聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
それから半年の後である。
ウツノミーア王国北部西端にあり、ヌマタラシュクと隣接する山間のユニシディラ領の本拠城に、着飾った金色エルフの集団が入ってきた。
その一団の中心にいたのは、ヌマタラシュクの大族長・ギタナス。太り気味であごにびっしりとヒゲを生やすカエル顔の男だ。
エルフ族に約束されている美貌というものは、この男いや、一族の男児には無かった。随伴する彼の次男、エフェソスもまた、あごがごついブサイクだった。
「エフェソス。大叔母上の手前、粗相の無いようにな?」
「あっ、はい。善処します。父上」
「……期待はせんが」
エフェソスは愚鈍なほうだ。兄のミヒャエルより頭の回転が遅い。しかしギタナスは次男こそを後継者として目していた。
兄のミヒャエルはエルフの嫁が何人いても、まだ1人も純血の子を為せていない。ニンゲンやハーフエルフとの間には何十人も子を作っていたが。
対してエフェソスはまだ嫁を貰っていなかったが、純正エルフの男児を6人もこさえていた。
それだけでヌマタラシュクでは重く見られる、エフェソスこそ後継者だという声が強まっていた。ミヒャエルは部族の外に出て、諸国の王から受けた仕事をいろいろと担っていたが、有能だという評価は受けていない。
「ミヒャエル殿は平々凡々かそれ以下」
ゆえに何も為してはいないが、子だけはちゃんと作っているエフェソスの評価が高かった。だから次の部族長に、と推す声が多いのだ。ギタナスもニンゲンのまんこにうつつをぬかすミヒャエルよりも、次男を当主に、と考えていた。
「しかし、大叔母上のお屋敷はご立派なものですね……」
天井を見上げながらエフェソスはつぶやく。1階玄関の吹き抜けだが、高さは5メートルほどあり天井には壁画が描かれている。
乳房と尻がばかでかく、愛嬌たっぷりの顔立ちをした褐色肌の女ドワーフが、空で複数名の全裸の男たちにしがみつかれて笑っているという絵だ。
「あの絵はだな、大叔母様の御母上をもとにして描いたものだ」
ユニシディラの領主ことギタナスの大叔母は、彼の父の異母妹である。先々代の大族長はエルフのほかに異種族の女を側室にしていた。
「あの絵のお方、ララァ様はだな、ミナッカミニアの歴史書にも記される人物だった」
絵の女ドワーフは、『トサヴァールのララァ』と呼ばれた。他の女が抱けなくなる様な名器の持ち主だった。膣の奥のほうが一部狭まっていて、亀頭の雁の部分をぐにぐにとしごいてくる造りをしていたという。
「その名器ぶりに儂のお爺様はどっぷりとはまった。ララァを寝床に招き入れた後は、1日に22回もの膣内射精を1年も続けたそうだ。そうしてお前の大叔母上様が生まれた」
「なるほど、アシリア様がでございますか、父上」
「うむ」
そのドワーフの娘でギタナスの叔母、ユニシディラ領主のアシリアが奥の扉からやって来た。左右に介添えの女エルフを連れてだ。
彼女の背丈は低かった。135センチぐらいである。金髪で、肌はやや浅黒く可愛らしい。エルフの女児といった顔立ちである。
しかしまとっていた黄色いトーガの胸のあたりは大きく膨らんでいた。乳房が大きかった母親の遺伝だ。そして腹は異様に膨らんでいた。彼女は子を宿していたのだ。
「ユニシディラへようこそ、大族長様、御曹司様」
「お久しゅうございますなアシリア様。はて、20年前来たときと同じく、腹に子を宿されているようでございますが?」
アシリアはまんまるくなった下腹をさすって微笑んだ。
「ミブリヤの領主に頼まれたのよ。倅の妻に代わって子を生んでほしいと」
ミブリヤはオーシタニア国に近い土地の領主だ。そこの子息の妻は、結婚してから15年も経つのに、いまだに子を為せなかった。
「それに、私が御子息の子を産めば、あの家は奥方を離縁させる大義名分を得られるでしょう?」
「そうか。大叔母様の腹を借りるほど切羽詰まっていた、と嫁の実家に言えますからな、ミブリヤの領主は」
そうなれば、離縁のための慰謝料を払わないで済む、というわけである。その代わりにアシリアからは上納金を収めることとなるが、彼女は定額で請け負っていた。良心価格と呼べる値段でだ。
「しかしアシリア大叔母上もかれこれ、何人目の子になりましょうや?」
「うふふ。数えたけれど348人目になるわ。ギタナスとこうして会うまで4人の子を産んだのよ」
「ほほう……なかなかに頑強なお体ですな。まったくもって誇らしい。ヌマタラシュクの女の鑑ですよ」
そう言って大叔母を褒める父を見て、エフェソスは目を疑う。アシリアがまるで子どもエルフにしか見えないからだ。胸の発育がドワーフ族のそれだが。
「父上……アシリア様はどういうお方で……」
「見てわからぬか。エルフとドワーフとの間の混血族、ハーフリングだ」
「……そうだったのですか」
だから子どもみたいな身体でもたくさんの子を産めるわけである。アシリアはウツノミーア地方各地の諸豪族の『母』や『ご先祖』であった。
「ああそれと、ウツノミーア王国のな……」
初代国王の妻でもあった。今の王は直系の子孫である。
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ギタナスがここを訪れたのは、アシリアのご機嫌伺いの他にもう1つの理由があった。
ツックバーとの密約がばれ、西のキファニアを怒らせたのだ。あれからカタシナシュフとヌマタラシュクの交流が途絶えてしまっていた。
この計画を主導したのは実のところ長男のミヒャエルなのだが、部族長であり父親であるギタナスは、我が子の咎を代わりに背負って、信頼すべき大叔母・アシリアに助力を求めたのだ。
「で、あるから大叔母上様に仲介役となって、キファニアのやつめをなだめて欲しいのです」
居間のテーブルを囲んで、ギタナスはあい向かう大叔母にあたまを下げた。
テーブルにはヌマタラシュクで採れた砂金や宝石、毛皮の類が山の様に積まれている。大叔母への手付金代わりである。
「手紙にもそう書いてありましたけど、本当に情けないですね、あなたって子は……」
ギタナスはうなだれた。ヒゲを生やしたいかつい顔の男が子どもみたいな人物に叱られるのを見てエフェソスはおかしく思えたが、この大叔母にはそれ程の影響力があるのか、とも考えた。
しかしギタナスがアシリアを頼るのは理由があった。彼女はキファニアと強いつながりがあるのだ。
アシリアはエルフの里に興味を持つ、ウツノミーア国内の幼い少年たちをカタシナシュフに留学させる事業を行っていた。要は元気なおちんちんの出荷だ。
2年間の『エルフの里留学』で、少年たちは立派に育つということで大変好評だった。
寒く厳しくも雄大なミナッカミニア山地の大自然と清浄な空気は身と心をたくましくさせ、お尻丸出しの童女から死ぬ間際まで美しくどすけべなエルフ達とおちんちんを使った遊びで楽しむことで、そう簡単に中折れせぬ、ゴリゴリでむきむきのちんちんに育ちあがるからだ。
そして少年たちの中には、美しいエルフとの間に子を為した者もいた。何せ、最低でも日に6回は膣の中でぴゅっ、と放つほど盛んだからだ。
それとこの留学だが、基礎体力とちんぽの強化以外にも目的があった。エルフの魔法と武術、それから学識を習得する為である。
カタシナシュフの本拠地には、そうしたニンゲンの少年向けの学問所があった。人懐っこいエルフのちいちゃな女の子達の乳首をつまんだり、おまんこをぺろぺろとしてかまいながら学ぶのだ。
「しかし、大叔母様がキファニアに信頼されているのは紛れもない事実。ここは族長の矜持を投げうってでも、すがりつくしかございませんよ」
「まったく……キファニアさんを討とうだなんて大それたことを。あの方に勝てそうなのは、この大陸だと、マリベーラちゃまかナエバニアのカジミェシュさんぐらいですわね。おちんちんとおまんこを使っての決闘なら、誰でも勝てるでしょうけど……」
カントニア最強の魔道士でも『チン負け』はするだろう、と言っているだけだ。だいたいエルフ女はちんぽに弱い。
しかし、奥までえぐられて「いぐ♡いぐ♡いぐっ♡」と悶えても、殺気を感じると即臨戦モードに入るぐらいにはしっかりしている。
キファニアをちんぽで喘がせても、殺そうと思えばすぐに返り討ちに遭うからやめておけ、とアシリアは言いたいわけである。
「肝に、銘じておきます……エフェソス。ミヒャエルの様にろくでもない策を立てて、儂を困らせるようなことをするなよ?」
エフェソスは答えられなかった。そもそもキファニアを倒そうなどということを思ったことが無い。
ヌマタラシュクとカタシナシュフはいろいろといさかいを起こすが、丸く収めて仲良くしよう、という考えを持っていた。根っからの平和主義者なのだ。安逸を貪るほうが性に合っているから、そうしているだけとも言えたが。
「儂からもミヒャエルには、功に焦って悪だくみをせぬよう、伝えておくからな」
その時だった。ギタナスとエフェソスの脳裏に声が響いた。
「……へえ。いいこと聞いたねえ」
えらく獰猛そうな感じの、幼い娘の声である。なんて愛らしい声なんだろう、とエフェソスがぼやくが、ギタナスは違った。顔が真っ青になり、額に汗が浮かんでいた。
「お、大叔母様、もしかして……」
「あら? 話しかけられちゃったのね。紹介するまで待っててもらおうかと思っていたのに?」
「アシリアおねえちゃん、こいつら徹底的にシメっていい? 1000年ほど寝たきりにする程度だけど、別にいいよね?」
その声にアシリアは、「だめ」と短く答えた。すると彼等が囲んでいたテーブルの下から、ひょい、と顔を出した。愛らしいことこの上無い、金髪のエルフの童女、に見えた。
「い、い、いつからここにいた……!」
「にひひ~、お久しぶりぃ、と言うとでも思ったかギタナス?」
童女は目にも見えぬ速さでギタナスの後ろに回り込み、首筋に刃物を当てていた。魔封じの力を込めたミスリル製の暗殺剣だ。
「首かっ切られるかミヒャエルのアホが死ぬか、どっちか選びな。アタイは容赦しないからね?」
「ぐっ……マリベーラ!」
エルフの童女ではなかった。カントニア最強の暗殺者、ハーフリングのマリベーラだ。
キファニアの実姉でもある。顔は怖かったが確かに『かわいい』がてんこ盛りの女亜人だった。