聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
「失敬失敬。待たせたね。これが魔法を測る機械だよ。まだ実用には至っていないらしいがね」
喫煙所での一服を終えた講師は、古ぼけたモノクルをかけるとその縁についていたつまみを回した。
「……なんです、それ?」
「『すかうたー』というんだ。50年ほど前にいたこの学問所の魔道士が作り出した、魔力の測定器さ」
講師はマイヤに呼びかける。うんこをひねり出すように力んでみて。
「こ、こうかな。ふんぬぬぬ!」
モノクルに数値が浮かんで来た。講師は「3500か……」とつぶやいた。
「そ、それって凄い数値なんですか?」
「いいや、至って普通だべえよ……あ、国の言葉が出ちゃったな。マイヤさんはごくごく一般的な初級魔道士といったところだよ。考えようによっては凄いんだべえよ?」
「先生。またお国の言葉がでてますよ? 初級魔道士か。ふーん。ふふーん……」
マイヤは講師の顔をまじまじと見た。それから服装も。スタイルがかなりいいのは確かだ。ちなみに講師はどのぐらいなのだろう。『すかうたー』の使い方を教えてもらい、調べてみた。
「ふんぎぎぎぎぃ! けつあなからもりもり出してみせるべええーっ!」
「やべえ。5万超えてる……」
6万5千、7万。8万。そんな数値はもう過ぎ去った。ついには132735という数値を出した。
「ふうっ。ちょっとちびっちゃったべえ……」
「す、凄いですね! 私の40倍以上ですよ! イズヴァルトはどうかな~?」
「試して、みるでござるか?」
イズヴァルトも糞をひねり出す気持ちをでいきんで見せた。まじやべえ。先生程じゃないけど5万近くはいっている。49312。
「はあっ。はあっ……まだまだこれからでござる! おしりのあなから臓物を、ひねり出す感じで、うぬっ!」
本気を出したイズヴァルトは、ぶほっと盛大なおならを放ちながら全力を見せてみた。6万5千。講師の半分程度であるが恐ろしい数値だ。
「はあっ……はあっ……拙者もお尻がむずむずしてしまったでござるよ。これは如何ほどの数値でござろうか?」
「おまさん、いいもん食ってる感じのおならをするべえなあ?」
「先生、お国の言葉が出ているでござる……」
「はっ! まいったなあ! あははは!」
講師は笑いながら横髪をかき分けた。しっかりと尖った耳が出ていた。ついでだが髪はプラチナブロンド。どう見てもイーガのニンゲンではなさそうだ。
「で、拙者の数値はいかほどでござる?」
「上級魔道士の下っ端……いや、中くらいかな。ここの講師達がだいたい、10万ぐらいだからイズヴァルト君はなかなかに才能がある方だよ」
ところで、祖父母とかにエルフとか魔法に優れた方がいるかね。講師はイズヴァルトに問いかけた。イズヴァルトは母親がスオニアのキッカワンテス家の末裔だ、とだけ答えた。
(ああ、あそこの……とんでもないとこの家系だべえなあ……)
合点がいった。講師は長いスカートを翻しながら講義を続ける。彼女が巻いているスカートは、股の付け根あたりまでがうっすらと見えてしまう、大変に困った感じの代物だった。
(ねえ、イズヴァルト。)
講義を聞いたふりをしながら、念話魔法でマイヤはイズヴァルトに呼び掛ける。
(パルパティア先生、絶対エルフだよね?)
(さ、さようでござるな……)
□ □ □ □ □
魔道学問所の講師、パルパティア=シディアスはカントニアから移住してきたミナッカミニアのハーフエルフであった。母はカタシナシュフの金色エルフ。
歳は70近くだが、まだ23、4歳の若い女に見えた。付け根と尻が透けて見えるスカートを好んで着るのは、セクシーさをアピールする為にである。
夜遅く。家から帰宅した彼女は夫の部屋に向かった。この家には彼女の夫とその間に産まれた2人の息子がいる。夫の方はニンゲンで、「ふがふが……」とぼやくだけの要介護老人となってしまっていた。
居間に入ると上の息子が待っていた。今年25歳で、5歳年下の弟とともに未だに家にいる。穀潰しのニート……ではなく、イーガの役人だ。17の時に妻を持ち娘を儲けた。しかし女癖が悪くて結婚生活は3年で終わってしまった。弟のほうは童女好きなので、なかなか恋愛沙汰が起こらなかった。
「かーちゃん。夕飯作っておいてあるよー! 温め箱でチンして食べて―!」
「わかったべえ」
故郷のなまりことばで上の息子に答えると、テーブルの上に置いてあった角煮混ぜご飯を手に取って温め箱の中に入れる。3分ほどしてチン、と音が鳴るが、それを取らずに夫がいる部屋に入り込んだ。下腹がイライラしてたまらなかったのだ。
「ふがふがふが……。 (パルパティア、今日はどうだったい?)」
「すんげえ子たちだったべえよ! ありゃきっと大成するべえ! 特にマイヤっちゅう女の子は、なかなかに見どころがあったべえよ」
「ふがー。 (どの辺がそうかね?)」
「おれの直感が言っているべえ。サキュバスの、それもとんでもねえ一族の子孫だべえな。あれ」
彼女のおならのにおいを嗅いで、クリトリスが勃起してしまった。女も興奮させるにおいを放つのはそうそういない。
それと、彼女のおならは甘いにおいがするのと、男どもが飲む催淫剤みたいなにおいも漂っていた。サキュバスの愛液を取って精製する極上品のだ。
「ふがふがふが……。 (そうかいそうかい。ならば嗅いでみたいのう。)」
「嗅がんでもおまさん、ぴっちり勃起しているべえ。ちょっとべっちょすっか?」
「ふがー! (おお、頼むよパルパティア!)」
パルパティアは要介護老人のシーツをめくると、すっかり伸びあがっている丸出しのペニスが見えた。少しこすると勃起が限界にまでなった。
おしっこのにおいが漂うそれを、彼女は愛おしそうに頬ずりする。それからスカートをめくり、美しい太ももとその先の濡れた女陰をさらしだすと、その上にまたがってはめこんだ。
「ふがあああ……。ふがふがふがふが。 (ええわいなあ。パルパティアのおまんこ、あたたかい……。)」
パルパティアは「いいべぇ♡」と悶えながら腰を振り動かした。彼女の膣は洪水を起こしていた。要介護老人は妻の温かいぬくもりの中に30分も入り浸った。その間に4発も子宮に飲ませてしまった。寝たきりで手足は萎えていたが、精巣はしっかりとしていたのだ。
「ふがあぁ……。 (パルパティアにこうして抱かれながら死にたいのう。)」
パルパティアもそうしたい。夫を腹上死でもって、輪廻の理に向かわせてやりたかった。老人のペニスはしつこかった。4発放ってもなお、勃起をしていた。その硬さを感じながら、絶頂の余韻にふけっていると、扉の向こう側から息子たちの声が聞こえてきた。
「かーちゃん! とーちゃんとべっちょしてないでさっさと食えよ!」
「俺達はお父ちゃんの身体を洗わなきゃならないんだよ。さあさあ!」
うっさいべえなあ、とパルパティアは夫と自分の股の後始末をして部屋を出た。金髪のクォーターエルフの青年が2人、扉の前で待っていた。
「飯、冷えちまったよ? またチンして食べなよ」
「どうせなら飯の後にやってくれよ。俺達も起きているんだから」
「女の生理ってもんをもっと識ってほしいべえよう……」
生理といってもエルフのだ。パルパティアは追い払われて居間に向かった。冷えてしまった飯をまた、温め箱に入れて待った。
性欲を満足させたので、今度は食欲がみなぎってしまった。飯をかきこむ。彼女は早食いで、くちゃくちゃ音を立てた。美人なのに下品な食べ方だ。
とはいうものの、彼女は魔道士の中ではエリートである。彼女の伴侶もまた、れっきとした人物だった。30年程前は魔道学問所の講師をだった。
飯を食べ終えると、時刻は夜10時に差し掛かった。だいぶ残業したから今日は帰るのが遅くなってしまった。
夫の後に風呂に入り、あとは一緒に寝るだけとなった。パルパティアはちんぽを勃たせる夫に添い寝し、それをしごきながらさっきの続きを始めようとした。
「ふがふがふがあ……。 (ところでどうして今日は遅くまで学問所にいたのかね。いつもなら6時には家に戻って来るだろうに?)」
「報告書を書いていたんだべえ。王子様がかけかけ、とうっさいんでなあ」
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「あのにいちゃんとべっちょしていいべえか……だと?」
パルパティアの報告書の末文を呼んでアドルフは笑った。あの女はやっぱりハーフエルフだ。下半身のことになると途端にがっついて来る。
とはいえマイヤについての考察はなかなかに興味深かった。やっぱりサキュバスの血が流れてるんじゃね? その通りだとアドルフは独り言を。
(魔力の総量に関しては発展途上だが、鍛えれば上級魔道士のかなり上のほう……スカルファッカー家のアナキン坊やに匹敵するかも、か。)
パルパティアは一時期、ホーデンエーネンのカツランダルク御三家のうち1つ、スカルファッカー家の家庭教師をしていた。夫が要介護老人になる前である。
そこの子供達に魔法を教えていたが、盆暗にも程がある長男と令嬢たちに比べ、末子のアナキンはイーガへの留学を薦めたいぐらいに優れていた。
「と、なればますますマイヤを遠ざけねばならぬな。魔法から……」
アドルフはパルパティアへの返書をしたため始めた。イズヴァルトとの性交はダメだ。お前、育児休暇を取るはめになるぞ。夫を養わねばならんのだろう?
「しかし、ソーロー家のケノービには、弟殿をイーガに留学させるよう強く申し出る事にする。弟君の幼馴染のピルリアとかいうクォーターエルフの娘と、彼等の間に出来た2人の娘も含め、イーガへの滞在許可書を発行する様に働きかけておくぞ……と」
しかしアナキンという少年には正妻がいたはずだ。つい先日、祝言をあげたらしい。ヨディアというまあまあの貴族の娘だ。美人だが薄ら馬鹿。贅沢と甘えに満ちた欠陥物件だそうだ。
(それに比べてソーロー家の婿殿の奥方は、とんでもない不細工の癖になかなかの賢妻で良母だと聞く。夫の薄暗い仕事を感知していないようだが……)
とはいえ。パルパティアが息子みたいに目にかけているアナキンの為に、その妻の毒殺の手配もしておこう。子供を産んでからがいい。産後に体調が急変した様に見せかける方法でだ。
(……ふむ。これでよし。)
アドルフは小姓のオットーを呼んだ。寝巻き姿で大きな豚のぬいぐるみを抱えて、寝ぼけ眼だった彼は「こんな夜更けになんでしょう?」とあるじに呼びかけた。
「今から学問所に行って、この手紙をパルパティアの郵便受けに入れて来い。深夜組が待機させている馬車を使え」
「もう2時ですよ? アドルフ様、こんな夜更けまで起きていてはお身体に触ります」
「私のことは気にするな。毎日2時間は昼寝をしているからな。それに、妾達を抱いてから1時間ほど寝た」
ちゃんと王太子としての夜のお勤めもやっている。アドルフは「そのままの格好でいい」と告げてオットーを向かわせた。
とりあえずはお気に入りの小姓の助言を聞く事にしよう。アドルフはソファで横になり、毛布をかけて寝ようと務めた。
そうすると、ついついマイヤの姿が脳裏に思い浮かんでしまう。ホテルから出た時に思い切り揺らしていた大きな乳房。たぬきみたいだと形容出来そうな愛らしい美貌。
それだけでない。彼はイズヴァルトとマイヤの部屋に仕掛けを施していた。この日の朝、そこからの初めての視覚情報がアドルフの書斎の水晶版に映し出された。
寝起きのマイヤが素っ裸のまま、寝息を立てているイズヴァルトにからみつき、フェラチオを施しているという姿だ。
(……朝っぱらからの悩ましい姿であったな。欲情してしまったよ、マイヤ。)
その後妾を1人呼びつけて行為に及んでしまった。それ程までに股間がいらいらして仕方が無かったのだ。
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パルパティアは魔道学問所の講師陣でも、かなり上位に位置する人物だと知ったのは、講義が始まって1週間ほどだった。
それまで彼女がやって見せてくれた『氷細工の人形達のダンス』や動物達とおしゃべりする魔法で度肝を抜かされ続けていたが、別の講師になると理論ばかりで退屈この上無かった。
「……はああ。つまんねーよー」
不良じみた言葉づかいでマイヤは講義の後に嘆いた。イズヴァルトは目を見開いたまま、うつらうつらとしている。目を開いたまま寝る方法を身に着けたのだ。
「イズヴァルト。私、ようやくわかったよ」
講師陣は魔道士としては地位は高いが、理屈や理論ばっかりで実践ではあまり役に立たない。だからこの学問所に飛ばされたのかもしれないと。
「私たちは『なぜ』を解きに来たんじゃなくて、『どうやって』を学びに来たんだよー。理論は本で充分学んでいるんだよー。こんなんだったら、いろんな魔法技術者のところを回って、お話を聞いたほうがよっぽど勉強になるんだけどなー」
マイヤは授業用に配られた書籍を開く。そういや、どうして自分の前世の用語みたいなのばかりが並んでいるんだろうか。
「チャクラを活性化させると魔力の使用量がアップするとか、呼吸を意識して魔力を高めろだなんて。少年漫画かなー?」
魔法とはフォースそのものである。光と闇の両方の力がせめぎ合う。魔法をかけるときはイージーな気分でワイルドになればいいのさ。
「考えてごらん、魔道の無い世界を、とか魔道の究極の境地とはただ、なすがまま、だとか。ぼんやりとした言葉で語るんじゃねえよッ!」
マイヤは書を投げ捨てた。こんな『いんちきカルト』の教典みたいなもので魔法を学べとは言語道断。
「これじゃあ「まわるまわるよ魔法陣は回る」だとか、「私の魔法のじゅうたんは南の風に乗って走るわ」なんてのも書いていそうだね!」
「なんなんでござるか、それは?」
イズヴァルトがやっと起きた。マイヤは鼻をほじりながら答えた。私の前世の歌をもじって並べ立てただけだよ。彼女は立ち上がってイズヴァルトに抱き着いた。
「いじゅばるとー。こっそり講義を抜けておまんこしようよ? そっちのほうが勉強になるよー!」
「だめでござる。この学問所にはホーデンエーネンの国家予算で通っているのでござるよ。起きている振りをしてでも講義は毎日聞くでござる!」
ちぇっ。マイヤはふてくされてイズヴァルトにしがみついた。おっぱいをすりつけて「さぼろうさぼろう?」と呼びかける。
(本当に学者になりたいと夢見てたのでござろうか?)
イズヴァルトは疑うしかなかった。とはいえ、次の日の筆記考査では、マイヤは満点を取った事に驚くほか無かったのだが。