聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
トーリの遺臣であり、カツランダルク家を見守るサキュバスのまとめ役であるピックプリトは、部下に付き添われてナントブルグ城下にあるサキュバスアイスクリームの店に来ていた。
店の中に入ると、その部下が提げていた籠から飛び出て、店の主であるハーマイオニーを呼んだ。かつての後輩は店の奥でタバコをふかしていた。何度も呼んだところでやっと現れた。
「んんっ! 今日も早めに来ましたね、センパイ?」
「おいしいアイスをいただきながらお話をしたいわ。今日は誰かしら?」
「えっと、いつもいるこどもサキュバスの子は、今日は生理休暇っス」
「まだ赤ちゃんを産めそうにない身体なのに?」
ちがう、とハーマイオニーは返した。お腹に氷結術式を仕掛けて尻穴からぶりぶりとひねる行為は、尻穴に少しずつダメージを与えているのだ。それと、位の低い魔族ということもある。自然治癒力があまりよろしくない。
「下級サキュバスなら仕方が無いわね。今日の子は? アナタのお尻から出るものは食べたくありませんからね?」
ハーマイオニーの『サキュバスアイスクリーム』だが、とてもヤニくさい。そもそもの味は良いはずなのだが、そのせいで売り物にならなかった。
「今日はヘルプの子っスよ。おーい」
牛乳瓶と盛り皿を置いたトレイを持って現れたのは、いつもより年かさの女の子だった。ニンゲンで言えば12歳ぐらいの背格好だ。全裸でやって来た彼女は、テーブルの上に盛り皿とスプーンを置くと、テーブルにのぼって牛乳を一気飲みし、皿に縦割れがかっている尻穴を向けてしゃがみ込んだ。
「うう~んっ!」
ぶりぶりぶりぶり、ぶりゅ。サキュバスアイスクリームの一丁上がりだ。女の子はすまし顔で立ち上がると去って行った。
「あの子はどこの子です?」
「コンゴウアミダラデンで保養なされてる『ゆうしゃ』の皆さんのお世話係っス。けつあなをちんぽでほじくられるのが大好きみたいっスよ」
「そう……このアイスクリームの精液がついてなきゃいいけど。でも、サキュバスにとってはそれもご馳走ですね」
付き添いにスプーンで口に入れてもらい、味と食感を確かめる。甘いのは確かだ。ただちょっと安っぽい感じがする。それと、口がしゃりしゃりいっている。アイスクリームではなくジェラードだ。
「で……んんっ」
ピックプリトの目の前で、ハーマイオニーがまた咳ばらいをした。きつい煙草を吸っているせいだ。ニンゲンが吸うと確実に喉がやられる。ポリープだらけになるひっどい代物だ。
「ハーマイオニー。タバコは控えた方がいいですよ? あんまり吸い過ぎると、精液の味がわからなくなると言いますし」
「いや、そうはならないっスよ?」
ハーマイオニーは上着のポケットから煙草の箱を取り出す。ツックイーのエルフの里で作られている、いちばんきつい紙巻きたばこだった。
「少なくとも今日だけは私の前では吸うのをやめなさい、ハーマイオニー!」
「ちぇっ。わかったっス。今日だけはっスよ?」
タバコをしまった。それからテーブルの上に乗っかっている、口だけがあるまんまるい饅頭みたいな形のままのピックプリトに呼びかけた。
「いつまでその姿なんスかね?」
「私の魔力じゃ200年か300年はかかるでしょう……」
「魔界に戻ったらどうっスか? あとはアタシらに任せてくださいよ」
カツランダルク家の事だ。亜人達の代表、カントニアのキファニアやイワッミーのドワーフの大族長がトーリを『頭目』に置きたいと持ち掛けた話は、彼女の死で立ち消えになった。彼女の死は魔竜との交渉中に起こったものだ。
すると今度はキファニアが、マイヤを亜人達のコミュニティに招待したいと言って来た。彼女は外国でも名が知られていた。亜人達からは、魔法道具の応用が得意な天才と見なされていた。
金色エルフの女当主が特に乗り気だった。『たぶれっとぱっど』をもっと進化させ、『げーむうぉっち』みたいな道具にしたい。しかしマイヤは健康を害しているようで、とても寒いミナッカミニアで暮らす事ができなさそうだと聞いて、諦めてしまった。
その代わりに魔竜は、妹のマイヤとトーリの遺児たちには護衛をつけると亜人たちに約束し、安心させた。表立って行動はできない。あくまで影の守り手である。そのうちの1人がハーマイオニーだ。
彼女は、カツランダルク本家に忠誠を誓うサキュバス達との交渉役となった。ゆえにピックプリトとほぼ毎日、こうして顔をあわせている。ハーマイオニーの他にも、エルザとその妹達がその役に任じられた。
「しかし、魔竜様のご決断も今更ですよ。どうしてもっと早くに力を貸してくれなかったのでしょう……」
「そりゃしゃーないっスね。だって魔界のお偉方が渋ってたもん。案外、薄情っスよ、あいつら?」
魔王ヤータと彼の兄弟親戚は、トーリについて彼女が秘めた力を得たあたりで報告を聞いていたが、「しばらく様子を見る」という態度を続けた。認められれば当然、魔界の王族として迎えられただろうが、取り扱いが難しいと見られていた。あらゆる大貴族を凌駕した大淫婦・クラリスと同等かそれ以上、という情報のせいだった。
「魔界に戻ったら戻ったで、王位継承権者さんがたにいろいろといびられたかもしれねえっスね。なまじすごい力の持ち主だったんで」
「わかっておりますとも。だからトーリ様には、この世界でご活躍していただきたかったのですが……それも敵わぬ夢となってしまいました」
夢。その最終目標は、カツランダルクの当主が王冠をいただく、ナントブルグ王国の再建だった。全てのいさかいを、女王様と従うサキュバスの侍女らのおっぱいとおまんこでなだめて解決。とても平和な文治国家である。
「でも、ジョーケイン王子さまがいりゃあ、丞相としてマイヤさんがいるんでしょ? 半分カツランダルクの天下みたいなもんじゃないっスか?」
「それはそうですけど……けれども、ホーデンエーネンの行動原理を考えると、あまり相容れないものだと思いますよ、私は」
かつてあったナントブルグ王国と違い、ホーデンエーネンは力こそ正義の武断国家だ。弱い奴のものは全部俺のもの。逆らうやつは皆殺し。戦争を起こすのだって遠慮しない。サキュバス達の本来の思想とは真逆だった。
「果たしてこのままで、マイヤ様やコリアンナ様はうまくやっていけるのでしょうか……」
「そういや次の『ご当主さま』はどんなもんスか? 一応は『女王の才』ってのが引き継がれたはずでしょう?」
ハーマイオニーに問われたピックプリトは、なかなか答えられなかった。だんまりなのと、あいすくりんをスプーンですくって先輩に与えるサキュバスの浮かない顔を見て察した。
(トーリさんがここ数百年の最大のチャンス、だったってことっスね……。)
そう思ったところでピックプリトがようやく語り始めた。コリアンナらの『見立ての儀式』についてだ。
□ □ □ □ □
その儀式はトーリが死んで49日後に行われた。場所はアスカウの村の北にある森の中に建てた丸木小屋でだ。ピックプリトと生き残りのサキュバス達……母にその技を伝授されていたスレッタとミオリネらが参加した。
見立ての儀式はこうである。当主候補は、サキュバス達におまんこをぺろぺろされたり指でいじいじされながら、魔力と潜在力を測られる。ようやく生理が始まったコリアンナと、姉や叔母みたく人前で野糞をひねりたがるフレッダ。まだおしめのにおいが取れないイルマの3名。
ふわふわとした絨毯を敷き詰めた小屋の中で、彼女らは裸にされてサキュバス達に愛でられ続けた。子供だからといって容赦はされなかった。
「あびゃびゃびゃ♡」
「はうおおおーんっ♡」
フレッダとイルマはサキュバス達のテクニックに、イキ狂いまくった。エクスタシーに驚いてびえーんと泣く様な凡骨では無かった。淫蕩に育つだろう。そっちは期待大。
が、サキュバス達は早いうちに見切ってしまった。
(魔力があまり増幅してない……。)
(それなりに強くなれるんだろうけど、ちょっと物足りないわ。)
見立て。頑張ればイーガ辺りの中級魔道士にはなれる程度。これではトーリの偉業を継ぐことはできない。ではコリアンナはどうだったか?
「あー。だりぃ」
彼女は醒めていた。コリアンナは下2人より性体験は豊富で前の穴と後ろの穴はしっかりと開発されていたのだが、サキュバス達のテクニックに酔いしれることはできなかった。物足りない。
「ピックプリトのおばちゃん。これ、いつまで続けりゃいいの?」
「は、はあ……。気持ちよくないのでしょうか?」
股を広げられてミオリネに猛烈に舐められていたコリアンナは、そうではない、と答えた。
「なんかさ。もっと荒々しくて、もっとたくましいのじゃないと『あくめ』っていうやつ? それの先にイケないんだよね。おちんぽをたくさん味わってるからわかるっしょ?」
「はあ、つまり、イッてはいるけれどもっとすごい体験が欲しい、ということでしょうか?」
「そうそう。それ。わたし、ショージキ言うとおんなのこ同士のぺろぺろじゃちょっと不満なんだよ。知り合いに孕ませ上手のおっさんいる? 呼んで来て?」
という訳でサキュバス達は知り合いの『種付けオヤジ』を3名ほど呼んで来た。でっぷりと太っていてキンタマがでかく、出す精液がとてもくさい連中だ。彼等の強引な『種付けプレス』を受け、コリアンナはやっと「ほおおお♡」と叫んでくれた。
「こ、このくらいがいいいいいいっ♡ をほおおおお♡」
しかしである。ピックプリトらは巨体にのしかかられ、ガンガンと股の奥を突かれて「むほおおお♡」と喘ぐコリアンナに真っ青だった。あどけない顔立ちの娘が、小陰唇がちぎれそうな突撃を受ける姿にではない。彼女の魔力の増幅具合にだ。
(これは……どうしたことかしら!)
魔力が上がらない。平常時と大して変わらないのだ。生殖器が興奮すると眠っていた力が活性化される淫魔族とは違う魔力回路になっていると思えた。自分を敷いてたおっさんがガンガンと腰を打ち続けるのに「にょほおお♡」とよがるコリアンナには、確かに淫魔の気配というのが漂っているが何か違うものも感じ取れた。
(どうにも、あの種族みたいに見えて来るわ。)
ピックプリトはそう思った。他のサキュバスらもだ。そういえばコリアンナはそろそろ15にもなるのにまだ子を産んでいない。『けもなー』だとは知っているが、ちんぽでの掘削力に長けたすけべなおっさんに股を開いて「んほおお♡」と為すこともよくあった。頻度はかなり多い。避妊魔法のつけ忘れをやらかして、いっぺんぐらいは妊娠して出産するはずだ。
しかしだ。おまたはつるつる。背丈こそ平均的だが歳よりも幼く見えた。知恵おくれとかそういう話ではない。乳房もろくに育っていないし尻だって子供尻だ。
まさか、と考える。もう一方の種族の血が強いのでは。あちらの場合だと性感は淫魔並みに鋭いが、それで魔力が増幅することは無い。おまんこによる魔力の急成長は見込めない。相当な時間か量の修練も必要となるはずだ。
コリアンナの相手の男の様子が変わった。顔が快楽に悶えているものとなっていた。自分達の前ではしなかった顔だ。とても傲慢で女を下に見ているのがあからさまで、ちんぽを突き立てると必ず、「こういうのが欲しいんだよなあッ! 恐悦至極ですと喜べよ、雌犬ッ!」などと、罵って来る奴だ。
「コリアンナちゃんのおまんこ、きもちいいいっ! すっごくくいついてくるーっ!」
まんこ慣れしていない少年みたいになっている。
「んあああああ♡ はうああああっ♡」
コリアンナは絶頂顔だったが、どうにも余裕な気配が感じられた。冷静な、というべきか。これは、サキュバスの血を継ぐ者にはあるまじきことだった。魔力が安定している。もちろん、コリアンナはそこそこ以上の、女王の娘としては上出来なぐらいのものを感じた。
けれども、性感で魔道回路の動きが良くなってくれない。サキュバスにありがちな、おまんこの快楽で魔力は高まるけど肝心かなめの魔法どころじゃない負けっぷりが見られないのだ。しかし『女王』の血筋の者なら、悦に浸りながら魔法を駆使できるはずだ。
(そうか。そうだったのか……。)
おっさんが動きをとめ、ぶびゅう、と大量の精液をコリアンナの奥に放つのを見届けながら、ピックプリト達はあきらめを覚えていた。
「おっちゃん♡ すげえでた♡ もういっかいしようよ♡」
にひひと笑いながらコリアンナがささやくと、大男はピュアなはじらいをうかがわせながらこくんとうなずいた。自分達の時には「イライラが止まらねえから撃ち尽くすまでな! ちゃんと腰振れよ!」と、偉そうだったのに。
ピックプリト達は続けさせた。でも、調べるのはもうやめた。コリアンナはどうやら父親側の血が強いようだ。自分達の、いや、ナントブルグの女王の無念を晴らしてくれる逸材は、トーリ以外にいなかったと確信した。例え身が潰されようとも彼女を守るべきだった。
本当の王国の復興は、とうとう成らずに終わってしまったのだ。