聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
ホーデンエーネン王国暦358年の4月の終わり、イズヴァルトらはカントニアにあるカイロネイアの地にたどり着いた。まずはその中心にあるニラッサのエルフの郷にある、冒険者用のギルド協会を訪れた。
【ギルバート=カツランダルク注:サーガの脚色である。ニラッサの郷に冒険者用のギルド協会は、今も昔も存在しない。エルフとのおまんこを楽しむ男を対象とした小遣い稼ぎ用に紹介する、単発アルバイトの斡旋場が存在するだけだ。】
そのギルドのマスターは、イズヴァルトにとって縁深い人物だった。エルフの築城技師・ミレイユ=キョーライの実弟で『
【ギルバート=カツランダルク注:これもサーガの脚色である。ディミトリウス=キョーライは確かに優れた魔法戦士だが、本業は画家である。主に『げーむうおっち』用のゲームソフトのパッケージのイメージイラストを担当したり、彼の友達が作っているせんずりネタ用の『うごくスケベ絵巻』の背景を描いて生計を立てていた。実姉いわく、とてもではないが人の上に立って仕事ができる男ではないそうだ。】
ギルドに来たイズヴァルトは、メガネをかけたボインのエルフ【ギルバート注:もちろん実在ではない。】に討伐の仕事は無いか、と尋ねた。
転生人の服飾家がデザインした『量産型地雷系』と呼ばれるタイプの服をまとったおっぱいの大きなそのエルフは、この『孕ませ職人』が漂わせる色気にやられ、服から透けて見える乳首をふっくらと勃たせてしまった。
「討伐なら……今おすすめなのは、おらの男ひでりがはげしいおまんこを、冒険者さんのちんちんでこらしめることですずらよ? なんなら、おらにいきりっぱなしのちんちんをすっきりさせるクエストを用意してくれてもいいですずらよ?」
受付嬢は前かがみになって大きな胸を寄せると、右手の指で輪っかをつくって舌を出し、なにかをしごきながら舐めるポーズをとった。
「そんな討伐では武名があがらぬでござる。ちがうものをやっつけたいでござる」
受付嬢は残念そうにため息をつき、引き出しから依頼書を出した。
「これが当ギルド協会の討伐依頼の全てですずら。デスマンティス軍団の討伐やスライムの駆除など、いろいろとお仕事が揃っておりますずらよ?」
「さようでござるか……魔物退治はどうにも気が進まぬでござるが、一番強いのをやっつけて、手っ取り早く名を売りたいでござる」
それはできませんずら、と受付嬢は断った。登録したばかりの冒険者は一番最低ランクの仕事しか与えられない。ニラッサ周辺のぶどう園を荒らす虫の駆除や、さっき提示したスライムをやっつけるぐらいである。
「ちなみに、スライムというのはなんでござるか?」
「風の精霊たちの一部のマヌケが鉱毒を含んだぬるりとした水やタールに取り付いて。まるで役に立たねえ魔法生物になっちまったものですずら」
鉱山や山奥にいて、ほとんど無害だが木に取り付くと枯らしてしまうという。なかなか先が長そうだと、同行していたピピン王子に言った。
「でもイズヴァルトさん、このギルドのマスターは、ミレイユ=キョーライさんの弟さんなんですよね?」
「むむ、さようであったでござる!」
ミレイユは今、北の方へ旅に出ていると郷の者から聞いた。イズヴァルトの4人の娘を連れてであった。しかしミレイユはいなくともその友人がいれば話を通せる。
イズヴァルトは外で待っていたオクタヴィアに来てもらった。お腹がだいぶ大きくなってゆったりとした服をまとっていた彼女を見て、受付嬢は驚いてしまった。
「オクタヴィア姐さん! しばらく姿を見ていないと思いきや、妊婦になってたんですかずらっ?」
「たわけ。なーにが妊婦になってたんですかずら、か? いじわる言ってないでイズヴァルトさんに一番いい仕事を提供するずらよ?」
オクタヴィアが急かすと受付嬢は「ギルドマスターに伺ってくる」と言って奥へ引っ込んでしまった。
しばらく立って受付嬢の代わりに、漆を塗って黒くした甲冑に身を包んだ、長身のエルフの男が現れた。
「……ミレイユどのによく似ているでござる?」
「オクタヴィアさん。この男は誰だ?」
「おまんのねーちゃんの娘の親父さんずら。ほら、マリカ」
「ああ。おまたいじいじが大好きなマリカ……エルフの子どもは大体がそうだな。ところで大きな仕事を任せて欲しいとはどういうことだ?」
ディミトリウスは一旦イズヴァルトを見て、これから私のことは『DS』と呼んでくれ、と告げた。『DS』とはダーク=ソーサラーの略である。ディミトリウスはそのようなあだ名で呼ぶことを人に強要していた。
「でぃーえす、でござるか? ふうむ……」
「またよくわかんねえことを言い出してきたな、このコは。イズヴァルトさん、まともに付き合わなくてええずらよ。で、ディミトリ、その理由ってのがな……」
『ゆうしゃ』と呼ばれる冒険者とか自由騎士のもっとすごい存在となって名をあげ、この世界で最も最強の英雄として、皆にちやほやされる為だとオクタヴィアは説明した。
「冒険者のさらに上か。よくわからないな」
「『ゆうしゃ』になった暁には、イズヴァルトさんは世界中の排卵可能な女を種付けできるずら」
「なるほど。私はその権利にクソの興味を持たないが、どれほどの『君が求める
しばらくしてDSはいくつかの案件が書かれた、ランクが高い依頼書を持ってきた。
「どれもBクラスと認定した依頼だ。かなりの武勇の持ち主でなければ完遂できないだろう。さあ、選べ」
「うーむ。どれにいたそうか……」
オクタヴィアが依頼書を1枚抜いて、まずはこれがいいだろうとイズヴァルトに見せた。ニラッサの郷の南西にあるクシガタールの里が出した、マンティコアという怪物の討伐の依頼だ。こう書かれてあった。
「造魔研究所から抜け出たマンティコアが繁殖して近隣の山を食い荒らしているずら。天然記念物のカイロネイアカモシカほか、いろんな動物が被害を受けちまっている。駆除を手伝ってほしいずら」
マンティコアという生き物が何なのか。イズヴァルトはDSに尋ねた。
「古代ムサシノ帝国の頃にうまれた軍用造魔だ。チンゼーに棲むライオンに遺伝子改造を施し、尻尾がヘビで翼が生えている。飛行するから逃げられやすい」
抜け出たのは20年前。造魔だが生殖機能を持ち増える。寿命は20年から30年。これまで何度か討伐の依頼が来たが、どれも仕留めきれなかった。
「元が軍用造魔とは……そんなものを。今は何に用いているのでござる?」
「主に移動手段で使っているずら。カイロネイアは山がちだから、空を飛ぶ乗り物があったほうが便利ずらよ。それとな」
カイロネイアには飛翔魔法の術式が使えなくなる土地があちこちにあった。『禁足地』と呼ばれる域だからだ。一部の魔法、あるいは多くの魔法に対して強力な制限を受けるそうした名称の土地は、世界のあちこちにある。
「でもマンティコアは羽ばたいて飛ぶんでその影響を受けねえずら」
「さようでござったか。拙者も1頭欲しいでござる。ではこの依頼を受けたいでござる。討伐に加わる者でござるが……」
イズヴァルトは参加者の数を告げた。おおよそ40名。ピピン王子とブライアンを含んだ数だ。オクタヴィアとミツクニュモスは加わっていなかった。
その大半はあの街から来た『ゆうしゃ』たちである。腕試しをしたくてイズヴァルトについて来た。旅の途上で『ゆうしゃみならい』として、いろいろな作法を教えてもらいたかったし、彼らに自分が住むこの世界を楽しんでもらおうとも思っていた。
ただ、この『ゆうしゃ』というのは、三大欲求というものにきわめてうるさかった。特に性欲である。彼らは1日に最低1回、女を抱かないと気がすまない身体になっていた。それをどうにかする為、淫魔と仲が良いブライアンのつてを頼って、5人のサキュバスを同行させていた。
その多くはニラッサの郷に入った後、『ナンパ師』のミツクニュモスと共に、交渉成立がきわめてちょろいエルフの女たちに声をかけまくっていた。彼女らの家にご招待され、この土地の女たちのしつこさを堪能しているところだった。イズヴァルトと共にギルド協会を訪れようと考える殊勝な考えの持ち主は誰一人としていなかった。
「40人。なかなかの大所帯だな?」
「多くはこの建物に来てはござらぬが、とても強い戦士たちばかりでござるよ」
「マンティコア自体はそれほど強くはないが……いいだろう。今回は40人で登録しておこう」
DSは受付嬢を呼んだ。やって来た彼女は受付の扉を開けてイズヴァルトの前に来た。なぜかブラウスの前のボタンを臍上まで外し、谷間を見せにきた受付嬢は、イズヴァルトを上目遣いに見ていた。DSが言った。
「契約する印は彼女にするのだ」
「どういうことでござる?」
「わかっているくせにですずら♡」
カイロネイア=エルフの冒険者ギルドはニンゲンのそれとは違い、はんこやサインを押すとは違うやり方で署名をするわけであるが、さて、そのやり方とはいかなるものであったのか?
その続きについてはまた、次回にて。