聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
大臣以外に、国王のこの決定をいち早く聞きつけた者がいた。王族衆筆頭・ナガオカッツェ公の代理人であるヨーシヒデクス=ヒラジマッシモだ。
朝議の後、彼はケノービの館を訪れた。本日は病気と称して引きこもっているが、そんなわけがない。朝っぱらから妾のうち1人と楽しんでいたのだ。
ケノービと応対に出た妾の身体から湯上がりのにおいが漂っている。ヨーシヒデクスは朝議で決まったことを教えた後に尋ねた。
「新しい男児はそろそろか、ソーロー公?」
「いや、なかなかに恵まれませんよ」
たくさんの子がいるケノービだが、男児に関してはなぜか乳児で抑死に、これまでにまだ3人しか10才まで育っていない。ランドとトバイアスとドライデン。どの息子らもチュバッカとは別の女との間の子だ。ランドとバイアスに関してはチュバッカとの娘が生まれる前にできた子である。
「しかし、チュバッカ殿はなかなかに得難い妻、母であると評判だな」
何をおっしゃいます。ケノービは素直にうなずけられなかった。チュバッカは確かに『離れがたい女体』をしているが、みてくれを重視するケノービは最近、彼女を遠ざけていた。1度の射精で妾の倍ぐらい搾り取られるからだ。
「チュバッカ殿とはまだお盛んなのだろう? しかも産まれた女児は皆美人、と評判だぞ?」
「あの女はもうヨーシデンにいますよ。あちらに屋敷を構えたんです。父親と弟の遺骨を墓から持ちだしましてね」
チュバッカは、良き理解者たるトーリが死んだ頃から、新たな生き方を模索し始めていた。『香道』の発展と布教に捧げようとしていた。そのための拠点をヨーシデンと定めたのである。マイヤが尻から出す『人香』も目当てにしてだが。
「それは勿体ないことだ。俺がもらってもいいか? あの醜女(しこめ)は孕ませたくなる魅力がある。5人ぐらい産ませたいものだ」
ヨーシヒデクスは陰茎を勃起させながら言った。父親似で下半身が立派なので悪目立ちしてしまう。ケノービは半笑いだったが理解できない、とも思っていた。
(……そういえば。)
カヅノ=セイジもまた、チュバッカのことを『逸物』と賞していたらしい。1日10回射精してもへたれないオーガ族の男にはちょうどいいらしい。絶倫男は存分に楽しめるそうだ、あの女は。
「それはともかく、マイヤ=カツランダルクの捜索を打ち切るというお話があがったそうですが?」
「ジグ=ウォンというクボーニコフの魔道士に聞き覚えは無いか? イーガの国王と影でやりとりしているのなら存じているだろう?」
その名前ならご存知だ。クボーニコフ海軍の魔道士部隊の首魁の1人。知っているどころか、ケノービは独自に連絡していた。カヅノ=セイジと進めていたマイヤの拉致以外に、シギサンシュタウフェン行きの旅を狙っての襲撃作戦を依頼していた。
「計画を持ちかけたのか、ソーロー公?」
「ふふふ。気づかれたようですね。でもご安心ください。ヨーシヒデクス様のかわいい『ご養女』がたを、危険な目に合わせないようにしましたからね?」
それについては感謝する、とヨーシヒデクスは頭を下げた。『養女』というか実の娘であるルイーダとリッカは、今も健気に頑張っている。旅を通してセックスする仲になったザーチャとディークを、恋人みたく励ましているようだ。
「あの2人は上の口と下の前のほうの口で、ザーチャ殿とディーク殿をしっかりと励ましているそうだ」
どのくらいかというと、ほぼ毎日である。ルイーダとリッカはそんなことを手紙に書いて父に送っていた。
「お二人とも、腰使いと舐め方ができあがっているらしいと教えてくれたな。竿はちょっと小ちゃいとは嘆いていたが、子供だから仕方がないだろう」
大人ちんぽを散々相手してきたルイーダとリッカには、少々物足りない太さと長さであった。父のそれに匹敵するのはなかなか知り合えないだろう。
しかしこれからである。2人が御曹司のちんぽを鍛えるのだ。こういうのは修練だ。いつかは父親のちんぽを超える『名刀』となるだろう。鍛造者好みに育つはずだ。
「ほほう。そちらはなかなかに順調のようですね。諜報としての期待はできかねますが」
「カツランダルク本家の動向を教えてもらうだけだ。その程度であるからな。それよりもソーロー公、『生贄』は誰にする?」
『生贄』。この場合は「マイヤとタルッホ」の亡命に陰ながら手を貸した人物という意味だ。これに罪をなすりつけて周囲の目をごまかす。元はケノービとジグの策によるものだ。それをごまかす『かかし』を造りたい。
「マイヤとともに『逃げた』とされる、タルッホ=ユッキカルか、その役目は?」
「死んでいる羊です。もとはイーガのスパイ、らしいようで」
「……なるほど。ジグ=ウォンとクボーニコフに殺されたというわけか。では手引に協力したのはさしずめ……エウレカ=リットフェンテルトにするか?」
「するか、ではなく、きゃつはしでかしたのですよ?」
マイヤとタルッホの亡命にはエウレカが尽力していた。彼女はパラッツォ教団と接触が有り、彼らの国との輸出貿易にも関わっていた。その事実から、亡命の協力の事実をでっちあげる……という事をケノービは既に仕組んでいた。
「エチウ側はカヅノ=セイジ枢機卿が、手のものを回してくれておりますからばれないでしょう。事実があやふやな状態でエウレカを牢にぶちこみ、殺害します」
「恐れ入った。さすがは知恵者……そういえばだが、マイヤ様は本当にエチウにいるのか?」
ケノービは首を振った。わからない、と答えた。妾が持ってきた茶と菓子をヨーシヒデクスに勧めた。
「ヨーシヒデクス様は茶菓子でもたしなみながら、我らの報告をお待ち下さい。それと、『ご当主さま』が会いたがっておりましたよ?」
ご当主、つまりはレーア=カツランダルクのことである。ヨーシヒデクスによる幼ない膣を耕すようなファックが、恋しいそうだ。
「そうだな。明日、久しぶりにルイーダとリッカが里帰りで俺の館に戻って来る」
2人のヨーシデン公の侍女の仕事は、1週間お休みだ。その間ずっと、ヨーシヒデクスのナントブルグの館である。
休みの間ずっと、娘たちとは父娘水入らずの毎日だ。どう尻が育っているかを確かめてやる。いきのいい少年2人の精液を吸い続けたから、きっともちっとしているに違いない。
「……それからだな、レーア殿の教育は」
「ヨーシヒデクス様もなかなかお忙しいようで。となればご当主様については、弟に任せることにいたしましょう」
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エウレカ=リットフェンテルトは、「わけがわからない」という面持ちで断頭台の前に立っていた。ホーデンエーネン王国暦357年11月4日の朝のことである。
2日前に諮問官がやって来て、全く身に覚えのないことを次々と質問してきた。
「パラッツォ教から多額の献金があったそうだな?」
「エチウの奴隷をシマナミスタンに流す商売を、国王陛下の許可なくして個人でおこなっていたらしいな、お前は?」
「ヨーシデンの都市建設費や『えくすぷれす』に関わる資金の横領の痕跡をお前の口座を通して調べ上げた。どういうことか説明してくれないか?」
全く見に覚えが無い罪状が20も。その1つ1つを「あのう……」とか「知らないですね」と、エウレカは生返事で返し続けた。否定していれば信じてくれるだろうし、何よりも、まともな法官がやってきて自分の無実を証明してくれると思っていたからだ。
「私は人を困らせるようなことはしておりません。ましてや、マイヤ様とタルッホさんをエチウに亡命させるという片棒を担ぐなんて……」
絶対に有り得ない。そもそも亡命の話を聞いてたら止めたはずだ。エウレカは取り調べ官にいい続けてきた。その結果、手足を拘束されて断頭台の前に連れてこられた。
「……私にもっと、抗弁の機会をいただけませんか?」
エウレカは面前にいる処刑人と、彼女の身体を取り押さえている兵士に呼びかけた。彼らは一言も答えなかった。そもそも彼らは、栄光ある『トーリ=カツランダルク』に忠誠を誓っていたはずだ。オルガスムナ領の刑官なのだ。
となれば、マイヤが率いる『マイア=テクニカ』、その発展に尽力してきた自分にも敬意を払うべきだ。なのにどうしてそうせぬのだ、この者たちは?
「……答えてくれないのか!」
エウレカは声を荒げた。それが合図だった。彼女の身体は兵士たちに倒されて取り押さえられた。処刑人が斧を振り下ろし、そしてすべてが終わった。
国王が手配した諮問官がオルガスムナ領に入ったのは、その処刑から1時間後のことであった。