聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
救い出されたマイヤは、素っ裸で精液まみれの身体のまま、魔竜の元に連れて来られた。コンゴウアミダラデンにある、彼女の執務室だという。
(……らしいんだけど、なにこれ?)
合成皮革と思しき革張りのソファ。アクリルボードのテーブル。ねずみ色のまるで可愛げの無い金属製の事務机と椅子。あるいはまるで見たことが無い薄型の大きなテレビと、それの背面にある接続端子とつながっているケーブルの先にある、操作器具がついたナニかが。
(なんて言ったらいいんだろう。ここは本当に、アカサカチハヤのコンゴウアミダラデンなの?)
どうにもおかしい。絨毯が敷かれた床の上に、素っ裸になってちょこんと座り込んでいたマイヤは、テレビとつながるおもちゃのような装置に視線を注ぎながら考える。魔界とは、まさか自分の前世の世界の未来なのか?
「違うよマイヤねえちゃん」
後ろにいたブライアン=スエッツァーが答えた。魔界のおえらいさんはオイラ達の前世の世界や、いろんな面白い道具を作っている別の世界からお取り寄せをしているようなんだ。
「なにそれ? 私やブライアンくんの前の世界も自由に行けるの?」
「魔界のお偉い方と許可をもらったほんの一部らしいけどね。魔竜様はとんでもなく偉い人の血筋にあたるから、暇な時に行ったり来たりしているんだよ」
特に、マイヤとブライアンの前世の世界は、魔族にとても人気が高い。ものすごく文化が発達しているからだ。ただし、住み心地は『最低』のランクあるそうだ。戦争に疫病、環境汚染が他の世界より激しいせいだ。渡航注意喚起情報もよく出ているらしい。
「ふーん、そうなんだ。ところであの、テレビっぽいものについている、黒いやつはなに?」
「あれか。『ぷれすてつー』だね。ゲーム機だよ」
「ふうん。ゲーム機か」
マイヤはイーガ産の『げーむうぉっち』は、何本かやったことがある。元気いっぱいなサキュバスの赤ちゃんのおしめを替える為にクリトリスをいじって言うことをきかせるというゲームや、子供サキュバスと発情期の動物を触れ合わせるゲームとかだ。そこそこ楽しめたが奥が浅すぎた。
「マイヤねえちゃんだったらファミリーコンピューターとか、МSXとかいう名前でわかるかな?」
「……詳しくはわからないよ。いや、でも、МSXって確か、キーボードにカセットテープを読み込む装置を取り付けて、なにかしてたんだよね。マイコンっていうのかな?」
ゲーム機のことはよくわからない。マイヤの前世はひたすら勉強と読書と、家庭教師であり恋人であり、のちに夫となった男とのセックスに明け暮れていた。
「典型的な勉強漬けだったんだね?」
「今の人生とあまり変わらないよ。こっちの人生のほうではエッチの回数が増えたけど。そのゲーム機って今触れるの?」
「大丈夫だよ。魔竜様のものだけどここに来る時は好きに使わせてくれるんだ。どんなものか少し動かしてみせるね」
ブライアンはテレビの電源をつけ、それにつながるゲーム機を起動させた。中にディスクが入っていた。ロゴが現れると、肌が緑色の魔物臭い小さなおっさんが釜で何かを茹でるオープニングムービーが流れ始めた。
「『トロデのアトリエ』か。まだやってたのかよ。魔竜さま、こういうの好きだなあ」
「どういうゲーム?」
「このヨーダみたいに肌が緑色の、ぶさいくなちっちゃいおっさんを動かして、ゴミとか雑草とか鉱石とか、いろんなものを集めて錬金釜にぶちこんで強力なアイテムを作って旅していくっていうゲームだよ」
膨大な錬成レシピがあってハマると沼に引きずり込まれるが、一応の最終目標はホムンクルスの錬成となっている。超美人でボインボインな女ホムンクルスだ。トロデというおっさんは、中年童貞という設定らしい。旅するパーティに可愛い女の子が何人か出てくるのだが。
「ふうん、そうなんだ。このなりだと仕方ないかもね。ちんこちっさそうだし」
「一度クリアした魔竜様が言うには……そのホムンクルスを作らないとラスボスが倒せないらしいんだ。ほら、サブタイトル見てよ。『年齢イコール彼女いない歴のおっさん錬金術師と世界を救う人造の花嫁』。こういうことなんだよね」
「わっかりやすいなー」
ずいぶんと『そのまんま』なタイトルだ。マイヤの頃は『青い体験学習』や『夢精の証明』といった、内容を考えさせるタイトルが多かった。
「あと、このゲームは前世でオイラが死んだ10年後に発売されたらしいよ」
「西暦でいうと2005年か……」
前世の自分が死んでから20年後でもある。その20年で日本人の知性は、安直なタイトルのものが出るほどひどくなったらしい。こういうテレビゲームのせいなのだろうか。テレビ亡国論、という昔懐かしい言葉をマイヤは思い出した。
「わたしのぜんせのせかい、いまごろどーなってんだろ?」
「知らない方がいいし知ろうとしないほうがいいと思うよ。頑張って今を生きようよ。オイラがこのゲームをプレイする所を見て、現世への希望を持ちなよ?」
「でもこれ、前世の世界のおもちゃだよね?」
そうだろうが現世でもあるんだ。ブライアンはそう思いながら自分のセーブデータをロードした。ちっこいブサイクなおっさんが街でゴミを集め、仲間たちとともに秘境で珍しい木の枝や石を拾いながら、魔物とも戦う。
ブライアンが動かしているおっさんの仲間は、全員が女の子だった。斧やハンマーをぶん回す山賊の少女。鞭をぶん回す魔法使いのデカチチ女。インチキ霊感グッズを人々に売りつける神殿の女騎士である。全員女だ。というか、共に旅する仲間は女の子ばっかり。
ストーリーの奥深さやグラフィックは『げーむうぉっち』の比ではなかった。なにもかもがぬるぬると動く。ブライアンによる1時間ほどのプレイを見てマイヤは引き込まれてしまった。
(なあにこれ。めっちゃ面白そうじゃん!)
頭の中で夢が広がっていた。そうだ、『たぶれっとぱっど』にゲームができる機能をつけよう。マイア=テクニカの最新版には一応はついていたが、せいぜいがブロック崩しやテキストベースのアドベンチャーゲームだけであった。イーガで製造されたもののみの機能である。マイヤは全く関与していない。
「ねーねー」
「なあに、マイヤねえちゃん?」
「私にも貸して。やってみたい」
マイヤはブライアンに抱きつき、おっぱいをなすりつけながらせがんだ。ブライアンは彼女の腕を見た。二の腕のところで切断されているのでコントローラーは握れない。義手もないのにこんな身体でゲームができるんだろうか。
「ねーねー、おねがーい」
「……わかったよ。ほら」
「ありがとう! あれれ……」
両腕でうまくコントローラーをすくって持ち上げた時、マイヤは現実に引き戻された。この腕ではボタンを押せない。たちまち今の境遇に悲しみを感じてしまった。
「ふえええーん! おせない! このうでじゃボタンがおせないよー!」
「だったら念動力を使えば……」
「ふえええーん! 私は魔法がつかえないんだよー!」
「そうだったんだ。だったら魔竜様に頼んでくるよ」
念じれば動かせる義手っぽいものを出してくれるかもしれない。泣きじゃくるマイヤの頭を撫でながら誰かを呼ぼうと思って立ち上がったその時、部屋の扉が開いた。
「ブライアンはん。そんなこともあろうかと、持ってきましたでえ」
黒髪で肌の黒い、くどい顔をしたチンゼー人の女が現れた。魔竜サイカノマゴイチだ。
なぜか日本の着物を着ていたのだが、これはコンゴウアミダラデンでの彼女の正装だ。この城には天然温泉が湧き出していて、建物の半分を宿泊施設にしていた。彼女は『女将』としてそこで働いていた。
泣きじゃくっていたマイヤだが、魔竜の姿を見てとてつもないプレッシャーを感じた。恐怖や畏怖という類のだ。下腹が驚き、尻からぶちゅぶちゅと軟便をこぼして絨毯を汚してしまった。
「ほんまに、尻穴のゆるい嬢ちゃんどすなあ。精液飲みすぎたせいやろか?」
「ふ、ふが、ふがふがが……」
「そんなんこわがらんでもええよ。あたしは嬢ちゃんを取って喰おうなんてこれっぽっちも思っておらんやさかい……まあでも、しゃべれんけどあんさん、心の中ではへたくそな関西弁、と思うておりますやろ?」
「んん、んん~」
「まあそんなことで怒る、ケツの穴のよう小さい女やあらしゃいまへんわ。まあ、嬢ちゃんの尻穴はちょいと切れ痔気味やから、尻穴で楽しむのはほどほどにせえへんとなあ……ブライアン」
次の言葉を待たず、ブライアンはマイヤをひょい、と持ち抱えた。魔竜がちらと絨毯の汚れに目を向けると糞便はすぐさま消えた。マイヤの尻をべっちゃりとよごしていたものもだ。
「ケツアナの奥まではきれいにできへん。あとで温水シャワーで洗ってもらうさかい。ここの温泉のやから痔にもよう効きまっせ」
「しょ、しょうなの?」
「そやさかい。ああそれと、嬢ちゃん用に今さっき作っといたわ。イーガのもんより丈夫で長持ちするでえ」
サイカノマゴイチは大きな風呂敷を背負っていた。それを広げると義手と義足が一対ずつ。マイヤの新しい義肢だ。
「こ、これを私に?」
「せやで。お代はいらへんよ。ここでゆーっくり、骨休みしていきなはれ。気が済むまででええよ?」
マイヤはわからなかった。なぜ魔竜がここまで親切にしてくれるのだろう。魔竜はブライアンにマイヤを抱かせろと呼びかけた。受け渡されると彼女をまるで赤ん坊みたいに優しく抱えた。
「じょうちゃーん、よいこやねんねしなぁ」
朗らかなおばさん声による子守唄である。外見はくどい顔のシマーヅ人の中年女に見えるが、その正体は恐ろしくておぞましい、アカサカチハヤの魔王である。
なのに、何故か安心感を覚えてしまう。マイヤは現世の母親のことを思い出した。娘2人と同じベッドなのに、一晩丸ごと夫とアナルファックをしてやかましい喘ぎ声をあげてたぐらいしか目立った記憶は無かったが、赤ん坊の時や病気の時はよく、こうして抱いて子守唄を歌ってくれたことを思い出した。ついでに、夫のでかいチンポをうまそうにしゃぶっていたのもである。
「くわあああぁ……」
マイヤは可愛らしいあくびをした。愛らしい唇と真珠色の歯だが、数え切れないほどのたくさんのおちんぽをしゃぶった吸精口でもある。イズヴァルトの金玉の中身を、誰よりも一番多く吸った口だ。
「むにゃむにゃ……」
魔竜の腕に抱かれながら、マイヤは眠りだした。間近に見るこの女の人間形態の顔は実にくどくておばさんそのものだ。けれど、抱かれる赤ちゃんは嗅覚を鋭くしながらこうも感じた。
(このにおい……おばさんというかおねえさんのかな……はたちぐらいの。)
あと、ちょっと乙女くさい感じがする。つまりは処女だ。首の上の穴と前の穴、後ろの穴でたくさんのちんぽを食い散らかして会得した直感が動いた。この人、魔族としては意外と若いんじゃないかな。まだ男の人とつきあったことが無いぐらいに。