※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

266 / 767
第三十一回

 アソマリアの拝火教の大巫女ビアンカは、この当時で実年齢が100を超えていたと言い伝えられている。いや、200を過ぎていたとも。

 

 シミだらけというカッコつきだが、若々しい肉体を保ちえたのは火の神に仕える巫女として比べものにならない才能があったのと、火の神やその眷属たる精霊達に愛されたがゆえにである。

 

【アソマリア研究者の談:アソマリア王家の伝承によると巫女の一族は羽根妖精が先祖とされております。この亜人ですがニンゲンの精子でも孕むことがまれにございます。あるいはその逆も。その子は羽根が生えない代わりに父親や母親よりも大きく育つことがあるそうです。】

 

 老ビアンカに急襲されたイズヴァルトはもがいた。後生でござる。デボラとフロウラ、それからピピンの前での性交など恥ずかしい。しかしビアンカはお構いなしだった。

 

「案内、あんない、アンナーイしてーっ!」

「な、なにを案内なさるのでござる!」

「誘導、誘導! 私と同行して案内を! 目的地にっ! 世界の果てへっ! この世の高みへとっ!」

 

 ビアンカは狂ったように叫び続ける。わけがわからない。イズヴァルトは唖然とするほかなかった。ビアンカが湯の中のペニスをしごく。掌は柔らかく、そして滑らかだった。

 

「屹立! 屹立! 重厚かつ硬い屹立をっ! 案内、案内、あんないをーッ!」

「だ、だからあんないとはなんでござるか!」

「案内は、あんないだーっ!」

 

 ペニスをしごきかたが強くなった。直立は怒張と変わり反り返って高々と鎌首をあげていた。デボラとフロウラに尋ねた。なぜこんな意味不明な言葉を。フロウラは青ざめながらもさらりと言った。

 

「おばあ様はまだ、火の神さまが乗りうつっておられるご様子」

「火の神?」

「私と姉様がおばあ様を救うために呼びかけたのだ。おばあ様は優れた巫女だからすぐに神は来られた」

 

 フロウラが言う。巨人が目に一撃を喰らった辺りで、ビアンカの身体に火の神が乗り移ったと。

 

「だから言葉がつたないのだ。案内も導きも、性的に満足させて欲しいという意味だ」

「しかし、神様は男……」

「それはマハーヴァラとその化身のメシェイドを信奉する者の考え方だ。土地神といえば女神、あるいは両性具有の中性の神だ」

「そうでござるか……」

 

 イズヴァルトはビアンカの乳房に顔をふさがれた。うっぷ。しかしとても柔らかい。その感触と手による愛撫とで勃起はますます激しくなった。尿道に甘いしびれも起きている。老婆はむっちりとした太ももでまたいだ。

 

「導く! 導く! 私を導きあなたも導けッ!」

「おおおっ……」

 

 驚くほど潤沢だった。閉経した女とは思えぬ豊かさだ。ビアンカは張りのある尻を艶めかしく振り動かし、イズヴァルトを絶え絶えにさせた。

 

 乳房を吸う格好となったイズヴァルトは、ちゅぱちゅぱと吸いながら為すがままにされた。いささか実りがありすぎて不気味に思えたが、この身体はたまらない。肌も吸いつきが良かった。この温泉に漬かっていたからだろうか。

 

 湯の中で肉が絡み合い、お互いの快感が交差した。イズヴァルトはすぐに精を放ってしまったが硬いまま。ビアンカはお構いなしだった。

 

「向かう! 向かう! 向かう! 向かう! むかーうっ!」

「うおおおおっ!」

 

 イズヴァルトとビアンカは互いにエクスプロージョンを起こした。心臓が激しく鼓動を打ち、満足いく合一に達することが出来た。

 

 けれども淫欲がいよいよ正常運転を始めてしまう。イズヴァルトは自分から腰を振った。ビアンカは白目を剥いてよだれを垂らし、甘い声で悶え続けた。

 

 デボラとフロウラは祖母の艶やかさに欲情し、ピピン王子と絡みあい始めた。それを見た部下の男らが湯の中で自分のものをしごき始める。火の神の聖なる地に淫の気配が充満した。

 

 なれどこれは決してよこしまな事ではない。アソマリアでは祭礼の儀式の際に男女があるいは同性同志が睦みあう事が奨励された。性交や愛歓は火の神へを楽しませる供物であるからだ。

 

 イズヴァルトは撃ち果てるまでビアンカとまぐわい続けた。彼女の膣の中で己がなえた時に引き抜いた。ビアンカの目は黒く輝いていたが、その奥にゆらいでいた炎は見えなくなっていた。

 

「やっと、神が満足して帰って行きました……」

「やはり、乗り移られたのでござるか?」

「はい。年甲斐もなくはしたないところを見せてしまいまして、申し訳ございません」

 

 恥ずかしがるビアンカだったがイズヴァルトにひっついたままだった。おっぱいを彼の頬に寄せて腰をくねらせる。なかなかに欲深い、巫女としてどうなのかと思う様な御仁かと思ってしまった。

 

「聞かせていただきたい。あの一つ目の巨人は。魔物たちは貴殿の仕業でござるか?」

「申し上げましょう。半分がそうでもう半分はそうではございません」

 

 ビアンカの告白。彼女は1年ほど前に大巫女の職を辞し、羽根妖精らを伴って聖地入りをした。理由は国内でのメシェイド教の布教を巡ってだった。

 

 アソマリアだけは長い間、新しく起こったこの宗教を拒んでいた。拝火教が最も至上で神聖だからだ。しかしシマーヅや他の諸国に嫁いだビアンカの姉妹、娘や孫達がメシェイド教に帰依した。嫁ぎ先で上手くなじむ為以外の理由があった。

 

「……何故でござる?」

「メシェイドは戒律で近親婚を厭うから。拝火教。それも巫女の家系は必ず兄弟婚、あるいはいとこ婚をを強いているのです。私の父は母の弟。デボラとフロウラの祖父は、私の数多くいた息子のうちの1人……」

 

 デボラとフロウラの母ルドメアは35年前に産まれた。ピピン王子にアヌスを舐められてよがるフロウラが祖母の今の歳を教える。

 

「……そんなにも!」

「ううっ。そうだ……私が4歳の頃、デボラ姉様が8歳の時に母は亡くなった。10年前の話だ……」

 

 近親婚の弊害。それは短い生涯を運命づけられる事であった。アソマリアの巫女の家系の女は皆、30過ぎで必ず火の神の眷属となる。つまりは死ぬ。

 

 アソマリア王国は巫女らのその短命さを憂いてメシェイドの教えを入れようとした。しかし頑固に拝火教を信奉するビアンカは拒んだ。その抗議の為にこの聖地に籠ったのだが。

 

「……私の心の奥にあった闇が怒りにより悪さをして、悪霊に取り付かせたようです」

「悪霊、でござるか?」

「アソマリアの火の神と対を為す、クマモンビークの水の神の悪しき眷属たちでしょう。多分……」

 

 アソマリアの火の神とクマモンビークの水の神は互いに補い合い、かつ、反発し合うさだめにあるとビアンカは言った。 神同士は補いあっているが、その末端である精霊たちはいがみあったりもするという。

 

 ビアンカは悪い精霊につけ込まれて身体を乗っ取られた。羽根妖精達も。アソマリアを暑くし、高原作物をだめにした一つ目の巨人や魔物たちは乗っ取られたビアンカが造りだしたものだった。

 

「さようでござるか……この戦いでいくつもの命が奪われたでござるよ」

「それはわかっております。私はその罪を贖いたい。この身体を捨て、火の神様の元に使える奴婢精霊となり輪廻に向かわれた方々をお祈りし続けとうございます。ですが……」

 

 ビアンカはイズヴァルトにしがみつき、だらんとしていたペニスに触れた。その前に自分はもう一度巫女の力を使って、聖騎士のお役に立ちたい。その力を発揮するには若い娘が為すおこないを為さねばならない。

 

「……したでござろうに?」

 

 でも硬直がまた起きてしまった。ビアンカの暖かく柔らかい身体はイズヴァルトの生殖本能を刺激していた。またがれた。先ほどよりもほぐれて吸いつきが凄まじかった。

 

「イズヴァルト様。貴方様と私の交歓は火の神様への供えものとなるのです。さあ、もっと導いて……」

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 ビアンカの肉体は交われば交わるほど離れがたい物になった。3日、4日とこの聖地で愛し合う事となった。デボラとフロウラはピピンだけでなく、羽根妖精と一緒に他の男達とも交わった。

 

 5日目の朝。目覚めると彼女の熟れ切った魔性のヴァギナがイズヴァルトの目の前にあった。イズヴァルトはこの媼と温泉の中に入った。

 

 縁に腕を付けて尻をふり、「いーれーてー!」とせがむ彼女にしがみつき、後背位からお邪魔する。

 

「かみがー! かみがーっ!」

「せ、拙者も神様が見えてしまっているでござるよ!」

 

 息はぴったりだった。互いに果てた。つながりながら湯の中に尻を付け、イズヴァルトはおっぱいをちゅぱちゅぱと吸いながらビアンカに尋ねた。

 

「さて、拙者に役立つことをとおしゃっておられたでござるが、きんたまの奥をすっきりさせるだけでござろうか?」

「いいえ。これからその儀式を行います。これからデボラとフロウラを連れ、この聖地の奥に向かいましょう。折れたつるぎをお持ちください」

 

 交合の後にビアンカはイズヴァルトとデボラらを連れて聖地の奥に向かった。湯の湖の先にあるもっと深い洞穴だ。湖の様に、火の神の力でうっすらと光に照らされていた。

 

 裸足でも足の裏が痛くなる事は無かった。果たして洞穴の先に冷たい泉が湧くそこそこに広い部屋があった。通路と同じく魔法の光でうっすらと照らされていた。巫女が火の神に祈りを捧げるときに使う、籠り場だという。

 

 しかしこの中にはかな床や長い金槌など、どうにも巫女にふさわしくないものが置かれていた。ビアンカが泉の縁に立つ。

 

「さあ、その泉をのぞいてごらんなさい」

 

 泉は深いように思えた。底が見えるぐらいに透き通っている。そして泉の中に黄色い炎がゆらめいていた。しかし触れた水は冷たい。これはどういう事なのだろう。

 

「ビアンカどの。あの炎は?」

「あれこそがこの大陸に伝わる伝説の炎槍。『邪悪を討つ者の光炎槍』、と世に言われているものです」

 

 あの槍こそが火の神の力を半分封じた、チンゼー大陸で伝説とされている槍だと。

 

「あれが、でござるか!」

「でもアソマリアの巫女の家では、本当の名前が言い伝えられているのですよ」

 

 『たたらの火柱』というのがそのまことの名前だという。アソマリアの山神はあの槍が放つ炎を用いて銅や鉄を溶かし、民に農具や武器を与えたという。アソマリアの火神は鍛冶の神でもあった。

 

「さて、イズヴァルトさま。デボラとフロウラとともに外でお待ちください。その折れた剣をお直しいたします」

「巫女どのが? それは鍛冶師に……」

 

 デボラとフロウラがイズヴァルトの腕を引っ張った。大巫女は一年に一度の大祭祀で、『たたらの火柱』を用いて農具を作る。ビアンカはあの炎を幾度も使った事があるのだ。

 

 ビアンカが泉に飛び込んだ。その奥に突き刺さる槍を触ると一瞬で火が消えた。軽々と引っこ抜き泉の外へあがる。十文字槍の様な三つ又の槍であった。柄も刀身も銀色に輝いていた。

 

「それが、『邪悪を討つ者の光炎槍』でござるか?」

「だから『たたらの火柱』ですよ。イズヴァルト殿。さあ、おばあ様が大仕事を為されるから出ていきましょう」

「……デボラどのとフロウラどのも巫女でござろう。手伝わなくて良いのでござるか?」

 

 イズヴァルトが問うと2人は顔を伏せた。自分達には鍛冶師としての才が殆どないと答えた。あの槍の力を引き出せるがせいぜい、果物切り包丁や料理串ぐらいしか作れないのだと恥ずかしそうに言った。

 

 部屋を出て湯の湖へと戻った。イズヴァルトは羽根妖精達が持って来た果物を食べて彼女達とあやとりをしながら時間を過ごした。おおよそ3時間が経った。ビアンカが何かを持って現れた。

 

「……できました」

 

 顔はとても疲れ切っていた。湯に浸かりシマーヅの武者達にマッサージをされて気持ち良さげにため息をつきながらイズヴァルトに差し出した。

 

「これは……覇王の剣でござるか?」

 

 幅広の剣。しかしやけに短くなっている。刀身が1メートルあるかないかに。それと、刃の部分とにぎりの部分が繋がって不格好だった。刃もかつての鋭さが感じられず、鋳物で作った剣みたく見えてしまった。

 

「拙者、銅器みたいなお供えの剣にしてほしくは無かったでござるよ……」

「はあ。火の神様はぼやいておいででした。この世界の鉱物ではないから鍛えづらい。やりづらいとぶつぶつと……」

「いやしかしほんと。これは剣の形をしているが、切れ味はいかがでござろうか?」

 

 剣豪らの伝説を紐解けば、銅の祭祀剣でも牛の首を一刀で切り離せると書かれていた。試してみようとイズヴァルトは服を着て外へ出る。

 

 吐く息が白かった。火の神の巫女の力からアソマリアの大地が開放されたのだ。数日間温泉場の中に閉じこもりっぱなしであったから気づかなかった。

 

「さ、寒いでござる!」

 

 イズヴァルトが叫ぶ。すると刀身からうっすらと焔が立った。暖かく心地よい風をイズヴァルトの顔に吹かせた。

 

「なんと! 勝手に炎に包まれたでござる……触ってみるといかがでござろう……」

 

 暖かくはあったが熱くはなかった。指は焦がされなかった。ビアンカの声が頭の中で響いた。神の炎は持ち主に危害を加えない。

 

 ただ、念じれば願った通りの力を見せてくれる。適当な岩を切ってみよと言われた。イズヴァルトは巨岩の前に立つ。おおよそ3メートルほどの岩だ。ビアンカからまた助言があった。

 

「……強く願え、でござるか。さすれば、この炎の神の剣に切れぬものはない、と?」

 

 ならば。イズヴァルトは欲を出す。鋳物でできた不格好な祭祀剣みたく新しく生まれ変わった『覇王の剣』の真の実力がどれほどか、是非ともこの目に焼き付けてたいでござるとつぶやいた。

 

「アソマリアの神よ、拙者にその真の力を見せてみよ!」

 

 大上段に構え、一刀両断で岩を斬らんと求め、高らかに叫ぶイズヴァルト。果たして、生まれ変わった覇王の剣は彼にいかなる実力を見せたのか?

 

 その続きについてはまた、次回にて。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。