聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
イズヴァルトは猛省した。
やり過ぎた。エレナにも申し訳が立たない。
母親とこのようにしているところを、絶対に見せたくない。それ以上にエレクトラを、これ以上嘆かせる事は駄目だろう。
(彼女には、役に立ってもらわねばならぬ。)
あくまで、薄暗い気持ちを抱いての思いであった。彼女は自分を利用しようとして仲間になった。ならば自分も利用するだけだ。
イズヴァルトの気持ちをエレクトラは充分に存じていた。だから何も言えなかった。温泉で身体を清めた後、何も無かった様に館で過ごし、オルタンスの来訪を待った。真夜中、可愛い恋人は、ミツクニュモスからいただいた栄養を肌に行き渡らせて現れた。
「エレクトラさん。なんだか気分がよろしくなさそうズラ?」
「ああいえ……気のせいですよ」
エレクトラは薄衣一枚だったオルタンスを抱きしめた。温泉と心ゆくまでの男とのセックスで、彼女の体温はいつもより熱かった。2人は服を脱ぎ、ベッドの上で絡み合った。
「エレクトラさん、ちゅうしてズラ?」
可愛いオルタンスが口をすぼめる。エレクトラはいいにおいがする彼女の顔に近づき、吸いあげた。舌と舌を絡めあいながら互いの乳房を弄ぶ。2人は汗をにじませて1つに絡み合った。エレクトラがオルタンスの腰を持ち上げ、太ももを肩にかけた。
間近にはミツクニュモスと楽しんで膨張しっぱなしのラヴィアがあった。無毛でつるつるの上部と周囲を舐めあげ、オルタンスの切ない声を聞く。柔らかな肉を舌で味わい、オルタンスの愛液をすすって陰核をしゃぶりたてた。
「ふあああっ……」
オルタンスは可愛い女の子だ。ニンゲンでいえばまだ14歳ぐらい。イズヴァルトとの間にオリガを産んだが可憐さは全く減じていなかった。母になって失った物は無かった。むしろ、子を産んで愛らしさと人づきあいの良さを得ていた。
愛らしいオルタンスの悶え、楽しむ姿を眺めてエレクトラは癒された。彼女が絶頂の声をあげると口をヴァギナから離し、指で中を優しくこねる。泣き所となる箇所を緩くくすぐって別の快感をオルタンスに与えてやった。
愛くるしいエルフが細い身体をくねらせて喘ぎ、果ててまた求めるのに応じた。愉しみを与え、エレクトラは昼間の乱暴から受けた心の傷を癒す事が出来た。そうしてイズヴァルトの嘆きに思いを寄せる。
(あの若者はもう、二度と埋められない穴が心に空いてしまった。私やマレーネ、エルフのみんなと子を為しても餓え続けるだろう。)
とにもかくにもマイヤだろう。彼女こそがイズヴァルトを救ってくれるかもしれない。サイゴークを収めた後にどうするか、オルタンスと肌を合わせながらエレクトラは考えた。
でも。イズヴァルトには期待を寄せていた。好きになった女を取り戻して幸せな日々を過ごすだけにとどまらない、英雄としての器があるように感じられた。
もしこの世界が大きな乱に巻き込まれる事があれば、旗印であり剣となって救ってくれる、救世主としての役割があるのではないのか。
(どっちも、あきらめきれないね。)
どこまでも業が深いことだ。エレクトラは自嘲した。彼女が前世に忠誠を誓った連中も、世界の救世主の様な存在と思わせてくれた。その男と例によって寝たこともあった。愛撫と腰の動かし方は凄まじかった。女に不自由しない者が得る技術があった。
(人民共和国のあの男こそが、大陸の救い手だと思った。すさまじいカリスマと見識があった。スターリンなんかまるで比べ物にならない様な……。)
大日本帝国の駆逐に手を貸し、政敵を打倒して南の島に追い出した男だった。燦然と輝く名将や内政家達に囲まれて、輝かしい未来を築くと思っていた。皇帝になる恐れもあったがあの男なら、万事うまくやるだろうと期待していた。
でも。自分より未来を生きていたピピン王子の話によれば、その男は大陸を『救い出した』後、数々の悪政で失敗して最後には独裁者として多くの命を奪ったという。全て、前世の自分が死んだ後だ。
大躍進政策と文化大革命。それがあの男の本性だった。ぶざまな正体だった。所詮、皇帝にはなれても堯や舜にはなれなかった。
その点、下半身以外は無欲なイズヴァルトに天下を取らせればその心配は無かった。賢臣や猛将らに全てを任せ、王者という存在の美徳である「君臨すれど統治せず」の道に進んでくれるだろう。キンキ大陸北部にイズヴァルト王国を築くという夢想はまだ残っている。
その為にもサイゴークで勝利を果たし、その威を得てからパラッツォ教と対決させて和解させ、大陸の北部に王道楽土を築かせたい。満州国が本来求めていたものを。
傀儡にされた溥儀、才はあっても東條英機らに追い出された石原莞爾の轍は踏まさせないつもりだ。
その王者の傍らにはもちろん、当代一の碩学である『おしゃぶり姫』の姿も想像していた。彼女こそを『地上の浄土』の真の統治者にしようとエレクトラは考えていた。話に聞いたマイヤにはその才と資格がある。人々を集められる愛くるしさを持つ者こそ、宰相にぴったりだ。
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エレクトラはこの胸に秘めた計画を、ショージュ=オーウェンに手紙で出したことがある。
「そういう事を目論んでおりますが、サイゴーク一の知恵者の貴方様はどう思われますかね?」
ショージュの返信。素晴らしい夢だ。地上の多くの人々がそれを望むに違いないだろう。
「しかし、立派に過ぎる夢じゃ。今の王者達や権力者らはそれを嫌うじゃろう。ただもし、運よくイズヴァルト殿が天下を取れたらゲースティアは尽力するぞ。海側からホーデンエーネンを牽制すれば良いのじゃな?」
つまりは、ホーデンエーネンと全面戦争になるのは免れない。その覚悟はあるか、だ。ホーデンエーネンの首魁は今、トーリ=カツランダルクが担っている。彼女はマイヤを手放すつもりなんかさらさら無いだろう。
スパイたちからのトーリの報告は、恐ろしいの一言に尽きた。イズヴァルトが逃げ帰った頃よりも支持を集めている。いや、サキュバスが持つ篭絡の力を高めさせ、向かうところ敵無しという状態だろう。
敵がセイン王であればやりやすかった。あの男は領土にあまりこだわらない。イズヴァルトが北部に王国を打ち立てても、親族であるマイヤやその子たちが要職に居続けれてくれたら、建国も認めるだろう。
(トーリがこわい。どうすりゃいいか……。)
イズヴァルトに乱暴された翌日にも手紙が届いた。エレクトラは思案しながらそれを開く。カツランダルク御三家の動向についての手紙だった。トーリとは元から仲がよろしくなくて遠ざけられているそうだ。しかし妙なだがトーリの実施のオルフレッドとは仲が良かった。
(ええと、これは……)
エレクトラの頭の中に陰謀が思い浮かんだ。トーリに勝てなければ戦わない状況に置ければ良い。イズヴァルトには口が裂けても言えない言葉だ。トーリの元夫でアジール公に列せられている、ルッソ=シュミットが気になった。
ルッソは無理やりに離婚させられた。その代わりに貴族として、外交官として海外をまわる日々を過ごしている。ナントブルグ地方どころか、アスカウに戻った事はこの数年1度も無い。意図的に遠ざけられているからだ。
(いや、待て。そのルッソが政争に巻き込まれない様に、トーリが仕組んだとしたら……。)
泣き所はわかった。こいつだ。ルッソを拉致してしまおうという計画を考えた。その為のホーデンエーネンの協力者は、それこそカツランダルク御三家になるだろう。
彼女はマレーネ宛に手紙を書いた。カツランダルク統と手を結び、マイヤとルッソをイーガに連れ出す計画を国ではかって欲しい。相当な能力を持つサキュバスが奪い返しに来るだろうが、イーガにはそれに対抗できる魔道士がごまんといる。トーリが乗り出してもそう簡単に手を出せない程のだ。
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「エレクトラどの。一昨日は済まなかったでござる……」
その日の夜、イズヴァルトが頭を垂れて彼女の部屋を訪れた。ピピン王子は部屋にいなかった。触手姫と魔法生物を用いながらいちゃいちゃする日であったから、彼女は自室でのんびりと過ごしていたのだ。
「すまなかったって……あたしゃ特に何とも思ってませんよ?」
言葉で語り合うなんてたかが知れている。身体を求めあいながら仲直りをしましょう。エレクトラが寝巻を脱ぎ、少女の様な肢体を顕わにするとイズヴァルトに抱き着いた。
快楽。それだけが自分とイズヴァルトの仲たがいを終わらせてくれる。イズヴァルトが珍しく彼女の股ぐらに顔を埋め、恋人やエルフ達に仕込まれた口技で奉仕をし始めると彼女は喜んだ。
「こうしてくれるの、初めてですね……」
ずるい男だと思いながらも、悶えて喜ぶ。イズヴァルトは無欲だが、女に対しては冷酷で卑怯だ。いや、打ちのめされた今は、どんな手も使ってやるという気持ちでいっぱいなのかもしれない。イズヴァルトは無心にエレクトラのヴァギナをむしゃぶった。舌がひりりとして淫欲を覚えていた。
弾力ある柔らかな肉が男の口腔と絡み合い、互いに高まっていく。エレクトラのクリトリスは激しく勃起していた。イズヴァルトはそれを目ざとく見つけると唇で愛でた。
イズヴァルトは無心になって舐めていた。エレクトラもまたその快感に浸った。2人の間に愛は無い。けれども生きた絆はいる。イーズモーでマレーネらと暮しているエレナだ。
イズヴァルトの娘への愛は本物だった。彼は子供達がいる時は必ずつきっきりだった。マイヤを失った代償は娘達へ降り注ぐ愛で紛らわせれる。
(いいや、あたしは……。)
そのマイヤが、イズヴァルトが為した子供達を実子の様に可愛がり、育ててくれることを望んでいた。彼女も心が広いらしいと聞いている。きっとそうするだろう。
もっとも、マイヤは子供っぽいところがあり、むしろおねえちゃんみたいな存在になるかもしれないけれど。
「い、イズヴァルトさん……」
喘ぎながらエレクトラは呼びかけた。外側は充分楽しめた。そろそろ挿れて欲しい。愛撫が始まってから1時間も経過していた、それだけイズヴァルトのクンニリングスは、時間も忘れる心地よいものだったのだ。
「わかったでござる」
「楽しんでいる最中ですけど、サート銀山のことですけどねぇ……」
「出発するのはもうそろそろでござるよ。拙者のおちんちんも、エレクトラどののあそこに入るのも、でござる」
イズヴァルトが深く突き込んだ。あまりにも強く入れたからエレクトラの子宮がたわんで下腹を盛り上げてしまった。動き始めると奥深いところで悦が始まる。エレクトラはゆっくりと楽しんでくれるようにせがんだ。
2人は汗をかきながら重ね合わさった。快楽の最中でエレクトラは陰謀を巡らせる。子宮口が開いた。何故か腹の奥が熱くなった。
何かが訪れる気がした。その予感の中でイズヴァルトの男根からの流出を彼女を受け止めた。久方ぶりに快楽とは違う満ち足りた気分を味わえた。本能が彼女にこう告げる。新しい命が始まるかもしれないと。
(そうだとしたら、わたしは。)
マイヤに深く恨まれるかもしれない。この時の射精でエレクトラは久方ぶりに受精した。けれども、その子は世に生まれ出ても、イズヴァルトと長く暮せる運命には無かった。
「イズヴァルトさん……」
長い射精にため息をつくエレクトラは語りだした。これまであまり語っていなかった事をこれから話そう。
「エレクトラどの、なにをでござる?」
「もし人の魂が輪廻の定めともう1つ、亜人のみなさんが語るような道を行けば、きっとそうなるからかもしれないと思ったからですよ」
エレクトラは語り始めた。15年前の出来事を。断片的にしか話してこなかったイッツク=シーの戦いについてだ。