聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
イズヴァルトたちが参陣してから、サイゴーク諸国連合軍はパラッツォ教軍に連戦連勝していった。
イズヴァルトたちが最初の戦いに加わったのは、ホーデンエーネン王国暦353年2月。それまで教団軍に圧され、最前線となりつつあったハリマーヌ公国の北西部国境付近、コーヅキニア地方が戦場となった。
教団軍はこの山岳地帯に強固な防衛陣地を置き、奪取を試みようとする連合軍を何度も跳ね返した。籠もるのは8万。連合軍の半分の数である。攻め手側としては非常に辛かった。
イーズモーの某という元帥から、連合軍の指揮権を委譲されたショージュ=オーウェンは、この地を避けて周辺地域の奪還を実行。
同年5月。逆に取り囲まれ、武器弾薬の補給が絶えた教団軍は打って出る事にしたが、それが連合軍側の望みであった。コーヅキニア山地の北側の平野で野戦が行われた。
この頃にはパラッツォ教軍側も鉄砲を用いている。連合軍もだ。緒戦で新兵器の轟音が鳴り響く撃ち合いが行われた。両軍の兵士たちは鉄砲の鉛玉を食らってばたばたと倒れる。それから矢と弩、投石による押し合いだ。
この野戦はパラッツォ軍が5万。対して連合軍は3万だった。連合軍は次第に圧されて退却を開始した。パラッツォ教軍は逃さなかった。
しかし連合軍が浅く凍った河の向こうへ逃げ、それを追いかけて柵や土塁で固めた陣地から遠く離れると、教団軍は背後から思わぬ攻撃を受けた。
背後から連合軍の遊撃隊や伏兵が襲いかかったのだ。遊撃にはイズヴァルト達も加わっていた。どの兵士らも選びぬかれた猛者ばかり。
勢いが削がれ弱気になった教団軍はたちまち瓦解し、降参した。死者こそ少なかったがコーヅキニア山地の防衛は不可能だった。
残りの兵士は皆女兵士ばかり。皆が生まれたばかりの子に乳を与えていたか、出産間近の身重であった。この様な者たちをむげにはできぬ。
ショージュ=オーウェンは守備側の武将らに、二度とパラッツォ教団のいくさに加わらないことを誓わせた。それから信徒達の身の安全を保証し、乱暴をしないようにと全軍に軍令を布告した。
この様な行いを、前任のイーズモーの元帥は思いつかなかった。捕虜は皆、奴隷や慰安婦にされ、マハラ教を裏切ったと罵られた。
ショージュの温情を知った各地のパラッツォ教軍は、次第に抵抗をしなくなり、軍事活動が緩慢になった。中には果敢に攻めてくる軍もあったが、イズヴァルトらが先陣となって戦い、相手の闘志を徹底的に叩いた。
破竹の快進撃。パラッツォ教軍に占拠されたイーズモーの王都・マツエスコーの奪還も今年中に叶うと思われた。
だが、同年の9月に進撃はぴたりと止まってしまった。理由はいろいろとあるが、兵糧や矢弾の消費が思いのほか早かったのは確かだった。
イズヴァルト達はマツエスコーから200キロの南にある城市・マニワールにとどめ置かれた。ここから停滞が始まった。
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いくさがなくとも、常在戦場の心構えは忘れてはならない。
イズヴァルトは冒険といくさばかりの日々を送っていた武人である。同行するミツクニュモスが、触手姫のブランカとチェスで遊んでばかりいる間も、戦いのことを考えた。
イズヴァルトの身近にはもう1人、常にいくさのことを考えるのが好きな人物がいる。カイロネイア=エルフのミレイユ=キョーライである。
彼女は主に砦の縄張りを見てどう守るか、あるいは攻め手だった場合はどこから攻めるかをイメージしていた。時には城や砦と同じ模型を作り、武将らと模擬演習をしていた程だ。
ミレイユの模擬演習は事細かだった。イズヴァルトは手が空いている時は時は必ず参加した。
9月のその日の昼、イズヴァルトはミレイユの城攻めに関する講義を受けていた。但し今回は2人きりである。他の武将らは近くの温泉場で湯治に出かけていたからだ。
「イズヴァルトさん。今日は城攻めの復習にしよう。だいぶ事例は教えたから基礎的、抽象的な話でいく」
「承知したでござる」
ミレイユは模型を出した。極めてオーソドックスな備えのものだ。砦は空堀と二重三重の城壁で守られている。周囲には土塁が設けられ、砦を囲んでいた。防護と迎撃の為にあるのだ。
「ふうむ。この砦、いささか細長い楕円になっておるでござるが、こうした形のは実際に、あまり見ぬでござるな?」
「世の中にはそういう砦もあるのだ。イズヴァルト、よく見ろ」
そう告げたミレイユの鼻息は荒かった。空堀と思いきや、よく見れば水が張ってある。いや、城壁もそうだ。
「たいていの土塁がなだらかなのはなぜだろう? 答えられるか?」
「城壁や櫓からの見渡しを良くする為でござる。土塁はあくまで野戦を有利にするための臨時築城術である、と考えているでござるよ」
「それも一理だ。しかし全てではない。ここに高い壁を構えれば城の守りが強固になるはずだろう。イズヴァルトさんならば壁を設けるか、そのままにするか、どちらを選ぶ?」
「やはり、拙者は野戦迎撃を視野に入れて土塁はなだらかに、けれど相手の進撃を邪魔するために、藪や柵を設けるでござるよ」
イズヴァルトは模型を指でなぞった。生憎だがこの模型の土塁には障害物が皆無だった。自軍の兵を隠す為の、雑木林や草むらは無かった。
「つるつるでござるな。これだと騎馬隊が活躍できるでござろう」
ミレイユはうなずいた。少しばかり唇を噛み締めていた。平坦な地形でゆるい土塁は騎馬隊の運用がたやすい。しかしそれは敵方も同じことである。
「……ん。続けよう。城壁の周囲の土塁、あるいは防備施設はいろいろとある。その分だけ答えはいくらでもあるのだ。ただ、魔法戦闘になると防護結界を仕掛けた陣地や迎撃台を設けなければならないだろう。そこは覚えておいてほしい」
「わかったでござる。では、次は城壁攻めでござろうか?」
イズヴァルトは城壁部分を目と指で確かめる。この模型には特異な箇所があった。北側の物見櫓がある区画である。ミレイユはこの櫓を落とせば落城はすぐ目前、という設定をもうけていた。
「この櫓だ。ここをどう攻めるかを考えてみてくれ」
櫓にはとりわけ厚い防壁が施されていた。そこを突き崩さなければ櫓に届かない。イズヴァルトは直接、その櫓を飛び道具で攻めることに決めた。
「い、いきなり弱点を突くのは無しだ……むしろ守り手側の意識を集中させて余計に防備が固くなる可能性がある」
「そうだと思うゆえ、必ず2方向から攻めるでござる」
「ひっ」
「あるいは北の櫓を攻め立てながら、周囲にも攻撃を仕掛ける」
「そ、そうだ」
「まんべんない波状攻撃が必要にござる。拙者が読んだ兵法によれば、城の守勢に対して攻め手は最低でも5倍の数が要る」
弱点であり激戦地となる櫓を攻めながら、周囲にも攻撃を繰り返す。そうして守備側の抵抗を分散させる。城壁を守る兵士らは数を数倍する敵の攻撃に疲弊し、いよいよ堀と城壁を抜くこととなるだろう。
「はうっ。し、しかしだな……櫓はむしろ……金堀衆を用い、地面を攻めるほうがよいと思うが……」
「例えば、堀った穴に爆弾を仕掛け、城壁を崩したりでござるな?」
「そのとおりだ……」
爆弾がないのでイズヴァルトは、櫓の周囲を揺るがすことにした。ゆっくりとだ。
「は…う……金堀りによる発破や突入は守り手側の士気を大いに削ぐ。ううう。特に水の手をやられた暁には……」
包囲や嫌がらせはもう不要。あとは城門を攻めるだけだ。その模型は櫓を落とされても守り手の抵抗がガタ落ちするという設定にされていた。なぜそのようにしたのかはわからぬがミレイユが決めたことだ。
「ふ、うう……イズヴァルトさん。城壁を超えた。城門も打ち破った。市街戦はどうする?」
「拙者なら、ただやみくもに突っ走るだけでござるよ」
とにかく敵に白旗をあげさせれば良い。城市の中心部にある敵の本陣を落とせば城攻めは完遂である。突入し内部で激戦が繰り広げられる。イズヴァルトの勝利をミレイユが宣言した。
「ふうっ。でも、これは拙者の負けみたいなものでござるよ?」
イズヴァルトはミレイユが用意した『模型』の中心から、自分を引き抜いた。放った液体がとろりと出たのを見てもう一度、と頼んだ。
「ミレイユどののおまんこをお城に見立てての模擬演習とは……どうにも設定に無理があるでござるよ?」
「私は結構熱くなれたのだがな……もーちっとはげしくついてほしーずら……」
ミレイユは途端に甘えだした。彼女がカイロネイアなまりに戻るのは、気持ちの良いセックスで身も心もとろけきった後である。
あまり激しいのはちょっと無理なんじゃないだろうかとイズヴァルトは思った。ミレイユの褐色のお腹をさする。大きく膨らんでいた。
「ミレイユどの、力強いのはお腹の子にさわるでござるよ?」
「つれねえずらーよイズヴァルトさん。わたしはちんこでがんがんされるのがだいすきずらー」
ミレイユは甘え出すと表情が緩む。普段の怜悧な彼女からは想像出来ない。実のところこの女エルフは、多分に恋愛体質であった。弟子とは必ず濃い肉体関係となり、その愛情の絆である赤ん坊を産んだ。
この時彼女の子宮で育まれていたのは、イズヴァルトの子であった。いや、この時ミレイユだけでなく、オクタヴィアとパオレッタとマリアも、イズヴァルトの子を孕んでお腹を大きくしていたのだ。
「みんな、来年の3月ぐらいでござったか?」
エルフの妊娠期間は約1年である。ミレイユはオクタヴィアが1月と答えた。パオレッタとマリアが2月で、自分が3月頃出産となるだろう。
「そういうことになる。産んでからも1年は戦場で役に立たないと思ってほしい」
「すまぬでござる……サイゴークに来てからなぜかきんたまが重苦しく感じるようになったゆえ、しょっちゅうすっきりさせてもらっていただいたでござるが……」
行軍中、イズヴァルトはオクタヴィアらと青姦を繰り返していた。休憩中は休み無く彼女たちのうち誰かとセックスだった。毎日最低でも10回は抜かないと眠れなかった。
彼女たちの子宮が浴びる彼の精液は濃厚だった。ゆえに孕みづらいエルフでも受精してしまった。妊婦となった彼女たちは性感と性欲が増し、イズヴァルトのほかにシマーヅの戦士らと乱交を繰り広げた。
ゆえにイズヴァルト率いる一隊は、他の部隊からキワモノとして見られていた。戦争をスケベを楽しむための旅にしているようなとんでもない連中だと。
「とほほ、でござるよ」
全く面目が立たない。意気込んで今年中にマツエスコーを取り戻してみせる、などと出陣前の軍議で大言壮語を言い放ったのは、そもそもがイズヴァルト本人だった。
「拙者のちんちんが、もう少し抑えられていれば……」
「気にするな、イズヴァルトさんのせいでもあれば、私達のせいでもある」
イズヴァルトを寝台の上に寝かせてミレイユはまたがった。膣のできるだけ奥深くまで巨大なものをおさめ、「おおっ♡」とよがり声をあげた。
「あるいは、物資不足で作戦が遅滞しているわけでもあるし、ここは私達とおまんこをしてゆっくり休むのが良い選択なのでは……おおおっ♡」
「ううっ、でござるな……」
とはいえ座して待つつもりはない。イズヴァルトはミレイユの腰使いにひたりながら一計を案じた。
それがいくさの趨勢に関わるか否かについては運命の神のみぞ知るというものだがさて、その作戦とはいかなるものだったのか?
その続きについてはまた、次回にて。