聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
東の空から超高速で、西の港に向かって飛んでいたのはヘラである。彼女は両手に『獄炎の凱歌』を握りしめ、いつものように港の船と食料を入れる蔵を焼き払ってやろうと目論んでいた。
「勝てる勝てる♥ ちょー楽勝♥」
どうせ空から炎の剣をぶん回して焼き払うだけなのだ。混乱する港を襲うのは、地上をいくイズヴァルトたちの役目である。彼女は白兵戦を予想しなかったから気を抜いていた。そのいでたちで、外から見ればわかるほどだった。
彼女は腰に何もまとっていなかった。ぷりんとした尻と精液でかぴかぴになった割れ目を丸出しにし、時には尻をあげて飛びながら脱糞をしでかしたりもしていた。
「あー、おけつのあながかゆいかゆい。よいしょっと!」
飛びながら股を持ち上げてくるりと回転し、地上に背を向ける。茶色く汚れた尻穴が膨らんで、びちゅびちゅびちゅと大便が放たれた。空を飛ぶとどうしても、お腹がゆるくなってしまうのだ。
「あーかゆい。お股もやっぱりこのままはよくないや……えいっ!」
脚を曲げてむき出しになっていた割れ目と尻穴に真上に水の玉が浮かび、汚れていた彼女のそれを清め始めた。水の玉は回転しながら汚れをこそぎ、中心に集めていく。
イズヴァルトから教えてもらった、局部を洗う水魔法である。彼も幼い頃にうんちをぶりぶりとひねりまくって尻を茶色に染めてばかりの『侍女』に、よく使ってやったという。
「はー、すっきり♥ ……おっと」
膣と肛門まわりのかゆみが薄らいだところで彼女は感じた。ちょっと手強い相手の気配だ。いや、かなり手こずらせてきそうな感じでもある。
それは港に停泊している船のあたりからものすごい勢いで上昇し、飛翔魔法でこちらに向かっていた。魔道士としての彼女の勘が告げていた。とんでもない相手のようだぞ。ここは退いてイズヴァルト達と合流すべきだろう。
「……なわきゃないじゃん♥ 出鼻をくじいてやるんだから♥」
ヘラは飛翔の出力をあげた。数秒後、彼女はしくじったと後悔した。相手の闘志をはじめて感じたからだ。顔が認識できる距離になった時にだ。ヘラは飛ぶのをやめた。金棒を持った相手もそれにあわせた。
「……こども?」
その小さなつぶやきを相手は逃さなかった。
「ちがいますべえ! ぼくちんの種族ではじゅうぶん大人ですべえよ!」
ひどくカントニア北部なまりがきつい喋り声だった。ヘラが理解できたのは、相手がエチウの言葉でしゃべってくれたからだ。
「この感じは多分、ゴール族のもんですべえな!」
なぜそれを。ヘラは自分の匂いを嗅いでみて、3日洗っていない子犬くさいとは思ったが、人食いの鬼族が漂わせる血生臭さは感じられないと否定した。
「口からでまかせを! あなただれ!」
「カントニアのハーフリングですべえ! つるつるお股のお嬢さん、すごい剣を持って、これから何をするんですべえ!」
「港を襲うの! あたし、パラッツォ教徒だから!」
そう答えるとヘラは『獄炎の凱歌』を強く握りしめ、10メートル近くの炎の刃を顕現させた。それを見た金棒のハーフリングは、にやりと笑った。
「期待外れ。正当な持ち主じゃなさそうですべえね!」
「うっさい! だまれとっつぁんぼうや族!」
ヘラは炎の剣を振り回しながら襲いかかった。猛スピードで飛びながらの攻撃だ。避けるのは難しい、はずだった。
相手のハーフリングは余裕しゃくしゃくの表情で、一撃一撃をひらり、ひらりとかわしてみせた。飛翔魔法を使うが、その機動性がヘラとはまるで違った。自由自在に空を飛ぶという様子だ。
「当たらない! どうして!」
「その炎の剣は怖い! けど、当たらなければ、どうということはないですべえ! 魔道の使い手としては天才級! だけど、戦士としては並凡人以下ですべえな、プリケツのお嬢さん!」
そのハーフリングの顔は、さっきとまるで違っていた。心底舐め腐っている様子の笑みが浮かんでいた。たいへん癪に障るその顔を見てヘラは大いに憤り、今度は『姫竜の牙』から学んだ風斬りの魔法を仕掛けたが、そのハーフリングが瞬時に出した防壁により、すべて防がれてしまった。
「なんだって! 風の魔法までも!」
「そういうことですべえ、メンスがまだ来てない幼いお嬢さん! ぼくちんと戦うのなら、お胸についたもんをもっとたわわにしてから来てくださいですべえ!」
「……どこまでもおちょくってくれる!」
ヘラは闘志を燃やしてまた襲いかかると、そのハーフリングは裾の前をめくって見せた。それを見るなり、ヘラは驚いて戸惑ってしまった。
彼女が見たものは、実にいびつな代物だった。体とはまったく尺があわぬそれは、どうにも暴力的に思えてならぬ猛々しさでいっぱいだった。
40センチ、いや、50センチの、屹立した赤黒い男棒。包皮は余っていなかった。その先端の粘膜質の器管は、茎よりも幅が広く、とても黒光って天を向いていた。
女膣の肉を余すことなく刺激できそうな深い雁のすぐ下も異様だった。雁の溝の4センチほど下からおおよそ10センチのあたりが、ぶわんと太くなっていた。シワシワが深い陰嚢の上についている根元は、子供サイズのものなのに。
「そ、そ、それは……」
ヘラの頭脳は、下腹からの強い欲求を聞いていた。試してみたい。法悦への飽くなき欲求が、闘志に勝ってしまった。
「命を奪わない程度の『処刑棒』ですべえ。数万年を生きるぼくちんのこれに、耐えられぬ女の子はこれまで1人もいなかったですべえよ」
その異様さ。あまりにも淫らなさまに固唾を飲んで見つめていたヘラは、気を許してしまった。ハーフリングが後ろに回り込んでいた。
「あくまで処刑、ですべえ」
「……!」
尻に激しい痛みをヘラは覚えた。無理やりにねじり込んで、えぐってくる痛みだった。彼女の肛門は凄まじい一突きに抗することができなかった。
法悦にあまり使っていない肛肉は、この突然の挿入に何の準備も出来なかった。尻穴の表面から直腸、それから大腸のあたりの肉が悲鳴をあげた。
「うわあ! あああっ!」
肛門性交、と呼ぶにはあまりにもむごたらしいものだった。尻の肉を、腸壁を、えぐられて傷つけられたヘラの尻穴から、大量の血が流れ出した。
「ほうほう。程よく濡れてきましたべえ」
「いだい! やめでぇっ! あたし、しりあなのほーえつはとぐいじゃないのっ!」
「聞き入れられねえですべえよ!」
ハーフリングの男はヘラの腕を掴み、ねじり上げる。腰を激しく動かして処刑棒で尻を犯した。ヘラはひどい痛みに狂い泣き叫んだ。彼女のアヌスと白い尻と、それを食らう剛直は血まみれになった。
「もうやだ! おねがい! とめでぇ!」
「おしまいに、いたしますべえよっ!」
ハーフリングは渾身の力を込めた一撃をヘラの内蔵に食らわせた。尾てい骨が割れ、骨盤が砕かれた。この世のものとは思えない激痛を受けたヘラは耐えきれず失神してしまった。血だらけの彼女の尻穴から、真珠色のぬめった液体がこぼれ出始めた。このハーフリングが放った精液だ。
「……ふう。きついだけでしたべえ。しかしこの娘っ子、相当に強靭な体をしておりますべえな」
息をしている。普通の子供ならとっくに死んでいるのに。でもこの懲罰でこの娘は心が折れたはずだ。そう思いながら彼はヘラの尻をはめたまま、東のほうに目を向けた。
「なるほどですべえ〜」
この娘よりも『てごわい』感じの気配を察した。特に2つ。これが『ネズミ』ならば、あっちは『オオカミ』と『暴れ牛』といったところだろう。彼はヘラの尻から陰茎を引っこ抜き、少々の治癒魔法を施してやった後に、彼女を束縛術式で縛り上げて背負い込んだ。
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ヘラからの通信魔法が途絶えた。馬を駆っていたイズヴァルトとエドワードは何があったのだろうかと戸惑った。
「まさか……返り討ちにあったでござろうか?」
呼びかけられたエドワードはいつものように高笑いを為さなかった。眉と頬とを引き締めていた。
「とんでもないのがいたようだな。これはまずいぞ、イズヴァルト君!」
「助けにゆかねばでござる。いざ!」
馬の手綱を振って駆けようとしたその時、ヘラを倒した相手は彼女を背負って彼らの眼の前に降り立った。空から現れた亜人の少年を見て、イズヴァルトは恐れを覚えた。
「あっ! 貴殿が背負っているのはヘラどのではござらぬか!」
「ほっほう! このおけつとわれめ丸出しのお嬢ちゃんが教団の『秘蔵っ子』だったんですべえな!」
「……カントニアなまりでござるか! 何奴!」
イズヴァルトは馬から降り、ポールメイスを構えた。エドワードもならって『うねうね剣』を抜いて構える。
「金色エルフのお子さんと見受けるが、貴殿、どこのどなたでござろうか! 拙者はホーデンエーネンの元聖騎士、イズヴァルト!」
「ほっほうほう! おめえさまがあの噂の! となれば、そっちのサイゴークのドワーフくさいガチムチは、エドワード=ルーカス卿だったりしますべえか!」
「ご明答なり! ……なのですが、貴公、エルフではございませんな。なんだかドワーフっぽくも感じさせますな。となれば、2つの種族の血が混じったあいのこ、ハーフリング族と見受けられますが、御名前を聞かせていただきたく存じ上げる!」
エドワードの大音声に対し、ハーフリング族と見破られた彼はすんなりと名前を明かした。
「やあやあやあ。ぼくちんこそはカントニアのミナッカミニア山地。その北端に位置するナエバニア地方のあるじでございますべえ!」
「なにっ! ミナッカミニアのエルフの一族でござるか!」
「さようさよう。ミナッカミニア山地の温泉で産湯につかり、エルフとドワーフの父母にぼくちゃんぼくちゃんと甘やかされてすくすくと育ち、部族のおねえさんたちから、べっちょとおっきなおっぱいの素晴らしさを教わってからは、子孫づくりに励んで幾万年。時には海賊王なる厄介者と切り結んだこともある、きかんぼうの喧嘩小僧でもございましたべえ」
姓はウンノフスキ。名はカジミェシュ。人呼んで、族長のカジさんだと答えたハーフリングは、赤黒く固まった血で尻を汚したヘラを叢の上に寝かせると、持っていた大金棒をぶん回して閧の声をあげた。
「遠からん者は音に聞け! 近き者は寄っても見よ! ナエバニアの大族長、カジミェシュ=ウンノフスキのこの姿、目にした者は運良きと思ってくださいべえ!」
イズヴァルトとエドワードは互いの顔を見た。表情がこわばっていた。この男があの伝説の。チアン=カイシェックと死闘を繰り広げた古豪なのかと思い、背筋が凍っていた。
しかしヘラを返してもらわねば。イズヴァルトはカジミェシュに呼びかけた。
「ヘラどのを、こちらに引き渡していただきたい」
「そう簡単には出来ない相談ですべえ。このぼくちんを倒してみよ。さすれば救い出せますべえよ」
「挑発でござるか!」
イズヴァルトは駆け出していた。エドワードもだ。2人で戦えばなんとかなる。そう思って動いた。カジミェシュも大金棒を振り回して待ち構えた。
3人は間合いに入った。イズヴァルトが下段から振り上げ、エドワードが上段から斬り下ろす。カジミェシュは棒を斜めにして両方の一撃を防いだ。
でも一撃目が防がれるかかわされるのは計算ずくだった。手首に重い痛みを覚えながらも、イズヴァルトとエドワードは回り込んでの同時攻撃を仕掛ける。ハーフリングの大族長は右足を高々とあげ、裾を割った。
直立したままの『処刑棒』が衣服からまろび出た。棒でエドワードの一撃を防ぎ、イズヴァルトのポールメイスを、その股間のもので受け止める。
「なんでござるか!」
イズヴァルトが振った戦鎚は、その勃起したペニスに弾かれていた。あろうことか、金属でできたものが凹み、少し曲がってもいた。
「これが、ハーフリングのおちんぽでござるか! 何たる大業物!」
「ぼくちんのおちんちんは、これ自体がもしもの時の護身用になるよう鍛えあげておりますべえ! 否! 護身ではなく秘密兵器としても!」
カジミェシュは亀頭の鈴口をイズヴァルトの体に向けた。すぐさま、白いものが勢いよく飛び出て、激しい勢いで彼の腹を打った。
「ぐおおおおっ!」
イズヴァルトは5メートル近くもふっ飛ばされた。族長カジミェシュは己の射精力も隠し武器となるように鍛え上げていた。小さな体で毒虫のような戦い方をする。全身これ、まさに凶器だ。
「イズヴァルト君!」
叫んだエドワードは己の筋肉の力を最大限に引き出し、『うねうね剣』による一撃をカジミェシュの脳天に食らわせようとする。だが、カジミェシュのほうが早かった。飛び上がっての股間の『隠し剣』の一撃を右腕に食らった。厚い小手が凹み、彼は剣を落としてしまった。
が、エドワードは自分の武器を左手に持ち替え、ぶん投げるように横からの一撃を食らわせた。惜しいことにカジミェシュが構えていた金棒にあたったが、神聖魔法で強化された剣はそれを両断した。自身も叩き折れながら。
「ぬう! ツシマ=シュウジ枢機卿が鍛えた剣がっ!」
「めくらめっぽうにぶん回すからですべえ!」
エドワードは嘆いてなどいなかった。剣を捨てて彼は地面に横たわるヘラを抱き上げてイズヴァルトの方に駆けた。気を失っている娘が掴んでいた剣を奪うと、イズヴァルトに投げてよこした。
「君の『覇王の剣』だ! イズヴァルト君、やれるか!」
剣を受け取ったイズヴァルトは立ち上がった。柄を握る感触は、彼に勇気と気力を与えてくれた。小さな声でアソマリアの火の神に祈りを捧げると、剣の切っ先を天に掲げた。
あたりが真夏の空のように明るく輝いた。イズヴァルトが手にしている『覇王の剣』の切っ先から伸びた炎のせいだ。それは100メートルの高さにまで及んでいた。
あたりは急に暑くなった。サワータキャビクの寒い秋の空気は消え去り、真夏のチンゼーの焼け付くような風が吹いているようだ。
「ほほう……本当の持ち主の元に戻ると、ここまで引き出せるというわけですべえな?」
カジミェシュの声から余裕が消えていた。それだけ恐ろしい威力と魔力をイズヴァルトの炎の剣に感じていたからだ。司祭騎士団長はハーフリングの大族長に目を向けた。そして言う。
「耐えきれるでござるか、『獄炎の凱歌』のこの力を」
炎がより激しく、かつ大きく広がった。刃ではなく巨大な球体となって膨れ上がっていた。イズヴァルトはカジミェシュに向けて振り下ろそうとする。
その時だった。どこかからか風の叫び声のようなものが聞こえた。重く、それでいてかつ速い何かがイズヴァルトとカジミェシュの間に飛び込み、土砂を撒き散らす大爆発が起きた。
イズヴァルトとカジミェシュはふっ飛ばされ、『覇王の剣』からは炎が消え失せてしまった。エドワードに助け起こされたイズヴァルトは、クレーターの真ん中に突き刺さっていたものを見て驚きの声をあげた。
「これは……カイロネイア=エルフの投げ槍でござらぬか!」
「そのとおりずら!」
聞いたことがある女の声が脳裏に。念話魔法によるものだった。とても優しく朗らかな響きが含まれていたが、厳しさも少なからず混じっていた。
こっちを見ろ。呼びかけられた方角に目を向けたイズヴァルトが見たのはいったい、何者だったのか?
その続きについてはまた、次回にて。