聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
ホーデンエーネン王国暦で言えば、349年の7月のことである。
イズヴァルトはついに故国・ホーデンエーネンの土を踏むこととなった。
恋に破れた後に病に倒れ、零落に満ちた流浪の日々を送り続けたイズヴァルトは生きて母国に戻れた事を神に感謝し、草むらの上で跪拝した。
「ああ、何もかもが懐かしい! 我が父母なるホーデンエーネンよ! 拙者は帰ってきたでござる!」
しかしだ。イズヴァルトはナントブルグへの旅の途中で、大きな不幸に見舞われた。カントニアで友としてついて来てくれたマルカス=サダルファスが、旅の途中に立ち寄った宿屋で死んだのである。
理由は首を吊っての自慰行為であった。彼はエルフの里の『げーむうぉっち』の新作、幼女サキュバスがいろいろな獣のちんちんを試して自己開発する『しみゅれーしょんげーむ』をやりながら手淫していたところ、誤って首にかけた縄を解かなかったのだ。
己の陰茎を握りしめて糞尿をもらしながら吊るされたマルカスと、3メートル以上離れた窓ガラスにかかるまで盛大に発射され、部屋に飛び散った親友の最期の精液を目にしながら、イズヴァルトとクリスタは肩を抱き合って大いに泣いた。
【※ギルバート=カツランダルク注:マルカス=サダルファスの最期について、このサーガでの記述には大いに疑問がある。そのゲームは確か、『ガバマンサキュバスプリンセスメーカー』という作品だが、マルカスの死から30年後の『げーむうぉっち』の作品のはずだ。別伝ではとある事件に関わり、刑死したとある。】
「マルカスどの! 首吊りちんちんごしごしは危険だと拙者は常々叱ったでござるよ!」
「マルカスぅ! マルカスぅ! どーしておらのおまんこでしごかなかったんずらぁっ!」
この勇士の、あまりにも呆気ない最期に皆が泣き叫んだ。慟哭に包まれたが先に進まねばなるまい。
それとクリスタにはいつまでも、マルカスの死を嘆き悲しむ事はならなかった。かの種馬男は彼女の腹に、置き土産をくれてやっていたのだ。のちにユミールと名づけられるハーフエルフの娘こそが、マルカスの最後の子であった。
亡き友への思慕を抱きながらもイズヴァルトは王都ナントブルグに到着。王国暦349年の9月のことだった。
【※ギルバート=カツランダルク注:王国暦349年9月ではなく、もっと早かったという言い伝えがある。】
久しぶりに会うセイン王は、イズヴァルトの来訪を大いに歓迎した。それから最近娶った王妃をイズヴァルトに紹介した。
イズヴァルトにとって、思ってもみなかった人物だった。マイヤの姉であり牧童のルッソの妻であったはずのトーリだ。顔に化粧を施し、冠と紅いドレスをまとった彼女はまさに無欠の美女であった。
「ごきげんうるわしゅう、イズヴァルトさん」
「と、トーリどの! なにゆえ陛下のお妃さまに!」
「うふふふ。セイン陛下に見初められましたの。甲斐性無しの前の夫を捨てて今では幸せに暮しております」
トーリはなだらかな下腹をさすってみせた。この中にはセイン王の子が宿っていると語った。他の妾達と既に子を為しているが、王家の親戚筋であり正統な王妃となった今、嫡子を産む権利があるのは自分以外に無いと笑った。
【※ギルバート=カツランダルク注:サーガでは350年4月にトーリは出産したとしているが、ホーデンエーネンの歴史書によるとこの1年後ぐらいになる。】
「トーリどのまで……ルッソどのは!」
「西のアジールの街で『すろっと』を打ちながら楽しく過ごしているらしいですわ」
ルッソ=シュミットは離婚の慰謝料として領地をいくつかもらい、西のアジール市の代官となった。ギャンブルを愉しみながら貴族達が選んだ美女数名と、遊んで暮らす日々を送っているという。
「こ……こんなことを……」
「イズヴァルトさん。マイヤに振られて残念でしたわね。けど、武勇やおちんちんの大きさだけではどうにもならないことが、この世には沢山あるのですよ。昔の思い出など忘れなさい。今をどう楽しく幸せに過ごすか、それだけを考えましょうよ?」
それから今夜はどうかしら、とトーリは色目を使った。国王はすっかり言いなり。浮気しても許される。セイン王も妻がやりたいというのなら、とイズヴァルトにすすめてきた。
「……拙者、思うところあってこれから出るでござる。しからば、御免!」
故国に未練はもう無くなったイズヴァルトはすがるホーデンエーネンの廷臣や貴族らの手を振り払ってナントブルグを出て行った。
ホーデンエーネンはパラッツォ教との戦いが激化している。戦いに身を投じて少しでもご奉公を、と考えていたがさっぱり止めた。
その晩、イズヴァルトはイナンナとエレクトラを寝床に呼びつけた。
【※注:サーガではエレクトラがホーデンエーネンまでついていったとしているが、この当時を知るエルフ達の話によれば、エレクトラはイーガに入ったあたりでイズヴァルトとわかれている。】
「一旦、カントニアに戻るでござるよ」
「ははは。そりゃあまたどうしてですかねえ? ここでセイン陛下に取り入って軍隊を任せられれば、イズヴァルトさんは大将軍になるかもしれないのに?」
「キンキ大陸で嫌なものを見過ぎたのでござるよ。もう何の未練もござらん。拙者は新天地に向かい、己が出来ることを為し遂げてみせるでござるよ」
「どういう事ズラ?」
イズヴァルトは考えを述べた。サイゴークに渡り、パラッツォ教団に制せられたイナーヴァニアを救う軍に身を投じる。そこで武功を挙げた後、サガミニアかヒッジランドに定住するつもりだと。
その策にエレクトラが膝を打った。そりゃあいい考えですねえ! イナンナもうなずく。一緒について来たクリスタはマルカスの忘れ形見を静かなところで育てたいと別れを告げた。
かくしてイズヴァルト達はカントニアへと戻った。しかし困った事が起こった。覇王の剣が壊れてしまったのだ。船の帆柱のうち1本が折れて倒れたので押し上げようと支えにしたのが良くなかった。
「なんと! 伝説の剣たる『覇王の剣』がなにゆえにこんなことで!」
剣は真っ二つに。イズヴァルトはお~いおいおいおいと嘆き悲しんだ。気落ちするイズヴァルトをエレクトラは自分が得意とすることで慰める事にした。
彼を自分の船室に連れて行くと、裸になり、泣きわめく聖騎士のペニスを口と股でなだめ始めたのだ。彼女の腰のうねり方はすさまじく、イズヴァルトは涙の代わりにたっぷりと精をこぼしてしまった。
コーガ王国のへファイスティオンやツックバー神聖帝国のオーダレイオス皇帝を夢中にさせた、エレクトラの床技は剣を失った嘆きを忘れさせるものだった。
イズヴァルトは15歳年上のこの女にのめり込んでしまった。そのせいで目的地にたどり着く前に、エレクトラは彼の子を宿してしまった。
このお腹の赤ん坊こそが、後にイズヴァルトが一番愛した娘になるのだが、先の話はともかく、イズヴァルトは大陸の南西部にあるカイロネイア山地の、ニラッサのエルフの郷にたどり着いた。王国暦10月のことである。
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褐色エルフらの最大の街・ニラッサは、ヒラッカ大河の河岸の南側にあった。元は、カイロネイアのエルフ王国があった時代に完成した、シンプーラ城の城下町である。城がある城山の麓に、街や田畑を低い土塁や城壁で囲んでいた。これは総構えと呼ばれているものだ。
シンプーラ城は、いや、ニラッサ盆地は覇権を狙う者の争奪の地であった。残忍なエルフの王が本拠地として定め、それを打倒しエルフ達を更なる血まみれの修羅の戦いに連れていこうとした魔剣士・スーワシューロが居を構えた。
しかし2人の覇王の次はいなかった。独立独歩を目指す褐色エルフ達は王者のいない合議制のまつりごとを行い、二度と野心ある者をのさばらせないように気を配ったからである。
ゆえに、シンプーラ城は王者の住まいではなく、ニラッサの者達の集会場兼住宅となっていた。郷のまとめ役の1人であるオクタヴィアはその城の二の丸に住んでいた。
シンプーラ城の二の丸は城山の中腹にあった。ふもとのなだらかな斜面をそのまま縄張りにした三の丸より100メートルほど高い。城の石垣や壁は未だ、崩れたところやひび割れたところは無かった。
【ギルバート=カツランダルク注:私も訪れたことがある。補修の跡が目立っていた。この時から数十年後に起こったとある勢力とのいくさでいくらか破損したそうだ。】
「見晴らしの良いところでござるな! しかしこんな高い山に城を築くとは、エルフの王やスーワシューロは何と戦おうとしたのでござろう!」
「わかりきったことを! 自分はこんな城を築けるぐれえにすげーぞ、とみんなに言いふらす為ずらよ!」
「さようでござるか! こんなにも眺めが良いとは、ゆかいゆかいにござる!」
美しい稜線が連なるカイロネイアの山々を見れば、マイヤのことであれこれと悩んでいた自分が馬鹿らしく思えてならない。迷いはもう吹っ切れた。男の中の男、豪傑イズヴァルトは長くはくよくよしなかった。
愉快と笑うイズヴァルトを見てオクタヴィアが茶目っ気を起こし、塁にあがってスカートをめくり、じょろじょろと小用をはじめた。イズヴァルトはオクタヴィアの小ぶりで艶のいい尻を見てむらむらし始めた。
立っていたこの辺りは自分達以外の姿は見えなかったから、イズヴァルトはズボンの前ボタンを外してそそり立った陰茎を出すと、オクタヴィアに抱き着いて情けをねだった。
「うふ。そういうつもりだったずらよ?」
振り向いたオクタヴィアは恋する娘の目であった。彼女はイズヴァルトを事あるごとに婿にしたいと思い、自分と同じくぞっこんになっている、パオレッタとマリアの2人と喧嘩をしていた。
とはいえ分別の無い乙女ではなかった。この時3700歳あまりである。エルフとしては中年女の頃だ。とはいえ、古代ムサシノ帝国時代は愛玩エルフとしてぶいぶい言わせた彼女は乳房こそちっぱいだが目を見張る様な美貌を兼ね備えていた。
「オクタヴィアどのはお美しいでござる……」
「へたくそな口説き文句ずらよ? おらは言葉より身体で語ってもらうのが大好きずら……」
彼女は尻を軽く上げ、やや下付きの無毛の谷間を突き出した。イズヴァルトはしっかりと抱きしめる。とても若く見え、肌も肉もみずみずしかった。
雄大な景色を見ての交合である。イズヴァルトは燃え、オクタヴィアは存分に恋する女の吐息をついた。イナンナやパオレッタ達とはまた違う。オクタヴィアの愛と悦の貪り方は活発で、野性味があふれていた。
事が終わるとイズヴァルトは彼女に提案した。
「近いうちに拙者はまたカントニアを出るでござる。その時にはオクタヴィアどのを連れていきたい」
「どこへ向かうずら?」
イズヴァルトは言った。サイゴークでパラッツォ教徒との戦いで名を挙げたい。その為にも行く先々で勇者を募り、傭兵団の長になりたいと。その補佐役としてオクタヴィアを連れていきたいと告げた。
「数年ほどカントニアを留守にするでござる。オクタヴィアどの、ついて来てくれるでござるか?」
オクタヴィアはニラッサのまとめ役だけでなく、数々の戦いにも参加したエルフの傭兵隊長でもあった。しかも愛用するロングソードを取れば、剣技はカイロネイアに比する者無しと言われている。
この人はきっと良い返事をしてくれるだろう。何度もあった彼女の求愛を思い出し、イズヴァルトは期待した。しかしオクタヴィアの返事は思ってもみなかったものだった。
さて、この褐色エルフの女は聖騎士になんと答えたのであろうか?
その続きについてはまた、次回にて。