※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

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幕間④:キンキ大陸上陸

 首都・タカレストにたどり着く。人口は50万以上。この当時の屈指の大都市である。その規模と広さに驚かされた。

 

 とにかくただっぴろいので城壁は無い。代わりにツックバーの植民地時代の城や砦が街中の至る所にあった。

 

 ミツクニュモスやマルカスが言うには、街は2つに分かれているという。南は行政機関や繁華街があり、一般市民が住む。北の郊外は上層民が住む高級住宅街だ。そこにも古い城や砦がある。

 

 どうしてこんなにも近いところに、いくつも城や砦があるのか。イズヴァルトの疑問にはツックバー人の武者が答えた。

 

「どれも本当の軍事施設ではなく、この土地に移り住んだツックバーの貴族の持ち家だったものですよ」

 

 堀を巡らし櫓を置くのは、己の富を示す為にあったという。大仰でござるな、とイズヴァルトは苦笑した。

 

 タカレストの繁華街は、立ち寄った町や村よりも娼婦の数が多かった。ハーフエルフどころか本物のエルフもいた。

 

 諸外国では銀貨5枚の価値がある女が、タカレストでは1枚で買えるとミツクニュモスは言った。それにマルカスが同意する。

 

「カントニア人の間じゃ、女とめいいっぱい楽しむならタカレストに行け、と言われているぐらいなのさ。ま、ミナッカミニアのカタシナシュフの里に行きゃ、タダだけどな」

 

 カタシナシュフはええところじゃった、とマルカスは懐かしそうに言う。女エルフが多い山里で食べ物がうまい。温泉もある。雪が降ればスキーもできる。

 

 その上人懐っこい女エルフがひっきりなしに訪れる。セックス。朝も昼も夜もセックス。きんたまが音を上げるまでセックス漬けだ。

 

 妙齢の女性に見えるエルフも、童女や幼女の頃のエルフもくぱあと開いてちゅっちゅと励む。家の中でも野原でも、中出しし放題の夢の国である。

 

「カタシナシュフ……キファニアさまにお礼を述べたいでござる。立ち寄るのは如何か?」

「やめてくれ! 俺は遠慮する!」

「と、突然何を申されるでござるか?」

「俺はあそこでやりすぎたんだ! 一番怖い奴に目を付けられてえらい目に遭った!」

 

 マルカスはカタシナシュフに1年ほど滞在した。その間に10人ほどの女エルフを孕ませた。うち2人は月経が始まったばかりの小娘エルフ。みんな夢中になって腰を振る可愛い娘達だった。

 

 その行いが里の者の逆鱗に触れた。男ではなく女だ。キファニアの姉で『万年メスガキ』のマリベーラというハーフリングが、マルカスを瀕死にまでしばき込んだ。

 

「ううう……お願いだから俺は連れて行かないでくれ。マリベーラはまじでやべえ。あんな地獄の悪魔みてえな小娘がいたなんて……」

「よしよし、マルカスどの。拙者らはさっさとホーデンエーネンに向かうでござる」

「その方がいいぜ。カタシナシュフは山奥だし道のりが険しい。しかも滞在となると1年以上も居座ることになるかもしれん」

「ミツクニュモスどの。まるで行ったことがある様な口ぶりでござるな?」

 

 ミツクニュモスは否定した。親友にいたんだよ。あそこに滞在したことがあると言った。でっぷりとした奴だったが、2年ほど滞在して体重を半分にまで落とし込んでしまった。里での過酷な性行為でだ。のめり込みすぎたらしい。

 

「帰国して1年もしないうちに死んじまったけどな。まあ、貧乏貴族の7男坊で縁談も無きゃ恋人もいなかった。本人は満足して死ねたんだろうな」

「うん。きっとそうでござるよ?」

 

 カタシナシュフの話に負けず、タカレストの娼婦たちは凄まじかった。呼び込んだり抱き着いてねだったり。はたまた、おっぱいを見せたりと余念が無かった。

 

 イズヴァルトとマルカスは取り込まれずに済んだが、ついてきた武者達は全員が搾りあげられた。そのせいで滞在が3日も伸びてしまった。

 

 その間、イズヴァルトは女エルフ達とともに夜の街に繰り出し、ハーフエルフの大道芸を楽しむことが出来た。

 

 下半身素っ裸の幼い娘が、サドルの代わりにハリガタがついた一輪車に乗って喘ぎながらこいでみたり、松明の前で火酒を含ませた肛門を吹かせ、尻火吹きをしてみせたりと。

 

「すごい、御下劣でござるな……」

 

 目をまんまるくしていたイズヴァルトに、イナンナが苦笑する。

 

「ウマヤーノはそういうところなんズラよ。オラ達でも始末におえねえと思えるぐれえのもんばかり、目に余るぐらいあるズラ」

「みんな可愛いのにもったいないでござる。ホーデンエーネンに行けば正妻はまだしも、お偉方のお妾様ぐらいになれると思えるでござるが……」

 

 どうしようもない。美人が供給過多になるとこうなるのだ。ありのままの世の中を受け入れるしか無いズラとイナンナは忠告した。

 

「解せぬ」

「どうにもならん。理解しろズラ」

「それでも、拙者は……」

 

 イズヴァルトは悩んでしまった。こういう世界も救うべきでは。意外と青臭いことを考える聖騎士にイナンナは忠告した。

 

「エレクトラさんじゃないけど、世界を救いたきゃその為に奮励努力すべきズラよ。けど、おまんはにはそんなこと、だあれも求めていねえズラ」

 

 とりあえずはこのタカレストでは。イナンナはとどめの一言を。キファニアにでも任せておけ。ウマヤーノの悩みはウマヤーノに住む人が解決すべきだとも。

 

 そうしてもやもやを抱えたままタカレストを出発。登り坂ばかりの西街道を渡って海へ。港町でイーガ行きの船に乗り込んだ。

 

 船に乗りマイヤがいるイーガに向かうと思うと、イズヴァルトはウマヤーノの仕組みに抱いていた違和感をすっかり忘れてしまった。心が躍ってしまう。

 

 マイヤが心を操られてというかっこ付きだが、痛烈な別れの言葉を浴びせられてしまったものの、彼が奥底に抱いていたマイヤへの恋慕がますます高まってしまう。

 

 その発露は船室での自慰であった。鞄の中に大事に入れていたマイヤの排便動画や近所の猫と一緒に大あくびしているものが収められた映像水晶見ながら、しこしこと己のナニをしごき続けていた。

 

「ううっ。マイヤ、マイヤ!」

 

 叫んではしごいたものから放つ。それが毎日の日課だった。マイヤの映像を見て、彼女との日々を思い出してしごくと、ますます恋心が募ってしまった。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

「何故でござる?」

 

 船長にイズヴァルトは詰め寄った。船がキンキ大陸とカントニアの中間にあるチッタ諸島にさしかかった頃である。

 

 イーガ港湾の通信魔道士から、イーガ入国を拒まれたのだ。チッタ島はイーガの領土だ。

 

「わしにもわからんよ。どうしてイーガが交易船の入国以外入港を許さんとは」

「この船の通信魔道士どのに、ホーデンエーネンのイズヴァルトが乗っている、と港にお伝えいただくようにいただけぬか?」

 

 船長はうなずいた。しかし港からの返事は入港拒否だった。ミツクニュモスがヒッターチ国の代理だと申し立てても。

 

 エルフ達が提案した強行突破は、イーガと戦う事になるからとイズヴァルトが認めなかった。イーガに取り入るのが目的だからだ。

 

「仕方ないですねえ。アヅチハーゲンから輸送船に乗せてもらってイーガに行きましょうか」

 

 密航船だってあるだろうとエレクトラ言った。ホーデンエーネン北東部最大の港・アヅチハーゲンはどんな船も都合がついたし、何よりホーデンエーネンは今現在、そこだけ外国の船の入港を許可していたのだ。

 

 船はチッタ諸島の港で補給だけを済ませて、アヅチハーゲンへ向かった。6日後、船はアヅチハーゲンに入った。ホーデンエーネン北部最大の貿易港湾都市。北部で最も豊かな港町だ。

 

 輸送船、旅客船、あるいは漁船や個人所有の船など、船は数百にも及ぶ。カントニアやムーツどころか、交戦中のはずのエチウからも来ていた。

 

 ムーツ大陸からは主に西側の過半を征するクボーニコフ王国や、その南にある衛星国群、通称・ユーリポフ13小王国。

 

 エチウであれば西側の諸島から。かつてホーデンエーネンの王家の妻を送り、姫を迎え入れたナオエニアやエチゴニアといった国があった島々だ。

 

 ホーデンエーネンとパラッツォ教団が戦っていたのにである。港と港町は平和そのものだった。パラッツォ教団はホーデンエーネン側に港で戦わないようにと申し立てていたからだ。

 

 戦いはもっぱら、内陸側にあるアヅチハーゲン要塞近郊で行われていた。そしてイズヴァルトはつい先日、その要塞にパラッツォ教団の旗があがったと聞いて驚いていた。

 

「お、王国の一大事でござる!」

 

 奪い返す準備をと叫んだ。しかしエレクトラとイナンナに止められた。パラッツォと争うよりはまず最初にイーガに向かう事が肝心だ。

 

「幸いにイーガ行きの船はあるそうですよ。善は急げ。とりあえず船に乗って行きましょうや」

「し、しかし……」

「しかしも何もねえズラ。とっととイーガ王の王様に取り入って、マイヤさんのご家来させて貰うズラよ」

 

 イズヴァルトはうなずいた。船に乗ろう。とりあえずは船旅で疲れた身体と情報収集の為に3日間、アヅチハーゲンに滞在する事にした。南西の街区に空き宿がたくさんあったので、そのあたりで連泊する事にした。

 

 立ち寄った港町の酒場はパラッツォ教徒に宗旨替えしたホーデンエーネン人ばかりだった。各地の弾圧から逃れてこの港に来たという。

 

 パラッツォ教徒らはここに逃れてずっと暮らせばパラッツォ教が守ってくれると語ったが、イズヴァルトはどうにも信じられなかった。ホーデンエーネンならきっと逆襲するはずだ。

 

「いくさはどう転ぶかわからぬものでござるよ? 例え今日勝ったとしても明日、敵軍の旗がお城に翻っているかもしれぬでござる」

 

 教徒たちに語った翌日だ。アヅチハーゲンの港湾に多くの軍船が侵入し、街を占拠した。ホーデンエーネン海軍とその同盟国・ムーツのクボーニコフ王国のものだった。

 

 夜明け前の出来事。イズヴァルト達が夜遅くまでの性交でぐっすりと眠っていた時だった。港町でパラッツォ教徒狩りが行われた。ホーデンエーネン人もエチウ人も関係なくだ。交易に来た船員達も含めてだった。

 

 捕まった者は全員で1000人ほど。誰もが港で服を脱がされた。かの教団は男はペニスの、女はクリトリスの包皮を切除していたから股を確かめればわかった。

 

 虜囚らはクボーニコフの船に載せられ、男はそのまま沖合に落とされた。老人や子供の区別なくだ。女は子供でも船の中で兵士達に犯され、奴婢として送り込まれる事となった。

 

 その話をイズヴァルトが聞いたのは昼前だった。久々の陸の宿で心地よくなっていたのと、同衾したイナンナと目覚めてから1時間もセックスをしていたからだ。

 

「……な、なんと!」

 

 この行いは非道だ。残虐極まりない。ホーデンエーネン王国の名を汚す。すぐさま抗議に出ようと急ぎ支度を始めた。これにはエレクトラやイナンナは同意する他は無かった。

 

 が、イズヴァルトは後悔することになる。寝床からあがるのが遅かった。ちょうどその頃、彼が泊まる宿にホーデンエーネン軍の一団が近づいていたからだ。

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