聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
泊まることになった宿はそこそこ大きかった。しかし客はブライアンと、2日前からいるもう一組らしい。どこもこの時期は閑散としているそうだ。良い温泉が湧いていると聞いてたから混んでいるだろうとブライアンは思ったが、どうもそうでは無いようだ。
部屋は良かった。シーツは取り替えられているし、枕や毛布はちゃんと干されている。このあたりはあまりわかないが、ノミやシラミはいなかった。
それよりも温泉だ。久しぶりの斬りあいは身体も心もくたびれてしまった。雑魚とはいえ、1人で15人を相手するのはきついものがあった。ゆっくりと浸かって癒やしたい。
温泉は宿の地下から崖を少し降りたところにあった。露天で混浴だと言っていたが、もう一組様と交流は無いだろう。2〜3時間は貸し切りに違いない。
「ふい〜っ……」
肩まで湯に浸かっておやじくさい声を出した。熱くはなく、そこそこぬるま湯だ。けれども雪が降らないこの季節にはちょうどいい。ブライアンは浅いところに行って寝転がり、石に頭を乗せて眠りについた。いつの間にか眠ってしまった。
「……あの」
その声で目が覚めた。聞いたばかりの声だった。ブライアンは目を開けると、視界には金髪で細い体の美少女が立っていた。彼女は手ぬぐいを手に持っていただけで、身体を隠していなかった。
湯をかけて濡れていた白い肌が、輝いて見えた。控えめな乳房やすらりとしたお腹と、ほんの少ししかはえておらぬ陰毛。でも太ももはむっちりとしている。上半身はともかく、下半身はしっかりと肉がついているようだ。
「入っていいかしら?」
「……いいよ」
女の子は恥ずかしがる様子を見せずに湯の中に入った。髪をくるりとまとめたことで見えるようになったうなじの形はきれいだった。首筋を濡れた手ぬぐいで拭く彼女を見てブライアンは思った。
(前世だったらこんなこと無いだろうな。まあでも、中学2年の時の林間学校は良かったな。えへへへ……。)
前世の思い出。バトミントン部の女子で、恋人をしょっちゅう変えるという噂の『ヤリマン』が泊まっていた部屋に来て、おっぱいを出して触らせてくれた。Gカップはありそうな巨乳だった。
あの感触を忘れられない。ふわふわとしてふにふにとしていた。とはいえ、彼女の顔はブサイクだった。正月前に妊娠がバレて産婦人科で堕ろしたらしいと言う話を聞いたが、誰の子だったんだろう?
(まあ、『カケフくん顔』のあいつに比べたら、この世界の女の子は……えへ。えへへへへへ……。)
姉や妹を含めて、素晴らしいとしか言いようがなかった。特に9歳の頃に会ったマイヤおねえちゃんだ。愛くるしい顔立ちですらりとしているのに、おっぱいはモリモリ。しかも『おしゃぶり』や肌は最高ときている。ものすごく位が高いサキュバスみたいだ。
(……ン?)
ブライアンは戸惑いを覚えた。背を向けていた女の子が突然こちらを振り向いたからだ。どうしてこっちをじっと見つめてくるのだ?
「ねえ、ちょっと近づいてもいい?」
答える前に寄って来た。女の子は頭を下げた。
「さっきはありがとう。ついあんなこと言ってしまったの。ごめんね。ワタシ、感情的だから……」
「あ、ああ……」
やはり反省していたか。それよりも彼女の謝罪より、姿とかたちに心を奪われた。間近で見るとその美しさがはっきりとわかった。くりっとした目。整形ではないのに通っている鼻筋。少し大きな口。子鹿を想像させる顔だちだった。鹿の魔獣が化けているんじゃなかろうか。
「……そんなんじゃないわ」
「?」
「お礼がしたいの。お金が無いからこんなことしかできないけど、赦してちょうだい……」
そう言うと、彼女はブライアンの腰の上にまたがって来た。彼の肩に腕を絡めて腰を落とす。
久しぶりの女の子の肌と肉体だった。姉や妹、あるいはマイヤとはまた違った重みと質感に身体が興奮しだした。彼女は見かけに寄らず、重いようだ。
柔らかい尻の肉がペニスに触れた。身体から漂う甘い香りが、ブライアンの鼻腔をくすぐった。たちまち硬くなり、そそり立ってしまった。
「すごいおっきい……お願い、あそこに挿れて?」
「いいのかい?」
女の子は恥ずかしそうにうなずいた。でも身体で支払うと申し出たのだ。こうした行いは何度か経験しているのだろう。ブライアンは浮かしてくれた腰の間にあったとても柔らかいところに亀頭の先を当て、腰を突き上げた。
「……ううふっ♡」
面を上げて嬉しそうな顔を見せた。彼女が腰を落とし、できる限り奥まで閉じ込められると、彼女は更に顔を蕩かせた。
(あれっ?)
どこかで見たことがある顔だった。そうだ。ちんこにつけた軟膏を膣壁にぬりたくってあげている時の姉2人と妹の顔とおんなじだ。気持ちよくなっている。
(そのさあ、償いのセックスというのは、もっとこう、苦悶の表情を浮かべて悲しそうな声を出すもんだよね? なに楽しんじゃってるのさ?)
これじゃあ彼女が自分とやりたいが為に、抱かれた様なものではないか。それはともかく膣の中がとても心地良かったので、ぐいぐいと腰をくねらせてみた。
「はひっ♡ ふひぃっ♡」
やっぱりそうだ。ものすごく感じている。姉2人に膣の浅いところをたくさんこすれとかいろいろ教わったが、この娘には膣奥を突いてほぐした様な挿れ方をしていた。
(奥が感じるタイプの子かな?)
行き止まりに亀頭を押し付けてくねらせる。ぐいぐい。ぐいぐい。
「そこ♡ そこがいいのっ♡」
「……あのーう。君、楽しんでないかい?」
「それのどこがわるいの♡ ワタシ、イキやすい体質なの♡」
果てるのが早いのではない。もうすでに達していた。彼女の膣や子宮は脈を打ち、小陰唇はふっくらと充血していた。クリトリスも下腹のちょっとしたこすれあいで仕上がってしまっていた。
「あのさあ……これ、お礼のおまんこだよね? どうして君のほうがオイラよりずっと気持ち良くなっているんだい?」
「だからそういう体質なんだってば! 本当のことよ! またおちんちんが膨れてるわ……あう♡」
本当のようだ。ブライアンは腰を動かし続けた。彼女が悶え狂うところを目の当たりにした。やかましい喘ぎ声だと思ったが、楽しんでいるのなまあいい。
それと膣は逸品に思えた。久しぶりの生性交だから、精嚢が元気になってしまったのもあるだろう。30往復して我慢がきかず、そのまま彼女の膣内で射精した。
「あ……♡ ああ……♡ せ、せーえきがどくどくとながれこんでくる……♡」
「あのさあ、これ、どうして出しちゃったのよって怒るところじゃないの?」
「いいの♡ 気にしないでよ♡ ワタシの
女の子はささやいた。「まだまだかったいね♡」。このまま連続して出せるかとおねだりしてきた。
「5発でも10発でもいいからっ♡」
「そんなに出ないよ。でも……」
ブライアンは燃えた。この金髪の美少女の外見と性感に酔っている時の可愛らしさがそうした。誰も入ってこない温泉の中で腰を止めずに振り続けた。
結局、彼女とは2時間もつづけて湯の中でハメ合ってしまった。彼女から先にあがったが、彼はくたくたになってまた寝てしまった。
□ □ □ □ □
翌日。ブライアンはチェックアウトを済ませようと、宿屋のカウンターに向かった。今日はこの山道を越え、いよいよイーズモーの中心地に向かうのだ。
しかし宿の主人を呼び出すと、妙なことを言われた。
「あれ? もうご出発ですか? 聞いていた話とは違うなあ……」
「誰に聞いたって? オイラは昨日、一晩だけって言ったはずだよ?」
「いえいえ。さっきお話があったのですよ。これから1週間、ここに逗留なされるって」
そこの方から確かに聞いた。主人は待合い部屋のほうを指さした。椅子に座って紙巻きタバコをスパーっ、とやりながら、今朝届いた新聞を読む金髪の女の姿があった。
(あの人は!)
昨日助けた4人組のうち1人だ。剣を持っていた金髪の美女。あのその女が手を振った。ブライアンは毒煙を放つ女に近づいた。
「ここに泊まっていたんだね?」
「そうっス。メシ、まだっスか?」
女は咳払いをする。喉の調子が良くないらしい。
「タバコ、やめたほうがいいよ?」
「いやいや、吸いすぎても癌にならない体質っスから」
昨日の女の子といい、理由のわからないことを言う。しかし飯代は全部出すと提示され、ブライアンは承知した。路銀はできるだけ節約したいからだ。名前をまだ知らないから聞いてみた。
「オイラはブライアン=スエッツァー。オーキ島の出身さ。君は?」
「ハーマイオニーっス。家の名前は……グレンジャー」
姓をいうところでなんだかつっかかったので、多分偽名だろうとブライアンは考えた。でもタダ飯だ。昨晩のお釣りを払わねばいけないぐらいに気持ちよかったセックスといい、なんだかついている。人助けをしたからだろうか。
朝食は宿屋の近くの食堂でとることになった。山菜と鶏肉と麦を一緒に煮た粥をすくいながら、彼はハーマイオニーから話を聞いた。ホーデンエーネンから来た。サイゴーク大陸の温泉地巡りをしている。名湯が多いというヒッジランドを経由して、ドワーフらの秘湯があるイワッミーまで行くつもりだ。
「……若い女の子たちが、そんな長旅をするのかい?」
「そうっスね。で、連れの3人はここの温泉場が気に入っちゃって、予定より長く1週間はとどまることになっちゃったっス」
3名はハーマイオニーが起きる前に、この宿場町の温泉巡りに出かけて行ってしまった。女の子は温泉がとっても好きなんだな、とブライアンは思った。
そのうちの1人と昨晩、枯れ果てるまで性交をした。体つきは一番貧相なのに、一番の魅力を感じてしまった。肌を重ね合わせたのはあの時が初めてだったが、身体も性器も、呼吸もひどくなじんだ。相性がばっちりのようだ。あの金髪の子の名前が聞きたかった。
「エルザさんっス。茶髪のがアナさん。黒髪がオーラフさん」
「顔立ちが良く似ていたけれど?」
「3人共姉妹っスね。父親が違うらしいんスよ。エルザさんが長女でアナさんが次女。オーラフさんが三女っス」
(順番が逆なのか……。)
子供っぽい体つきのエルザが長女とは。ついでにエルザの年齢も聞いてみた。
「ん、まあ……17ぐらいっスかね?」
「そこまでは知らないのか」
「まあ。そんなところっスね」
ちなみにだがハーマイオニーは22歳『ぐらい』。なんだか引っかかるような言い方だった。それでも構わない。
「ところで、どうしてオイラの宿代を建て替えてくれたんだい?」
「なんというか、まあ。腕を見込んで、うちらの護衛になって欲しいんスよ」
エルザは金が無いと言っていたが、どうもそうではない。男1人を連れて回るぐらいの予算はあるそうだ。そもそも武者を連れずに女だけで外国を旅するのは解せなかったが、ハーマイオニーは剣を扱えたから甘く見ていたのだろう。昨日思い知らされたというわけだ。
「いいよ。お給料は?」
「予算を超えるものは出せねえっスけど、どれだけ払うかは、飯を食べてから試させてもらいますよ」
「そういうことか」
ならず者たちを追い払っただけではダメらしい。飯の後に街の裏手にある空き地に向かった。エルザは腰に差していた二振りの小剣を引き抜いた。
「真剣で? まいったな」
「思い切りやっちゃっていいっスよ?」
「そりゃどっちかが死ぬってことだろ?」
「……じゃあ、かすり傷負わせたら勝ちってことで」
それが難しいんだよ。そうつぶやきながらブライアンは剣を抜いた。昨日とは違い、右手でのみ持つ。強い力を込めない為にだ。刃を水平に構える。対してハーマイオニーは逆手に持って交差していた。
「いつでもいいっスよ?」
「それ、イナーヴァニアのゴブリンの刀法だよね?」
「構えはモノマネ。中身はちょっと違うかもっスね」
「……なるほど」
動いたのはハーマイオニーからだ。腰を低くし、前のめりになって突っ込んでくる。でも足は早い。ゴブリンの剣法の出だしのまさにそれだ。
(この戦法は、確か……。)
ブライアンの身体が思い出す。ヨナーゴの警備兵として一緒だったゴブリンの剣士が教えてくれた。正面から突っかかると見せ、相手の一太刀をかわしながら、直前で左右どちらかから斬る。あるいは大きく飛び上がって頭上にだ。ゴブリンの剣の名手は大抵、そこで相手の首筋にきつい一撃を与えるそうだ。
(側面狙いか。)
いや、そうではない。間近に迫った時、『予見』の力が働いた。カウンターを側面で避けるのも、ゴブリンみたく大きく跳躍して頭を狙うのとは違う。
眼の前からいきなり消える。それからすぐによろめき突っ伏すことになる。魔法か特殊な技かわからぬが、ブライアンは異能に従った。
2秒前に見えた通り、ハーマイオニー眼の前に来た時に消えた。それから振り向いて右足を後ろにまわし、構える。
ハーマイオニーの二振りがブライアンの片刃剣とぶつかり、鋭く鳴り散らしていた。ハーマイオニーは顔にこそ出していなかったが驚いていた。なぜ見切られた。その思いが刃を引っ込めたところで感じられた。
しかし彼女は止めない。また『予見』だ。右に繰り出すがフェイントで、左で足を狙ってくる。ブライアンは従った。ぎりぎりのところで彼女の一撃を弾いた。ハーマイオニーは剣を収めた。
「もう終わりかい?」
「……ここらでやめにしとくっス。ブライアンさんの実力はわかったっス」
十分申し分ない。今日からよろしく、と彼女は告げた。
「エルザさんたちが宿に戻ってきたら、このことを話してください」
「わかった。それまで宿で待っているよ。ハーマイオニーさんは?」
ちょっと街の外へ出かけてくる。そう言って彼女はその場を去っていった。