素材を回収する。

 

だが奥へ進むにつれ、違和感が大きくなる。

 

「この道で合ってるの?」

 

「大丈夫だって」

 

男たちは笑う。

 

やがて人気のない空洞へ辿り着いた。

 

そこで。

 

男たちの顔が変わった。

 

獲物を見る目だった。

 

セレスティアは一歩後ずさる。

 

「どういう意味?」

 

「そんな怖い顔するなよ」

 

男の一人が近づく。

 

「俺たちは親切なんだぜ?」

 

別の男が笑う。

 

「借金あるんだろ?」

 

嫌な予感が全身を駆け巡る。

 

逃げようとする。

 

だが出口には別の男が立っていた。

 

出口を塞いだ男は、軽業師のような身軽さで短剣を弄んでいた。シーフだ。もう一人は分厚い鉄の鎧に身を包んだ戦士。そして、手には魔導書を携えた魔導士。彼らは最初から、セレスティアをこの孤立無援の空間に誘い込むつもりだったのだ。

 

「どういう意味?」と問い返したセレスティアの声は、震えていた。

 

「そんな怖い顔するなよ」と戦士がニヤリと笑い、一歩近づいてきた。「俺たちは親切なんだぜ?」

 

「借金あるんだろ?」と魔導士が眼鏡の奥で冷たく光る目を細めた。「ゴーツ商会の。美しいエルフの未亡人が、体で返済してるって噂、聞いたよ」

 

心臓が凍りついた。あの夜の恥辱が、熱を持った悪夢となって蘇る。あの男に注がれた汚濁が、まだ子宮の奥に残っているような錯覚に陥る。

 

「違う……あれは……!」と否定しようとしたが、言葉は続かなかった。

 

「隠すなって」とシーフが背後に回り込み、銀色の髪を一本指で持ち上げた。「俺たちも協力してやるよ。1発1シルバーでいいよな」

「奥さんの中古まんこで金がもらえるんだから最高だろ」「でもエルフって歳取らねぇから全然いけるよな。」

 

 

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それは悪魔の契約だった。金で尊厳を買い取るという、最も卑劣な取引。

 

「断る!」と叫び、弓を構えようとした。だが、シーフの短剣が瞬時に弓弦を切り裂いた。張り詰めた弦が弾け、セレスティアの白い頬を薄く切り裂く。

 

「無駄だよ」と戦士が嘲笑い、鉄の籠手に包まれた手でセレスティアの細い首を掴み上げた。「抵抗すればするほど、楽しいんだろ?」

 

地面に叩きつけられる。粗い岩肌が背中を擦り、鋭い痛みが走った。戦士の巨体が圧し掛かってくる。鎧の冷たさと、男の熱気。ゴーツの時とは比べ物にならない暴力性が、彼女を押し潰そうとしていた。

 

「見ろよ、この肌」と戦士はセレスティアの旅装を力任せに引き裂いた。「ゴーツの奴、いいもん独り占めしてたな」

 

布が裂ける音が、洞窟の闇に響く。露わになった白い肌に、男たちの貪欲な視線が突き刺さる。

 

「やめて……お願い……」と懇願するが、男たちの目に慈悲の色はない。あるのは、獲物を前にした野獣の欲情だけだ。

 

「順番だな」と魔導士が冷静に言った。「戦士、お前が先だ。力でねじ伏せるのがお似合いだ」

 

「ああ」と戦士が頷き、下穿きを引き下ろした。「旦那の代わりに、たっぷり可愛がってやるよ」

 

太く猛った楔が、セレスティアの秘所に押し当てられる。ゴーツに侵されたばかりの場所に、新たな暴力が突き入ろうとしていた。

 

「いやぁっ!!」

 

裂けるような痛み。ゴーツの時とは違う、無骨で容赦のない侵略。戦士の腰が、岩を砕くような勢いで打ち付けられる。

 

「しまるねえな、さすがエルフだ」と戦士は荒い息を吐きながら、豊かな胸を鷲掴みにした。「旦那も戦死して、寂しかったろ? 俺ので満足させてやる」

 

屈辱に、セレスティアは歯を食いしばった。夫ではない。

 

愛してもいない。ただの欲望の捌け口にされているだけ。なのに、体は再び抗えない反応を示し始めていた。

 

「あっ、あぐっ……! うぅっ……!」

 

夫の顔が浮かぶ。しかし、その優しい面影は、目の前の男の粗暴な顔面に塗り替えられていく。夫との愛の証を、泥で塗りつぶされるような絶望。

 

「ほら、顔見せろよ」と戦士はセレスティアの顔を掴み、無理やり自分の方へ向けさせた。「旦那に代わって、俺の顔を見てイケよ」

 

「許して……あなた……ごめんなさい……」

 

涙で滲む視界の中で、セレスティアは心の中で亡き夫に縋り付いた。しかし、口から漏れるのは、屈辱と快感の入り混じった甘い悲鳴だった。

 

戦士が絶頂を迎え、ドロリとした体液を注ぎ込む。子宮が汚されていく感覚に、セレスティアは絶望した。

 

「次は俺だ」とシーフが割り込んできた。「前の穴は戦士ので十分だろ。こっちは俺が頂くぜ」

 

セレスティアの体を裏返し、尻を高く持ち上げさせる。拒絶しようとするが、戦士に押さえつけられ、身動きが取れない。

 

「やめて……そこは……!」

 

シーフの指が、後ろの窄まりをなぞる。夫にも触れさせなかった秘穴。それが、今まさに暴かれようとしていた。

 

「嫌だ! 絶対に嫌!」

 

「暴れるなよ」と魔導士が呪文を唱えた。「拘束」

 

セレスティアの四肢が、見えない鎖によって拘束された。身動きが取れない。完全に無力化された彼女は、ただされるがままになるしかなかった。

 

シーフの楔が、後孔に押し入る。

 

「ぎゃああっ!!」

 

裂けるような激痛。夫以外の男に、しかも前とは違う場所を犯される背徳感。セレスティアの理性が、引きちぎられそうになった。

 

「きついな、こりゃ極上だ」とシーフは腰を打ち付けながら、クリトリスを弄んだ。「前も後ろも、俺たちで開発してやるよ」

 

前の秘裂からは戦士の体液が溢れ、後孔はシーフによってこじ開けられていく。二つの穴から同時に与えられる刺激に、セレスティアの体は悲鳴を上げた。

 

「ああっ……あぐっ……だめ……壊れる……!」

 

夫への裏切り。母としての誇りの崩壊。その全てが、快感という名の毒に変換され、彼女を狂わせていく。

 

「ほら、ここも勃ってるぜ」とシーフがクリトリスを弾く。「エルフの未亡人は、乱暴にされるのが好きなのか?」

 

「ちが……うぅっ……!」

 

否定したいのに、体は雄の欲望に順応し、快楽の蜜を溢れさせてしまう。その事実が、彼女を深い絶望の底へ突き落とした。

 

「俺のも受け取れ」と魔導士が割り込んでくる。「精霊魔法だ。絶対に妊娠しない代わりに、感じやすくしてやる」

 

魔導士の唇が重なり、生臭い舌が口内を蹂躙する。同時に戦士とシーフによる陵辱が加速する。

 

「ああっ! だめ……おかしくなる……!」

 

夫との穏やかな接吻とは全く違う、支配的な口腔の征服。魔導士の舌が喉奥まで侵入し、呼吸すら奪われる。三方向からの絶え間ない暴力的な刺激に、セレスティアは意識が飛びそうになった。

 

「出すぞ」「俺も限界だ」「絶頂しろ」

 

三人の男が同時に果てる。

 

前の秘裂と後孔に熱い奔流が注がれ、喉奥にも粘つく液体が放たれる。窒息しそうな量の体液を受け止めながら、セレスティアもまた絶頂を迎えた。

 

「ああああっ!!」

 

脳裏に白い閃光が走り、目の前が真っ暗になる。意識が遠のく中で、最後に見たのは、夫の優しい笑顔だった。

 

「……誰か助け……」

 

セレスティアの顔から血の気が引く。

 

子供たちの顔が脳裏に浮かんだ。

 

助けて。

 

誰でもいい。

 

そう願った瞬間だった。

 

轟音。

 

岩壁が吹き飛んだ。

 

爆発のような衝撃と共に、土煙が舞い上がる。

 

男たちは何事かと振り返った。

 

そこに立っていたのは一人の男だった。

 

漆黒の髪。

 

輝くミスリルの鎧。

 

巨大な聖剣。太陽の勇者 エステバン!

 

まるで太陽そのものが地下へ降りてきたかのような存在感。

 

「……なんだ、お前は」

 

男の一人が震える声で言う。

 

黄金の男は周囲を見回した。

 

怯えるエルフ。

 

下卑た笑みを浮かべる冒険者たち。

 

状況を理解するのに一秒もかからなかった。

 

「なるほど」

 

静かな声だった。

 

だが。

 

その瞬間、空気が凍りついた。

 

「ゴミか」

 

男たちは反射的に武器を抜く。

 

本能が警告していた。

 

目の前にいるのは危険だと。

 

「ふざけるな!」

 

剣士が飛びかかる。

 

次の瞬間。

 

剣士の大剣が、ミスリルの鎧に激突した。

金属が砕ける嫌な音が響く。だが、エステバンの体は微動だにしなかった。彼が纏う鎧は、傷一つ付いていない。

「なっ……!?」

剣士が驚愕して目を見開いた、その瞬間。

エステバンの聖剣が、銀色の残像を引いて振るわれた。

あまりにも速すぎて、目視することすら不可能な一撃。

ズドン、という鈍い音と共に、剣士の巨体が上下に真っ二つに裂けた。鎧ごと。断末魔の声すら上げる間もなく、臓物と血液が洞窟の床にぶち撒けられる。

「ひっ……!」

震える手で短剣を構えたシーフが、恐怖に駆られて後退る。逃げようと背を向けた、その背中に聖剣の光芒が突き抜けた。

光の槍のような一閃が、シーフの心臓を正確に貫き、背中から先端を突き出す。シーフは糸が切れた人形のように崩れ落ちた。

「くそっ! ボルト・オブ・フレイム……!」

魔導士が震える声で呪文を唱えようとした。だが、エステバンはそれを待たなかった。

彼の一歩踏み込む動作は、瞬間移動のように見えた。気がつけば、エステバンの空いた片手が魔導士の顔面を掴んでいた。

「ぐあっ……!?」

ミスリルの籠手で覆われた鉄の握力が、魔導士の頭蓋骨をミシリミシリと軋ませる。

「無駄だ」

エステバンの静かな宣告と共に、魔導士の首が異様な角度にねじ切られた。パキン、という骨の折れる乾いた音が、洞窟内に虚しく響き渡った。

死体がドサリと倒れる。

それだけで終わった。

名だたる勇者にとって、この程度のゴロツキは雑草と変わらない。

返り血一つ浴びることなく、エステバンは聖剣の血振るいをした。血飛沫が床に滴り落ちる音だけが、静寂の中で響いた。

 

エステバンは無表情のまま、死体の傍らに歩み寄った。

彼は剣を鞘に収めると、躊躇なく死体の懐や荷物に手を伸ばした。

戦士のマジックアイテムの籠手。シーフの高価な短剣と財宝の入ったポーチ。魔導士の魔導書と指輪。

彼はそれらを手早く、かつ容赦なく剥ぎ取っていく。それは戦利品というより、汚物を処理する作業のように淡々としていた。

そして、全ての金目のものをまとめると、彼はボロボロのセレスティアの方へと向き直った。

 

セレスティアは、恐怖と寒さで小さく震えていた。

目の前で繰り広げられた圧倒的な暴力。それはゴーツや冒険者たちのそれとは違う、次元の異なる粛清だった。彼女は無意識に身を縮め、今度こそ殺されるのだと覚悟を決めた。

しかし。

エステバンの歩みは穏やかだった。彼は血に塗れた自分のマントを外すと、セレスティアの裸体にそっと被せた。

暖かいミスリルの毛皮のマントが、彼女の汚された体を包み込む。

「立てるか?」

その声は低いが、不思議と優しさがあった。

セレスティアは呆然とエステバンを見上げた。彼の瞳には、怒りも軽蔑もなかった。ただ、静かな憐憫だけが宿っていた。

「……あなたは……」

「話は後だ。ここは臭い」

エステバンはセレスティアの返事を待たず、彼女を軽々と抱き上げた。まるで羽毛のように軽々と。彼女の足は地面につかない。

「あ……」

抵抗する力など残っていなかった。彼女はただ、この温かな腕に身を委ねるしかなかった。

 

二人はダンジョンを抜け出した。

外はまだ雨が降っていたが、セレスティアにはそれが浄化の雫のように感じられた。

エステバンは迷うことなく街へと戻り、真っ直ぐに最大の買取屋へと向かった。

夜も更けていたが、「太陽の勇者」の来店に、店主は飛び起きて対応した。

エステバンは剥ぎ取った装備一式をカウンターに放り投げた。血なまぐさいそれらを見て、店主は顔を青ざめさせたが、エステバンの冷ややかな視線に何も聞けなかった。

「全部換金しろ。相応の額を出せ」

短い言葉だった。店主は震える手で鑑定を始め、恐る恐る提示した額を、エステバンは頷いて受け入れた。それほどの量と質だった。

金貨が入った重い革袋が手渡される。

エステバンはそれを受け取ると、セレスティアの前に差し出した。

 

「……これを?」

セレスティアは困惑したように瞬きをした。

「あんたのものだ」

エステバンは短く言った。

「これで借金を返せ。ガキたちを食わせろ」

セレスティアの手が震えた。革袋の重みは、彼女のこれまで背負ってきた絶望の重さよりもずっと重く、そして希望の重さだった。

「でも……これは、あなたが……」

「俺には不要だ」

エステバンは冷たく突き放した。

「ただのゴミ掃除の手間賃だ。持っていけ」

セレスティアは涙が溢れた。

あの男たちに奪われそうになった尊厳。ゴーツに踏みにじられた誇り。その全てが、この金貨の袋で取り戻せるわけではない。しかし、これで子供たちは炭鉱に行かずに済む。これで明日を生きることができる。

「ありがとうございます……! ありがとうございます……!」

彼女は革袋を胸に抱きしめ、泣き崩れた。それは屈辱の涙ではなく、安堵と感謝の涙だった。

エステバンはその様子を無言で見下ろしていた。

彼の背中には、雨に濡れた聖剣が静かに輝いていた。それは、暗闇を切り裂く太陽のように見えた。

 

⭐️団欒

雨は夜更けに上がり、空の端から月が顔を覗かせていた。

 

セレスティアの案内で辿り着いた長屋は、冒険者ギルドの宿舎などよりはるかに貧しかった。しかし、ドアを開けた瞬間、温かなスープの香りと小さな歓声が二人を出迎えた。

 

「お母さん!」

 

駆け寄ってきた二人の幼い子供は、泥だらけの巨大な男を見て一瞬怯んだが、その輝くミスリルの鎧と、何より母親の隣にいるという事実に目を輝かせた。

 

「お母さんのお友達? すごいかっこいい!」

 

「騒ぐな」

 

エステバンは短く言ったが、その声に殺気はなかった。彼は入り口で泥落としを済ませると、無造作に部屋の中へ入った。狭い部屋に、彼の存在感が押し迫る。

 

「さあ、お食べになって。温まりますから」

 

木のテーブルに並べられたのは、野菜たっぷりのスープと、固そうな黒パン。それが精一杯の夕食だった。エステバンは黙って席に着き、パンをちぎってスープに浸すと、無表情のまま口に運んだ。

 

「……悪くない」

 

ぼそりと呟くと、子供たちは安堵したように笑った。セレスティアも胸を撫で下ろす。この最強の勇者を怒らせてはならないと、気が気ではなかったのだ。

 

食事が進むにつれ、子供たちは遠慮がちにエステバンに話しかけた。

 

「お兄ちゃんも、お化退治するの?」

 

「魔物だ」とエステバンは訂正した。「退治する。俺が行けば、皆死ぬ」

 

「すごいや! 僕も大きくなったらお兄ちゃんみたいになる!」

 

エステバンは鼻を鳴らしたが、拒絶はしなかった。彼は子供の相手をするつもりはないように見えたが、その青い瞳が時折優しげに細められるのを、セレスティアは見逃さなかった。

 

やがて、興奮していた子供たちも眠気に勝てなくなり、セレスティアに寝かしつけられた。隣の小さな部屋から、規則正しい寝息が聞こえ始める。

 

静寂が戻った部屋で、セレスティアはエステバンの向かい側に座り直した。ランプの灯りが、彼女の銀

髪を柔らかく照らす。

 

「本当に……ありがとうございました。あなたがいなければ、私たちは」

 

彼女は深く頭を下げた。言葉では到底足りない感謝。だが、それ以外に何ができるというのだろう。

 

エステバンはスープの椀を置き、組んだ腕の上に顎を乗せてセレスティアを見つめた。その視線は昼間と同じように傲慢で、彼女の内面まで見透かしているようだった。

 

「礼など不要だと言ったはずだがな」

 

低い声が響く。

 

「でも、これは私の心の問題です。恩人に何もお返しできないなんて……」

 

セレスティアは言い淀んだ。金なら返した。だが、この男には金など意味を成さないだろう。

 

エステバンはフッと笑った。それは余裕のある、獲物を追い詰めた猛獣の笑みだった。

 

「何もないわけではないだろう?」

 

彼はゆっくりと立ち上がり、テーブルを回り込んでセレスティアの隣へ歩み寄った。ドスリと重い足音が、彼女の心臓をトクンと跳ねさせる。

 

「え……?」

 

セレスティアが戸惑い顔を上げると、エステバンの大きな手が彼女の銀髪をすくい上げた。粗い指が髪を梳く感触に、背筋がゾクリと震える。

 

「美味いスープだった。パンも腹に溜まった。だが……」

 

彼の顔が近づいてくる。男の熱気とミスリルの冷たさが混じった匂いが、彼女の鼻孔を満たした。

 

「俺が求めていたのは、そんな腹の足しになるものじゃない」

 

ゴーツや冒険者たちとは違う。圧倒的な強者の発するフェロモンのようなものが、セレスティアの理性を溶かし始める。

 

「メインディッシュはお前だな、セレスティア!」

 

耳元で囁かれた宣言は、拒絶を許さない絶対的な命令だった。

 

「あっ……!」

 

唇が塞がれた。

昼間の魔導士のような汚らしい侵略ではない。強引だが、妙に熟練された口づけ。エステバンの舌が、セレスティアの口腔を容易く攻略し、彼女の舌を絡め取る。

 

「んっ……ふぅ……!」

 

抗おうと彼の胸を押し返すが、ミスリルの鎧は微動だにしない。それどころか、押し返そうとした手が、逆に彼の熱に吸い寄せられていく。

 

キスを解くと、銀糸が引いた。セレスティアは真っ赤な顔で息を弾ませる。

 

「いけません……子供が起きてしまいます……!」

 

「静かにしてればいい」

 

エステバンは涼しい顔で言うと、セレスティアの細い腰を片手で掴み上げ、軽々と自分の膝の上に乗せた。まるで人形を扱うかのような無造作さ。

 

「それに、お前の体はもう隠せないぞ。俺を見てどうなってる?」

 

エステバンの太腿の上で、彼女の尻が彼の股間の隆起を感じていた。硬く、熱く、そして巨大な男の証。ゴーツや戦士たちのそれとは明らかに質が違う、王者の武器。

 

「いや……! 見ないでください……!」

 

セレスティアは顔を覆ったが、体は正直だった。昼間の陵辱で開発されかけた肉体が、この圧倒的なオスの気配に孕み反応し始めていた。太股の奥が熱く疼き、愛液がじわりと滲み出す。

 

エステバンは彼女の服に手をかけた。昼間のように引き裂くのではなく、器用に紐を解き、滑らかな肌を露わにしていく。

 

「ほお……やはり傷一つないか」

 

白く輝く肌がランプの光を浴びる。エステバンの視線は灼熱のようだったが、そこにはゴーツのような下品な欲望ではなく、美しい武具を見るような賞賛と所有欲が混じっていた。

 

「あなた……私は未亡人です……夫がいました……!」

 

最後の抵抗。だが、その言葉は説得力を持たなかった。夫への貞操は、すでにゴーツに奪われている。今さら何を守ろうとしているのか。

 

「死んだ男のものはもう終わりだ。これからは俺のものだ」

 

エステバンはセレスティアの胸を鷲掴みにした。その揉み方は、痛いほど力強く、それでいて的確に性感帯を捉えていた。

 

「ああっ……!」

 

甘い声が漏れる。夫もゴーツも触れなかった深い場所から、快楽が突き上げてくる。

 

「どうだ? 俺の手は」

 

「ひあっ……すご……い…!」

 

エステバンの指が乳首を弾くたび、背骨に電流が走る。昼間の男たちが与えたのは屈辱と痛みだけだった。しかし、この男が与えるのは、純粋で圧倒的な快感のみ。

 

「ああっ……おかしく……なります……!」

 

セレスティアの瞳から、夫への罪悪感が消え始めていた。目の前の金髪の勇者だけが、彼女の世界を支配していく。

 

「準備はできているようだな」

 

エステバンはセレスティアを寝台に押し倒した。ボロボロのベッドだが、彼にとっては玉座と変わらない。

 

彼は下穿きをずらし、その逸物を露わにした。

堂々たる巨根。勇者の名に恥じない、凶器のような男らしさ。

 

セレスティアは息を呑んだ。あれが入るのか? 破れてしまうのではないか? 恐怖と、それ以上の期待が体を震わせる。

 

「来い」

 

エステバンは腰を掴み、一気に貫いた。

 

「あああああっ!!!!!」

 

裂けるような圧迫感と、脳髄を焼き尽くす快楽の波。

ゴーツの時のような不快感はない。冒険者たちのような暴力的な痛みもない。

あるのは、膣の最深部までを完全に満たす、圧倒的な充填感だけ。

 

「くっ……きついな。だがいい具合だ」

 

エステバンはニヤリと笑い、腰を動かし始めた。

そのストロークは荒々しくもリズムがあり、的確に子宮口を小突いた。

 

「あっ! あっ! ああっ! だめ! そこ! 壊れちゃう!」

 

セレスティアはシーツを掴み、身をよじった。これまで感じたことのない快楽が、津波のように押し寄せてくる。

 

「夫も戦士だったろう? だが、俺とは格が違う。骨の髄まで教えてやる」

 

エステバンの腰使いが加速する。彼の手がセレスティアの腰を固定し、逃げ場をなくして突き上げる。

 

「ひいっ! すごい! すごすぎる! 頭が真っ白に……!」

 

夫との行為は愛に満ちていたが、これは征服だ。圧倒的な力で雌としての本能を掘り起こされ、彼女はただ喘ぐことしかできなかった。

 

「あなた! あなた! エステバン様ぁっ!」

 

いつの間にか、口から出る名前が変わっていた。亡き夫ではなく、今自分を犯している王者の名を呼んでいる。その事実に気づいた時にはもう遅かった。彼女の心は完全にこの男に征服されていた。

 

「いい子だ。もっと声を聞かせろ」

 

エステバンはセレスティアの長い脚を肩に担ぎ上げ、さらに深く侵入した。折れ曲がった体勢で、子宮を直接突き上げられる。

 

「あぐっ! あっ! いく! いっちゃいます! エステバン様ぁっ!!」

 

セレスティアは背中を反らせ、白目を剥いて絶頂した。潮を吹きながらビクビクと痙攣する彼女を見て、エステバンは満足げに鼻を鳴らした。

 

まだ終わりじゃない。

 

エステバンは絶頂で締め付けてくる膣壁を無視して、さらにピストン運動を続けた。敏感になった身体を追い上げ、休む間を与えない。

 

「ひゃあっ! だめ! まだ! まだ無理ぃっ!」

 

連続する絶頂。意識が飛びそうになるたびに、新たな快感が引き戻す。

 

「俺を受け入れろ。お前は俺の所有物だ」

 

エステバンの言葉が呪いのように響く。

 

「はい! はいぃっ! 私はあなたのものです! エステバン様のメインディッシュですぅっ!!」

 

セレスティアは涙と涎で顔を汚しながら、自ら堕ちていった。もう未亡人でも母親でもない。ただこの男に仕える雌だ。

 

「出すぞ! 飲み込め!」

 

「ああっ! 注いでください! あなたの種をくださいぃっ!!」

 

エステバンの巨根が極限まで膨張し、ドクドクと大量の精液を注ぎ込んだ。ゴーツや冒険者たちのそれとは違い、それは圧倒的な量と熱を持って子宮を満たした。

 

「ああぁぁぁっ!!!!!」

 

最強の絶頂に達し、セレスティアは意識を手放した。

 

翌朝。

セレスティアは鳥の囀りで目を覚ました。

体は鉛のように重いが、不思議と心地よい倦怠感に包まれていた。

隣を見ると、エステバンはすでに鎧を身につけ、出発の準備を整えていた。

 

「起きたか」

 

彼は振り返りもせず言った。

 

「……はい」

 

セレスティアは起き上がろうとしたが、腰が立たなかった。昨夜の激しい情事の名残だ。

 

エステバンはドアの前に立つと、初めて振り返った。その顔には少しの感傷もない。

 

「借金は返済した。ガキたちも守ってやった。俺との約束も果たしたな」

 

彼は冷徹な事実だけを告げた。

 

「……はい。全てあなたのおかげです」

 

セレスティアはシーツを握りしめながら答えた。彼が去っていくことを止める資格など自分にはないことはわかっていた。太陽の勇者が一人の未亡人の元に留まる理由などないのだから。

 

「また金に困ったら……俺を呼べ」

 

それは彼なりの別れの言葉だったのかもしれない。

あるいはただの命令か。

 

「エステバン様……!」

 

彼が出て行こうとした瞬間、セレスティアは這うようにしてベッドから降りた。裸のまま床に跪き、彼のマントの裾を掴む。

 

「また……会えますか?」

 

その瞳には、昨日までの悲壮感はなかった。あるのはただ一人の男への激しい憧れと依存だけ。

 

エステバンは短く笑った。

 

「俺は太陽だ。どこにでも現れる」

 

それだけ言い残し、彼はマントを翻して去っていった。

朝日の中に溶け込んでいく黄金の背中を見つめながら、セレスティアは胸に手を当てた。

そこにはもう夫への罪悪感はなく、ただ勇者への熱だけが燃え上がっていた。

彼女はこれからも生きていける。この熱がある限り。

 

⭐️冒険者ギルド

 

翌日、昼下がり。

 

冒険者ギルドの重い扉が開いたとき、受付の喧騒が一瞬で凍りついた。

 

エステバンがいたからだ。

 

漆黒の髪、輝くミスリルの鎧、腰に下げた巨大な聖剣。「太陽の勇者」の登場は、どんな酒場よりも場を静まらせる。

 

だが今日のエステバンは一人ではなかった。

 

彼の半歩後ろに、小柄な女性が控えていた。

 

白銀の法衣に身を包み、胸元には聖印を下げている。栗色の柔らかな髪が肩で揺れ、琥珀色の瞳は穏やかだが、その奥に揺るぎない光を宿していた。

 

聖女アリエッタ。

 

第三王女にして、聖教会の奉仕者。クライスト王国の天使とまで言われる人物だ。

 

表向きは慈善活動のために街を巡っていることになっているが、裏ではエステバンの「悪仲間」だ。王族の血と聖女の仮面を併せ持つ彼女は、エステバンの行う「正当なる暴力」に、もっとも美しい理由を与える術に長けていた。

 

「ギルドマスターはいるか」

 

エステバンは受付嬢を見下ろし、短く言った。

 

受付嬢は顔を青くしながらも、奥の部屋へ取り次ぎに入った。

 

ざわめきが戻ってくる。冒険者たちが遠目に二人を窺っていた。聖女が勇者と連れ立ってギルドに現れるなど前代未聞だ。

 

三分後、ギルドの奥から初老の男が現れた。

 

アレクセイ。

 

冒険者ギルドのマスターにして、この街の冒険者社会を牛耳る男。禿げ上がった頭と、鷲掴みにできそうなほど大きな手。商売人としての抜け目なさと、元冒険者としての武人臭が同居している。

 

「これはこれは、太陽の勇者エステバン殿。それに聖女アリエッタ様。いかなるご用向きで」

 

アレクセイは愛想よく笑った。だがその目は瞬時にエステバンの聖剣の状態を、アリエッタの法衣の皺を、そして二人の間の距離を測っていた。

 

「話がある。中で聞こう」

 

エステバンの声は問いかけではなく命令だった。

 

アレクセイの眉が微かに動いたが、すぐに笑顔に戻った。

 

「もちろん。どうぞ奥へ」

 

だがエステバンは動かなかった。

 

「ここじゃない。お前の特別室だ」

 

特別室。それはギルドマスターが重要な来賓や高額の依頼主とのみ使用する、隔音付きの個室だ。そこでの会話は外部に漏れない。

 

アレクセイの笑みが固まった。

 

「…ご冗談を」

 

「冗談に見えるか」

 

エステバンの青い瞳が冷たく光った。アレクセイは喉の渇きを感じた。この男が冗談を言うような人間でないことは、名声からではなく、先日のダンジョンでの「ゴミ掃除」の噂から嫌でも知れていた。

 

「…ご案内します」

 

アレクセイは背を向け、奥へ歩き出した。その背中は、ほんの少しだけ強張っていた。

 

---

 

特別室は思ったより広かった。

 

壁には防音の魔法陣が刻まれ、重いオーク材のテーブルが中央に置かれている。上等の葡萄酒とグラスがすでに用意されていた。アレクセイが常日頃からここで何らかの取引を行っていることの証拠だ。

 

エステバンは無遠慮に上座に座った。アリエッタがその隣に、淑女らしく腰を下ろす。

 

アレクセイは向かい側に座り、ワインを注ごうとしたが、エステバンが手で制した。

 

「飲みに来たんじゃない」

 

「では、何のご用で」

 

「三日前のことだ」

 

エステバンは切り出した。

 

「お前のギルドの紹介で、一人の冒険者がパーティに加わった。名はセレスティア。エルフの女だ」

 

アレクセイの目が僅かに細くなった。

 

「…ああ、復帰した元冒険者の。何かあったのですか」

 

「何があったか、お前は知らないのか」

 

エステバンの声は平坦だった。だからこそ恐ろしかった。

 

「知らん、というのは建前だろう。だが一応聞く。何があった」

 

アレクセイはグラスを回しながら答えた。

 

「…ダンジョンで何かあったと」

 

「紹介されたパーティの男たち三人が、彼女を孤立無援の空洞に連れ込み、輪姦した」

 

空気が凍った。

 

アレクセイの手が止まる。ワインがグラスの中で揺れるだけだった。

 

「…それは」

 

「俺が掃除した。三人とも死体だ。ダンジョンの奥に放置してある」

 

エステバンは事も無げに言った。まるで「道端の石を蹴飛ばした」とでも言うかのように。

 

「お前のギルドが紹介した人間だ。お前のギルドが仲介した。責任はどこにある」

 

「…」

 

アレクセイの額に汗が滲んだ。

 

仲介責任。それは冒険者ギルドにとって最も敏感な問題だった。ギルドは冒険者同士のパーティ結成を仲介するが、その安全性を保証する義務がある。もし仲介されたパーティ内で犯罪が発生した場合、ギルドは被害者に対して補償と責任を問われる。ましてや被害者が未亡人で、しかも元銀等級冒険者となれば、上層部への問題提起、ひいてはギルドの信用失墜につながりかねない。

 

「調査します。必ずや調査し、再発防止に——」

 

「遅い」

 

エステバンは遮った。

 

「お前が調査する前に、俺が全部片付けた。問題は、お前の管理体制だ。紹介した人間の素性を確認しなかった。未亡人で借金を抱え、生活に困っていると知りながら、その弱みにつけ込んだ人間を紹介した。これは意図的か、怠慢か。どちらにせよ、お前の責任だ」

 

アレクセイは唇を噛んだ。反論できなかった。

 

そこで、ずっと黙って話を聞いていたアリエッタが口を開いた。

 

「アレクセイ様」

 

その声は柔らかかった。聖女の声として人々が期待する、慈愛に満ちた響きだった。だが、その柔らかさの奥に、鋼鉄のような冷徹さが隠されていた。

 

「私は聖教会の者として、この街の弱き人々を気にかけております」

 

アリエッタは穏やかに微笑んだ。

 

「セレスティアさんはご存知でしょうか。夫を戦争で失い、二人の幼い子供を抱え、借金に喘ぐ未亡人です。彼女は冒険者として復帰することで、自らの手で子供たちを守ろうとしました。それは尊い決意です。なのに——」

 

アリエッタの琥珀色の瞳が、すっと細められた。

 

「ギルドの紹介で加わったパーティが、彼女を襲った。未亡人を、危険にさらすような事があってはならないことです。ましてや、ギルドの仲介を通じてとは。これは冒険者社会の信頼に関わる問題ですわ」

 

その言葉は、あたかも慈愛の塊のようだった。

 

だが内容は、冷徹な追求だった。

 

アリエッタは第三王女だ。彼女がこの件を王宮や聖教会に報告すれば、ギルドの信用は失墜するどころか、ギルド運営そのものに介入が入る可能性がある。ましてや被害者が「生活に困窮する未亡人」であれば、世論は一目で彼女の味方をする。

 

「それは…もっともでございます」

 

アレクセイは額の汗を拭った。

 

「ギルドとしても、深く反省すべき点が——」

 

「反省だけで済む話ではありませんわ」

 

アリエッタは首を傾げた。まるで子供に言い聞かせるような、優しい口調だった。

 

「セレスティアさんは、もう一度冒険者として信頼を置けるパーティを組めるでしょうか。この件があっては、ギルドへの信頼など残っていません。彼女のような立場の女性が、安全に仕事をできる環境。それを保証するのが、ギルドの責任でしょうに」

 

偽善、とエステバンは心の中で呼んだ。

 

アリエッタの言葉は一見もっともらしく、誰が聞いても正論だった。だがその目的はセレスティアの保護ではない。エステバンがギルドから有利な条件を引き出すための口実だ。聖女の仮面を被った脅迫。これがアリエッタという女の真骨頂だった。

 

アレクセイもそれを感じ取っていた。だが、感じ取ったからといって逃げ道があるわけではない。

 

「…聖女様のおっしゃる通りです。ギルドとしても、何らかの形で——」

 

「形などいらない」

 

エステバンが遮った。

 

「具体的にどうする。俺が納得する形で答えろ」

 

アレクセイは沈黙した。彼の頭の中で、計算が猛烈に回っていた。

 

損害賠償。セレスティアへの補償金。再発防止策の提示。ギルドの信用維持。どれをとっても金と手間がかかる。だが最も恐ろしいのは、この件が公になることだ。

 

「…一つ、提案がございます」

 

アレクセイは慎重に切り出した。

 

「ギルドとしては、セレスティアさんに相応の補償金をお支払いします。また、再発防止のためのパーティ審査体制を強化いたします。それと——」

 

アレクセイはアリエッタの方を向いた。

 

「聖女様。あなた様がこの街で行っておられる慈善活動に、ギルドとして寄附をさせてください。おいくらでも」

 

金で解決しようとしているのだ。アリエッタの正体を知る者なら、これが最も合理的な手だとわかる。アリエッタは表向き聖女として活動しているが、裏ではエステバンの協力者だ。寄附という名目で金を渡せば、彼女も口出しできなくなる。

 

アリエッタは微笑んだ。

 

「慈悲深きお心、感謝いたします。では、お言葉に甘えましょう」

 

あっさりと受けた。アレクセイは密かに安堵した。

 

だが、エステバンはまだ表情を変えていない。

 

「俺の方はどうする」

 

アレクセイの背筋が伸びた。

 

「あなた様にかえましては…何かご要望が」

 

エステバンはテーブルに肘をつき、指を組んだ。

 

「前から言ってることだ」

 

アレクセイの顔が微かに引きつった。

 

「ギルドの受付嬢。アリサだ」

 

「…」

 

アレクセイは絶句した。

 

エステバンが前々からアリサを気に入っており、何度か「貸せ」と言ってきたことは、アレクセイの知るところだった。だがその都度、「それはできません」と断り続けてきた。アリサはギルドの看板娘であり、彼女を性接待に使うなど、あってはならないことだ。

 

「エステバン殿、それは——」

 

「俺は今日、お前のギルドの失態を暴きに来た。お前は俺に責任を問われている。その俺の要求が、金一枚で済む話だと思っているのか」

 

エステバンの声は静かだった。だがその静けさは、嵐の前の静けさだった。

 

「聖女様には金を払う。セレスティアには補償金を出す。俺には——」

 

エステバンは組んだ指を解き、アレクセイを指差した。

 

「アリサを寄越せ」

 

アレクセイは唇を震わせた。

 

「…わかりました」

 

それしか言えなかった。公にされればギルドの信用は地に墜ちる。アリサ一人で済むなら安いものだ。

 

「今夜、ここに泊まる。部屋を用意しろ。そしてアリサを寄越せ」

 

エステバンは立ち上がった。

 

「夕刻には戻る」

 

それだけ言い残し、エステバンは部屋を出ていった。アリエッタが優雅に続く。

 

扉が閉まった後、アレクセイは一人残された。ワイングラスを握りしめる手が白くなっていた。

 

 

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夕刻。

 

ギルドの最上階にある来賓用の部屋。壁一面に施された装飾と、柔らかなベッド。王宮の客室ほどではないが、冒険者ギルドとしては最高級の設えだ。

 

アレクセイはアリサを呼んだ。

 

「…マスター、何でしょうか」

 

アリサは部屋に入るなり、アレクセイの表情を見て息を呑んだ。

 

アリサは冒険者ギルドの受付嬢として五年になる。亜麻色の髪を後ろで束ね、清楚な制服に身を包んだ彼女は、冒険者たちの憧れの的だった。真面目で几帳面で、誰に対しても公平。だからこそ信頼されていた。

 

だが今、アレクセイの顔は曇りきっていた。

 

「アリサ。お前に頼みがある」

 

「頼み、ですか」

 

「今夜、この部屋に泊まる客がいる。お前の…接待をしてほしい」

 

アリサの顔がさっと赤くなり、次いで青くなった。

 

「接待とは…どのような」

 

「お前が思っている通りの意味だ」

 

アレクセイは目を伏せた。これほど言いにくい言葉は、生涯で二度とないと思っていた。

 

「…お前の身を案じているのではない。ギルドのためだ。あの男を怒らせれば、このギルドは終わる。お前一人の犠牲で済むなら、それが最善だ」

 

アリサの瞳が潤んだ。

 

「…誰なんですか」

 

「太陽の勇者だ」

 

アリサの呼吸が止まった。

 

エステバン。名だたる勇者。だが同時に、裏社会では「所有欲の権化」と恐れられる男。美しい女を見つければ、手段を選ばず手に入れる。それが彼の評判だった。

 

「いや…です」

 

アリサは震えた。

 

「断る権利がお前にあると思うか」

 

アレクセイの声は辛そうだったが、残酷な事実だった。アリサはギルドの職員だ。ギルドマスターの命令には従わなければならない。

 

「…わかりました」

 

アリサは涙を拭き、深呼吸をした。

 

「ギルドのため、と仰るなら」

 

 

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夜。

 

アリサは来賓室の前に立っていた。

 

着替えさせられていた。いつもの受付嬢の制服ではなく、薄手の白いネグリジェ。ギルドが用意したものだ。透けるか透けないか、ぎりぎりの布地。下着はつけられていなかった。

 

「…いやらしい」

 

アリサは自分の格好を俯いて呟いた。誰に見られているわけでもないのに、肌が熱くなった。

 

震える手でノックをした。

 

「…どうぞ」

 

低い声が返ってきた。

 

ドアを開けると、エステバンがベッドの縁に腰掛けていた。鎧はすでに脱ぎ捨てられ、黒いシャツ一枚の姿だった。だが聖剣だけは枕元に置かれている。

 

エステバンの視線がアリサを捉えた。舐めるように、だが品定めするような鋭さで。

 

「名前は」

 

「…アリサです」

 

「服を脱げ」

 

短かった。挨拶も前置きもない。

 

アリサは唇を噛み、震える手でネグリジェの紐にかけた。指が上手く動かない。結び目が解けない。

 

「…っ…」

 

涙が溢れた。屈辱ではなかった。恐怖だった。この男に体を差し出すことが。ギルドのためとはいえ、愛してもいない男に、しかも一方的な力関係の中で。

 

「お前は真面目な女らしいな」

 

エステバンが呟いた。

 

「涙を拭け。俺は無理強いをするつもりはない」

 

アリサは驚いて顔を上げた。

 

「ただ、俺が選んだ女はお前だ。理由がある」

 

エステバンは立ち上がり、アリサの前に立った。彼女より頭一つ分大きい。見上げる颜は、冷酷だがどこか静かだった。

 

「お前は今まで、誰かに体を開いたことはないのか」

 

「…ありません」

 

「なら、俺が最初だ」

 

その言葉は、宣告のようでもあり、宣言のようでもあった。

 

エステバンの手がアリサの頬に触れた。粗い指だが、ゴーツや冒険者たちのような欲望にまみれた手ではない。戦場で剣を握り続けた、乾いた手だった。

 

「今日一日、俺の相手をしろ。明日には帰してやる」

 

その言葉に、ほんの少しだけ安堵が混じった。一日で済むのか。ずっとではないのか。

 

アリサは覚悟を決めた。震える手で、紐を解いた。

 

白いネグリジェが床に滑り落ちる。

 

亜麻色の髪と同じ色をした、控えめな体が露わになった。派手な豊かさはないが、若く引き締まった肌。受付嬢として日々立ち続けた脚は、しなやかに伸びている。胸は控えめだが、先端が淡い桜色に染まり、初々しさを物語っていた。

 

「…見ないでください」

 

アリサは両腕で体を隠した。顔は真っ赤だった。

 

「隠すな」

 

エステバンの声は低かった。だが命令というより、教え諭すような響きがあった。

 

「俺はお前を買った。お前は俺の前に立っている。なら、すべてを見せろ。それが礼儀だ」

 

アリサは唇を震わせ、ゆっくりと腕を下ろした。隠していた胸と腹、そして下腹部が、ランプの灯りに晒される。

 

「…っ」

 

羞恥で体が震える。だが、エステバンの視線には下品な欲望はなかった。むしろ、美しい武器を鑑定するような、静かな熱があった。

 

「いい体だ。作り物じゃない、本物の女の体だ」

 

エステバンはアリサの手を取り、ベッドに導いた。

 

「座れ」

 

アリサは素直にベッドの縁に座った。エステバンがその隣に座る。ベッドが沈む。

 

「緊張しているな」

 

「…はい」

 

「当然だ。だが、俺はお前を痛めつけるつもりはない。お前が感じるようにしてやる。ただし——」

 

エステバンの顔が近づいた。

 

「俺のテクニックに耐えられるかは保証しない」

 

その言葉の意味を、アリサはすぐに理解することになる。

 

---

 

唇が重なった。

 

アリサの初めての接吻だった。

 

夫どころか、恋人すらいたことがない。受付嬢として働き、身を立てることだけを考えてきた。だから、唇が触れた瞬間、全身が雷に打たれたように強張った。

 

「んっ…!」

 

だがエステバンの唇は、それ以上のことをしていた。彼の舌がアリサの唇をなぞり、微かに開いた隙間から滑り込んでくる。柔らかく、ねっとりと、彼女の舌を探り出し、優しく絡め取った。

 

「ふ…ぅ…んんっ…!」

 

口づけだけで、膝の力が抜けていく。アリサは必死にベッドの縁を掴んで体を支えた。こんなことで。たかがキスで。なぜこんなに力が入らないのか。

 

「お前、感じやすいな」

 

エステバンが唇を離すと、銀糸が引いた。アリサは真っ赤な顔で息を弾ませている。

 

「い、いえ…こんなの、感じてません…!」

 

「嘘をつくな。ここが」

 

エステバンの指がアリサの胸の先端に触れた。

 

「硬くなっている」

 

「あっ…!」

 

アリサは声を上げ、自分の胸を手で覆った。だがその手はすぐにエステバンに取り払われた。

 

「隠すなと言っただろう」

 

エステバンの太い指が、桜色の乳首を挟み、優しく捻った。

 

「ああっ…!」

 

電流が走った。アリサは背中を反らせた。たったそれだけのことで、なぜこんな声が出るのか。自分の体が信じられなかった。

 

「お前は今まで、自分の体を知らなかったんだな」

 

エステバンは囁くように言った。

 

「俺が教えてやる。女の体は、こういう風に感じるものだ」

 

エステバンの手が胸から首筋へ、首筋から鎖骨へ、そして脇腹へと滑り降りていく。その指の動きは、まるで名匠が楽器を調律するかのようだった。的確に、無駄なく、そして熱く。

 

「あっ…あっ…そこ…っ!」

 

アリサの声が変わっていく。恐怖の声ではなく、快楽の声に。

 

エステバンの指が下腹部を通り抜け、最も敏感な場所に到達した。

 

「もう濡れている」

 

事実だった。アリサの太股の間は、自分でも驚くほど湿っていた。

 

「いや…! 見ないで…!」

 

「見る。そして触れる。お前の体は俺のものだ」

 

エステバンの指が、秘裂をなぞった。そして、一番敏感な突起を、親指で優しく弾いた。

 

「ひあっ…!」

 

アリサの体が跳ねた。今まで感じたことのない刺激。自分の指では決して到達できない場所。

 

「ここが、女の核だ。ここをこうすると——」

 

エステバンの指が、円を描くように動いた。

 

「ああっ! あっ! あっ! だめ…! 何か…何か来る…!」

 

アリサはシーツを掴み、身をよじった。何かが下腹部から押し上げてくる。初めての感覚。恐怖と快楽が入り混じった波。

 

「俺を受け入れる準備はできているな」

 

エステバンはアリサの脚を開かせた。抵抗はなかった。むしろ、無意識に脚が開いていた。

 

エステバンは下穿きをずらし、その猛りを露わにした。

 

アリサは息を呑んだ。大きかった。ゴーツや冒険者たちのそれとは明らかに質が違う。凶器のような、だが美しい曲線を持つ男の証。

 

「…入るか」

 

「入るか、と聞かれても…」

 

「入る。俺が入れる」

 

エステバンはアリサの腰を掴み、先端を秘口に当てた。熱が伝わる。アリサの体が期待と恐怖で震えた。

 

「ゆっくり入れる。痛かったら言え」

 

その言葉に、アリサは少し驚いた。この男にそんな気遣いがあるとは。

 

だが、エステバンの「ゆっくり」は、アリサにとっては十分に衝撃的だった。

 

「あぐっ…!」

 

先端が押し入る。異物感。だが、痛みは想像ほどではなかった。エステバンの指が十分に準備させていたからだ。

 

「くっ…狭いな。だがいい」

 

エステバンはゆっくりと、しかし止まることなく奥へ進んだ。

 

「ああっ…! 入ってくる…! 何かが…!」

 

アリサは今まで自分の体の中に何かが入ってくる経験がなかった。だから、その感覚自体が未知だった。異物感と、満たされる感覚と、そして奥の奥で何かが押される感覚。

 

「あっ…! そこ…! そこは…!」

 

エステバンの先端が、アリサの最も敏感な場所を的確に押し当てた。

 

「ここか」

 

「ひああっ…!!」

 

アリサの体が跳ね上がった。背骨に電流が走り、視界が白く弾けた。

 

「ここが、お前の一番弱い場所だ」

 

エステバンはそこを執拗に攻めた。腰を微妙に角度を変えながら、的確に同じ場所を突き上げる。

 

「あっ! あっ! ああっ! だめ…! だめです…! 何か…何か来ます…!」

 

「来い。俺に身を任せろ」

 

エステバンの声が、耳元で囁かれた。その声は低く、磁石のように彼女の理性を引き剥がしていく。

 

「いや…! 私は…こんな…! 真面目に…生きてきたのに…!」

 

「真面目な女が堕ちる時が、一番美しい」

 

エステバンの腰が加速した。

 

「あああっ…! だめ…! 壊れる…! 壊れちゃう…!」

 

アリサの体が弓なりに反った。初めての絶頂が、津波のように押し寄せてきた。

 

「ああああっ…!!」

 

アリサはシーツを握りしめ、声を殺せずに絶頂した。全身が痙攣し、内壁がエステバンを激しく締め付ける。

 

「いい反応だ」

 

エステバンは満足げに呟いた。だが、彼は止まらなかった。絶頂で敏感になったアリサの体を、さらに追い上げる。

 

「ひゃあっ…! だめ…! まだ無理…! 今イッたばかりなのに…!」

 

「一回で終わると思っているのか」

 

エステバンの腰が再び動き始める。絶頂後の敏感な内壁を、容赦なく擦り上げる。

 

「あぐっ…! あっ! あっ! あっ!」

 

アリサの抵抗は、もう言葉だけになっていた。体は完全にエステバンに支配され、快楽に従属していた。

 

「お前は真面目だった。だから、誰にも感じさせてもらえなかった。だが俺が感じさせてやる。お前の体が望むままに」

 

エステバンの指が、アリサの胸を愛撫し、同時に腰は深いストロークで子宮口を小突き続ける。三方向からの刺激。アリサの理性は、蜘蛛の糸のように切れていった。

 

「ああっ…! エステバン様…! だめ…! おかしくなる…!」

 

名前が変わっていた。自然と。真面目な受付嬢は消え、ただ快楽に溺れる女だけが残った。

 

「俺のものだと言え」

 

「…あなたの…ものです…!」

 

「何が」

 

「私の体も…心も…全部…エステバン様のものです…!」

 

アリサは涙を流

[#AI]

しながら言った。それは屈辱の涙ではなく、完全な降伏の涙だった。

 

「いい子だ」

 

エステバンはアリサの脚を肩に担ぎ上げ、最も深い位置から突き上げた。

 

「あぐっ…! あっ! あっ! いく…! またいく…!」

 

二度目の絶頂。だが一度目より遥かに激しい。意識が白く弾け、体がビクビクと痙攣する。

 

「出すぞ」

 

「あっ…! 中に…? 中には…!」

 

「全部飲め」

 

「ああっ…! 注いでください…! エステバン様のを…全部ください…!」

 

エステバンの巨根が極限まで膨張し、大量の精液を注ぎ込んだ。熱く濃厚な液体が子宮を満たす。アリサはその熱を感じながら三度目の絶頂を迎えた。

 

「ああああっ…!!」

 

意識が飛んだ。

 

気がつくと、アリサはベッドに横たわっていた。体は鉛のように重い。だが不思議と心地よい倦怠感だった。

 

隣を見ると、エステバンはすでに服を着ており出発の準備をしていた。

 

「起きたか」

 

「…はい」

 

アリサは起き上がろうとしたが、腰が立たなかった。昨夜の激しい情事の名残だ。

 

「お前の体は俺が開発した。もう他の男じゃ満足できないだろう」

 

エステバンは涼しい顔で言った。

 

「…あなたは残酷な人ですね」

 

アリサは小さく笑った。それは自嘲でもあった。真面目に生きてきた自分が、たった一夜で堕ちた。もう元に戻れない。体が、この男を求めてしまうだろうから。

 

「ただし、お前には感謝している。俺の相手をしたからな。礼を言う」

 

エステバンは懐から小さな袋を取り出し、ベッドに置いた。

 

「これは俺からの礼だ。金じゃない。お前が真面目に働いてきたことへの敬意だ」

 

アリサが袋を開けると、中には小さな指輪が入っていた。銀細工の指輪。価値は高くないが、温かみがあった。

 

「これを…?」

 

「持っておけ。お前が困った時、俺に会いたい時、それが道標になる」

 

エステバンはマントを翻し、部屋を出ていった。

 

アリサは指輪を握りしめ、涙を流した。それは悲しみでも喜びでもない、ただわけのわからない感情だった。

 

 

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