※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

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第十一回

 アガノモック東海岸会戦。ホーデンエーネン王国暦356年8月28日に起こったその戦いはクボーニコフの王国史に名を残す野戦となった。

 

 名目的な総大将はアガノモック公国家の流れをくむ名誉司祭騎士・スィモ=ヘイヘ。しかし実質的な指導者はヒッジランドにその人ありと謡われた鉄騎兵・エドワード=ルーカスであった。

 

 エドワードは軍を3つに分けた。一番多く鉄砲隊や弩隊がある本軍をヘイへに指揮させ、一番槍を務めさせる。自分は騎馬隊を率いて北側から時間差で攻撃をかける。イズヴァルトには南側から進む騎馬隊をまかせることにした。ヘラは本体の掩護である。

 

 本隊には亜人の兵士がいなかった。『あいのこ』なら多少はいたがオーガ相手にはかなわない。午後1時。スィモが指揮するその本隊3000が敵拠点に矢弾を撃つと、敵方総大将のヤーモ=トボロスキーは相手方に亜人の部隊がいないのを見て増長した。

 

「敵はニンゲンばかり! オーガの衆を先手に立てて打って出ろ!」

 

 砦から出たクボーニコフ側は4000だったがオーガの戦士は100人ほどいた。オーガ1人につき最低でもニンゲン20人分の働きをする。なので実質3000対6000とみてもいい。ところがオーガ達はやや意気消沈して動きにきれが無かった。これまでのこの島での戦いで、80人近くを敵に葬られていたからだ。それと、捕らえたパラッツォ教徒の女とのきりがないセックスに明け暮れ続けていたせいもあった。

 

 それでも彼等は今日の戦いは勝てると見込んでいた。攻めて来る敵方にあのやかましい笑い声が響いてきて来なかったからだ。エドワードの存在は敵方にも恐怖をもって知られていた。この島をめぐっての戦いで、枢機卿以外にオーガを葬ったのは彼だけだからだ。

 

「あの笑い声が聞こえてこないっぺ。今回はやれるかあ?」

「油断すんな! 多分伏兵かなにかで潜んでいるっぺ!」

「考えすぎだっぺよ! あのやかましいやつも『べっちょ休み』を取っておるに違いないっペ!」

 

 どうせ今頃はパラッツォの女達と『法悦』の真っ最中だろうと彼等はあなどった。先手組は突出してスィモの本陣にまで斬り込み、ひっ捕らえようとたくらんだ。アガノモックを丸ごとクボーニコフに寝返らせることができるかもしれないからだ。

 

 かくして両軍はぶつかった。スィモ率いるパラッツォ軍中央軍は3段の横一列隊形をとり、手始めの鉄砲と弩弓を放った。しかしなかなか相手を削れない。何故なら鉄砲は粗末な火縄銃ばかりだったし、弩弓は次の射撃に時間がかかるからだ。

 

 クボーニコフ側はオーガの衆を先頭とする錐形陣で突っ込んだ。全員歩兵だが突破力は重騎兵並みだ。パラッツォ軍側は射手を下がらせて槍歩兵の隊に守らせた。ぶつかるとたちまち教団側で悲鳴があがる。オーガの切り込み部隊が強いからだ。

 

 額にツノを生やす『具足』に身を固めた連中は、敵兵を次々と屠って行った。夏だというのにもう雪がうっすらと積っているこの平野に、血と、臓物と、脳漿を、そしてバラバラになった死体をまき散らしていった。

 

 しかし最初の衝突から5分も経つと、パラッツォ軍側も押し返して来た。互いを励まし死者を悼む歌をがなりたて、死の先にも新たな生があると唱えながら決死の反撃だ。

 

 射手達の盾となる槍兵や剣兵達の多くは、この世に未練を残してなどいなかった。特に子孫についてだ。パラッツォ教徒の男児は4歳の頃より日々性愛を受け、10になるまでには必ず2人や3人の赤ん坊の父となる。20歳を過ぎれば孫もいるのだ。

 

 日々を『法悦』を為して過ごし、このいくさの前に、後方で守りを固めている女信徒達と枯れるまで致した彼等に思い残す事は無かった。肉を穿たれ、腕を切り飛ばされても敵に襲いかかる。鬼気迫る激しい戦いぶりにオーガ達も流石に怯んだ。

 

「こいつらあたま、おかしいっぺ……」

 

 弱っちいくせにどうして? 彼等はこの時の信徒らの戦い方を理解出来なかった。このオーガ達の戦友ら、つまりは、ニンゲンの海兵らはパラッツォ教徒らの殺意の被害を強く蒙っていた。次々と討たれていったのだ。

 

 パラッツォ教ではどうしてもという以外の人殺しは禁忌である。しかし非業の最期を遂げた者は来世、とても穏やかで充実した生涯を送るとも説く。教典のその一節を歌うように唱えながら信徒達が切りかかる。この行動をムーツの者達は理解出来なかった。そんなことを解くのなら何故お前たちだけ死のうとせず、俺達を道連れにするのだ? 

 

 異教徒に対する恐怖心。それがクボーニコフ側に植え付けられて行き、さしものオーガ達も退きたいと考えるようになった時である。戦場の北側より鋒矢の隊形で襲い掛かる騎馬武者達が現れた。その数おおよそ400。その先頭にはうねった刀身を掲げて高らかに、やかましく笑い続ける大柄の武者がいた。『ヒッジランドの鉄騎隊長』こと、エドワード=ルーカスである。

 

「わはははは! パラッツォの教えは存ぜぬが、輪廻の理は私も信じている! みんな、戦ってそして散れ! 来世はとてもいいことがあるぞ! わはははは!」

 

 騎馬隊はクボーニコフ軍の背後を衝いた。最も脆弱なそこは情け容赦無いエドワードらにより容易に撹拌され、次々と血しぶきをあげた。エドワードの『うねうね剣試作型第二号』と他の騎兵等が持つ武器の切れ味は鋭かった。枢機卿やドワーフが強化したものだった。

 

 クボーニコフ勢は激しく動揺する。彼等は元々海兵だ。水上の船戦や上陸戦は馴れてはいるが、得意騎馬を用いて背後や側面を衝かれる事は想像できなかった。そもそもクボーニコフ王国自体は、陸の戦いに長じているというわけではない。「水際では強い」のだ。

 

 エドワードと率いられた騎馬兵らは情け容赦無かった。クボーニコフ軍の一部が南へ逃げようとする。そこに沢山の火球が飛び込んだ。上空に待機していたヘラが撃ち込んだのだ。彼女は魔法攻撃のみを頼まれたが、エドワードに言われなかったことをする。下降して火の中に突っ込み、また上昇する。その時の彼女の衣には炭となった敵兵の皮膚や血がついていた。

 

「えへへ、オーガが怖いから後は任せるよ、エドワード」

 

 彼女はまだ、パラッツォの兵に浸食されていない敵の備えを、獄炎の凱歌から放たれる炎の刃で薙いだ。高いところにいるから思ったほど焼き払えなかったが、彼等を恐怖せしめることには成功した。

 

「撤退! 撤退だ!」

 

 オーガ達から声があがった。先鋒の彼等がそう叫べば退却するように命令されている。クボーニコフ軍は血路を開こうとするがエドワード達は許してくれなかった。鉄騎隊長のうねうね剣は更に、血と人脂に染まった。切れ味が鈍くなるとそいつで殴ることにした。この男の膂力は尋常ではない。多くの武者達が兜をぶん殴られると頭蓋を割られ、脳をぐちゃぐちゃにされて血を吐いて死んだ。

 

 とうとうクボーニコフ側は降伏すると声をあげた。生存者はニンゲンが80名ほどでオーガが40人だ。この軍勢を率いていた指揮官や副将らは全員が討ち死していた。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 合戦の同時刻、東海岸の前線基地の南側にて。イズヴァルトは300の騎兵と共に馬を降り、掘に囲まれた柵を伺っていた。

 

 基地のその周辺には馬出し曲輪が取りつけられていなかった。いや、設けられなかったと言って良いだろう。砂浜だったからだ。いくさの前にスィモよりその話を聞いていた彼は、エドワードと語って襲撃を仕掛けることにした。敵わなければ火をつけて逃げてもいい。それでも、敵を動揺させることぐらいはできる。

 

「あれは本当でござったか。浜辺にも曲輪を設けることはできるでござるが……」

 

 盛り土を石垣で固めた塁を作れば良いことだ。カントニアにはいくつかそうした浜辺の防塁を見たことがあった。しかしそうした工事は時間をかけねばならぬ。土木が得意なドワーフがいない限りは。

 

「柵は魔道防ぎの結界をかけているでござろう。しかしその前はいかがか。柵このポールメイスでは砕けるでござろうか。試してみねばならぬでござる。さて」

 

 イズヴァルトは印を切った。重圧の魔法と破砕の魔法をポールメイスに込める。それから単独で向かった。クボーニコフ側は見たことも無い武者を珍しそうに見ていたが、パラッツォ側の装束であるのを確かめると矢を射かけた。それをかいくぐりながらイズヴァルトは槌の先を地面に叩きつけた。

 

 彼の目の前で大爆発が起こった。雪が混じった大量の土砂が空掘になだれ込んだ。イズヴァルトは横に向かいもう一打を繰り出した。たちまち空掘りは砂で埋まってしまった。

 

「掘が埋まっちまったっペよ!」

「なんなのだあいつは! あれが枢機卿というやつか!」

「ちがうっぺ! めっぽう戦いに慣れたやつだあ!」

 

 もしや。クボーニコフの将兵らはその名を思い出す。彼等もあの人物がパラッツォ軍についたことを聞いていたからだ。それとナエバニアで大苦戦していることも。

 

「多分、イズヴァルトだ!」

 

 そのイズヴァルトは柵の手前まで迫っていた。矢弾が飛んでくるがよけて武器で弾くので倒せない。結界は炎の魔法や氷の魔法なら防ぐだろうが、身体強化の魔法をかけてのメイスの一撃はどうだったか。

 

 渾身の力での一撃で、目の前の柵はもろい木炭みたく砕け散った。手ごたえあり。イズヴァルトは柵を次々となぎ倒す。余勢を駆って敵陣に一番乗りをすると、クボーニコフの兵に襲い掛かった。

 

「クボーニコフの皆様方よ、おしりぺんぺんされるでござる!」

 

 イズヴァルトの言うケツ叩きは平手ではない。尻にポールメイスの一撃をお見舞いするのである。彼は的確に相手の尻を狙った。凄まじい膂力によって繰り出されるそれで、オーガみたく重そうな具足をまとった荒武者は次々と跳ね飛ばされていった。

 

 敵陣に乗り込み、暴れまわるイズヴァルトはそうそうに止められない。『ニンゲン攻城兵器』であり『万夫不当』と謡われるこの男は、単独の時こそ万の兵に匹敵する武勇を示した。現代の豪傑は守備隊の備えを容易に崩していった。

 

「見よ! 司祭騎士団長様がたった一人でクボーニコフの海賊どもをなぎ倒していく!」

「奮戦されているぞ! 後に続け!」

 

 騎馬兵達は馬に乗り、クボーニコフの陣になだれ込んだ。基地には20人ほどのオーガがいたが、イズヴァルトは『おしりぺんぺん』で残らず倒してしまった。

 

 余りにも弱かった。理由は砦の中でわかった。捕虜となった信徒の女達が精液にまみれた股をおっぴろげて余韻にふけった顔をしていたのを見たからだ。あのオーガ達は戦う直前まで女達を輪姦し、腰砕けになっていたのだ。

 

「ううむ……拙者も気を付けるべきでござるな」

 

 女達を介抱しながらイズヴァルトは自戒した。とはいえ真の猛者は交合の直後でも遺憾なく武勇を揮えるものである。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 パラッツォ教軍側はこの勝利に勢いづいて、アガノモックの占領された島嶼を奪い返した。司祭騎士団長イズヴァルトと『教主の後継者』たるヘラが暴れ回り、ついにはホーデンエーネン王国暦356年9月半ばに、パラッツォ教はアガノモック諸島の全てを取り返した。

 

「はははは! 君達のおかげでもうこの島で武功をあげることがなくなった! 喜ばしい限りだ!」

 

 全土奪取を祝う宴でエドワードは呵呵大笑してこれを言祝いだ。彼は下半身を丸出しにして、女の尻にしがみついていた。ヒッジランド一の勇者たる彼もまた、教主に頼まれて1000人ほどの信徒の女と子を為すように頼まれたのだ。彼が野太く長い男根で喘がせている女は、教主の孫娘、つまりは『経典の巫女』であった。コーザの娘は余さずサキュバスの様に、豊満で艶やかだ。

 

「たしかに。拙者もそろそろ戦線から離れ、楽隠居したいでござるよ」

 

 応えるイズヴァルトはヘラにしがみつかれていた。今日、既に5人の女に種付けを為した彼は彼女に独占されていた。ヘラは椅子に座るイズヴァルトの上で気持ちよさそうに声をあげ、肌に汗を垂らしている。彼女の膣の中は司祭騎士団長の精液まみれだった。幼い膣でもう2回も果たさせたのだ。

 

「さて、ここから先はどういたすでござろうか。サワータキャビクへ進かここを守るか。エチゴニアのサクラウチどのより未だ連絡は来ておらぬ」

「はははっ。ならばいっそこの島の者達と語らって謀反を起こそうか? スィモ殿は貴殿を婿にと願っている様だ。君がこの島のあるじになればそれもできなくもない。その時は手伝うよ!」

 

 エドワードのこの冗談にヘラは怒った。だったらあたしがその討伐軍の総大将になってやるんだから。快楽で発音が不十分だったが陰謀を持ち掛けた男にはちゃんと聞こえた。

 

「ははは! すまんすまん! ついでに君も取り込むべきだったかな?」

「質の悪い冗談ね! あたしは教主さまの『娘』だよ!」

「ということだ司祭騎士団長殿。謀反は無しだ! 別のことをやろう!」

 

 エドワードは腰を振りながら一計を述べた。少数精鋭によるクボーニコフ王国への特攻はどうだろうか。パラッツォともクボーニコフとも友邦国であるホーデンエーネンの力を借り、かの国の船でクボーニコフ本国へ潜入。一気に王都を目指して衝く、というものだ。

 

「はあ……それはできるでござろうか?」

「生きては帰れぬ旅とはなるが、君の武勇とヘラの魔法があればなんとかなるかもしれない。目指すは国王の首だ。この計が為されなら、言い出しっぺの私が喜んで命を投げうってやろう……まあ、故郷に残した妻と子供達が心配だがな」

 

 乾坤一擲の大博打だ。けれども思うほど難しくは無いだろう。枢機卿らの力を借りれば果たせるかもしれない。今度の戦いでクボーニコフのオーガの強さがわかったから、できるかもしれない計略と受け取れた。

 

「しかし……海軍のオーガどのらはあまり強くないように見受けられたでござるが?」

「傭兵団の亜人たちが強すぎるからそう思えるのだよ。ただ、西のオーガは確かに『それほど』でもないよ。カントニアのエルフの血が混じっているのが多いからな」

 

 西のオーガの多くは『純血種』はほんの一握りだった。数千年前の海賊王がいた時代から、敵対していたナエバニアやヌマタラシュクといったカントニアの金色エルフの女達を捕らえ、交わり、子を産ませることが多かった。そうした『混血児』は寿命や体力こそオーガ族のものだが、どうにも、魔力抵抗や武芸に関わる身体能力が劣ってしまった。

 

「しかし東のオーガ族は別だ。アイヅバルド盆地のシッシサイ族やクノーヘのオーガは君でも手こずるだろう。ナンブロシアのも強いと聞く」

「注意すべきはナンブロシアでござるな。まあしかし、クボーニコフ王都攻めは良き策でござる。拙者も……このいくさを早くに終わらせるには……」

 

 イズヴァルトはしがみつくヘラを固く抱きしめた。彼女の中でまたも暴発しそうになったからだ。うれし涙を流すこの娘に新たな子胤液をくれてやり、それから頬を撫でてやった。

 

「終わったらあたしとたくさん赤ちゃんをつくろうね、司祭騎士団長さん?」

「本当はもっと適切な年齢になってからが良いと思うでござるが、教主どのとの約束もある。そう致そう」

「うれしい!」

 

 ヘラは下腹をぎゅっと締め、またもイズヴァルトの男根から搾りだそうと腰を振り始めた。大人の太い陰茎を沢山咥えてきた彼女の膣は、イズヴァルトを責めて悩ませた。

 

 そうして宴が終わった時である。エチゴニアより枢機卿の使者たちが島に到着し、館にやって来た。彼等が知らせたのはイズヴァルトにとってうれしくもあり、心が晴れぬものであったがさて、使者たちのその知らせとはいかなるものだったのか?

 

 その続きについてはまた、次回にて。

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