※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

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※『サーガ』には無い真実のお話です。


幕間⑥・マリーヤ国仕置 上

 あの戦いから半月が経った。ダニェルをはじめとする多薄のヌマタラシュクのエルフは、いまだ王都にとどめ置かれていた。

 

 『司祭騎士団長』はエドニア王に頼まれ、牢につながる彼等の警護を担うこととなった。巡回して逃げようとする者に『おしおき』をするだけのつまらない仕事だが、マリーヤ軍の軍船にのこっていた軍資金から2割ほど、およそ250枚のマリーヤ金貨が報酬になるとのことで受けることにした。

 

「金はいくらあっても困らない。そう思うだろ?」

 

 世知長けたミツクニュモスに言われると、うなずくしかない。マレーネのポケットマネーをあてにするのも当座はできない。何故ならエドニア王都の反乱に対処する時、景気よくばらまいてしまったからだ。

 

 ダニェルとその連れを除く金色エルフたちは、反抗的で手を焼いた。飯を配る時も中身を投げて返し、「こんなマズ飯なんかくえねえべえ!」と吐き捨てた。おしりぺんぺんはまだしも、口で返すのは至極面倒だ。

 

 というわけで『司祭騎士団長』は、合戦の後に市場に流れ込んできた、マイア=テクニカ製のおしゃべり人形を用いることにした。可愛いあの侍女の幼い頃の姿を彷彿とさせる姿かたちだ。

 

「おい看守! ちんちんがむらむらする! 適当な女をよこせ!」

 

 そんな罵声が飛んで来たらぬいぐるみに言い返させた。

 

「うるせえ! とっととシコって寝てやがれ、クソ雑魚がっ!」

 

 エドニアで売られているものの声は、アドバイスのお陰でだいぶ調整ができていた。あの頃の『侍女』の声にそっくりだった。今も状態ともあまり変わらないが。

 

「ああん! ちびっこ人形に言わせてもらっているんだべえか! ホーデンエーネンの天下一の豪傑さまも、口喧嘩のほうはからっきしだべえなあッ!」

「はァ? 豚箱にブチ込まれているクセに偉そうに吠えてんじゃねえよ負け犬! 文句あんなら牢をぶち破っておもてへ出ろや! ソッコーで塵にしてやるからな。覚悟しやがれよ、三下!」

 

 相手は黙ってくれた。まあ、『司祭騎士団長』が腰のちんちんつらぬき丸を抜いて「死合いを頼もう」と凄めば済む話なのだが、それをやる気概を持てなかった。同行させた『ゆうしゃ』の大多数がカーマタの戦いで討ち死にしたことで、相当へこんでいたのだ。

 

「はああ……」

 

 正直、亜人というものを舐め過ぎていた。特に『七本槍』だ。

 

 ずっと同じことを考えていた。ミツクニュモスと一緒に比較的友好な囚人の檻に入り、わいわいとカードゲームに興じている最中でもだ。

 

 生き残った者の話によれば、『七本槍』のほか6人は、どこか抜けていて手を抜いていたダニェルと違い、全く容赦の無い戦い方をしたそうだ。特に十文字槍のエイオンだ。

 

 捕らえた女子供を丸裸にして板にくくりつけ、『ニンゲンの盾』として並べたという。女は幼子も股に無理やり何かを突っ込まれている様子だった。

 

「解放してほしけりゃ王都までの道をあけろぉ。さもなきゃこいつら残らず皆殺しだべえ!」

 

 その策は決死の覚悟で裏から斬り込んだ数名の『ゆうしゃ』で失敗に終わったが、策がダメになったエイオンはキレにキレた。強い奴を見ると狂戦士と化す『血まみれの二足』こと、序列二位のイヨネスコ姉妹よりも多く首をあげたそうだ。

 

 エイオンは逃げようとする非戦闘員を殺して『ゆうしゃ』たちを挑発し、汚い魔法攻撃を併用して次々と討ち取った。あまりの凄惨な戦いで『七本槍』は下位の3名が討ち死となった。しかしカーマタでのエドニア側の戦死者は、住民を含めて1500人以上にのぼった。

 

「はあ。拙者こそがカーマタで護ればよかったでござるよ」

 

 と、常々思って大量の書物を籠に入れて、ダニェルの牢に向かった。あの3人の牢は、取り寄せた本が床中に積み重なっていた。こういう身動き取れない時には読書でもして落ち着かせる、という意味合いもあるのだという。

 

 ベッドの上で一心不乱に本読みに興じるダニェルに、イズヴァルトは挨拶した。

 

「ダニェルどの。また持って来たでござるよ?」

「ありがとうございますべえ。うん。頼んでたエドニアの魚料理についての本があるべえな」

 

 ちなみにだがダニェルは旅の最中、このメンバーの炊事係を担っていた。ヴァシルとニナは良いところの育ちなので、飯炊きは少々苦手だった。

 

「ヴァシルどのが読んでおられるのは……古代ムサシノ帝国の歴史本でござるな?」

「帝国の時代の闇業界の歴史だよ。カタシナシュフのマリベーラの名前や『森の蝮』の名前もあるぜ? 3000年ぐらい前に人殺しで数を競っていた奴らさ」

「……」

 

 『森の蝮』とはイナンナのことだ。台場の戦いではこの曲者たちを容赦なく押し込んだ。ダニェルにも一騎打ちで勝てるんじゃないか、というぐらいに強かった。

 

「ツックイー最強と言って差し支えないあの姐さんが、どうして医者なんかやってのかね?」

「……足を洗った、とおっしゃっていたでござるよ」

「勿体ないな。あれはマリベーラよりも強いかもしれないよ。いや、キファニアだって殺れるかもしれない。正面きっては無理だろうけど、不意打ちで魔法を封じればね。そう思うだろ、姉さんも?」

 

 ニナはゆっくりとうなずいた。彼女が読んでいるのは魔封じの術式について詳しく書かれた本だ。それをやられた時にすみやかに回復する方法が無いか、調べていた。

 

「拙者もしばらく本読みといたそう。ダニェルどの、横を失礼するでござる」

 

 『司祭騎士団長』は小説を読み出した。ヴァシルが頼んだイーガ人の著者の本だ。シリーズとなっていてこれは三冊目である。

 

「ヴァシルどの」

「なんだい?」

「デレる時に母国語でぼそっとつぶやく異邦人というのは、愛らしいと思えるものでござろうか?」

「思わんのか?」

「拙者はわかりやすいほうが好きでござるよ」

 

 その本のヒロインについてだった。『ろしあ』という異世界の国が母国という設定らしい。学問所に転校生としてやって来て、主人公の少年に惚れる、という話だ。

 

「うーん。なんだか乙女が好きそうな小説でござるなあ?」

「うるさいよ! 俺が『学生らぶこめ』を愛読して何が悪いんだっ!」

「いや、これを好んで読むというのは、ヴァシルどのがとても繊細なお心を持たれていると思っただけでござる。気を遣わねばならぬでござるな……」

 

 ヴァシルはちょっとだけ頬を赤らめてうつむいた。それからミナッカミニアの古代エルフ語で、「ばか……」とつぶやいた。横で聞いていたニナがくすっと笑った。

 

「『司祭騎士団長』さん。ヴァシルをからかうのはそこまでにしてほしいべえ」

「で、ござったな。拙者は調子に乗り過ぎていたでござるよ、何もかも……」

 

 ダニェルはうなずいた。『司祭騎士団長』がなにを指して「油断してしまった」のかを理解していた。

 

「気に病むことは無いべえ。勇敢な戦士として、立派に務めを果たしたべえよ、お連れさん達はなぁ」

 

 それでも『司祭騎士団長』の旅は終われなかった。ヤギウセッシウサイが探してとっくに見つけ出したであろう、世界最強の武器を手に入れるまでは。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 とんでもなく素晴らしい。

 

 これを目にできたことが、これまでの人生で最良の出来事といっても過言ではない。

 

 ピサロ=アマルフィはペンとスケッチブックを手にしながら、目の前の『おケツ』とその中央ににゅっとすぼんでいる、色合いがとてもよろしいアヌスを見てそう思った。

 

「噂で聞いた通りの『あかちゃん肛門』ですね。ほんのりと桃色がかっているだけで尻の肌と同じ色をしていますよ。本当にここからうんちをぶりぶりされているんですか?」

「あはは。もちろんしてるよー!」

 

 両方の腕と脚が関節部から先に存在していない女が、ベッドの上でお尻を突き出して合図した。もっと近づいて見てみろ。プリプリ感たっぷりの美しいデカ尻がもたらす魔力に引き寄せられ、ピサロは近づいてみた。窄まりがくわっと口を開き、ぷすう、と間抜けな音を鳴らした。

 

「……確かに。おならでしたね。直腸が見えましたよ」

「でしょー?」

 

 その女、つまりは『軍師殿』は愛嬌たっぷりに笑った後にまたお尻を揺らした。ぷりぷりぷり。尻が揺れるとシーツにひっついていたでかいおっぱいも揺れた。たくさんの子を孕み育てそうな安産型の尻と乳だが、彼女はもう子供を為せない。それが勿体ないと思った。

 

「さあ、描いて描いてー!」

「はい。もう念入りに描かせてもらいますからね。はああ、いい尻穴だ……」

 

 ピサロは熱情の赴くまま、『軍師殿』のデカケツとそれの魅力を引き立たせる糞穴を描きまくった。スケッチブックはおよそ20ページほど。2時間して彼は一息いれた。全身が汗びっしょりになっていた。過度に興奮したからだ。

 

「ふう。ここまででいいでしょう。たまらないお尻でした。『司祭騎士団長』さんがのめり込むのもよくわかる」

「いや、それは『司祭騎士団長』がヘンタイさんなだけだもん! だいたい、私が小さい頃から、うんちしているところみたがってたからね!」

「……あれ? 聞いた話と違いますよ?」

 

 ピサロは『軍師殿』に、こう指摘した。うんちをした後のおケツの世話を無理やりさせられるから、仕方なく見てしまったのだ。いやむしろ、

 

「自分の尻穴がうんちして膨らんでいるところ、見て♡」

 

と、せがまれてばかり。あまりにもしつこいので仕方なく見る様になってから、ちんちんが反応するようになってしまった。調教されたのだと。

 

「はぁ? それ、事実とちょっと違うんですけど!」

「ほう、では実際にはどのような?」

「うんちしているところは確かに見せてたよ! でも、はねっかえりがかかるぐらい近づくのは、あいつの趣味なんだからねっ!」

 

 時には変な注文もした。しゃがむ角度を変えろと言ったり、手鏡を用いてじっくりと眺めたり。はたまた、映像水晶でその姿をきっちりと記録したりなどと。

 

「でもそれで、ちんちんをしゅこしゅこすることはしなかったみたいだけどね。どうしてそんなにうんちをするところを見たいの、と聞くと、和むからでござる、と言ってたよ。まあ、わんこがうんちするところを可愛い、と思える人だからね」

「イーガのオットー殿もそのたぐいだと、マレーネ様からお聞きしましたな。良いことですよ」

 

 『軍師殿』はふくれっ面になった。要は愛玩動物扱いだ。しかしオットーだが、最近はペットや赤ちゃんといった接し方ではなくなった。立派な雌ちんぽと化したクリトリスのせいである。

 

 とにかくしつこい。急に抱きついてそいつをしゃぶれとか、まんこに挿れさせてくれ、などと。ちんちんのいらいらが収まりきらない若者のようだった。

 

 その上に致す時は、全身を舐め回してよだれだらけにさせてくる。「おいちい♡ おいちい♡」とぺろぺろぺろぺろぺろりんちょ。狂気がかっている。マレーネに聞くと、エルフの里の童女達のせいでおかしくなったようだ。

 

「では、ここで仕舞いといたしましょう」

 

 ピサロはスケッチを終わらせ、『軍師殿』に服を着せた。彼は抱く真似はしなかった。モデルの尻と肛門を描けば満足、なのである。特に今回のスケッチでは、射精5000回分の満足をひとときで得た。

 

 それでもまた、彼女の肛門を描きたいとモデルにささやいた。芸術家の欲深さは果てが無いものである。

 

「次は、何かものを突っ込んでいる時がいいかなあ?」

「そうそう、それです。なすやきゅうりがにょっきりと生えているところを描いてみましょう。面白い絵になるはずです」

「描きあがったら一度、『司祭騎士団長』に見せてもいい?」

「いえいえ、何なら、絵のモデルになっているところを見ていただきたい。ついでに、お二方が尻を向けているところもスケッチしてみたいのです……」

 

 ペアヌードならぬペアアヌスで。いくさよりも肛門に執着するピサロ=アマルフィは2人が揃って尻を並べるのを想像して心を高ぶらせた。そしてある構図が、ふっと思い浮かんだ。

 

(大王みたいな者とその忠実な家臣や妻たちが、揃いも揃って食卓の上で四つん這いになり、尻と肛門を見せつけるというのは、どうだろうか……。)

 

 もちろん、スケッチではなく、壁画や油絵でだ。パノラマ型の、まわりの背景も描き込んだ壮大な絵にする。尻と肛門の聖餐だ。

 

「ん? 何か考え事をしているようだけど、どうしたの?」

「ええ、まあ……私の妄想を聞くお暇があれば、お話いたしますが……」

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 彼の本領、ミ=ウーラにある邸宅にはその壁画は残っている。イズヴァルトが生きた時代からだいぶ経った今でもだ。

 

 その壁画だが、『肛餐』という題名がつけられた。

 

 テーブルの上で四つん這いになり、尻と肛門をこちらに向ける『司祭騎士団長』と『軍師殿』を中心に、彼の友人や耳長の女達。子どもたち。芸術家ピサロ=アマルフィの、若い頃の傑作とされている。

 

 ただし完成したのは、『軍師殿』の死後であった。

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