外道勇者と性悪ビッチ聖女『偽善の聖剣、背徳の聖杖』 作:みなぽん
第二王子カシウス――忘れられない男
第二王子カシウス・フォン・クライストは、兄レオニードとはまったく違う男だった。
第一王子レオニードが軍人や古い大貴族を味方につけ、武力と伝統を重んじるのに対して、カシウスは都市の商人、官僚、新興貴族たちと手を結んでいた。
頭の回転が速く、口が上手い。
相手が何を欲しがっているのかを見抜き、それを与える代わりに自分の味方にする。
父王アウグストも、そんなカシウスを高く評価していた。
「お前には政治を見る目がある」
幼いころからそう言われて育ったカシウスは、自分こそ次の王にふさわしいと信じていた。
そして、聖女となったアンリエッタにも、強い関心を持っていた。
王国で最も大きな宗教的影響力を持つ聖女。
国民から愛され、教会から敬われ、父王から溺愛されている妹。
彼女を味方につけることができれば、王位継承争いにおいて大きな力になる。
カシウスはそう考えた。
だからある日、アンリエッタの私室を訪ねた。
「久しぶりだな、アンリエッタ」
「お兄様」
アンリエッタは椅子から立ち上がり、優雅に頭を下げた。
「聖女になってから、ずいぶん忙しそうだな」
「皆様からいただいたご期待に、お応えしているだけです」
「相変わらずだ」
カシウスは笑った。
「君は昔からそうだった。自分を大きく見せようとはしない」
「ありがとうございます」
「そこで、少し相談がある」
来た。
アンリエッタは微笑んだまま、そう思った。
「都市部で貧しい子供たちへの支援事業を始めたいと思っている。君の名前を借りられれば、多くの貴族や商人が寄付してくれるだろう」
「私の名前を?」
「そうだ。君が聖女として協力してくれれば、王国中の人間が賛同する」
カシウスは柔らかく笑った。
「もちろん、君にも利益がある。聖女としての影響力をさらに高められる」
一見すれば、妹を思いやる兄の提案だった。
だがアンリエッタには分かっていた。
これは政治だ。
自分の名前を利用し、寄付金と支持者を集める。
そして、その実績をカシウス自身の王位継承に結びつける。
アンリエッタは静かに微笑んだ。
「素晴らしいお考えですね、お兄様」
「では――」
「ですが、少し考える時間をいただけますか?」
「ああ。もちろんだ」
カシウスは満足そうに笑った。
「君とは、これからもっと仲良くしたいと思っている」
「私もです、お兄様」
二人は笑顔を交わした。
だが、カシウスには分からなかった。
その笑顔の奥に、十数年前から消えていない記憶があることを。
アンリエッタは覚えていた。
母、リゼットがまだ生きていた頃。
あの日も、貴族たちを集めた慈善会だった。
修道女だったリゼットは、孤児たちのために古びた笛を吹いていた。
演奏が終わると、彼女は集まった貴族たちに頭を下げた。
「どうか、子供たちのためにお力をお貸しください」
そこへ、まだ少年だったカシウスが現れた。
彼はリゼットを見て、鼻で笑った。
「王族の前で、そんな粗末な服を着るなんて」
リゼットは困ったように微笑んだ。
「申し訳ありません。私には、これしかありませんので」
「それで王宮の慈善会に来るのか?」
カシウスは、周囲の少年貴族たちと笑った。
「孤児を盾にして、貴族から金を集めているだけじゃないのか?」
その言葉に、リゼットの顔がわずかに曇った。
「違います」
「なら証明してみろ」
カシウスは、リゼットが集めた寄付金の入った箱を指差した。
「それを全部ここに出せ」
「これは孤児たちのためのお金です」
「だからこそだ」
カシウスは笑った。
「本当に子供のためなら、盗んでいないことを証明できるだろう?」
周囲の貴族たちは面白そうに見ていた。
リゼットは反論しなかった。
ただ、震える手で寄付金を確認した。
そのとき、カシウスは彼女の笛を取り上げた。
「これも売れば、少しは金になるんじゃないか?」
リゼットが慌てて手を伸ばす。
「それだけは……」
「何だ?」
「その笛は、子供たちのために私が吹いているものです」
カシウスは笑った。
「なら、もっと高価な楽器を買えばいい」
そう言って笛を放り投げた。
床に落ちた笛は、乾いた音を立てた。
その場面を、幼いアンリエッタは見ていた。
母の後ろに隠れながら。
何もできずに。
その後、アウグスト王が現れたことで騒ぎは収まった。
王はカシウスを厳しく叱った。
だが、リゼットは王に何も訴えなかった。
ただ、
「子供ですから」
と微笑んだ。
そして帰宅した後、壊れかけた笛を丁寧に修理していた。
幼いアンリエッタは、その隣に座っていた。
「お母様」
「なあに?」
「どうして怒らないの?」
リゼットは少し考えてから、娘の頭を撫でた。
「怒っても、笛は直らないでしょう?」
そう言って笑った。
アンリエッタは、その言葉を覚えている。
だからこそ。
目の前で優しく笑うカシウスを見ても、彼女は忘れていない。
この男が、母を見下したことを。
貧しい修道女だった母を、皆の前で辱めたことを。
母が大切にしていた笛を、粗末なものとして扱ったことを。
そして何より――。
母が亡くなった後、一度たりとも彼女の墓を訪れなかったことを。
カシウスは知らない。
アンリエッタが、自分に向ける笑顔を一度も崩さない理由を。
彼女は怒鳴らない。
復讐を口にしない。
過去を責め立てもしない。
ただ、微笑んでいる。
それは聖女の微笑みだった。
そして同時に、王宮で生き残ってきた少女の微笑みでもあった。
「お兄様」
「何だ?」
「先ほどのお話ですが――」
アンリエッタは柔らかく微笑んだ。
「ぜひ、詳しくお聞かせください」
カシウスは嬉しそうに頷いた。
自分が妹を味方につけたと思っている。
自分の政治的な武器にできると思っている。
だが、彼は知らない。
アンリエッタが彼の申し出を受け入れることと、彼を信用することは、まったく別だということを。
そしてアンリエッタは、心の中で静かに呟いていた。
――お兄様。
――私は、あの日のことを忘れていませんよ。
その笑顔は、聖女そのものだった。
カシウスが持ち込んだ話は、表向きには実に立派なものだった。
王都の貧民街には、親を失った子供たちが数多く暮らしている。
仕事もなく、教育も受けられず、毎日の食事すら満足に得られない。
第二王子カシウスは、そこに目をつけた。
「彼らに仕事を与え、生活を安定させるべきだ」
そう言って、都市の豪商たちをアンリエッタに紹介した。
「こちらは織物商のバルディーニ商会」
「こちらは穀物を扱うグラント商会」
「そしてこちらは王都でも有数の金融商、エーベル商会だ」
いずれもカシウスの派閥に属する商人だった。
カシウスの狙いは明白だった。
アンリエッタを彼らと結びつける。
聖女の名前で慈善事業を成功させる。
その功績を第二王子の政治的実績として利用する。
そして、商人たちにも「聖女と第二王子を支持する理由」を与える。
アンリエッタは、すべて理解していた。
それでも笑った。
「お兄様。素晴らしい方々をご紹介くださって、ありがとうございます」
「君なら、この方々と素晴らしい事業を始められるだろう」
「ええ。ぜひ」
カシウスは満足そうだった。
まさか、このとき自分が差し出した商人たちを、妹が根こそぎ奪っていくとは思っていなかった。
最初の会談で、アンリエッタは商人たちに一つの提案をした。
「寄付だけでは、子供たちはいつまでも施しを受ける側です」
豪商たちは黙って彼女を見た。
「ならば、自分たちで利益を生み出せるようにしましょう」
アンリエッタが示したのは、王都の空き倉庫を利用した小規模な生産施設だった。
最初は織物。
孤児たちに簡単な仕事を教え、布を織らせる。
商人たちが原料を提供し、完成品を買い取る。
利益の一部を子供たちの賃金にする。
残りを設備と教育に回す。
「慈善ではなく、仕事を与えるのです」
アンリエッタは言った。
「子供たちが自分の手で得た銀貨なら、誰にも奪うことのできない誇りになります」
その言葉に、商人たちは興味を示した。
さらにアンリエッタは、孤児たちの中から手先の器用な者を集め、木工、染色、製革、菓子作りなど、様々な小さな事業を始めた。
もちろん、幼い子供に過酷な労働をさせたわけではない。
年齢に応じて働く時間を制限し、読み書きや計算の教育も行った。
働いた分だけ賃金を受け取る。
学ぶ時間もある。
食事も与えられる。
そして、何より彼らには居場所ができた。
「今日、初めて自分で稼いだんだ!」
一人の少年が、嬉しそうに銀貨を握りしめた。
「これで妹に靴を買ってやれる!」
隣では少女が、自分で染めた布を抱えて笑っている。
「私の作った布が商人さんのお店で売られるんだって!」
子供たちの顔から、少しずつ物乞いをしていた頃の怯えが消えていった。
彼らは働いた。
学んだ。
食べた。
笑った。
そして毎週決まった日に、アンリエッタが施設を訪れると、子供たちは一斉に彼女のもとへ集まった。
「聖女様!」
「アンリエッタ様!」
「今日も来てくださった!」
アンリエッタは一人一人に声をかけた。
「頑張っているわね」
「この前より上手になったわ」
「妹さんの靴は買えた?」
たったそれだけの言葉で、子供たちは目を輝かせた。
彼女たちにとってアンリエッタは、自分たちを救ってくれた聖女だった。
もちろん、事業を始めるための資金を出したのは商人たちだった。
だが、子供たちはそんな政治的事情など知らない。
彼らが知っているのは、貧しかった自分たちに仕事を与え、食事を与え、勉強する場所を与えてくれた女性がアンリエッタだということだけだった。
「聖女様が私たちを救ってくださった」
その評判は、貧民街から王都全体へ広がっていった。
そして予想外のことが起きた。
商人たち自身が、アンリエッタに魅了されていったのである。
彼女は彼らを単なる金づるとして扱わなかった。
利益について真剣に話し、商品の品質について意見を述べ、孤児たちの教育について熱心に語った。
「寄付をしてくださるだけではなく、事業として成功させてください」
「利益が出れば、次の子供たちを救えます」
「商売が繁栄すれば、より多くの雇用を生み出せます」
それは慈善と商売を結びつける考え方だった。
商人たちは次第に気づいた。
聖女の名前を冠した商品には、人々が好意的な目を向ける。
聖女の事業に協力している商会には、貴族や市民からの信頼が集まる。
そして、事業そのものも利益を生み始めている。
「聖女殿下に協力することは、決して損ではない」
そんな声が商人たちの間で広がった。
やがて、カシウスが紹介した豪商たちは、カシウスよりもアンリエッタの言葉を聞くようになっていた。
新しい事業を始めるときには、彼女に相談する。
慈善活動をするときも、彼女に意見を求める。
商人たちの子供が病気になれば、聖女に祈りを捧げてもらいたいと願う。
そして宴席では、こんな言葉まで囁かれるようになった。
「聖女殿下こそ、王国の未来を考えておられる」
「第二王子殿下より、よほど民のことを理解しているのではないか」
その噂を聞いたカシウスは、最初は信じなかった。
だが、現実は明白だった。
自分が紹介した商人たちが、自分の屋敷ではなくアンリエッタのもとへ通っている。
自分が作ろうとした政治的な支援網が、いつの間にか妹を中心とした巨大な人脈になっている。
そして何より腹立たしかったのは、その事業が実際に成功していることだった。
孤児たちは救われている。
商人たちは利益を得ている。
市民からの評判も良い。
文句をつける余地がない。
ある晩、カシウスはアンリエッタを呼び出した。
「……随分と楽しそうだな」
「お兄様のおかげです」
アンリエッタは微笑んだ。
「素晴らしい商人の方々をご紹介いただきましたから」
その言葉が、カシウスの神経を逆撫でした。
「私が君に与えたものを、全部自分のものにしたな」
「まあ」
アンリエッタは驚いたような顔をした。
「そのようなつもりはありません」
「嘘をつけ!」
珍しくカシウスが声を荒らげた。
「私が君を利用しようとしたことくらい、分かっていたんだろう!」
アンリエッタは黙った。
そして、ゆっくり微笑んだ。
「はい」
その一言に、カシウスは言葉を失った。
「最初から、分かっていました」
「……」
「ですが、お兄様が私にくださった人脈を、私がどう使うかは自由でしょう?」
カシウスの顔が歪んだ。
アンリエッタは穏やかな声で続けた。
「お兄様は私を利用しようとなさいました」
「……」
「ですから、私も利用させていただきました」
その言葉には、悪意を感じさせるほどの冷たさはなかった。
むしろ聖女らしい、穏やかな笑顔だった。
それが、カシウスには何より恐ろしかった。
彼は初めて理解した。
自分が相手にしているのは、幼い頃の「踊り子の娘」ではない。
父王に愛され、神に選ばれ、国民から崇拝され、そして自分自身の力で人間を惹きつける女だ。
アンリエッタは、兄から与えられた人脈を奪った。
だが、それだけではなかった。
彼女はその人脈を使って、自分自身の王国を作り始めていた。
そしてカシウスの胸に、初めて明確な感情が芽生えた。
妹への警戒。
嫉妬。そして――強烈な怒りだった。
⭐️聖女を崇める
作業場に併設された小さな個室。そこは普段は聖女が孤児たちと面談を行う静かな場所だった。今日、そこに呼ばれたのは5人の少年たち。彼らは皆、幼い頃からこの施設で育ちアンリエッタを「母」であり「聖女」として心から崇拝していた。
マリウスは、引き締まった体躯と正義感の強い瞳を持つ。アリは、やや痩せ型だが手先が器用で、誰よりも勤勉だ。ケンは明るい笑顔が印象的な、少年たちのまとめ役。ヤザンは無口だが、誰よりも重い荷物を運ぶ力持ちだ。ジェリドは、甘えん坊でアンリエッタによく懐いていた。
「皆さん、今日はよく来てくれましたね」
アンリエッタのいつもと変わらぬ優しい微笑みに、少年たちは緊張した面持ちで頷いた。
「今日は…あなたたちが真の大人になるための、特別な導きをしましょう」
そう言うと、アンリエッタはそっと指を鳴らした。部屋の中に、甘やかで重たい香りが満ちる。次の瞬間少年たちの体に異変が起きた。言葉にできない熱が下腹部に集まり、股間が意思とは無関係にみるみる硬く膨れ上がっていく。
「せ、聖女様…これは…!」
戸惑い、顔を赤らめるマリウスの前でアンリエッタは聖衣のボタンに手をかけた。はらり、と白い衣が床に落ち露わになるのは、神聖さとはかけ離れた蠱惑的で豊満な肢体。月明かりに照らされた肌は絹のように滑らかで、形の良い双丘は重力に逆らうようにそそり立っている。その頂きで、淡い桜色の蕾が硬く尖っていた。
「聖女の魔力の源は…性(せい)から生まれるのです」
彼女は悪戯っぽくしかしどこか哀しげに微笑み、ベッドへと横たわった。その仕草はまるで生贄を待つ女神のようであり、獲物を誘う淫魔のようでもあった。
「さあ、遠慮はいりません。あなたたちの純粋な力で、私を満たして…」
その言葉が、理性の箍を外した。憧れの女性の裸体を前に、限界まで高められた5人の少年たちは一斉にベッドへと雪崩れ込む。
「アンリエッタ様…!」
最初に彼女の唇を塞いだのはジェリドだった。拙いながらも必死な口づけに、アンリエッタは優しく舌を絡めて応える。その間にも、マリウスは震える手で彼女の豊満な乳房を揉みしだき、硬くなった乳首を口に含んだ。
「あっ…❤️」
聖女の口から、甘い吐息が漏れる。
「すごい…柔らかい…!」
ケンは、初めて触れる女性の秘所の感触に目を見開いていた。茂みに隠された花弁は、すでに蜜であふれ執拗な愛撫に応えて、とろりと太腿を伝う。
「ここが…聖女様の…」
ケンはためらいながらも顔を埋め、恐る恐る舌を這わせる。その生暖かく複雑な感触に、アンリエッタの腰がびくんと跳ねた。
「あっ、そこ…もっと…❤️」
聖女のねだるような声が、少年たちの興奮をさらに煽る。
「俺も…もう我慢できない…!」
最初に限界を迎えたのは、無口なヤザンだった。彼は怒張した自身をアンリエッタの顔のすぐ横に持っていく。聖女はその意図を察し、紅い唇を開いてそれを優しく迎え入れた。
「んむっ…❤️」
熱く、硬い異物が口内を満たす。その感触にアンリエッタはうっとりと目を細め、頭を前後に動かし始める。聖女による奉仕。その光景だけで、他の少年たちのものも今にもはち切れそうだった。
「俺は…こっちで…!」
アリが、アンリエッタの足の間に割って入り溢れる蜜で濡れそぼった入り口に、自身の先端をあてがう。
「ああっ…❤️ 来て…アリ…」
聖女が熱い吐息とともに彼の名を呼ぶと同時に、アリは腰を突き入れた。ぬぷっという感触とともに、固く締まった膣内が彼の一物を根元まで咥え込む。処女ではない、しかし経験豊富とも言えない絶妙な締め付けだった。
「すごい…熱い…!」
アリが腰を動かし始めるとアンリエッタの口からは嬌声が漏れ、ヤザンのものを咥える口元からは卑猥な水音が響く。その様子に、マリウスは彼女の右手をケンは左手を握らせ、自分のものを必死に扱き始めた。
「聖女様!聖女様!」
少年たちの祈るような声と、肌がぶつかり合う音そして聖女の甘い喘ぎ声が、密室を満たしていく。ベッドの上は汗と精の匂いでむせ返り、もはや神聖な空間とは程遠い濃密な性の宴と化していた。
アンリエッタは膣内で脈打つアリのものを感じながら、口ではヤザンのものを激しく扱き両手でマリウスとケンを導く。その光景に興奮したジェリドが、彼女の胸に自らのものを擦り付ける。全身を性感帯に変えた聖女は、少年たちの若く迸る精を一滴残らずその身に受け止めていく。
「いくっ…!」
最初に絶頂を迎えたのはアリだった。彼は獣のような叫び声を上げ、アンリエッタの最奥に熱い精を注ぎ込んだ。その瞬間、聖女の体を電流が走り抜ける。少年の生命力そのものと言える精が、彼女の枯渇しかけていた魔力を劇的に満たしていく。
「ああっ…❤️」
絶頂の余韻に浸るアンリエッタに次々と少年たちが果てていく。顔に、胸に、手に、そして再び口の中へ。5人分の濃厚な精が聖女の美しい体を白く汚していった。
すべてが終わった後アンリエッタはぐったりとしながらも、満ち足りた表情で微笑んでいた。彼女は最後の魔法を唱える。それは記憶を優しく上書きする、聖女の秘術。
深い眠りから覚めたマリウスは、ぼんやりとした頭で考える。確か聖女様に呼び出されて…
「そうだ、僕たち、聖女様に『いつもよく頑張っているね』って、頭を撫でてもらったんだ」
アリは、胸の奥にじんわりとした温もりを感じていた。
「ああ、優しい言葉をかけてもらったな。大人になるってどういうことか、教えてもらった気がする」
ケンも、ヤザンも、ジェリドも同じような、穏やかで幸福な記憶だけを胸に抱いていた。体の怠さは、きっと働きすぎたせいだろうと誰もが思った。
「聖女様、本当に優しかったな」
「ああ、僕たち、もっと頑張らなくちゃ」
少年たちは、晴れやかな笑顔で部屋を後にした。彼らの背中を見送りながら、アンリエッタは静かに扉を閉める。
「ごめんなさい…でも、これでまた、しばらくは皆を守れる…」
彼女は、精液で汚れた自分の体を拭い再び純白の聖衣を身にまとう。そこにはもう、先ほどのような淫らな姿は微塵もなく気高く、そして少しだけ影のある王国の聖女が立っていた。
⭐️聖女を縛る鎖
王都の中心部、官僚街の一角に建つ巨大な石造館。その最上階には、国王ですら簡単には口を挟めない一室があった。
窓から見えるのは王宮の尖塔であり、その向こうには大聖堂の白い屋根が見える。
机の上には、王国中から集められた報告書が積み上げられていた。
税収、街道整備、軍費、穀物価格、商会の許認可、教会への補助金。
国家を動かしているのは、剣でも聖杖でもない。
紙と数字と判子。
そして、それらを握っている男こそ、財務官僚の頂点に君臨するポポクラテスだった。
「……まったく、面倒な女だ」
カシウスは椅子に深く腰を沈め、吐き捨てるように言った。
目の前で書類を整理していたポポクラテスは、眼鏡の奥から静かに第二王子を見た。
「アンリエッタ殿下ですか」
「ああ」
カシウスは苛立たしげに杯を置いた。
「私が商人を紹介した。慈善事業のためだ。いや、正確に言えば、彼女をこちら側に取り込むための足掛かりだった」
「承知しております」
「ところがどうだ。あの女は私が用意した商人たちを、自分の信奉者に変えてしまった」
カシウスは苦々しく笑った。
「今では商人たちが、何か新しい事業を始めるたびに彼女へ相談する。子供たちは彼女を『聖女様』と呼び、商人たちは彼女の名前を看板のように扱う。教会も彼女を持ち上げ始めている」
「それは危険ですな」
ポポクラテスの声には、感情がなかった。
「何が危険なのか分かるか?」
「国家の統治機構とは、命令系統によって成立しております」
ポポクラテスは一枚の書類を取り上げた。
「役所が命令する。地方官が実行する。商人が従う。民が納税する。その循環によって国家は動く」
そして、机の上に書類を置いた。
「しかし、民が役所ではなく、ひとりの聖女の言葉を基準に動き始めたらどうなります?」
カシウスは黙った。
「聖女様がこの商人を信用している」
「聖女様がこの孤児院を支援している」
「聖女様がお認めになった事業だ」
そんな言葉が、すでに王都の商人たちの間で飛び交っていた。
ポポクラテスは淡々と続けた。
「宗教的権威が経済的権威を得れば、次は政治的権威を求めるようになります」
「アンリエッタに、そのつもりがあると?」
「本人の意思など問題ではありません」
ポポクラテスは薄く笑った。
「人々がそう思い始めれば、権力は発生します」
カシウスの顔から、わずかに笑みが消えた。
「……ならば、どうする?」
ポポクラテスは答えず、部屋の隅に立つ男へ視線を向けた。
そこには、黒い制服を着た男が立っていた。
国家騎士団所属。
だが、通常の騎士とは違う。
その男の率いる部門は、表向きには「王国保安調査局」と呼ばれていた。
実際には、脅迫、監視、情報操作、秘密裏の拘束など、表に出せない仕事を請け負う部署だった。
長の名は、ベロス。
「……お呼びでしょうか」
低い声だった。
ポポクラテスはカシウスを見る。
そして、静かに命じた。
「聖女を一人、連れてきてもらいたい」
ベロスは眉一つ動かさなかった。
「理由は?」
「必要ありません」
ポポクラテスは書類を閉じた。
「ただし、彼女を傷つけてはいけない」
「承知しました」
「そして、彼女には自分から来てもらう」
ベロスの口元がわずかに歪んだ。
「なるほど」
その日の夕方。
アンリエッタが孤児たちの働く工房を訪れた。
以前は痩せ細り、服も満足に持っていなかった子供たちが、今ではそれぞれの仕事を持っている。
布を織る者。染料を作る者。木箱を組み立てる者。革を加工する者。菓子を焼く者。
仕事が終われば賃金を受け取り、食事をし、文字を学ぶ。
貧しさから抜け出す道が、初めて彼らの目の前に現れたのだ。
「聖女様!」
アンリエッタの姿を見つけた少女が駆け寄ってきた。
「今日、初めて自分のお給料でパンを買ったの!」
「まあ」
アンリエッタはしゃがみ込み、少女の頭を優しく撫でた。
「それは素敵なことですね」
「聖女様のおかげ!」
周囲からも声が上がった。
「聖女様!」
「聖女様、見てください!」
「僕、来月にはもっと上手に作れるようになります!」
アンリエッタは笑った。
その笑顔は、少なくともこの瞬間だけは演技ではなかった。
この子たちが飢えず、誰かに見捨てられることなく生きている。
それを嬉しいと思う気持ちは、確かに彼女の中にあった。
だからこそ。
その日の夕暮れ、マリウス、アリ、ケン、ヤザン、ジェリドの五人の少年がいなくなったと知らされたとき、アンリエッタの表情から笑顔が消えた。
「……もう一度、言ってください」
「朝から見ていません」
工房の責任者が震える声で答えた。
「最初は仕事を休んだだけかと思ったのですが………」
アンリエッタの胸の奥が冷たくなった。
嫌な予感がした。
その直後だった。
彼女のもとへ、一通の封書が届けられた。
封蝋には王家でも教会でもない、見覚えのない紋章。
中に書かれていたのは、短い文章だった。
――今夜、旧市街の北にあるグレイハルト館へ来られたい。
――子供たちの命が惜しければ、一人で。
アンリエッタの指が止まった。
手紙の下には、もう一枚。
子供たちの写真。
粗末な椅子に座らされ、怯えた表情を浮かべている。
その瞬間、アンリエッタの中にあるすべての計算が動き始めた。
罠。
間違いなく罠だった。
だが、罠だと分かっていても行かなければならない。
彼女は聖女だった。
そして、この子たちにとっては、最後に頼れる大人だった。
夜。
アンリエッタは一人で古い館へ向かった。
グレイハルト館は、かつて王国の有力貴族が所有していた建物だった。今では長く使われておらず、壁には蔦が絡み、窓ガラスも幾つか割れている。
扉を開けると、暗い廊下が伸びていた。
「子供たちはどこですか?」
返事はない。
アンリエッタは聖杖アウレリアを握り締めた。
もしものときには、魔法を使う。
そう思った。
しかし、広間に入った瞬間だった。
床に魔法陣が浮かび上がった。
「……っ!」
足元から伸びた光が、アンリエッタの魔力を絡め取る。
聖杖が震えた。
魔法を発動しようとしても、力が流れない。
「これは……」
聖属性の魔力を封じるために作られた拘束術式。
教会の秘術を研究した者でなければ、こんなものは作れない。
背後で扉が閉じた。
カチャリ、と鍵がかかる。
暗闇から男たちが現れた。
国家騎士団の制服。
その中央に立っていたのが、ベロスだった。
「お越しいただきありがとうございます、聖女様」
アンリエッタは彼を睨んだ。
「子供たちは?」「無事です」
「見せなさい」「それはできません」
「ならば、今すぐ私を解放しなさい」
ベロスは淡々と首を振った。
「あなたには、ここにいていただきます」
「……誰の命令です?」
「それを知りたいのですか?」
ベロスが横へ退いた。
その奥から、二人の男が姿を現した。
一人はポポクラテス。
もう一人は――カシウス。
アンリエッタの瞳が細くなった。
「……お兄様」
カシウスは何も言わなかった。
ただ、彼女を見つめていた。
聖女に力を持つ妹が今、自分の前で魔力を封じられている。
その姿を見て、カシウスはようやく笑った。
「ようやく、君にも分かっただろう」
「何がです?」
「力というものが、どれほど脆いものかだ」
アンリエッタは答えなかった。
ポポクラテスが歩み寄る。
「あなたは素晴らしい聖女です、アンリエッタ殿下。民に愛され、商人に信頼され、教会にも影響力を持っている。しかしそれは小娘にはすぎた力です。」
「小娘1人をどうにかするために、無力な子供たちを育ったのですか?」
ポポクラテスは否定しなかった。
「あなたをここへ呼ぶためには、必要な手段でした。あなたは今日ここでご自身の立場と言うものをわかっていただく!」
「下賤の女の娘に、高貴な私の青い血のちんぽでわからせてやる」とカシウスが笑う
「ひひひ、まさか聖女様をおもちゃにできるなんて、最高だぜ」とべロスが睨んだ。
その瞬間、アンリエッタの顔から余裕が消えた。
薄暗い地下室に響く鎖の音。鉄柵の向こうには、手足を縛られ猿轡を噛まされた五人の少年たちがいた。マリウス、アリ、ケン、ヤザン、ジェリド。彼らは目を見開き、必死に身をよじって鉄柵に体を打ち付けていたが、頑丈な鎖がそれを許さない。
「……っ! んぐっ……!」
猿轡の下から漏れるくぐもった悲鳴。彼らの瞳には、恐怖と怒り、そして助けられない無力感が渦巻いていた。
「さあ、聖女様。特等席でのご覧あそばせだ」
ベロスが低く笑いながら手にした鞭を振った。ビュッという風切り音が地下室の空気を震わせる。アンリエッタは魔法封じの陣の中央に立たされていた。聖杖アウレリアは奪われ、ただ白い聖衣だけが彼女を覆っている。
「お兄様……どうして……」
アンリエッタの震える声に、カシウスは冷ややかに笑った。
「どうして? 決まっているだろう。君が私の道具にならなかったからだ」
カシウスはゆっくりと歩み寄り、妹の顎を乱暴に持ち上げた。
「私が与えた人脈を自分のものにした。私が作ろうとした権力基盤を奪った。それだけならまだしも、君は私を差し置いて民衆の英雄になった。それは許せないことだよ、アンリエッタ」
「私は……民のために……」
「民のために? ほう」
カシウスは手を離し、ポポクラテスに目配せした。
「ポポクラテス。聖女様の着ているものは、高貴すぎて我々の目には眩しすぎる。もっと相応しい姿にしてさしあげろ」
「御意」
ポポクラテスが静かに頷き、アンリエッタの背後に回った。冷たい指先が聖衣の留め具にかかる。
「やめて……!」
アンリエッタが身をよじろうとした瞬間、ベロスが鞭を振るった。
パァンッ!
鋭い音が響き、アンリエッタの背中に赤い筋が浮かび上がる。
「あぐっ……!」
「動かないでいただければ」
ベロスは無表情に言った。
「余計な傷が増えます」
アンリエッタは唇を噛み締めた。鉄柵の向こうで、五人の少年たちが必死に何かを叫んでいる。しかし猿轡のせいで言葉にならない。ただ彼らの目だけが、恐怖と怒りで燃えていた。
ポポクラテスの手が動く。留め具が外れ、純白の聖衣がはらりと床に滑り落ちた。薄暗い地下室に、聖女の白く滑らかな肌が露わになる。豊かに膨らんだ双丘とその頂に咲く淡い桜色の蕾。華奢な腰の曲線。そして秘められた茂み。
「ほう……」
カシウスが感心したように息を吐いた。
「これが王国の聖女の正体か。なるほどな。男たちが夢中になるはずだ」
カシウスは妹の裸体を舐めるように見つめた。
「踊り子の娘とは思えぬ立派な体だ。父上もこれなら溺愛するわけだ」
「お兄様……お願い……やめて……」
アンリエッタは両腕で身を隠そうとしたが、ベロスがその腕を掴みねじり上げた。
「隠すな。お前のその体を、我々に見せるための儀式だ」
パァンッ!
再び鞭が空を切った。今度は太腿に赤い筋が走る。
「ああっ……!」
「美しい悲鳴だ」
カシウスは冷酷に笑った。
「さあベロス。続けろ。聖女様に自分の立場をわからせてやれ」
ベロスは無言で頷き鞭を振り上げた。
パァンッ! パァンッ! パァンッ!
三度続けて打ち下ろされる鞭。背中に、太腿に、腰に。白い肌に次々と赤い刻印が刻まれていく。
「ああっ……! ううっ……!」
アンリエッタは膝をついた。鞭の痛みよりも心が痛んだ。鉄柵の向こうで少年たちが暴れている。鎖が軋み猿轡の下から呻き声が漏れる。彼らの目には涙が浮かんでいた。
「見ろ、アンリエッタ」
カシウスが妹の髪を掴み無理やり顔を上げさせた。
「お前が愛した子供たちが見ているぞ。聖女が鞭打たれ裸にされる姿を。彼らはどう思うかな? 崇拝していた聖女がただの女だと知ったら?」
「……違う……私は……」
「何が違う? お前は聖女だ。神の花嫁だ。しかし今ここで見えているのはただの裸の女だ」
カシウスは妹の頬を平手で打った。
パチンッ!
乾いた音が響いた。
「お前は何も特別じゃない。ただの小娘だ。少年たちを救いたいだろい?私が与えた立場に感謝し私に従うべきだったんだ」
アンリエッタの目から涙がこぼれた。屈辱と痛みと悲しみ。そして何より自分を信じてくれていた少年たちに見られているという事実。それが彼女の心を引き裂いた。
「おやおや」
ポポクラテスが冷ややかに言った。
「聖女様が泣いておられる。なんとも慈悲深いことだ」
ポポクラテスはアンリエッタの前にしゃがみ込み涙を指で拭った。
「聖女の涙もまた罪ですな。しかし今は違う。ここではあなたはただの女です。我々に従うだけの肉塊です」
ポポクラテスは立ち上がりカシウスに向き直った。
少年たちの悲痛な叫びが、鉄柵の向こうから響いた。
「聖女様! もういい! 僕たちのことはいいから!」
「お願いです、逃げてください!」
「あなたがそんな思いをする必要はない!」
猿轡の下から涙混じりの声が漏れる。マリウスは鎖を引きちぎらんばかりに身をよじり、アリは喉が裂けるほど叫びケンは額を鉄柵に打ちつけ、ヤザンは無言で血が出るまで拳を握りジェリドは子供のように泣きじゃくっていた。
アンリエッタは、そんな彼らを見た。
鞭の痕が背中に走り裸身を晒し、髪は乱れ唇の端から血が滲んでいた。それでも彼女は、精一杯の笑顔を作った。
「大丈夫よ」
その声は、震えてなどいなかった。
「未来のあなたたちを守るためなら、この体がどんなに汚されようと八つ裂きにされようと、構いません」
少年たちの叫びが、いっそう悲痛になった。
カシウスは笑った。ポポクラテスは眉一つ動かさなかった。ベロスは鞭を置き、無表情のまま近づいた。
「ほう。聖女とは、ここまで美しく堕ちるものか」
「いいや、まだだ」
カシウスが妹の髪を掴んだ。
「まだ、何も終わっていない」
男たちの影が、アンリエッタの上に重なった。複数の手が彼女の腕を掴み、肩を押さえ逃げ場を奪う。地下室の灯りが揺れ、彼女の白い肌に幾重もの影が落ちた。少年たちは目を背けることもできず、ただ鉄柵にしがみついて叫び続けた。
「お兄様、あなたはほんとに浅ましい人ですね」
「ひひひ、聖女のくせに、いやらしい体をしている。お前もな!」カシウスの剛直がアリエッタの小さな割れ目を深々と貫いた!
「いやぁ、、ああぎぃいっ、、このケダモノ」ポポクラテスが後ろからアナルに侵入した
「聖女様!あぐっ!」ジェリドが悲鳴をあげた。
「聖女の口はこれを鎮めるためのものだ」ベロスが口を塞いだ
「んぐっ…! んんっ…!」
三方向からの同時侵入にアンリエッタの体が弓なりに反った。
前からはカシウスが聖女の秘所を残酷なまでに深く貫く。兄の太く硬い楔が乾ききっていない膣内を無理やりこじ開け最奥まで突き上げるたびに激痛と屈辱が脳を焼いた。
「くっ…! なんだ、意外と使い物になるじゃないか!」
カシウスは妹の腰を掴み狂ったように腰を振る。彼の狙いは快楽などではない支配だ。聖女を犯し辱め彼女の矜持を完全にへし折ること。
後ろからはポポクラテスが窄まりきっていない腸内を容赦なくこじ開けていた。未開発の秘穴は異物の侵入に激しく抵抗し内壁が悲鳴を上げるが男は気にする様子もなく奥までねじ込んだ。
「ぐぅっ…! けっこうな締まりだ…! さすがは高貴な聖女様だな!」
ポポクラテスは眼鏡の奥で冷酷な目を細め背中の鞭の傷跡をなぞりながら腸内を掻き回す。前後の穴を同時に犯される異常な感覚にアンリエッタの意識が白濁していく。
そして口ではベロスが太い一物を喉奥までねじ込んでいた。呼吸すらままならないほどの陵辱。彼女は必死に息を継ごうとするがそのたびに男の凶器がさらに深く侵入し涙と涎で顔をぐしゃぐしゃにしながら嬌声すら上げられない。
「んぐっ! んんーっ!」
三人の男に同時に貫かれアンリエッタの体は空中に浮いたような状態で激しく揺さぶられる。前後の穴を同時にかき回され口を塞がれたまま彼女は必死に痛みと屈辱に耐えた。
鉄柵の向こうで少年たちが発狂したように鎖を引き絞った。
「やめろぉぉぉっ!」
「聖女様ぁぁぁっ!」
「お願いです!僕たちはどうなっても構いません」
マリウスの叫び声が地下室に響く。だが男たちは全く意に介さない。むしろ少年たちの絶望を見せつけるかのように激しく腰を打ち付ける。
「見ろ! これが聖女だ! お前たちが崇拝していた女の正体だ!」
カシウスは妹の胸を鷲掴みにし激しく揉みしだきながら叫ぶ。
「神に仕える清らかな体? 笑わせるな! 今は俺の肉便所だ!」
ポポクラテスはアンリエッタの腰を掴み深く突き上げながら冷酷に言う。
「聖女様。あなたの体は国のための道具です。男に服従して、大人しく精を搾り出していればいいのです」
ベロスは無言のまま口内を犯し続ける。聖女の美しい唇で己の欲望を処理する背徳的な快感に酔いしれていた。
三人の男たちの動きが激しさを増す。前後の穴から粘着質な水音が響き口からは卑猥な音が漏れる。アンリエッタの体はもはや人形のように揺さぶられるだけだった。
「くっ…そろそろ限界だ…!」
カシウスが唸った。彼は妹の最奥に向けて最後の激しい突き上げをした。
「中に出してやる! 聖女の子宮に、第二王子の種を注いでやる!」
カシウスが深々と突き込みながら熱い精を噴き出した。聖女の子宮を直接汚す背徳的な快感に彼は獣のような唸り声を上げる。
「ああっ…! まだまだこんなもんじゃないぞ!」
ポポクラテスも絶頂を迎えアンリエッタの腸内に精を注ぎ込んだ。熱くドロドロした液体が内臓を満たしアンリエッタの意識をさらに白濁させていく。
そして最後にベロスが口内に白濁液を吐き出した。アンリエッタは息を止め必死にそれを受け入れた。
三人の男が同時にアンリエッタの体を完全に征服し終えた後彼女は冷たい石の床に崩れ落ちた。白い背中には鞭の跡が赤く残り、秘所とアナルからは白濁液がゆっくりと流れ出している。口の端からは精液と涎が混じって垂れる。
「…っ…くっ…」
アンリエッタは震える腕で体を支えようとしたが、力が入らなかった。
「ほう。まだ息があるか」
カシウスは満足そうに笑った。
「聖女の生命力は大したものだな」
「まだ終わらせません」
ポポクラテスが冷酷に言った。
「今日は朝まで、何度でも、聖女様を国のために奉仕していただきましょう」
朝まで。その言葉が意味するものは明白だった。彼女の体は、まだ何度も何度も男たちの欲望の捌け口として使われ続ける。
「さあ、第2ラウンドだ」カシウスが笑った。
「はは…は…っ!」
乾いた笑い声が、薄暗い地下室に響いた。
男たちは一瞬、動きを止めた。長時間に及ぶ陵辱の末、とうに気絶しているかと思っていた聖女が、床に這いつくばったまま笑っていたのだ。
「あはははは! あはははははは!」
その笑みは、これまで彼女が誰にも見せたことのない種類のものだった。慈愛も慈悲もない。底知れぬ深淵から湧き上がるような、狂気じみた歓喜。
「おい、どうした? ついに気が触れたか?」
カシウスが眉をひそめ、汚れた妹を見下ろした。ポポクラテスもベロスも、冷ややかな視線を送る。聖女が精神を崩壊させたのだと、彼らはそう結論づけた。
だが。
「ふふっ…ふふふっ。ありがとうございますわ、お兄様」
アンリエッタはゆっくりと顔を上げた。血と涙と体液で汚れきった顔に、花が咲くような艶やかな笑みが浮かぶ。
「たっぷりと…注ぎ込んでくださいまして」
彼女は両手を広げた。鞭の跡が残る白い腕。その体から、目に見えない何かが膨れ上がっていく。
「エネルギー充填…120%ですわ❤️」
その瞬間。
世界が弾けた。
アンリエッタの全身からまばゆい光が爆発した。それは単なる光ではない。皮膚の下から滲み出るような魔力の奔流。
「なっ…!?」
カシウスが目を覆う。眩しさだけではない。肌を焦がすような熱量と、骨まで凍らせるような冷気が同時に吹き荒れた。
バチチチチッ!
彼女の手首を拘束していた鉄の鎖が、湯水のように溶け蒸発する。足枷も同様だ。床に描かれていた魔力封じの魔方陣は、まるでガラス細工のように亀裂が走り、粉々に砕け散った。
「ば…馬鹿な! 術式が…!」
ポポクラテスが狼狽する。あの魔方陣は教会の秘術を結集させた絶対的な拘束具のはずだった。それが聖女の内側から溢れ出した力に耐えきれず崩壊したのだ。
「ひぃっ…!」
ベロスが本能的な危機を察知し、腰の剣を抜き放った。国家騎士団きっての剣士。その切っ先が聖女の喉元へと走る。
「死ねぇぇっ!」
だが、剣が彼女に触れることはなかった。
アンリエッタはただ、ベロスを見つめただけだった。その瞳は黄金に輝き瞳孔は爬虫類のように縦に収縮している。
「…凍りなさい」
呟きと同時だった。
ベロスの体が白く染まっていく。剣を持つ手から足先から皮膚が凍りつき血液が凝固し内臓が停止していく。彼は叫ぶことさえできず走っていた動作のまま見事な氷像と化した。
「がっ…ぁ…」
ポポクラテスが後ずさる。巨体が震えている。
アンリエッタは冷ややかな瞳で彼を見た。その視線には聖女の慈愛など微塵もない。ただ純粋な殺意のみが宿っていた。
「貴方にはこれがお似合いですわ」
彼女が指先を軽く動かす。
「ぎゃあああああああああっ!!」
ポポクラテスの悲鳴が地下室を揺るがした。彼の肥満した体が急速に膨張し皮膚がただれ肉が溶け落ち始めたのだ。腐敗の魔法。生きたまま身体がドロドロの肉塊へと変異していく。
「やめっ…たす…ぐああああ!」
脂と血が混じった液体が床に広がり鼻をつく悪臭が充満する。数秒もしないうちにかつて財務官僚の頂点に立っていた男はただの汚物の山と成り果てた。
「ひ…ひぃぃ…!」
残されたのはカシウスただ一人。
彼は腰を抜かし尻餅をついていた。股間から温かい液体が流れ出し床を濡らす。恐怖で失禁したのだ。
「うそだ…うそだろ…?」
目の前で起きた惨劇が信じられない。凍りついた騎士。腐り落ちた官僚。そして光り輝き残酷な笑みを浮かべる妹。
「お前は…何だ…!?」
カシウスは後ずさりながら叫んだ。
「聖女じゃない…化け物だ…!」
アンリエッタはゆっくりと歩み寄る。鞭の傷も汚れも光の中で癒え消え去っていく。そこにあるのは圧倒的な力を持つ女神。いや魔女だ。
「お兄様」
その声は甘く毒を含んでいた。
「た…助けてくれ! 頼む! 妹よ! 王位も人脈も全部くれてやる! だから命だけは…!」
カシウスは土下座し涙と鼻水で顔を汚しながら命乞いをした。第二王子としての尊厳もプライドも何もかも捨てて。
アンリエッタはその頭を優しく撫でた。まるで愛しいペットにするように。
「そうですね。私は許して差し上げますわ❤️」
その言葉にカシウスが安堵の息を吐く。
「でも…この子たちがどうするかしら?」
アンリエッタの視線が鉄柵の方へ向けられた。
その言葉を合図にしたかのように拘束されていた5人の少年たちの戒めが弾け飛んだ。鎖が千切れ猿轡が外れる。
「聖女様ぁぁぁっ!」
彼らは解放された瞬間目を見開き叫んだ。そこにあるのは救出の歓喜ではない。純粋な怒り。崇拝する聖女を辱め傷つけた者への殺意。
マリウスは床に落ちていた砕けた魔方陣の鋭利な石片を拾い上げた。アリは壊れた椅子の木の棒を握りしめた。ケンはポポクラテスの肉塊から転がり落ちた何か鋭い金属片を拾う。ヤザンは素手だがその拳は血が滲むほど握りしめられている。ジェリドは床に散らばる石を掴んだ。
「うそだろ…やめろ…来るな…!」
カシウスは腰を上げ逃げようとしたが足がもつれて転がった。
5人の少年たちが取り囲む。その目は血走り感情というより何かに取り憑かれたように虚ろで爛々と輝いている。
「お前のせいだ!」
「聖女様を!」
「許さない!」
「殺せ!」
「うあああああ!」
叫び声と共に暴力が降り注いだ。
石片がカシウスの頬を切り裂く。棒が肋骨を砕く。金属片が腕を貫く。拳が顔面を歪める。石が頭蓋を叩く。
「ぎゃあああああ! やめろ! やめてくれぇぇ!」
カシウスの悲鳴が地下室に響く。しかし少年たちは止まらない。殴る刺す打つ潰す。感情を吐き出すようにただひたすらに暴力を振るい続ける。
鮮血が飛び散り肉が裂ける音が響く。それは裁判でも処刑でもないただの私刑だった。
アンリエッタはその中心で静かに見つめていた。身一つで国を動かす力を持つ聖女。その背後で行われる虐殺を微笑みながら見つめていた。
やがて悲鳴は途切れピクリとも動かない肉塊が床に広がった。少年たちの手は血で真っ赤に染まり荒い息をついている。
地下室には血と死と腐敗の臭いが充満していた。
「よくできました❤️」
アンリエッタは優しく言った。
少年たちは聖女を見つめ跪いた。まるで神に祈る信徒のように。
そこにはもう恐怖も怒りもなかった。ただ聖女への絶対的な崇拝だけが残っていた。
エピローグ
夜明け前、王都の空はまだ藍色に染まっていた。
アンリエッタは静かに地下室を見渡した。血の匂いと腐敗の匂いが混ざり合い、むせ返るような空気の中彼女は一切表情を変えなかった。
床にはかつて第二王子だった肉塊が転がっている。もはや人とも呼べぬそれは、兄の面影すら失っていた。凍りついたベロスの氷像は、朝の光を浴びてゆっくりと融け始めている。そしてポポクラテスの成れの果ては、ただの汚物として床に広がっていた。
アンリエッタは聖杖アウレリアを手に取ると、床に一冊の書物を手にした。黒い革表紙に銀の五芒星が刻まれた魔術書。それは遥か昔に禁書とされた悪魔教の儀式書だった。
彼女はそれを、カシウスの遺体のすぐ傍らに置いた。まるで最初からそこにあったかのように、自然に。
「聖女様…」
背後から震える声がした。マリウスだった。少年たちは血に染まった手を服で拭いながら、呆然と立っていた。
「怖かったでしょう」
アンリエッタは振り返り、彼らに歩み寄った。その顔にはすでにいつもの穏やかな微笑みが戻っていた。
「もう大丈夫です。すべて終わりました」
「あの…これは…?」
アリが魔術書を見て呟く。
アンリエッタは静かに首を振った。
「彼らは、悪魔の儀式を行おうとしていました」
その言葉に少年たちは息を呑んだ。
「あなたたちを、生贄にするつもりだったのです」
「そんな…」
「私が駆けつけたときには、すでに儀式は始まっていました。悪魔は呼び出した者たちの魂を奪い、彼らはこうなり果てたのです」
少年達には既にマインドコントロールが施してある。記憶は都合よく改竄されている。高木いいね。
アンリエッタは地面に転がる肉塊に目を向けた。
「私はあなたたちを守ることで精一杯でした。ごめんなさい。もっと早く来られていれば」
「聖女様!」
ジェリドが泣きながら飛びついた。
「聖女様は僕たちを守ってくれた! 自分の身を呈して!」
「ええ。ですが、私は何もできなかった」
アンリエッタは少年たちを抱きしめた。血の匂いが移るのも構わず、彼女は彼らの頭を優しく撫でた。
「もう大丈夫。もう誰もあなたたちを傷つけません」
その声は、慈愛に満ちていた。
朝日が昇る頃、王都は騒然となった。
第二王子カシウス・フォン・クライスト。財務官僚長ポポクラテス。王国保安調査局長ベロス。三人が揃って変死を遂げたのだ。
しかもその現場からは、禁じられた悪魔教の儀式書が発見された。
「まさか、第二王子殿下が悪魔教に…」
「孤児たちを生贄にしようとしていたなんて」
「聖女様が身を呈して子供たちを守ったらしい。ただ奴らにひどい傷を負わされたらしい。」
「なんとお可哀想な。聖女様はお一人で三人もの悪魔憑きと戦ったのか」
噂は瞬く間に王都中に広がった。
アンリエッタは王宮に戻ると、父王アウグストの前で涙ながらに事情を説明した。
「お父様。私がもっと早く気づいていれば、お兄様を止められたかもしれないのに」
「アンリエッタ。お前は何も悪くない」
アウグスト王は深いため息をついた。
「カシウスは昔から野心家だった。まさか悪魔にまで手を出すとは思わなかったが…」
「お兄様は、いつからそんなことに…」
「分からない。だが、お前が子供たちを守ったことだけは確かだ。よくやった」
王は娘の肩を抱いた。
「お前は王国の宝だ。これからもその慈悲深さを忘れないでほしい」
「はい、お父様」
アンリエッタは王の胸に顔を埋めた。その表情を、誰も見ることはなかった。
◇
数日後、王都の大聖堂では聖女の功績を讃える特別な祈りが捧げられた。
「聖女アンリエッタ殿下は、悪魔の手から孤児たちを救い出されました」
大司教の声が聖堂に響く。
「その勇気と自己犠牲の精神は、まさに神の使徒にふさわしい」
集まった貴族たちは一斉に頭を垂れた。商人たちは涙を拭い、市民たちは聖女の名を呼んだ。
「聖女様万歳!」
「アンリエッタ殿下に祝福を!」
その声は聖堂を越え、王都の街路にまで響き渡った。
誰一人として、カシウスに同情する者はいなかった。
「悪魔教に手を出すなんて、第二王子も落ちぶれたものだ」
「財務官僚長もいたとはな。あのポポクラテスが裏でそんなことを」
「ベロスは昔から評判が悪かった。自業自得だ」
「聖女様を侮辱したから天罰が下ったんだ」
そんな声が、酒場でも市場でも囁かれていた。
人々は三人の死を悲しまなかった。むしろ当然の報いだと信じた。
◇
その夜、アンリエッタは聖堂の奥にある私室にいた。
窓の外では、街の人々が聖女を讃える松明の行進を続けている。
「聖女様、今日もお疲れ様でした」
給仕の修道女が茶を置いていった。
アンリエッタは一人、静かに微笑んだ。
机の上には、あの悪魔教の魔術書が置かれている。彼女が持ち帰ったものだ。
「愚かなお兄様 貴方は最後まで、私をただの小娘だと思っていたのね」
「以前に書庫からちょろまかした悪魔教の魔術書。うまく使わせていただきましたわ」
彼女は立ち上がり、窓辺に歩み寄った。
眼下には、聖女の名を呼ぶ人々の群れ。
「お兄様。貴方は私を利用しようとした。でも、利用されたのは貴方の方だったのよ」
アンリエッタはそっと呟いた。
「私は聖女。王国の象徴。人々の希望」
窓ガラスに映る自分の顔を見つめる。
彼女の微笑みは、聖母のように慈愛に満ちていた。
そして同時に、悪魔のように冷徹だった。
「でも、これでいいの」
アンリエッタは振り返り、私室の灯りを消した。
その夜、王都の空には満月が輝いていた。
聖女の名は、王国中に轟いていた。
そして、彼女の真実を知る者はもはや誰もいなかった。