※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

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43 イーガの姫

 帰国したルッソを待っていたのは、転封の勅書であった。ナーガハーマの北にあるヨゴタールの街の領主となれ。この領地もお別れだ、と思いながら家からほど近い沖合で海釣りをしていると、トーリの部下がやって来た。

 

「やあやあ久しぶりだね。みなさん元気にしてたかい?」

「だんな様。あちらで迎え入れる準備はもうできております。後で荷物は運びますので、我々とすぐに向かいましょう」

 

 そんなに急ぐ理由がなんなのか聞きたかったが、ルッソは羽交い絞めにされ、転移魔法で新たな転封先に連れて行かれてしまった。

 

 ヨゴタールはナーガハーマの目と鼻の先にあった。王家の直轄領。タッカテオッキ河の北に流れる支流とつながらるヨゴタール湖の東にある。周辺にはいくつも酪農家達の村がある。街は宿場町だったが、近衛騎士団が防備のために土塁を設けてあった。

 

「馬車も用意しております。それに乗りながら領地を見回りましょう」

 

 たくましい馬を6頭もつけた大きな馬車だった。荷馬車ぐらいの大きさだ。サキュバス達4名と入った。中には酒瓶が入った樽と、ベッドが敷かれていた。

 

「こりゃなんだい?」

「近衛騎士団が持っていた『救護用馬車』ですよ。とはいえ、救護するのは騎士団のお偉方の性欲だったそうですね」

「パラッツォ教団と激しいいくさをしていた頃は、こんな馬車を王家に造らせて妾らと事に及んでいたのです」

 

 転移魔法を使った彼女達の顔はげっそりしていた。窓から見えないだろうかとルッソは尋ねたが、外からこちらが伺えない、鏡みたいになっている魔法の窓ガラスだと1人が言いながら服を脱いだ。

 

 どうにもやっすい甘菓子みたいなにおい。下級のサキュバスだった。どの女達もアスカウ時代、宿場町で娼婦をしながらトーリを守っていた。彼女達はシャロンが200年ぐらい前にヘッドハンティングした密航組の者達。ヤスミンカから聞いた。

 

 ルッソは脱いだ彼女を抱いた。四つん這いにして尻を下腹でリズムよく叩く。安っぽい体臭だが中の具合はやはり吸精鬼だった。気持ちよく喘ぐ女の中に放った。相手は身体が喜び過ぎて、排卵を起こしてしまった。下腹の淫紋がやけに強く輝き出し、内性器がきゅん、となったのがその知らせだ、

 

「あ、まずい……あかちゃんできちゃいそう」

「ん? 避妊の魔法をかけているんだよね?」

「気分をぶち壊すことを言わないでいただけますか、旦那様?」

 

 そのサキュバスはふてくされてしまった。そうよそうよと他の3人が批難するのでルッソは謝った。次の女と交代だ。こっちもにおいが安っぽい。抱き心地とおっぱいはとてもいいのに。

 

 先ほど子宮に精液をごちそうさせた女から説明を受け、窓の外を見る。ヨゴタール湖は美しい。酪農地は豊かなようだ。ずいぶんと風光明媚なところじゃないか。

 

「ここは程よく税収があるそうです。『おじょうさま』のお心遣いです」

「俺には過ぎた領地だよ。確か、ここは近衛騎士団の拠点のうち1つだったっけ?」

「そうです。宿場町にでかい館を建てさせて、パラッツォの女教徒の中で特に美しい者を入れて、皆で楽しんでいたようですね」

 

 つまりは位の高い騎士や将軍用の慰安婦にしたのだ。遠い祖先にオーガ族がいて、おっぱいがたわわに実ることで定評のあるエチウ人の他にもホーデンエーネンやイナーヴァニアから来た女信徒もいた。

 

 今、教団とは和平が結ばれ、交流が始まっている。彼女達は慰みものにした男らとの子と共にエチウに返された。誰もいない館がルッソのものだ。それと、宿場町のはずれにはパラッツォ教の寺院も出来ており、司祭騎士が教えを広めているという。

 

「ルッソ様はただぼけっと釣りをするだけでなく、領地の方々やここを訪れるパラッツォ教団と交流をなさってください。それがおじょうさまのお願いです」

 

 それから、外交官としての役目は外される。これからはずっとヨゴタールで政務を行わなければならない。

 

「ヨーシデン、気に入ってたんだけどな。王様の勅書を寄越してきたということは、もう敵はいない、っていうわけだね?」

 

 その通りです。ルッソは高まる射精感を覚えて体位を変えた。女を下に敷くと激しく奥に叩きつけた。めいいっぱい注ぎ込むとその女も困った顔をした。

 

「……わたしもやばいかも」

 

 この2人は避妊魔法をかけたのに孕むこととなった。ルッソと淫魔との子ができるわけだが、他の2名も近いうちにそうなる運命だった。彼女達はルッソの侍女兼、愛人として身近に侍ったからだ。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 ルッソは新たな領地で政務とおまんこに励んでいる。その知らせを聞いたトーリはほくそ笑んだ。これでルッソを安全な場所にかくまう事ができた。

 

 これからが正念場。胸に抱いたジョーケイン王子に子守歌をきかせてやりながらこの後を考える。まずはジョーケインを盾にとってセイン王を退位させよう。それからジューンショーン王子にコリアンナをめとらせ、ホーデンエーネンの政治を完全に掌握する。

 

(最初は王族皆殺しとか考えていたけど、よく考えれば私もホーデンエーネンの王家の血を引いていたわ。同族殺しはよくないよね。)

 

 しかし親族衆の領地は大きく没収だ。ホーデンエーネンの王族はとかく数が多い。こいつらから4分の3ぐらい奪って直轄領を増やすつもりでいた。その直轄地はカツランダルク本家の者が、大臣や官僚として統治するのだ。

 

 と、いう新たな未来予想図を頭の中で描きながら目の前のテーブルに置かれた羊皮紙をちらと見る。トーリ宛の、イーガの王女からの親書であった。

 

「日が昇る国の姫より日が沈む国の姫に申し伝える。おまえんところの間諜が我が国で悪さをしていたから捕らえた。本来なら斬首と致すがこやつらはサキュバスである。首を切っても死なないだろう。封印して干からびらせる事も考えたが、赤ちゃんみたいにかわいいおねえちゃまに免じて赦してやる」

 

 喧嘩腰でえらくくだけた文体だが、これでも一国の姫の書簡だった。達筆である。一応、この手紙の書き方に関しての理由が記されていた。

 

「とってつけた美辞麗句など、牧場の犬や羊のちんぽで処女膜を破った様な田舎娘には無用だろう。思いあがるな、三下が」

 

 その手紙を書いた姫は、トーリの身近にいた人物からあれこれとアドバイスをされていた。できるだけ強く出ないとトーリは興味を示さない。というか、罵られるのが大好きな変な性癖の持ち主だからがんがんやってしまっていい。

 

「3000の魔道騎士を連れてヨーシデンに向かうつもりだから取りに来い。本来ならば10万の軍を起こしておねえちゃまを実力行使で奪還するつもりだったが、それで許してやる。有難く思え。貴様がしたことは全裸で神輿に上げられて、イーガ全土に謝罪の行脚をやってもらわねばならぬ程の重罪である。しかし、下品で淫乱極まりない貴様にはむしろご褒美になりそうだ。くそひねりで定評のある妹みたく、神輿の上で臭いものをひねる真似もやりかねない。おねえちゃまのうんちぶりぶりならば天然ものの最高芸術だが、貴様のはただの臭い醜悪である。あえて言おう。カスであると」

 

 なかなかに挑戦的な文にトーリは濡れた。こんな口汚い手紙を送って来るなんて、なんて将来が楽しみなお姫様なの? トーリは口汚く罵られると性的に興奮する体質だった。

 

 この手紙の送り主こそが、マレーネ=トードヴェル=キョウゴクマイヤー。マイヤをだるまにしていろいろと惨い目に遭わせたアドルフ王子の娘である。祖父に医療魔道伯として高名なシュタイナー公があり、マルティン王子が一番目にかけて入る妹であった。アドルフの子供達の中で、一番性格が似ているとも言われている。

 

 つまりはトーリにとって妹の仇の娘であるが、こいつが至極厄介だった。まだ14歳なのに軍隊の指揮権を与えられて手足の様に使っている。この3千もお姫様特権として連れ回せる者達だ。口汚いが心遣いができるので武将達からの評判もいいそうだ。

 

(イーガの魔道騎士団、特に第三軍はサキュバスの魔法が効かないと聞くわね……)

 

 理由はエルフやゴブリン、ドワーフらのハーフやクォーターがたくさんいて、結界魔法も得意だからだ。いや、イーガ自体がトーリが覚えた魔法ではどうにもならぬ土地だった。女王の一族の魔法は研究しつくされている、とカミラが注意した程だ。

 

 そのマレーネに会わねばならなかった。彼女は今、シガラーキを出てホーデンエーネン領に入っている。マイヤに会わせるしかないと思うが長居はさせたくない。トーリは傍にいるサキュバスらに支度をせよと命じた。

 

「ジョーケインをセイン王のところに預けておきましょう。先に私たちでマレーネのところに向かうのです」

 

 

□ □ □ □ □

 

 

「このあたりはド田舎ですわね」

 

 馬上のマレーネは侍るパルパティアに呼び掛けた。シガラーキを出てから、ただただ野原と畑しか無い。立ち寄った宿場町も魔法の利器が照明石程度の、未だに薪と人力が必要な時代遅れもはなはだしいものだった。

 

 ホーデンエーネン王国暦352年4月の半ば。マレーネ=トードヴェル=キョウゴクマイヤーは、捕らえた間諜を護送しながらホーデンエーネンに入っていた。

 

 パルパティア=シディアスといった信頼のおける魔法戦士を含む、3000の魔道騎士団を率いて、とトーリへの手紙に送ったが内情はやや違う。その3000は魔道騎士団を引退した魔道士や傭兵だ。

 

 彼女は国軍を用いることを祖父からきつくとがめられた。しかし国王はパルパティアをはじめ、魔道騎士団のOBたちに招集をかけ、急いで集めてくれた。しかもご丁寧に、ホーデンエーネンから文句をつけられないように工夫も施してだ。

 

 マレーネが率いる軍勢は、マイア=テクニカのイーガ本社が新しく事業に加えた警備傭兵団、という事になっている。いわば民間軍事会社というやつだ。国王はそんな事業をやる時を想定して、それ用の法律もあらかじめ作ってあった。

 

 もちろん、マレーネはイーガ国を代表しての役割を得ている。彼女はマイヤをイーガに連れ戻したかった。待っててくださいねかわいいおねえちゃま。わたくしがうんちとおまんこのお世話をいたしますから。うふふふ。

 

「まったく。こんなひなびた土地に『えくすぷれす』を通したって稼ぎにもなりゃしませんわね」

「計画の路線はもっと南側だべえよ。この辺はホーデンエーネンでも畑ぐれえしか耕せないところだべえ。もっとも、ヨーシデン地方はだいたいこんな感じだべえな」

 

 15年近く前にスカルファッカー家の家庭教師として迎えられた時に、この道を通ったことがあるとパルパティアは言った。村の人たちは温厚だが彼等を治める領主達が乱暴者ばかりだった。しょっちゅう盗賊扱いされては館に連れて行かれ、好色な領主達の夜伽をさせられた。

 

「ひどいやつらばかりだったべえよ。穴に突っ込んで2,3回放ったらそれでおしまい。後はぐーすかと寝ているだけだったべえ」

「あら、それなりに相手をしてくださったんですのね、そのかたがた?」

「どれも10分以内だったべえよ。ホーデンエーネンのお殿様がたは早漏ばっかりだったなあ」

 

 その点、スカルファッカー家の領主様は良かった。寝床に呼ぶと2時間は相手をしてくれる。舌や口も使ってくれて、腰遣いも巧かった。

 

「でも、ご子息さまはだめなやつだったべえ」

「アナキンさんが?」

「いやいや。兄のケノービさんだべえよ。あんのお方は、あっちはごく一般的なホーデンエーネンの騎士様だったべえ」

 

 パルパティアは少年時代のケノービの筆おろしと、しばらくの間のちんちんの世話をした。前戯もしてくれず、しかも真性包茎で粗末なもの。対して弟のアナキン坊や小さい頃から『女泣かせ』になると評判の育ちぶりだった。アナキンと同じ頃にケノービも割礼を受けたが、ぞんざいな性行為は相変わらずだった。

 

「ちんちんが粗末な男はあまり信用がならないですわ。劣等感からくる知恵で陰謀家になりがちですもの。やはり殿方は、ナニがおっきくないとすこやかに育ちませんわ」

「確かにそうだべえなあ。でかけりゃがばがばのべっちょも楽しめさせる。罵られることもねえからな」

「その通り。ただその分、操りやすい楽天的な単細胞ばかりとなるでしょうが。でも女としてはそちらのほうがよろしいですわね。ケノービはちんぽをおっきくする訓練を受ければよかったのですよ。うふふふ」

 

 しかしそのケノービとマレーネは密約を結んでいた。介在役はルッソとカイル=グリーヴァスだ。アジール港にあるケノービの腹心の家にはしょっちゅう、カイルのモナファン海賊団の手の者が出入りしていた。

 

 手を組んだ目的は1つ。マイヤをイーガに連れ戻す。マレーネはこれにひどい憤りを覚えていた。

 

「……トーリ=カツランダルク。イーガとホーデンエーネンの約束を破り、おねえちゃまをずっと手元に置くなどとは……許せませんわ!」

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