聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
レーアとアナキンは初めて対面した。
2人の屈強な男を背後に立たせて椅子に座る彼女は、とても可愛らしい少女だ。カツランダルクのご本家と言うのもうなずけられる。
それから雰囲気がどことなく、上に立つ者の気配がある。
(どこかで……見た様な気がする顔だ。)
どことなく似ている。それは誰だったか。考えているうちにレーアの小さな口が、アナキンに向けて声を放つ。
「おじどの。お顔を伺えて私はうれしいぞ。おとうさまより立派な人物だと聞いておる」
イーガの魔道士らに認められた凄腕の魔法戦士。義父の実家、スカルファッカー家の次の当主。レーアはそれだけしか義父に聞かされていなかったが、レーアはひとかどの人物であるとアナキンを賞賛した。
「かように心強いお方が間近におれば、とても心強い。なにとぞ、私を盛り立ててくれ、『おじ上』どの」
「……有難きこと」
右ひざをつき、深々と頭を下げたアナキンだが、とはいえそこまで心服していた訳では無かった。単なる儀礼だ。本当のところはまだ、ピルリアを失ってしまった心の穴が埋まっていなかったから、今一つ野望に加担するという意識や心構えができていなかった。
「もっと間近に顔を見たい。こちらに寄ってくれぬか、アナキンおじ上どの?」
「レーア様がそう言っておられる、アナキン」
兄に急かされたアナキンは顔を伏せたまま前へにじり寄った。前のほうで何かが落ちる音がするが、それが何なのかわからない。
「面をあげよ、おじ上」
アナキンが顔をあげる。その拍子に何かが鼻についた。ふにゃっとしている様で硬い。それが放つにおいを吸い込むと、彼は顔をしかめて退いた。
「……なっ!」
きつい汗と垢のにおいだった。彼は前世で似たようなにおいを嗅いだことがあった。死ぬまでに慣れなかった納豆だ。あれのにおいによく似ていた。
レーアはにんまりと笑い、靴を脱いだ素の右足を伸ばしていた。真っ白だと思った足裏は、黒っぽい垢にまみれて汚かった。それでさっき、アナキンの鼻をつついたのだ。
「お、御戯れを!」
「ふふっ。私は戯れてなんかいないよ。おじ上を試したまでよ」
「試すって?」
「私への忠誠心だ。カツランダルクの本家本元であるこの私に、初のご挨拶でどこまで許してくれるのかをよ。ほらほら、このきったない足にキスしなさい?」
そう笑うレーアの顔が本性を出していた。嗜虐的な顔つきをしている。アナキンは兄を振り返ってにらみつけた。どんな育て方をしたんだ、こいつは?
「兄さん!」
「俺の方を向くな。ご当主様にあいさつをしろ」
「おじ上、何を戸惑っておる? 私に忠誠を誓わんか。アナルファッカーの家は本家が危機の時、必ず助けにかけつけるのだろう。足へのキスぐらい拒んでどうする? ほら?」
(どうしてもやれ、っていうのかよ?)
右足をあげてニタニタと笑うレーアの姿は、あまりにも癇に障る。おまけにこの『お戯れ』。この娘を斬り殺してやりたかった。アスカウ公とその夫であるルッソを手にかけたのだから、そのぐらいやろうと思えばできる。
(けど、何故かわからんが……)
彼の股間はいつの間にか勃起していた。しかも痛いくらいにだ。妻を失ってから女どころか手淫にすら手を出そうとしなかったのに。生産力旺盛な陰嚢はどうも、心とは真逆の行動を続けていたらしい。
「ほら、誓わぬか? 私の素足に触れられるのだぞ?」
「わ、わかりました……」
アナキンは進み出てレーアの右足をそっと掴んだ。それから鼻を近づける。ひどい臭さだ。さっきは納豆を思い出したが、あれのほうがまだましだろう。しかも汚い。どうやったらこんなに汚くできるのか。野原を駆けずり回ったのか?
「おじ上、口づけぬか?」
アナキンはおそるおそる、彼女のつま先に口づけてみせた。柔らかくしっとりとしていた。終えると口から離した。
アナキンは己の中に、またも異変を感じてしまった。またペニスが動いてしまった。服の上からでもわかるぐらいに持ち上がっていた。レーアはそれを見逃さなかった。
「……足らぬな。それがおじ上の忠節か?」
「と、言いますと……」
「しっかりと舐めろ。垢をぜんぶ舌で落としてくれぬか?」
なんていうやつだ。アナキンはこんなろくでもないことを言ってくる小娘の首を締めたくなった。だが、殺意は彼女の足のにおいをひと嗅ぎしただけであるものに変化した。この娘を汚してやりたいという劣情だ。
「わかりました……」
にやあ、と笑うレーアの足の裏に舌を這わせる。垢をこそぎ吐き捨てようとするとレーアが止めた。
「垢は私そのものなのよ。それを捨てようとするのか、分家の者は?」
仰せのままに。足のにおいと同じそれを口にして飲み込むのは至極嫌だったが、アナキンは言われた通りにした。舌先についたねばっとしていてしょっぱくて臭いものを、口に入れてすぐに飲み込んだ。
「……違う。よく噛んで味わえ」
考えられる限りの最低の注文だ。しかしその垢が臓腑に投げ込まれてから変な気分を覚えてしまった。わけのわからぬ高揚感。ペニスの付け根どころか脳髄が痺れて来る。まるで薬物みたいだ。
その感覚は冷たいところにあった心を引き上げてくれるように感じた。言われた通りに粘土の小さな塊の様な足垢をかじり、口に入れて味わう。最低の味だが、最高に向かう為の力を与えてくれた。
「ほれ、ほれ。おじ上、もっと舐めろ。私が1週間、ずっと風呂に入らずに溜めたものをとくと味わえ。ふふふ……」
アナキンは無言で摂取を続けた。しばらくして脳と股間のしびれは全体にまでいきわたった。お清めが終わりレーアを見上げる。
(なんて……美しい……)
その小さな身体から濃厚な女のにおいが漂っていた。自分をいざなう為のだ。レーアはそっとスカートをつまみ、引き上げて白い太ももを見せてささやいた。
「私はおじ上の誠意をもっと試したい。今すぐ別の部屋に移らぬか?」
□ □ □ □ □
小さくて華奢な身体からは男の汗と脂と精液のにおいも混ざっていたが、狂うには十分に甘々しかった。まだ子供なのに吸いつく様な柔らかい肌とたくましいものを飲み込む底無しの股穴。
しゃぶりついて1度目の射精を口に受け、2度目以降のそれを身体の奥でしっかりと受け止めるレーアはまさにサキュバスだった。吸精の鬼の娘の肢体と嬌声をアナキンは夢中になって貪った。溜めていたものを出し尽くすまで続けた。
つながったまま自分の胸に倒れ込む幼い当主の頬を撫でた時、既に夕方に差し迫っていた。なんて貪欲な娘なんだ。4時間近くも大人の自分と交わり続けるなんて。
「おじ上……」
深紫色の艶やかな光を帯びた瞳がアナキンの顔を映し出していた。小さな身体はまだ硬い『おじ』のペニスを楽しもうと動いていた。もう出せないとつぶやくとレーアは年相応の女の子の笑顔を見せた。
「君はこの屋敷で、いつもこういうことをしているのかい?」
「そうよ。私はカツランダルク本家の当主だもの。お義父さまの言いつけ通り、こうして男の人をを誘って仲良しをしているの」
広間で椅子の後ろに控えていた衛士や召使い、屋敷に出入りする商人といつも寝て、精をいただいているのだとレーアは答えた。
「いろんな人とか……まるでアスカウ公さまみたいだ」
「そうしないと身体がしっかりと成長しないらしいわ。カツランダルク本家の姫は、男の人の精液をたくさんもらうときれいになるの」
レーアはそう言ってアナキンの胸に口づけた。身体を持ち上げて腰をくねらせる。充分に放ったと思ったのに、アナキンはまたもペニスにしびれを感じてしまった。射精がしたくなったのだ。
「ふうんっ……それに、お腹で精液を吸うと、力がみなぎって来るし……」
「もしかして、兄さんともしたことがあるかい?」
「お義父さまとはしてないわ。許してくれないの」
その代わり、赤ん坊の頃から義父以外のペニスを吸い立て、口の中に『牡竿の乳』を吸い続けた。レーアは笑いながらアナキンの陰茎を痙攣させた。
「……少しは出たみたいね?」
「しばらく休もう。食事と沐浴の後、朝まで一緒に寝てあげるよ」
「沐浴? どうして?」
レーアは自分の額の生え際をアナキンの鼻にこすりつけた。女の子のいいにおいというより、過剰に過ぎる体臭だ。しかしこれがたまらなかった。へなっていた陰茎がまた膨張しだした。
「お風呂に入るとみんな、こうしてがっつりいただいてくれないんだもの」
「こんなに可愛いのにかい?」
「ふふ。可愛いだなんて、初めて聞くわ」
呼び出されるまでアナキンとレーアは性交を続けた。結局彼女はアナキンの要求通りに風呂に入れられたが、互いにぐったりとなるまで夜の行いは成し遂げた。
そしてアナキンはこの娘に魅了され、虜となった。この館でおよそ1週間続いた兄との密談が終わった頃には、死んだ妻や師のことをきれいさっぱり忘れてしまっていた。