※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

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第十九回

 イズヴァルト達が乗る即席の船の前方で、突如として轟音が鳴り、水柱が立った。ヴィクトリアはマイヤをイズヴァルトに預け、槍の柄で船を川岸に付かせた。

 

 彼女は『姫竜の牙』をイズヴァルトから受け取ると、他の武者が捨てた鎖帷子を着て兜をかぶり、手袋の上につける手甲を身に着けて戦士の顔になった。

 

「さっきのは何だったのでござるか?」

「投石砲よ。ここなら狙い撃ちされないはず。イズヴァルトくん。あなたはここでマイヤちゃんと待っていて。わたしが射手を見つけ出してくる」

「しかし、ヴィクトリアどの。拙者は!」

「いいの! ここでじっとしていなさい!」

 

 そう答えるとヴィクトリアは身体を低く伏せながら崖を昇って行った。彼女の見立て通り、小型の投石砲を構えた兵士があたりを伺っていた。

 

 しかし、と彼女は思った。あれは魔族ではなくニンゲン達だ。ホーデンエーネン軍の旗も掲げている。敵と間違えて撃ってきたとは思うのだが、念の為にと姿勢を低くしながら近づいて行った。

 

 目と鼻の先という距離まで近づいた時、彼女は草むらに身を隠しながら砲台の撃手達に呼びかけた。

 

「おうい! あなたたちはホーデンエーネン軍のどこの所属? わたしはヴィクトリア=ヤンマジネット! 先発隊を受け持った傭兵部隊の女戦士よ!」

 

 呼びかけると投石砲の傍にたむろしていた兵士達は、ひそひそとなにかをささやきあった。向こうから「おーい!」と呼びかける。

 

「先発隊か! こちらはトンダバヤシの渓谷侵入口の守備隊の者だ!」

「はやくこっちに来て陣屋に来い! 温かいスープを飲ませてやる!」

 

 ヴィクトリアは安心して立ち上がった。あたりを伺いながらゆっくりと向かう。砲台の彼等とあと5メートルも無い距離にまで進んだその時だった。

 

「……!!」

 

 ヴィクトリアはとっさに右に倒れて転がり、自分が立っていたところに幾本もの矢が刺さっていたのを目にした。目を凝らせば向こう側に、自分を狙っていたと思しき弓兵がいたのを見つけ出した。

 

「待って! わたしは敵じゃない!」

 

 叫んでみたが、投げ槍が飛んでくるのを見て流石に諦めざるを得なかった。とにかくイズヴァルトとマイヤの逃げ道を作るために、なんとかしなくては。彼女は身体強化の魔法の印を切った。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

「これ、どないなっとんねん?」

 

 トンダバヤシのはるか上空。サイカノマゴイチは宙に浮きながら真下の光景を眺めていた。千里眼の魔法を使っていたから地面近くで何が起きているのかは手に取るようにわかる。

 

 ホーデンエーネン軍の兵士同士が、剣や槍をとって斬り合っていた。同じ隊に所属する武者同士が剣を抜き、互いの腕や脚、首を血しぶかせて殺しあっていたのだ。

 

「あたしはこういうひっどい事を、コーザのぼんぼんに許しておまへんで?」

 

 あんさん、あのガキンチョのところ行って何を決めたんかいなと隣にいる魔族の男に尋ねた。

 

「ええ、まあ。はあ。そういえば……」

 

 山羊の頭と下半身、半裸の上半身と背中に生えた蝙蝠の翼。下半身は露出しており、憎たらし気な長いペニスをぶらんとさせて間抜けに見える。

 

 この魔族の名はスギタニゼンジュウボウ。魔女のサバトに出てきそうな典型的な悪魔の姿をしているのだが、魔族としては中の中、といった地位の者である。

 

 小心者でおとなしく、下級の魔物相手にも頭が低い。仕事ぶりも実直で粗がないのだが、どうにも困った弱点があった。股間にぶら下げている行いに関して、堪え性が無いという事だ。

 

「おい、ゼンジュウボウ。あんさんはあそこにいるコーザと、何を話し合ったときいとるんや?」

「えーと、そのーう。つまりはですね……」

「あたしはちゃんとゆうとったわあ。コーザお得意の幻惑魔法でホーデンエーネンの王様ちゃんを撤退させるぐらいでエエねんって」

 

 そりゃあそうですがね。とゼンジュウボウはあははははと笑う。魔竜は鋭敏な嗅覚で彼の股間から、女陰のにおいがぷんぷんと漂っているのを嗅ぎ取り、思い切り頭をひっぱたいた。

 

「アホ! パラッツォ教得意のハニートラップにまんまと引っかかったんか!」

「いえいえいえ! コーザが是非にもと申し出てくれたからご相伴に預かっただけですよ! 篭絡された覚えはまったくございませんっ!」

「しっかりからめとられておるやんか!」

 

 サイカノマゴイチは吐き捨て、自分よりも更に上空にいる同士討ちの元凶を睨み据えた。自分と同じく飛翔魔法で宙に浮き、娘でもあり愛人でもある妖艶な『経典の巫女』数名と、葡萄酒を酌み交わす容貌魁偉な法衣姿の男。

 

 身体は大きくいかめしく、顔つきはがっしりとしていた。 唇が厚く好色そうだったが、全体的に端正な顔である。魔界でも恐るべき才能を誇ったサキュバスを母に持つこの男は、サイカノマゴイチを苛立たせる程の強大な魔力を内に秘めていた。

 

 亜人や魔族を含めた、この世界での魔法が使える者の中では最大で最強と言っていいほどの実力を持っている。彼の幻惑魔法を見破れず、何度か歯ぎしりをする思いも何度かあった。

 

 それよりも気分が悪くなるのは、はべる『経典の巫女』達。サキュバスまがいの見事な肢体と美貌を薄衣一枚覆っただけで見せびらかす淫らな艶めかしさが癪に障った。 

 

「コーザの洗脳術が効き過ぎたようですねえ」

「まあ、効いとるんは傭兵や期間商売の兵隊さんばっかりやなあ。君主ちゃんにちゅーせい誓(ちこ)うとるお侍はん達は、必死になって護っとるわあ」

 

 彼女の足元、5000メートル程下の地面では、総大将たるホーデンエーネン王を護ろうと、数少ない騎士達と将官たちが円陣を組んで防いでいた。

 

 だが、およそ3000にも満たない彼等は、数を数倍する反逆者達によって次々と討たれ続けていた。魔竜もよく知るホーデンエーネンの将軍が幾人も、戦死者として王に報告に上がっているようだった。

 

 国王側は劣勢だ。その知らせを受けてシジョーナワテに待機していた騎士団が出発したが、ここに来るまで保つかどうか疑わしい。

 

「しゃあない。にいちゃんに怒られそうやけどあたしが止めにまわるか」

「そ、それだけはなりません! 魔竜さま!」

 

 スギタニゼンジュウボウは必死になって押しとどめた。魔竜はこの世界での魔族の監視者であり監督者。それが彼女の故郷たる魔界の統治者であり兄である、魔王が命じた役割だった。

 

 この世界に住む人々の魔族側の監視人としてあるだけで、積極的に動いてはならない。その様な掟があったのだ。その時々によって基準がころころと変わるのだが。

 

「魔竜さま。これはコンゴウアミダラデンに住まう魔族やその住人が、パラッツォ教に援助の要請をしたという形で話が動いております。ここで破滅的な状況以外に口を入れる権限を持たぬ魔竜様が動いては、魔王様がこの世界の神と決めた約束に……」

「そんなん何度か破ってその都度話し合いでどうにかなっとるやろ? ああもう。まだるっこしい!」

 

 魔竜は自分の背後に巨大な飛龍の幻を映した。彼女は本気を出してこの混乱を一気におさめようとしていたのだ。

 

 だが、彼女が作り出した飛龍の幻はすぐに失せてしまった。魔竜は上空をにらみ据えた。コーザのやつめ、と吐き捨てた。

 

「あのボンボン、あたしの魔法をまた消しよったわあ。むっちゃ腹立つでえぇ……」

「コーザと本気で事を構えたら、ホーデンエーネンどころではございませんぞ! あの男は何せ」

 

 この世界にいた史上最強の魔道士の息子でもあるし、魔族の魔法を消すような術式も産みだしている、と言って魔竜を説得した。

 

「それこそ、コンゴウアミダラデンに戻っているヤギウセッシウサイどのらと共に……」

「はああ。ここが『あうぇー』やからコーザみたいな射精を覚えたてのちんちんくさいボウヤに遅れをとってしまうんや。魔界やったらあんなん、けちょんけちょんにいてこましてしまうんやけどなあ……」

 

 魔竜は仕方が無い、と嘆いた。どこかでホーデンエーネン王と会合を設けて、せめてトンダバヤシぐらいは割譲しようと。とくにこの当たり、丘陵地帯の南半分はあげようと。

 

 この辺りは自分の領土とも公言していないし、魔族も花摘みぐらいにしか出てこない。歴代の国王がコンゴウアミダラデンに使者を立ててくれれば、いつでも譲ってやるつもりだった。

 

 しかし武力で奪い取るのが男児の本懐だとほざく、強情っぱりばかりがホーデンエーネンの王についてばかり。ニンゲンと魔族は意外と仲がいいのに何故なんだろう。サキュバスはどの色街にも立っているのに。ニンゲンに化けて。

 

「それよりも何よりも、あのコーザのボンボン! これだけの悪さをしてああも平気に酒飲んどるのはどういうことや!」

 

 魔界に幽閉されている彼の母親のところに連れて行って。きつく尻を叩かれたほうがええと魔竜はぼやいた。その母はとんでもない天才であり、彼女を妻にしたコーザの者は途方もなかった。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 コーザの父、コージュ=ストーンマウント。キンキ大陸の北の海に浮かぶ、冬が長いエチウ諸島を根城とするパラッツォ教の教祖。

 

 かの人物は魔法はおろか、色道においても隔絶した絶倫さとテクニックを持ち合わせていた。 コーザが世に生まれた頃、腹違いの兄や姉はごまんといたぐらいだ。

 

 その男にコーザの母は夢中になり、彼を産んだ。魔族の女が人間の子を孕むのは滅多にない奇跡に近い事であったが、それが叶えられるほど淫魔を狂わせたのは相当なもの。

 

 その父と母の薫陶を受けたコーザは、パラッツォ教を更に進化させた。父が原型をつくった、交合し歓喜する男女の意識は神と交信できる、と広める特異な教義を完成させた。

 

 それだけではない。サキュバスの得意な分野と魔道士としての父が作り出した術式を研究し、魔竜の魔法を妨害する程の術式までも編み出したのだ。

 

 この時点でコーザ=ストーンマウントに、まともにやりあって勝てる相手はいない。毒殺も無理だ。半魔の身体はあらゆる毒を無効にする。いや、滋養強壮の素にしてしまう。

 

 唯一武術はそれほどでもない。という話を聞いているが、戦う以前に心理操作の魔法で無力化される。彼があってのパラッツォ教と言っても過言ではなかった。

 

 その教団はこの世に自らの教義をもとにした楽園を作り出す為、あちこちの大陸に布教を開始していた。受け入れる者には平和的だが、弾圧する相手には容赦しなかった。

 

 1億以上もいるエチウの民による軍団だけでなく、侵攻する先の貴族や武将を篭絡の魔法に長けた美女でもって篭絡する。その役が彼が侍らしている、『経典の巫女』の役割だったのだ。

 

 そして今、ホーデンエーネン軍を二分し、国王を絶体絶命の窮地に追いやっている同士討ちも、『経典の巫女』を用いた篭絡の魔法によるものだった。

 

 その発動について。魔竜が渓谷にて先発隊を圧倒し、恐慌せしめて本軍へと逃げかえらせた後、連中があった事を皆に言いふらすと起こる、という仕組みである。

 

 それを仕掛ける為にコーザは、巫女達を軍に入り込ませ、謀反を起こす男達に交わらせて心変わりの魔法を仕込んだのだ。

 

「話は聞き及んでおります。コーザは経典の巫女達をこの戦争の準備が始まる段階から、あちらこちらに潜ませていたそうですね」

「そんなん早くから? どこまで用意周到やねん?」

「左様ですな。でもパラッツォ教は近年、ホーデンエーネンの弾圧を受けておりますからな。教えを守るための戦いで勝利を収める為に、コーザは今回の策に乗ったのでしょう」

「ううっ、気持ちわる!」

 

 そんなことは考えられないとサイカノマゴイチはぼやいた。争いの無い愛に満ちた理想郷を築くという題目を唱えながら、血なまぐさい蛇蠍の様なおこないをするなどとは信じられなかった。

 

「……ていうかうちら、あの生臭坊主に世界を統べろと頼んだ覚え、あらへんで?」

「多分そこまでいかないと思いますけどね。あはははは……」

 

 スギタニゼンジュウボウは半ば諦めながら笑っていた。コーザはきっと最終的に勝利するだろう。世界最強であり偉大であるこの魔道士には、あり余るぐらいの時間があったのだ。

 

 何故なら彼は半魔の者として、通常のニンゲンの十倍以上の寿命を約束されていからである。コーザはこの時、30半ばの壮年男性の肉体であったが、ゆうに150年以上も生きていた。その父のコージュはニンゲンでありながら、数百年も若い姿のままという変わり種だったが。

 

 いいや。魔族の、特に母方の種族であるサキュバスの体液をすすり続ければ、身体が本当の魔族に変わるかもしれぬ。『先祖返り』と呼ばれるその現象は、この世界ではニンゲンと亜人とのあいのこや強い魔族の血をひく者にたまに見られた。

 

 それとパラッツォ教。かの教団はとにかく幼いうちから性交をはじめて子を産み続けよとも語りかけていた。教団が支配するエチウ諸島にいる、1億以上もの人口も他国からすれば脅威に他ならなかった。これ程の人口に匹敵する国は、キンキ大陸のホーデンエーネンとカントニア大陸のウマヤーノ共和国以外には見当たらなかった。

 

「この世界に、パラッツォ時代というのが出来るのもありうるでしょうな……」

「アホ! けったいな教団が天下とるなんて考えるだけで寒気がするわあ!」

 

 魔竜は悲嘆に暮れ、唸った。実兄の魔界の王が重い腰を上げてその決まりごとを解いてくれたら、自分は人間の歴史に大きな爪痕を残そうとする、『真に邪悪な存在』を自由に討伐できるのだが。

 

(あんなボンクラ、本気になったあたしの炎の息でひと思いに焼却処分できるんに、なんで禁じられてるんやろか?)

 

 魔族と人間との共存共栄を夢に描く魔竜は、事あるごとに因縁をつけてケンカを吹っかけてくる人間たちにやきもきしていたし、コーザの様な度し難い曲者たちを、この世界に来てから沢山見て来て、うんざりしていたのだ。

 

(まあ、あのアルグレイブの坊やはなあ。自分からケンカを売って来たから処分が楽だったんやけど……)

 

 あの可愛い奥さんを道連れにしたってのはかわいそうやったなあ、と1人ごちるサイカノマゴイチ。自省する魔竜が対峙した覇王・アルグレイブの暗黒卿のサーガの終焉は、こう締めくくられていた。

 

 魔竜を倒し世界の覇者たらんとし壮年のアルグレイブはその美姫で武勇に優れたエリザベスとともに、十人の腕利きとともに魔竜を討伐しにきた。

 

 アルグレイブとエリザベスは強かった。全盛期をいくらか過ぎているようだが、代わりに戦いの勘や見切りというものを習得し、練り上げていた。

 

 魔竜が最も信頼に置いた剣豪・ヤギウセッシウサイは当然あたった。しかし大苦戦。魔竜の手を借りなければならなかった。

 

 彼女の横槍でやっと形勢が優位になった。彼女は叩きのめしてもしつこく立ち上がる不屈の覇王の名誉に免じ、彼と9名を討ち死にせしめ、伝説にさせてやった。

 

 が、魔竜に遺骸を焼かれるのを見守った美姫は、宝刀を連れてきた亜人らに手渡した。これが形見であると告げ、彼女が吐く炎の中へと飛び込んでいったのだった。

 

(ああ……そういう悲しい辛いこと、あたしはもうやりたくあらへんねん)

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 ヴィクトリアはなかなか帰って来ない。幸いにこれまで、イズヴァルトとマイヤに襲い掛かる矢や砲丸は飛んでこなかった。そろそろ1時間近くが経つ。

 

 イズヴァルトは携帯食をかじりながら、荷台の横でお尻を丸出しにしてうんちをするマイヤに呼びかけた。こういう時によく出るのでござるな?

 

「仕方ないよ。なんかおなかがちくちくしてて」

「拙者の精液を飲みすぎたからでござろうか?」

「うーん。イズヴァルトさんの精液を飲みすぎたときはげりぴーになるけど、身体のわるいものがどばーっと出る感じなんだよね。その違いはわかるかなあ?」

 

 わからんでござるよ、と笑いながらイズヴァルトは革袋の水を飲む。それを排便して喉が渇いたとぼやいたマイヤに含ませると、『覇王の剣』と弓矢を背負い、ここで待ってくれ、と彼女に頼んだ。

 

「イズヴァルトさん。私もついていくよ!」

「いや、どうも悪い予感がするでござる。マイヤどのはここに隠れていただきたい。何かあればすぐに駆けつけるでござるから……」

 

 やっぱりついていく、とマイヤは返してイズヴァルトの腰にしがみついた。致し方あるまい、とイズヴァルトは諦め、彼女に矢と箙を持たせて背中に負って、ひもで縛りつけた。

 

 ゆっくりとよじ登り崖の上に顔を出す。あたりは静かだった。戦いのにおいは全くしなかった。イズヴァルトは背後の物見をマイヤに任せて崖を昇りきった。

 

 途端に異様な空気を感じ取る。戦いではない。血と死のにおいだ。マイヤを背中から降ろして弓矢を構えながら草むらを分け入った。

 

 進むに連れて血のにおいは濃厚になり出した。伸びきった草の無い、視界が開けたところに立つと血の匂いは死の空気にがらりと切り替わっていた。

 

 目の前には、ホーデンエーネンの兵士の遺体がいくつも転っていた。その向こう、投石砲の砲台にも何名か。ここでヴィクトリアが彼等と戦ったのだとイズヴァルトは確信した。

 

「マイヤどの!」

 

 背中に飛び込んだマイヤを担ぎ、彼は全速力でその場を駆ける。私はここにいる、という声を聞き続けている感覚を覚えながら、彼は近くにあった歩哨が誰一人として立っていない陣屋の入口を見つけ出した。

 

「イズヴァルトさん。ここは!」

「入口付近を守っていた部隊の陣所でござる!」

 

 柵に囲まれたそこには、さっきよりもっと新しい血の匂いがした。そしてその奥でイズヴァルトは、決して見たくなかった事の結末を見る事となる。

 

 さて、イズヴァルトとマイヤの2人が目にしたものとはなんだったのか?

 

 その続きについてはまた、次回にて。

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