聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
トーリ=カツランダルク。
長いこと上洛を拒んでいた彼女は、想定外の出来事によりナントブルグの王宮に出仕することとなった。長男のオルフレッドが国王付きの小姓となったからである。
しかも彼女が敵視し、いずれは滅ぼそうと考えていた裏切り者の庶流・カツランダルク御三家の庇護も受けていたからややこしい。
王国乗っ取りは画策していた。ただ、本当はもっといろいろと準備と手駒を増やしてからと考えていた。
でも状況がそうもいかない。トーリは宮廷で目覚め始めた力をふるうことにした。サキュバスの魅了と心理操作の魔法をだ。
部下のカミラが『不完全』と諫言してくれたが、トーリは貴族らにある程度の影響を与えられた。それと今の所はばれてはいなかった。
そして『王国侵食』の計画の第一歩。それはセイン王の愛人になることだった。
あとでトーリが知った事だが、彼女がカツランダルクの『ご本家』の血筋であり、亡きジュンケイン王の孫娘だと貴族たちに知れ渡った頃から、彼女とセイン王の結婚を求める声があがったという。
なにせホーデンエーネン国内で絶大な人気を誇ったアイドル・『おしゃぶり姫』の姉である。13歳の頃から子供を7人も産んだという多産ぶりが喜ばれた。それとセックスが人の倍以上好きだということも。
しかもどこか容姿の作りに『こまかい手抜き』が施されている妹に比べ、姉のトーリは完璧だった。相次ぐ出産でお腹がややたるみ、農婦仕事で手が荒れていたが美容術でなんとかなるものだ。
ただ、セイン王はトーリとの結婚を拒否していた。人様の奥さんを戸籍まで寝取る様な真似は言語道断だと思ったからである。それ以上に彼は人妻を愛人にするのが心情的に嫌だった。
そこをトーリは籠絡の魔法でセインを心変わりさせ、結婚ではなく愛人として遇するようにさせた。マイヤよりもすけべな本性を持つ彼女は、これまでに培ってきた性の体験と技術とでセインを骨抜きにしてしまった。
その晩も手コキをしながらのキスと1時間にも及ぶフェラチオ、2時間近くのファックをセインとトーリは為し終えたばかりだった。いいや、午前の政務から籠りきり。彼女が身につけたサキュバスの魔力に、セイン王は身も心も支配されていたのだ。
薄い絹の就寝用ドレスを1枚まとっただけのトーリは、廷臣たちには悩ましく見えた。身体にたっぷりと国王の精液を得て美しくなっていた。扉の前で、急ぎお伺いに来た廷臣らの前に立つ彼女は言った。
「皆様。陛下はぐっすりとお眠りになられております。何か御用がございましたら、私にお伝えいただければ明日、言伝いたしますので」
トーリはセイン王の愛人になりきっていた。今夜はもう遅い、お引き取りを。彼女の『正妻ぶり』を批判する廷臣らはここにはいなかった。
ただ、トーリの身体からにおうセイン王の体臭や精液のにおいを廷臣らは気にしていた。鼻をつまんで嗅覚をごまかさないとやっていられない。
激しいセックスをした後の女には、淫らなことをしたくなるにおいが濃くなるものだ。特に夜に嗅ぐと不愉快さの向こうにある己の本能に火がついてしまう。収まりきらないぐらいに勃起してしまう。
「あ。トーリさま。沐浴なされたほうが……」
「はっきりいってくさいですぞ? 止まらない発情をやっとのことで満足させた女のにおいがいたしますな?」
「あら。私の体、そんなに匂いますか?」
トーリはわざとらしくスカートの裾をつまみ上げてみせた。ちら、ちら、と廷臣らに目配せをする。紫色の瞳に一瞬、紅い輝きが放たれた。
「自分じゃわからないわ……そういえば急ぎのお話らしいようですが」
早くお聞かせ願いたい。ただし、別の部屋で自分と交わりながらと、トーリは目くばせし、スカートをゆっくりと持ち上げた。
「いけませぬぞ……」
廷臣らがたしなめる。が、太もも見え、さらにその上にある、先ほどまでセイン王を散々に楽しませた茂みが見えると、彼等はいてもたってもいられなくなった。
「よ、よろしいですかな……」
廷臣のうち1人が鼻から手を離してしゃがむと、トーリのやや薄い茂みのにおいを嗅ぎ始めてしまった。女の身体の中で一番濃いにおい。それが周囲に漂う。
一番近く顔を近づけた男は、すぐに屹立を始めてしまった。トーリが意味ありげに微笑むと、廷臣らは彼女に抱き着いた。
王家の女への無礼というものだ。しかしトーリはそれを許した。国王との子づくりは始まっていたが、彼女は他の男に積極的に身体を許していた。この廷臣らは最低に2度は彼女としたことがあった。
彼等は全員、股間に激しい欲情を覚えていた。トーリを別の部屋に連れ込むと、そこにあったソファに押し倒した。
「トーリさま。我らにお情けを」
「こうなったのもトーリさまのせいでございますからね?」
自分達は悪くない。そう思いながら彼等は陰茎を引っ張り出した。トーリは舌なめずりし、先頭にいる3人のそれを手でしごき、唇で愛で始めた。
愛撫を受ける男達の、せわしない息遣いが響き渡る。トーリは股を大きく広げた。セイン王が放った精液がこびりついた女芯があらわになった。
ここまで見せられると抑えはもう効かなかった。指での愛撫を受けていた1人が、樫の木の様にかたくなったペニスをトーリの濡れ溝にあてがった。
「よ、よろしいですかな?」
どうぞ。トーリは微笑みながら受け入れた。力強く腰が押し込まれ、彼女はうめいた。相手の男もトーリの上半身にしがみつき、速度をあげてきた。
前戯でほぐさなくても、トーリの下半身は柔らかくとろけてしまう。サキュバスでも特に上等なものを先祖に持つ彼女の身体は感じやすいのだ。
その快感は、子供を産んでからますます研ぎ澄まされていった。膣の中に入れられただけで、吹っ飛ぶような快感を覚えてしまう。膣が勝手に洪水を起こしてしまう。甘い愉悦が駆け巡った。
「あ……っ……」
トーリの身体から、甘いにおいが漂い始めた。淫魔のそれだ。膣の中でペニスが暴れれば暴れる程、快感は倍加し、濃くなっていく。
普通のニンゲンの女であれば、とっくにキャパシィを超えて意識がぶちぎれるような快感を得ていた。それを彼女は受け止めることができる。しっかりと受け取って身体の内側をうねらせ、男を喜ばせた。
「と、トーリさまあ!」
熱くぬるりとした膣。絹の様にきめ細やかで柔らかい肌。それと生存本能を刺激する彼女の体臭のせいで相手の男の陰茎は暴発してしまった。
大量の精液が膣の中に放たれる。精液を摂取したトーリの身体から、淫魔の香りがますます濃くなった。菓子の様な熟した果実の様な、甘い香りであった。
「はあっ……はあっ……す、素晴らしいですな。陛下が耽溺なされるのもよくわかる。トーリ様のおからだは男を喜ばせる天才ですぞ……」
そう言って彼女に精液をくれた廷臣が、名残惜しそうに身体を離した。次の出番は一巡したらだ。その間は他の者とトーリとが交わっているのを見物しなくてはならない。枯れるまで放ちたいのに。
「うふ。夜明けまで頑張れるなら、あと2回はお相手いただきますよ?」
トーリは荒く呼吸をしながら微笑んだ。避妊の魔法はかかっている。この男達は彼女がますます力をえる為に奉仕するのだ。吸精魔の血が流れる彼女の身体のもとを造る為に。
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明け方。10名以上の男達と、3巡どころか4巡もトーリは為した。身体は男達の脂と汗のにおいと精液の刺激臭に包まれていた。
一睡もしなかった。身体の魔族化が進んでいたから、交合をし、精液を受けるだけで疲労と精神が回復した。まる一晩眠っているのと同じぐらいであった。
目元は力に満ち、肌つやに磨きがかかっていた。彼女はふらふらになって出て行った廷臣らが与えてくれた精液を下腹の中で感じながら、しっかりとした足取りで部屋を出た。
窓にはそろそろ朝日が差し込みかかっていた。影の中に姿があった。背中に翼が生えた裸身の美女。彼女の手下のサキュバスだった。
「そこで話を聞いていたわね、リリカ」
腰までの金色の長い髪を生やしたサキュバスがうなずいた。胸元が大きくあいた白いドレスをまとっている。リリカはナントブルグの女王の直接の家臣ではなかった。
カミラの旧知で彼女に乞われて仲間になったサキュバスだ。この数百年、サイゴークのイワッミーで看護師をやりながら、ドワーフ相手に股を開いていたという。
リリカはトーリが近づくとすんすん、すんすんと鼻を鳴らす。途端に嫌な顔をし出した。
「トーリ様。お身体がくっちゃいです」
「あらそう? いいにおいだと思っているけれど、だめ?」
「たまらないほどくっちゃいです♡ くちゃいくちゃい♡ くっちゃい♡」
男の体臭、特に精液のにおいは、サキュバスにとっていつまでも嗅ぎたいにおいそのものだ。しかしそれは淫魔だからである。ニンゲンだとそうもいかない。不快感を催すだろうとリリカはたしなめた。
「……けど、こんな卑猥なにおいをぷんぷんさせるほうが、イズヴァルトさんのやる気を出させるかなと思っているの。どうかしら?」
「ドワーフならそうかもしれません。まああの男達は汗臭そうな身なりと体格のくせに、湯の花みたいにすっきりとした体臭しか漂せませんけど♡」
「マイヤいわく、イズヴァルトさんは洗っていないおまんこのにおいが大好きみたいよ?」
それならば問題無いかもしれないと、リリカはうなずいた。けれどもイズヴァルト達に張っていたサキュバスらの話によれば、彼はエルフを2人連れているという。
エルフはサキュバスを毛嫌いしている。というよりもおちょくって楽しむ輩が多かった。とはいえ基本的に仲は良くなかった。
「けど、沐浴はちゃんとおこなってください。くっちゃい身体のまま会うのは失礼にあたるかと思いますし」
「仕方ないわ。今すぐ沐浴場に連れて行ってちょうだい」
わかりました。リリカが念じるとトーリは沐浴場の脱衣所の前に立っていた。服を脱ぎ身体を清める、湯からあがるとリリカともう1人のサキュバスが、拭き布と替えの服を持って待っていた。
「リリカ。イズヴァルトさんたちは、いまどこに?」
「アスカウの村から南に100キロ。転移魔法で飛びましょう」
「お願い。そうして。私は待ちきれないの。これから先、ずっとイズヴァルトさんの助けがいるんですもの」
それとあのたくましい身体とペニスもだ。昔のように思う存分『浮気』をしたい。いいや、それだけではなかった。カツランダルク家が天下を取る為に力を貸してもらいたいのだ。
王国の簒奪。その為には強力な武器があればありがたい。イズヴァルトの勇名。マイヤの人気。それがあれば向かうところ敵無しだ。
トーリは紫色のドレスに身を包んだ。それからホーデンエーネンの王家の者の証を自分の部屋から持ち出した。祖父・ジュンケイン=ホーデンエーネンが愛用していた儀礼用の剣だ。
彼女はサキュバス2人と、護衛の武者を連れてナントブルグから出た。向かうは、野望を成就させてくれるかもしれない男の元へ。