聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
「思ってたよりイズヴァルトちんは、傷ついてしまったでちね……」
触手たちに手当されるイズヴァルトを見て、ブランカがぼやいた。治療をはじめてからまる1日経っていた。頑張りすぎでち。戦闘機械と化した無双の戦士も無傷ではなかった。
触手姫がイズヴァルトを治療していたのは。姫がガッサバールを伺う山に置いた連合軍の陣の天幕の中。イズヴァルトは裸にされていた。
イズヴァルトは救援にかけつけたピピンとエレクトラによって助けられた。深手を負ってもなお進もうとしていたから、2人に取り押さえられた。
傷は相当なものだった。いくつも斬られていたせいで出血が激しかった。特に、腹は内臓が覗けるほどで、これ以上動けば死ぬ恐れがあった。
重傷を負ったくせして男性の生理だけは活きが良かった。朝方に勃起したペニスからびゅるるる、と濃厚な精液が放ったのだ。担ぎ込まれてズボンを脱がせた時は、何度も射精をした痕と濃ゆい匂いを放っていたのに。
夢精は2度も起きていた。死を恐れた本能が働きかけたのかどうかはさておいて。ブランカは1本の太い触手を筒状にさせ、勃起したままのイズヴァルトのペニスにあてがった。
絶え間なくじゅっぽじゅっぽと音を鳴らし、巨根は喜んで精を放っている。ずっとである。起きた時に感じる疲労感はきっととんでもないことになっているだろうと思った。
「触手姫ちゃん。イズヴァルトさんの具合はどうです?」
側にいたピピンが呼びかけた。彼は昨晩遅くまでイズヴァルトの看病をし、寝不足なのか目にくまを作っていた。今朝一番で、ガッサバール攻めの軍議を行ったが発言は控えめだったという。
「あと4日はだめでちよ」
「そうなのですか。それまではイズヴァルトさんは絶対に安静。そういうことですね」
「はいでち」
ピピンは残念がった。配下を呼んで茶と焼き菓子を用意させた。自分から触手姫のカップを注ぎ、はちみつ入りのりんごジャムを入れてはいどうぞとすすめ、小さな手で持ちすすり飲む水魔の愛らしさに和んだ。
「ぽかぽかしてておいちいでち」
「それはよかった。僕、サイゴークに来てから炙り茶の勉強をしているんだ。美味しいと言ってくれるとうれしいな」
「あたちからもお礼するでち。そっちに来ていいでちか?」
ピピンはうなずいて椅子を引いた。巨体の彼が乗っても壊れない頑丈な折りたたみ椅子である。股の上にブランカが乗ると、ピピンの股間にぷるんとしたものが当たった。
くつろいでいる時のピピンは長い腰巻きをまいていた。ブランカがもっと身体を預けると、彼の股のものがぐぐぐ、と持ち上がり硬直した。
「かたいでち!」
「あはは……催しちゃった」
「じゃあ、いいでちよ?」
ブランカはまとっていたスカートをめくった。半透明でぷるんぷるんの尻が目の前に。ピピンは腰巻きを割って膨張を顕わにした。真っ黒な竿と施術跡より上の茶色い先端である。
「いれちゃっていいでちか?」
淫欲をそそるというより愛らしさで和ませるような声色である。ピピンは小さな体を抱きかかえ、その股にある切れ込みに硬直を突き刺した。
「おふっ!」
ぷるぷるとしたブランカの身体の中にある、ぷにぷにとした腔(あな)。ほんの一部しか入っていないが感触はたまらない。
ピピンはブランカと出会ってから何度もこの様なコミュニケーションを取っていた。心優しいピピン王子と触手姫の相性が良かったからである。
「ふ、深くいれちゃうね……」
ピピン王子がブランカを引き込む。彼女の膣を貫き、子宮の中にまで届いてしまった。ぽっこりお腹だが半透明の身体は、ピピンの男根がどの様に入っているのか丸見えであった。
「はう♡」
「ぶ、ぶらんかちゃん……」
「お、おおお♡」
「いつもこうして仲良くしてくれるブランカちゃん、だいすきだよ……」
「あたちもでち♡」
2人は仲良く息を弾ませ、尻を揺り動かした。愛らしい水魔は、抱き心地が良ければ中の吸い付き方も凄まじかった。
「うっ、ぶらんかちゃん……」
腰を止め、呆けた果て声を漏らしながら、ピピン王子はどっぷり出した。うっすらと見えるブランカの子宮と膣が白濁した。硬いままのそれでブランカをこすり続ける。
「おおおうっ♥」
ブランカも全身を伝う心地よさを受け取った。絶頂の波が終わり、小さな水魔が愛くるしく背伸びするとピピンは彼女をぎゅっと抱きしめながらこう告げた。
「勇気がわいたよ、ブランカちゃん」
「どーゆーことでち?」
「イズヴァルトさんが眠っている間に頑張ってみようかと思うんだ。ガッサハール攻めの策なら、いろいろとあるかもしれない」
ピピンは名目上の総大将という権限を使い、再び諸将を集めた。エレクトラも参謀の1人として参加。ここ最近は王子の夜伽役ばかりを務めているデボラとフロウラの2人も同席した。ピピンが尋ねる。
「イズヴァルトさんが休んでいる間でも戦局を進めたいと思うんだ。何か策とか情報は無いかな?」
デボラとフロウラがエレクトラをちらと見てから伝えた。イズヴァルトに同行したオルタンスらによれば、数百の魔法戦士が集まって結界魔法をかけていたらしい。
「具足を見るに、イナーヴァニアやイーズモーの軍装ではないらしいな。エルフやゴブリンの姿もあるそうだ」
フロウラが指摘した情報は今朝の軍議でもあがっていた。エレクトラはパラッツォ教側に放ったスパイよりこれまで多くの情報を得ていたが、今朝の軍議までは確かな事が言えなかった。本当にそうなのだろうかと疑っていたからだ。
イーガから数千の傭兵が流れてきている。最初はあやふやな情報だったが、この近辺に来てから顕著になった。ショージュ=オーウェンも聞きつけ、もしやと思ってイーガの外交官に問い合わせていた。
紫電砲やイズヴァルトの炎の剣が通じない。となれば。エレクトラには心当たりがあった。
「……もし、あっしが知っているイーガの結界魔法ならば」
『亀神たちの鉄壁陣』。エレクトラはぼそっと言ってその魔法の長所と短所を述べた。自分がイーガの魔法戦士団として居た頃の話となるが、魔法をまず通す事は無い結界だったと。
「矢や投石砲もいくらか弾くことができましたねえ。白兵戦に持ち込むしか無いですが、もしやるんだったら……」
一点に集中させて飛び道具で攻撃すれば、破れないことはない。大技の魔法結界なので破られた後の疲労はすさまじく、再構築に時間がかかるはずだとエレクトラは言った。
懸念はある。『亀神たちの鉄壁陣』の物理版『アイギースの鉄盾』という結界魔法をかけられるとややこしい。重ねがけは相当な術者でないと不可能だが無理な話ではない。フロウラが嫌味そうに舌打ちした。
「エレクトラさん、なにか他に制約は無いのか?」
「かさねがけ前提で考えやしょう。となると最低でも300人の術者が必要。『亀神たちの鉄壁陣』の100人と『アイギースの鉄盾』の100人。それから両方の結界魔法を反発しあわないように同時がけさせられる魔法の為の100人、というところですかねえ」
「案外労力がかかるのだな……」
「もともとは城にこもった時の結界魔法ですからね」
それからガッサバール城下の館をまるごと守っているようだったという情報より、エレクトラは最低でも500から1000人と見積もった。館はそれほど大きくはない。となれば敵の守備範囲を広げさせてやれば。
「殿下。具申いたします。城下は打ち捨ててガッサハール本城への総攻撃をかけやしょう」
今現在率いている3万近くなら落とせる数だ。ガッサハール城は広大だがパラッツォ教軍のまともに戦える兵士の数は5000程度と知らせがあった。
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連合軍がありったけの投石砲と強弩、鉄砲による攻撃を開始したのは2日後だ。
マレーネ=トードヴェル=キョウゴクマイヤーは相手側の動きを事前に察知して、自らが半分の1500の魔法戦士達を連れて入城していた。
「まあ。頼みの極太おちんちんがしなしなになったのに、頭の悪い正攻法でかかってくるなんて、おつむが足りないですわね」
配下の前でうそぶき笑わせたが内情はよろしくなかった。イズヴァルトに城壁を破壊され、好き勝手されたパラッツォ軍は、城市にほんの一部を残してマツエスコーに撤退したのだ。イプセンがいないうちに。
この時イプセンはこの方面の指揮権を、イナーヴァニアの武将に引き継いでいた。自分たちの部下を活躍させたいというかの国の代王からの意向がそうさせた。
それから国内の統治に関してうまくいかないことがあったから、イプセンとヴィルマを王都のトットリーブールに呼び寄せた。2人にとっては好都合だった。ヴィルマはイプセンとの間に、5人目となる子を懐妊したからだ。
マレーネは心理的余裕を欠いていた。雨あられと岩や矢が飛んでくるのを予見し、配下に防護結界を張らせたが、大事なところで判断を間違えてしまった。本城がどれほど広いかを忘れていた。
『アイギースの鉄盾』と『亀神たちの鉄壁陣』の守備範囲が城の南側半分ぐらいしか広がらなかった。連合軍の攻撃は全方向からだった。
「……仕損じてしまいましたわね」
副官たちから撤退と城市側の半分を申し出られる。この軍団は城を死守するようには言われていたが、城を枕に討ち死にするまでは誰も望んでいなかった。
「城市のパルパティアさまが突撃して血路を開くとおっしゃっております。いかがでしょう、姫様?」
「そうしましょう。撤退!」
この姫は名将ではなかったが、逃げるのは得意だった。本城が陥落し、麓の城市も降伏の旗をあげる。イナーヴァニアからの総大将はもっとひどかった。予想以上の投石砲や鉄砲の数に驚いて、イーガ兵よりも先に逃げてしまった。
パラッツォ教徒1万近くとマレーネが率いていた兵のうち数十人が捕虜となった。ピピン王子は彼らを丁重に保護した。エレクトラが望むのでイーガの兵士らに会わせた。
捕虜の内年重の数名は、エレクトラの顔を見てまなこをまんまるくし、口をパクパクとさせ始めた。
「ど、どうして!」
「あなた様がなんでこんなところに!」
信じられぬと叫ぶ者からどういうことかと若い衆が尋ねる。理由を聞いて狂おしく叫び、皆がエレクトラの前で平伏してしまった。
さて、この者達がエレクトラを主君のように仰いだ理由は、なんだったのか?
その続きについてはまた、次回にて。