聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
イブン=マグリビーは葬儀の時のサマリーノが、大股気味に歩いていたのを見て悟った。キッカワンテスの当主は『法悦』とやらを受けたらしい。屈強な『竿男』が介添え役として終始付き従っていたのもだ。
葬儀にはコーザ本人も参加していた。あの男はパラッツォ教の元締めのくせにマハラ教の儀礼に乗っ取った喪服を着ていた。サマリーノの後ろに控えていて、彼女の問いかけに1つ1つ答えていた。イブンら高僧らが合格点をつけてやりたくなるような返答だった。
それから、『巫女』や『尼僧』の一部が真昼間に御山を抜け出し、夕方になると蟹股で帰って来るのも聞いていた。キッカワンテスの館にいるコーザの元を訪れたそうだ。妊婦や閉経した者以外は全員が孕んでしまっただろう。まあ、これは歓迎するべきことかもしれない。コーザの娘はサキュバスの特性を色濃く受け継ぐ美人になるからだ。『巫女』としてよい仕事をしてくれるかもしれない。
(彼奴め。120年前と同じだな。女どもを残らず虜にしてしまう。)
ここ一週間の当主のことを伝えに御山にやって来たサマリーノの『竿男』に、酒と干し魚を馳走してやりながらイブンは思った。愉快でもあり不愉快な気分だ。あの男がいた頃の御山で、コーザの子を宿さない若い女は殆どいなかった。その代わりにコーザが来てから10年後、良い『巫女』の豊作の年になったと御山全体で言われたりもしたが。
そして、サマリーノだ。そろそろ出産予定日だが、目の前の竿男が言うには、赤ん坊が産まれてから3カ月はコーザにいて欲しいとせがんでいるという。コーザの治癒魔法であれば、出産の翌日から性交は可能になるだろう。彼奴なりの産褥からの養生法も知っているかもしれない。
何より、コーザの『聖液』とやらには、身体の治癒能力を活性化させる力が備わっているはずだ。女の体であればその効き目は男の倍だ。マグリビーはそいつも知っていた。120年ほど前、彼の『聖液』を毎日子宮に吸い込んだガリガリの尼僧が、半年後にはパイケツ3倍盛りの豊満ボディになっていたのだ。但し、腹に子を宿していたが。
「この1カ月でサマリーノ様は、ずいぶんお変わりになられましたよ」
「ほう。どのようなところがかね?」
「御母堂様のことや旦那様のことで険しくおられになっておりましたが、今は子供の頃の様にゆったりとした、お優しい顔立ちになられておりますね。コーザ様のお陰ですよ」
その代わりに自分ら竿男達は、寝所に呼ばれなくなったと笑う。50近くの老いたチンゼー人の性奴隷は、元々はキャルベロナが見つけた男だった。巨根なのは言わずもがな、女陰の扱いが一番巧みだったので娘に与えたのだ。
「ははは。それは難儀なことで」
「まあ、私はそろそろ引退する歳ですが若い者がどう思っているか。毎朝毎晩、お屋形様をお慰めする為にきんたまをちょん切って奉公に来たのですから。本当なら国元のかかあと、5人10人は子を為したいぐらいだったでしょうに」
イチモツが大きい者は睾丸も大きいものが多い。チンゼー人の陰部はドワーフやオーガのように大きい者ばかりだった。多産を良いことと教えるメシェイド教の信徒は、精巣を切除するのにサイゴーク人の倍の覚悟を要した。
並々ならぬ強い意志でもって身体を傷つけ、キッカワンテス大公の『慰みもの』となったのに。コーザが独占してしまっている今、彼等は燻るばかりであった。これではただの召使いではないか?
「せめて、コーザ様には我らの菊門をほじって頂きたいものですが……」
「はははっ。エチウの者は男色を為さんそうじゃよ。男同士で街中で手をつなぐことが多いチンゼー人とは違ってのう」
男色文化だが、亜人や貴族、武者の間ではよくあることだが、庶民の中では地域が限られている。チンゼーとサイゴークの南部、シマナミスタンあたりでしか見られない。その逆の女同士というのは各所で見られるし、寒い地域だと男色よりも総量が多い。要は寒いところは肌で温め合いたくなるのだ。パラッツォ教徒は、女性同士の『貝のこすりつけ合い』も多かった。
「尻を捧げたくなるほどコーザ様は魅力的なお方です。しかし、お屋形様のわがままでいつまでもキッカワンテスにとどめ置かれて良いものなのでしょうか? そもそもマハラ教とパラッツォ教は敵同士。なぜ御山は許すのでしょう?」
「許してはいないし認めてはいない。神殿はな。コーザはキッカワンテス公様に求められて滞在しているのだ。そうなっているから口出しはできんよ」
だいたい、マハラ総本山はキッカワンテス家より多くの喜捨をうけている。それと、コーザの滞在はスオニア王家も認めているそうだ。ハーギにいる宗教学者やマハラの高僧が近々、コーザと信仰について語り合う為にやってくる、とも聞いた。
スオニアとパラッツォ教は交戦状態にあるが、コーザを捕らえて殺す、ではなく国賓として歓迎しようというのは、配慮がなされたからである。仮にコーザを殺すとなれば、パラッツォ教はなりふり構わぬ行動に出るはずだ。1億以上もの人口を誇るあの集団なら、死ぬ気で戦えば周辺諸国に大損害を与えるだろう。立ち直れないほどのだ。
それと、経典の巫女はサキュバスみたいに転移魔法が使える者がいると聞いていた。マグリビーはヘラという娘からおぞましい戦法もありうると聞かされた。暗殺や自爆テロなどである。戦場では魔法結界を敷くのに手間取る。特に、行軍中は無防備だったりする。であるから、、武将や総大将が狙うことだってできるのだ。
「それと、パラッツォに力を貸してくれているメシェイド教の国々が、段々とやる気を失くしてきておる……」
チンゼーのメシェイド教国家の中でも、特に資金や人員を投入していたのは南の3か国、シマーヅとスミジアとヒューガスタンだ。彼等はイズヴァルトをパラッツォ教から取り戻す、という目標をもって団結していた。遠征の発起人がシマーヅの王子が立った。
だが、司祭騎士団長が本当の信仰の為に教団を『去った』今、彼等は目的を達したと考え、手を引く準備に取り掛かっている。シマーヅの王子は数名の妾と子供らと共にエチウ諸島に入り、パラッツォの客分になったそうだ。司祭副騎士団長に会い、説得する為にだという話らしいが。
「つまり、サイゴーク連合軍の勢いがだいぶ減じているというわけですか?」
「多分、元からそうだったのだろう。先鋒となるイーズモーとヒッジランドの軍勢の動きが鈍い。緒戦でパラッツォに負けておるそうじゃ。たぶん、国力がまだ回復しておらんのじゃろう。マハラ教は逸り過ぎたようじゃ」
パラッツォ教団を滅ぼせ。マハラに改宗せぬ教徒は残らず駆逐しろ。勇ましいことを声高に、やかましく言ってはいるものの、連合軍の展開は思ったよりも鈍かった。イナーヴァニアの奪還は夢のまた夢、というところである。
「よって、このままじゃ」
「で、では。お屋形様の気が済むまで、ということになるのでしょうか? このまま、お子を出産なされる頃まで……」
「いや、キッカワンテス公はコーザの子を産もうと考えるじゃろう。おおよそ1年はこのままかもしれん」
いや、閉経となるまでキッカワンテス公は、コーザの子を産み続けるかもしれない。コーザの『聖根』の魅力と魔力に勝てる女はいない。その力を減じる結界や封印術式も無い。彼奴の下半身は規格外だ。
あの男と常日頃から交わり、体を溶かされた女は心も奪われる。虜となる。そうして、コーザを『神』と崇めるようになるのだ。巨大な陽根を持つ、崇めればすぐに、めくるめく悦楽を約束してくれる『生き神』としてである。
そうなったらパラッツォ教に宗旨替えするかもしれない。その場合もマハラの高僧らは考えていた。そうなるとスオニア王家が黙っていないだろう。キッカワンテス公に代わりの者が就くか、取り潰しにしようと画策するはずだ。マハラの門前町にまずいことが起こりかねない。
若干おかしい話となるのだが、キッカワンテス家はマハラ教に喜捨をしていたが、総本山と門前町から税もとっていた。その代わり、スオニア王家からの徴収を免がれるように取り計らってくれていた。
キッカワンテスに収める税は、教団にとって微々たるものである。しかしハーギの王家にはどれくらいの実収入があるかを把握されていた。国王らは税をかけたくて仕方が無いのだ。サマリーノが改宗などしたら好機と見るだろう。
「コーザの長居はいろいろとまずいことになる。まあ、彼奴が大公様の子作りのために年に1ヶ月来る程度なら、構わんが」
「サマリーノ様がどれほど溺れやすいかはご存知でしょうに。お館の中には、セーニャ様に戻って来てほしいと願う者がおりますよ?」
「それは無理じゃ。せいぜいイズヴァルト殿を頼むしかなかろう……あの人の『崇拝』と身重のゴールの娘ともども、キッカワンテスに移り住んでくれるのなら力を尽くしてやりたい」
でも、そちらも期待はできない。イズヴァルトは母親のことでキッカワンテスを恨んでいたからだ。だから取る方法は1つだった。
「ただまあ、コーザを追い払う準備は、なされているようじゃがな」
「あったのですか?」
イブンは慎重であれ、と自分に言い聞かせた。その計画は教団の奥深くにいる連中が手掛けていることだ。この竿男に話すことはできないし、コーザとよく会う自分も知らされていない。機密事項だ。
「マハラの御山ではどこの誰が、とは聞いておらん」
「はあ」
「しかしコーザがここに来ている、ということは諸外国に知られているだろう。スオニア以外の国が計画しているかもしれんし」
「あ、あの……さっきから濁しているような言い方をなされておりますが……」
「詳しくは知らん、ということじゃ。でもなあ、連中が御山をうろついていたらわかるかもしれん。特に……」
コーザやイズヴァルトの様に、ナニが大層でかいのを探しておるみたいじゃ、とイブンはつぶやいた。この男は30センチほどのモノをぶら下げていた。キッカワンテス公の『竿男』なら、そのぐらいの長さの男ばかりである。
□ □ □ □ □
マハラ教総本山は1つの大きな山に拠っていた。おおよそ500メートル程の高さのその山に、神殿や高僧らの宿舎がいくつも散らばっていた。マハーヴァラとその妻、ヴァリシアナを奉る神殿があるのは山の7合目だ。山のてっぺんには開山した人物が置いた、石碑だけが置かれていた。
サマリーノの『竿男』ら数名は、同じ数だけの尼僧や巫女とともに頂上を目指していた。女らが彼らに抱きついていたのは恋人気分でだ。ガニ股がちだったのは2日間もかわいがってもらったからだ。
なにせキッカワンテス公の自慢の間男だから、性愛のほうはものすごく長けていたのだ。欲を出して商売にすれば、その技量で家を建てられるぐらいにある。
「本当に今日、頂上で待ってくれているのか?」
年かさの竿男が抱きつく巫女に尋ねた。孫娘ぐらいの若い巫女である。まだ12歳。彼はこの2日間、抜群に良いちんぽの素晴らしさを彼女に教えてやった。
「そうです。あのかたは毎朝この時間に、この御山のてっぺんからやって来るんですよ」
「てっぺんに、ではなくてっぺんから、か。御山にお住まいというわけではないんだな」
「コーザが来てからは、全くお泊りになられなくなりました。それまでは結界構築のために、月に1週間は寝泊まりしてましたね」
マハラ教がパラッツォとの対決を覚悟した頃からだった。宣戦布告の半年ほど前……だいたい、司祭騎士団長がエチウに入った頃あたりだ。最初から数ヶ月は、エルフやドワーフの凄腕結界師らが、御山と門前町に出入りしていた。
「コーザはあのお方にぞっこんだと聞いておりました。まあでも、この御山にある結界で、毎日来ても気づかれていないみたいです」
「そうなのだね?」
巫女はうなずいた。彼女は発情が止まらなかった。昨晩、6時間ぶっ通しで陰茎を挿れていた己の膣がうずいて濡れてて落ち着かなかった。さりげなくを装って竿男の股間に手をあてる。形がよくわかるそれをさすりながら言った。
「あの……良ければ、あのかたがわかるように……私とハメながらはどうですか?」
巫女は自分の服の裾をめくってしまっていた。無毛のそこが赤くなって、真っ白いはずのそこはほんのりと腫れている様に見えた。竿男は苦笑した。自分もさすられて膨張してしまったので、どうにかしたかった。
「いいよ。またがって。じゃあ、挿れるね?」
「すっかりおおきくなってる……あっ♡」
女膣を貫かれた巫女は、むき出しにした尻を激しく振った。腰を大きく動かすたびに、尻穴がひくひくと動いた。6往復したあたりでちびってしまった。
「いやああ〜♡ はあああーっ♡」
頂上まであと100メートルといったところなのに、時間を浪費する行為をである。他の竿男と女たちとの間でも行為が始まった。御山での青姦は特に禁じられていない。信徒と巫女は神殿の外でも、こうしたことをよく行っていた。マハーヴァラは生殖神でもあったから、こうした行いを咎める事は無いのだ。
「おっきい♡ いぐぅ♡ いぐううう♡」
巫女はアクメに達した。でかいちんぽが内臓を貫いていたものだから、軟らかい糞便が尻穴からひっきりなしにぶちゅぶちゅと出てしまった。少女のおしりはすっかり臭くなってしまった。
「も、もういっかい♡」
「私も気持ちよくなっているから構わないけど、このままだと登れないよ。そうなると会えないんじゃないかね?」
「わたし満足してないもん♡ もういっかい♡ え、しないの? してくれないの? やだ! やだああっ!」
やかましい声で巫女は泣いた。彼女を抱き上げて巨茎をねじこんだままだった竿男は悩んだ。このまま次のアクメが来るまでハメてあげたほうが良いのだろうか。
とはいえだ。マハラの総本山の巫女というのは、揃いも揃って淫乱だというのを思い出して自分を戒めた。この娘もそうである。総本山に来た4歳の頃から、ちんぽ狂いになるようにしつけられたそうだ。
守役の小僧らに毎朝毎晩、気持ちよくなる麻薬をつけたハリガタで前の穴と後ろの穴をほじくられ続け、ちんぽをにぎったりしゃぶる技術を身に着けさせられた。
大人と性交ができるようになった頃は、催淫剤や感度がよくなる薬を混ぜた食べ物を、毎日食わされているらしい。そうして仕込まれた身体は、セックス無しでは生きられなくなる。
性愛と生殖を尊ぶアプサラーの百姉妹の御使い、という位置にあり、毎日4人以上の男と寝させられる彼女らを育てるには、当然の修行であるし調教でもある。しかし大抵は大人になっても知性に乏しい、度が過ぎるセックス中毒になる娘が多かった。
「して♡ して♡ こしふって♡ ふってふって♡ してくれなきゃやだっ! やだもん! やだやだやだ!」
まるで幼児にしか思えぬ態度だ。竿男は段々と欲情が失せてしまう。御山の12歳ぐらいの巫女なんぞ大抵は性行為だけ長けたガキそのものだが、この娘は他の子よりも幼いように思えた。
(どうしよう……)
そう思った矢先である。坂の上のほうから「やかましいわ!」と一喝する声が。威勢と威厳はまあまあ感じられるが、抱きつきながら喚くこの巫女よりだいぶ幼く聞こえた。
「朝っぱらからあおかんのおねだりなんかをして、うるさいことこのうえないでち! マハラのみこちんというのは、はしたなくってやりたがりな、発情期のめすのわんこみたいなものばっかりでちか!」
(……妙にクセがある喋り方をしているな。)
竿男は坂の上に目を向けた。目にしたのは膝丈までのワンピースを身に着けた、小さな女の子だった。3歳ぐらいの背丈に見える。
けえども、ニンゲンではないようだ。それは確かに人型の女の子の形をしていたが、髪をはやした頭や顔、それから肩や腕や脚に至るまで、透き通るような水色をしてその向こうを伺えた。
(亜人でもない……たぶん……)
魔族の娘だ。