聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
グラットン。
イーズモーの暗黒卿、ツネーヒ=アルグレイブのサーガに出て来る魔物だ。
愛用の大剣を奪われ、ツネーヒは覇王の剣・ソード=オブ=ブロントとそれに名をつけたという。サーガでは剣を奪い返そうとツネーヒに何度も戦いを挑むが、そのたびに散々にいてこまされてしまったと歌われている。
トーリの顔は曇っていた。こんなやられ役の力なんて信用できるのかしら。彼から感じる魔力は只者ではないとは思えたけど、タカミら枢機卿と比べるとだいぶ格落ちだ。
「疑っているようだね? これでも私は中級の上位にいる魔族だよ」
「あら、そんなことは思っておりませんよ?」
「顔に出ているよ。やーいやーい、ハーフエルフ風情にやられたヘタレ魔族、と思っているね? ……強かったんだよツネーヒは。並みのハーフエルフではない。それこそエルフ族最強の一角といっても良いぐらいにだよ!」
剣も魔法も。あの当時だったら多分、世界最強だったとグラットンは評した。そういうのに破れても別に自分の実力を疑われるいわれは無いよ。相手が悪すぎただけだ。本当の本当に強かったんだもん。
「グラットンさん。お願いしたいのはトーリさんの『先祖返り』がどれだけ進んでいるかを確かめていただきたいのですが、今すぐ可能ですか?」
教主にグラットンは答えた。そんなものはすぐにできる。いや、もう見切った。
「会った時にわかっていた。魔界の魔族の実力を侮ってもらっては困るよ。トーリ殿は大方『先祖返り』が終わっている。しかし、ほんのちょっとが終われていない」
「終わっていないですって? わたし、カミラにもシャロンにも……サキュバス達みんなに言われているのに?」
「あの種族はおまんこに関するところに目が行きすぎだから、どこかヌケがあるのだよ。魔竜様あたりのまともなお方に聞けば良かったと思うね。それで、魔族になるのを完成させる方法なのだが……」
魔族の肉を食うのが通例。あるいは、魔族の体液の摂取だ。サキュバス族なら体液を飲む方がだいぶ早くなる。グラットンは壁際にあるいくつもの小屋に向けて大声を放った。
「君達、お仕事だ! 教主殿が話しておられたサキュバスの姫君が来られたぞ!」
各戸の入り口から何かが姿を現した。どれも異形の者達だ。触手みたいな脚で這いずって歩くタコの様な者や、1メートル近くの若木の様な者がいる。頭を2つ生やした1つ目の鬼、全身が毛で覆われた二足歩行の怪物も。
どれもが魔界の魔族達だ。教主は説明した。魔界から無断渡航でやって来た者達で魔竜の手の者から追われている身だという。『はぐれ魔族』と呼ばれる連中だ。グラットンもそうだった。およそ20人ぐらい。
彼等は集まると、教主とタカミにお辞儀をした後、トーリに顔を向けて地べたにひれ伏した。まるで帝王や神を崇めるかのよう。グラットンとは大違いだ。
「わ、わたし……そこまでされるほどだったのかしら?」
「貴殿は魔界だと、やんごとないお方の係累におられるからな。ちなみに彼等は中級の魔族達だ」
「でもあなたは片膝をついただけ、だったけど?」
「私は騎士だ。いざとなったら戦うわけだから、平伏していてはとっさの時に動けないよ」
「なるほど!」
さて、これからやることについてはこうだ。トーリはこの魔族達によって『先祖返り』を完遂させる。
「封印が肉体にかかっているのなら、一度捨てればよいのだ」
「グラットンさん、言っている意味がわからないわ。身体を捨てる……どういう事かしら?」
まずは服を脱げ。トーリはタカミに介添えされながら服を脱いだ。ブーツと絹の靴下とガーターベルトだけしかまとわぬ、裸体となった。薄暗い中でも輝くように見える白い肌だ。小ぶりだが形の良い乳房。そして、なびくたびに誰もが淫欲に苛まれてしまう香る、蒼にも見える黒髪。
「まずは、サキュバスとしての務めを果たしながら聞いてくれ」
魔族達がトーリに寄り、まずは目の前にいた触手を多く生やした者がトーリを抱き抱える。沢山あるそれがトーリの脚を開かせ、腹のあたりに生えていた中からにょっきり長いものが秘唇をなぞった。
「……あっ♡」
それこそがかの者のペニスだった。タコの足の様に柔らかく、なめこのようにぬめっている。ふにゃふにゃではあるが先端は常に濡れていた。厚い舌みたく彼女のそこを舐めて高ぶらせる。入口から露がこぼれた。
「は、はやくぅ♡」
甘い吐息をこぼす。入り込み、ゆっくりと上下してトーリを悩ませ、喘がせる。触手らに支えられながらトーリの身体が仰向けに倒された。もう1人の魔族が竿で彼女の口を塞いだ。
「おおよそ、3日ほどそれを続けば貴殿は果たすだろう。魔族になれば君達ニンゲンがいう霊魂、つまりは思念体が『本体』となるんだ」
思念体さえ滅ぼされなければ、魔族は死なない。たとえ塵となっても肉体を復活させる事ができる。個人差や種族の条件はあるが大体100年の内に復活できるだろう。
「もごがっ! (ひゃくねんもかかるの!)」
「いや、続きがある。とてつもなく魔力がある者はほんの少しの時間で為せるんだ。そこにいるコーザみたいな……いや、教主殿は半魔の者だから肉体の復活には10年20年ぐらいかかるかもしれん。五体満足ならもっと早くだ」
ちなみに鎧の魔族であるグラットンは、細切れになっても3日で身体が元通りになる。鎧の魔族というのはその辺が特別扱いだ。守る務めを果たす為には『死』という休暇をたくさん取る事は許されない。
「『先祖返り』を為した後、貴殿は一度死ぬのだ。自害でも誰かに殺されてでもいい。一度死ぬのだよ」
「もごもご、もごご! (だ、だったらグラットンさんが殺してよ! おちんちんを堪能してからだけど!)」
「い、一応は私にもちんこは生えているのだが……」
鎧の魔族は前垂れを外すと生殖器が出る。鉄や鋼の様に硬いのにうねうねと動く代物だ。ちゃんと精液も出る。この種族のそいつは、魔族の女達にたいへん好評だった。補足だがこの種族の赤ん坊は、産まれた時から鎧をまとっている。身体が大きくなるにつれて鎧も大きくなり、硬さを増すのだ。
「そのう、すまない。私は、つまり、『いんぽ』というやつなのだ……」
グラットンは不能だった。ソード=オブ=ブロントを暗黒卿に奪われた直後に勃たなくなったし、性欲も大いに失せてしまった。数百年前からずっとこうであった。
サキュバスの身体とおまんこは、枯れ果てるまで離したくない代物だというのも存じている。触手の魔人にピストンをやられ、ペニスを喉輪で締めながら味わい清楚な裸体を妖しくくねらせるトーリを、抱きたいと思っていた。
けれども、かつて、ダイヤモンドに比べられる硬度だと称されたそれは、触手の魔人のちんこよりもふにゃふにゃで、しょんぼりとしたままだった。
「ああーっ!!」
「もごごご♡ (あうーんっ♡)」
触手のやつが射精したのを膣の奥で感じてトーリは喜んだ。彼女はエッチな気分にさせる甘い体臭を身体全体から放つ。もっと精を貪る為にだ。傍で見ていた教主とタカミは知らぬ間に勃起していたものから、放ってしまっていた。
その後すぐに、トーリの口で気持ちよくなっていた者が果てた。股と口を攻めていたのが別の者に代わった。トーリの身体は魔族の精液が欲しいと、ますます血気盛んになる。白い肌がバラ色に変色した。汗がにじみ出て濡れた身体は、魔族達の情欲を狂わせた。
「グラットンさん。我々はカナザワースに戻ります。あとはよろしくお願いしますね」
股間がぬれているのを気にしながら、タカミを連れて教主が去ろうとすると鎧の魔人が引き留めた。
「何故、我々だけに任せるのだ? コーザ=ストーンマウント。貴殿にもトーリ殿を楽しませる義務があるのではないのか?」
「トーリさんが出てからに致しますよ。そうするつもりですが……」
本山はいろんな者がいる。特に、トーリを目の仇しているカヅノ=セイジだ。今は別のところにいるが戻って来るかもしれない。トーリが来ているとわかったら、やかましいことになるだろう。
魔法が封じられた彼女が、たった1人で来たのをいいことに、ホーデンエーネンに対してよからぬ陰謀を企むかもしれない。カヅノ=セイジはそういう男だった。教主はうまく本心をごまかしているが、信頼してはいけない人物だと見ていたた。
「できるだけ、内密に事を運ぶ必要がございますので」
「わかった。では、外に出ていいか?」
「何か用事でもあるのですか?」
「私の愛剣を探したい。聞けばイズヴァルトというやつが持っているらしいな。そいつを倒して取り返したいのだ。頼む」
「……難しいですね」
外出は却下。そう言い残して教主とタカミは去った。外に出たコーザはタカミから尋ねられた。グラットンの実力でそんなことができるのでしょうか?
「多分……困難を窮めるのではないかと思いますよ。何せイズヴァルトは、魔界で最強と呼ばれている剣豪が認めた者、と聞き及んでおります」
それが子供の頃。そして青年となった今は、ますます腕を上げているに違いない。ましてやこんな話も耳にしている。『はんぶんエルフ』となる手術を受け、手が付けられない程の魔法戦士に成ったという。
「それほどの男、ということですか?」
「でも、今ならばタカミさんの敵ではないと思いますよ。しかし、貴方がたの神聖魔法に通用する手段を得た場合は……」
場合によっては、最大最強の敵になるかもしれない。ただそこで、自分にとっても、とまではコーザは言わなかった。そういう相手は、敵にするよりも味方につけた方が良いだろう。