聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
コリアンナはいなくなってしまったが、オルフレッドらアスカウ村の子供達と久しぶりの親子水入らずの数日間を過ごし、トーリは心が和やかになった。
母はまだ仕事が残っている。だから申し訳ないけど村に戻ってね。セイン王と共に子供達が帰ると、トーリはタカミを呼び出した。
「事がうまく運べて良かったですね。お体の具合は?」
「……正直に言うわ。まだ低調よ」
かつての様に広範囲にならない。相手の心をものにできるのは目の前の者やその部屋にいる者達ぐらい。凡百のサキュバスや教典の巫女と大差が無かった。
「先祖返りは果たしたわ。でも、かつての様な力を取り戻すのには、時間がかかりそうね。思ってもみなかったわ」
「それは致し方のない事でしょう。そのことは私と教主殿のみ知るお話に致しましょう」
「あなたとお付きのサキュバス達には、親族衆をたぶらかす仕事もしてくれたから感謝でいっぱいよ。頭が上がらないわ」
宴の席であの若者を狩り立たせたのと、親族衆らが徹底抗戦に動いたのは教団の力によるものだ。これでトーリはオルガスムナの実権を掌握できた。
この後の計画も立ててある。タカイチゲンシュタットにいるちびっこ達に洗脳教育を施し、自分に絶対の忠誠を誓わせるようにする。手足となって働いてもらうつもりだ。ちゃんと相応の地位や職務は用意してやる。
「しかし、この度の計略は、トーリ様のご家中と、話をせずに為したことですね」
「ええ。ここにいる子たちには事前に休暇を与えて遠ざけたけどね。でもピックプリトにだけは伝えたから。彼女がなんとか説得しているはずよ」
「筆頭のカミラ様にはどう説明なされるおつもりです?」
「カミラなら大丈夫。わたしが『先祖返り』するのを一番喜ぶはずだから」
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そのカミラは、ナントブルグにいるピックプリトの話を聞いた部下から連絡を受け、遠いコーヅケーニッヒでうろたえていた。
(ひめさま! 何の相談もせずに勝手になされるのは……!)
いや、非難はできない。カミラもまたトーリから言わせれば、一番大事な時に何で自由気ままにやっているのだと詰られる事をしているからである。
カミラはいよいよ、臨月が迫っていた。出産予定はこの8月の末だ。サキュバスの子はニンゲンみたく10カ月で出産されるか、魔族や亜人のそれと同じく1年かけてで母親の中で育つのに別れる。カミラのは魔族タイプの妊娠だった。
「うむむむ……」
寝台の上に横たわる彼女の美しい面の眉間に、しわが寄った。伝えて来たサキュバスは、テーブルの上に置かれた大皿に、山の様に積まれたまるっこいパンみたいなものをかじって「んめー!」とばかり叫んでいた。
「んめー! んめーっ! ナントブルグじゃ食べられない味ですね! さっすがイーガ王国!」
そのパンはもちっとして柔らかい。粘り気のある生地で中にカスタードクリームが入っていた。この王都の名物の1つ、まるまる焼きである。
「なんなんですかーこのまんじゅう! こんなもんをカミラ様は毎日たべているんですかっ!」
「そうね……太りそうだから1日に1個にしているんだけど」
「サキュバスだから太りませんって! ンメー! ンメー!」
ちなみにだがこのまるまる焼き、ムーツにある多くのオーガの里でも作られて土産物として売られていた。ただし真ん中に焼き印を必ずつける。
焼き印はオーガ族に信奉されている、リボンをつけた猫の神の『鬼帝様』や、卵を溶いて焼いて焦がした砂糖汁をかけたデザートみたいな容貌の犬の精霊『歩無歩無風林』などの姿にしてあった。あるいは『志成紋老龍』、『太麗班堕』、『蜜不威』や『智意過倭』などだ。
『鬼帝様』、『歩無歩無風林』、『志成紋老龍』。それらは皆、古の時代に生まれた転生人が広めた異界の神々だという。威厳ある響きのする名前だが、どれも丸っこくて愛らしい。それらの神々のぬいぐるみを、オーガ達は里でつくっていた。この種族は男も女も、可愛いいもの好き。ファンシーなものに目が無いのだ。
「カミラさま。どうします?」
「王様に頼んで休暇をいただくの。ナントブルグに向かうわ」
カミラは部下に付き添われながら、謁見の間にいた国王に頼む。トーリ絡みで急な用事が出来たので、数日おいとまをいただきたい。
「数日もか……」
「申し訳ございませんが、トーリ様は私の主君でございますゆえ」
「もうすぐ生まれて来るお腹の子とともに数日も、この老いぼれを置いていくのか?」
国王の目が潤んでいた。せがむような眼差しだ。
「置いて行かないでくれ。余はそなたと授かった子が、この世に出てくるところに立ち会いたい」
カミラは胸と子宮と陰核を熱くしてしまった。出産日間近になっても国王と毎朝毎晩、熱い搾精ファックをして互いを絡ませていたゆえ、恋心が強かった。彼女の理性を押し付けてしまった。
「……いえ……やはり……国王陛下のもとにずっといたく思っております。わたくしも、貴方様と1日とて別れることなど望んでおりませんし……」
「うむ。カミラ、余もそう思うぞ。そなたを片時も手放したくはないのだ」
国王は、カミラと自分に熱いまなざしを向けて来る廷臣や侍従らに呼びかけた。しばらくカミラとひと時を過ごす。老王に休憩部屋に連れて行かれたカミラは、今の主君こそ腹の中の子だと言わんばかりに狂おしく情を求めた。
「陛下……!」
「儂もじゃ、カミラ!」
下半身は若者顔負けの老王と、妾となったサキュバスとの激しい情交がおっぱじまってしまった。扉の向こうで連絡役のサキュバスはため息をついた。こりゃだめだ。
(カミラ様はすっかり骨抜きにされちゃったなあ。しゃーない。アタシも2~3日ぐらいコーヅケーニッヒで遊んで、事の次第をピックプリトさんにお伝えするか……。)
その月にカミラは戻らなかった。8月の末、国王に見守られながら分娩に望んだ。サキュバスの出産は性交以上のエクスタシーを伴う、壮絶なものだ。
「ああああああっ♡ ああああああっ♡ い、いってる♡ ずーっといっちゃってこまるのっ♡♡♡」
アクメ顔で絶叫し続け、妊娠の為によりでかでかとなったおっぱいから母乳をぶばばばばと噴き出せながら、彼女は可愛い赤ん坊を出産した。女の子だった。その姫は歴史に出る事なく、イーガでひっそりと暮らす事となる。
ついでだが、カミラは国王との間にもう2人の子を産む事となる。だがどの子も安穏と暮すことが出来た。国王はカミラに、彼の先祖でカミラの恋人だった人物が与えられなかったものを授けてやれることが出来たのだ。
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カミラはイーガ国王との愛欲の日々と出産の為に帰国できない。ナントブルグに戻ってその知らせを聞いたトーリは、「たるんでやがる……」と舌打ちした。
「まあでも、カミラが楽しんでいるのなら不問にするわ♡ ところでカミラを夢中にさせてるイーガの王様のおちんぽとおきんたまって、どんなものかしら♡」
「浮気の話はやめましょうよ、おじょうさま」
目の前のピックプリトは念話魔法で返す。まんまるの肉まんじゅうみたいな姿と化していた彼女は悦んでいた。前の口と後ろの総排出腔みたいなものを、ちんぽで塞がれていたからだ。
「うおおおお!」
「たまんねえ、このずりまんじゅう!」
相手をしていたのは、トーリの『竿係』たちだ。城の下男。売春宿に通える給料ではないため、サキュバスやトーリにキンタマのイライラを解消してもらっている連中である。
搾精の機会に飢えていたピックプリトは、前の口で猛烈にしゃぶりたて、後ろの穴をぐにぐにと動かして攻めていた。身体こそ奇怪きわまりない饅頭そのものになってしまったが、挿れることができる器官は淫魔のままだった。
「すげえ、すげえ吸いつきだっ!」
「トーリ様、こんな生き物をどこで見つけたんですか? たまんなくすげえ穴もってるんすけど……うおおおお、で、でるっ! 余さず注ぎ込んでしまう!」
後ろの穴に突っ込んでいた男が射精した。爆発が起こる様な強い快感がしばらく続く。前の口がしゃぶっていたものも暴発した。下級のサキュバスとはいえ一目置かれているピックプリト。姿こそ変わり果ててしまったが淫魔の本分は果たしている。
(ピックプリト。満足している?)
(ぜんぜんです。気持ちはよいのですがこの姿だと、どうも……。それより、教団の枢機卿と取引をされたそうですね?)
(とてもお世話になったからね。わたしの『たからもの』に会えるようにしたわ。)
タカミがつけたいろいろな注文は果たしてやった。教団がホーデンエーネン南部で布教できたり、信者にそれなりの手厚い保護をする法律は現在、検討段階から法文作成にまで進んでいる。トーリが心理掌握の魔法でねじ込んだのだ。
(布教。それだけでも十分な餌だとは思いますが、それ以外にもお与えになられたのは……。)
(タカミが欲していたのよ。怖がることは無いわ。あの男なら悪いことをしないはずよ。)
策謀が成った後、タカミはトーリにもう1つの頼みを聞いてもらった。彼が密かに望んでいた事でもある。
ヨーシデンにいるマイヤと知り合いになりたい。それがタカミの求めだった。彼はマイヤに強い興味を抱いていた。転生人としての彼女にだった。