聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
ヨーシヒデクスはケノービにとって頼れる盟友であるが、相談もせずに勝手なことを進める気配があってなかなかに油断できなかった。その心配が、ロゼ姫の婚姻について現実のものとなった。
交合は止めてくれたが、ヒラジマッシモ公はレーアをなかなか離さなかった。ベッドに腰掛けて勃起させているペニスを彼女にしゃぶらせ、自身もまた、彼女の感じやすいアヌスに指を入れて楽しんでいる。
「事前の相談もせずにナガオカッツェ公とロゼ様のご婚約の話を進めるとは、いかなる目論見があってのことでございましょうや?」
「俺は王族なんだがな。この件で陪臣のお前に相談が必要か?」
「便利なお言葉でございますな。身分とやらは」
「ははは、僭越過ぎるぞソーロー公……と、冗談はここまでにしておいてだ」
ロゼがヨーシアキレウスの妻として、ナガオカッツェに引っ込んでいるのはやりやすくないか、とヨーシヒデクスはささやく。
「何せナントブルグの王宮に比べれば、警護は手薄だし護衛の質もよくは無い。あそこの武者はうすのろばかりだ。姫様を生かすも殺すも、いつでも可能というわけだ」
「……確かに!」
「だが殺すのは忍びないな。封じ込めるだけでいい。ロゼをナントブルグにあんまり近づけさせないだけで事は成就できるはずだ」
それから、婿となる人物の地位である。王家の親族衆第一番の男児とは言え、公弟となるヨーシアキレウスには、王都に赴く用事はあまり無いだろう。王から招集がかかった時に赴くのは、兄であるヨーシテルシウスの務めである。弟は大抵が留守居役だ。
「なるほど……殺さぬ方法もございましたな?」
「おいおい。仮にもロゼは王家の姫だぞ? それに、イズヴァルトが父親なのだからな……本当の父親はイーガのアドルフだと知っているが」
しかしそれだとイズヴァルトの父のシギサンシュタウフェン公が引き取りに動くかもしれないが、それは出来ないだろう。いくら勇猛でも王家の旗には勝てない。威光に屈するのみだ。
舌を止めたレーアが面をあげる。
「ふうん……ロゼってなに、お義父さま?」
義娘の口のまわりに精液がこびりついているのを見て、ケノービは少しばかり嫌悪感を催したが、マイヤの血が流れていることを思い出して、顔に出すのをこらえた。飲精はあの一族の成長の糧だからだ。
「貴方とは別の、カツランダルクのご本家の姫様ですよ」
「アスカウのか。あっちはたくさん親戚がいてにぎやかなのね。私なんか親兄弟に死なれたのに……」
レーアの身体が動いた。それから、ペニスの先に口づけて舐め込む。寂しさを忘れる為にしゃぶっているのだ。寂しそうな顔を見せたケノービは、義理の娘の小さな肩を抱いた。
「大丈夫ですよ。だからこそカツランダルク統の我々が、『ご本家さま』をお守りいたしますから」
亀頭を咥え込みながらレーアは微笑んだ。それから飲精の為に幹を手でしごき、首をうねらせた。
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ナガオカッツェ公の自領の屋敷。
大公は寝床の上で、嫡子ヨーシテルシウスに文を音読させていた。庶長子からの送られたロゼ姫に関する手紙である。
「……この婚儀はきっとナガオカッツェの為になることでしょう。ロゼ姫を我らが一族に迎え入れれば、北のアスカウ、南のヨーシデンの助力を得られます。そうなれば『えくすぷれす』の北側の延長計画もはかどるというもの。何卒、陛下のこの願いをお受けくださいますよう申し上げまする」
「……そうか」
ヨーシハルトスはすっかり老い、やせ細っていた。大勢の妾を囲い20人以上もの子を産ませた頑強さと色男ぶりは、今の彼からは伺えなかった。まるでミイラのように枯れている。肌色も良くない。
今の彼は、全身に病魔が巣くっていた。懇意にしているゴブリンのムカリらに、ニンゲンの身体ではどうにもならない腫瘍があちこちに出来上がっていると聞いた。2、3年ぐらい前に亡くなってもおかしくない病にかかったが、それを今も生き永らえさせているのはゴブリンたちが作ってくれた薬と、ゾウズジャヤのエルフが調合した滋養薬のお陰だ。痛み止めの為によく効く麻薬もたんまりと貰っていた。
「認めざるを得ぬだろうな……儂もそろそろだ……」
「何をおっしゃいますか、御父上!」
「よい。ヨーシテルシウス。もう58だ。お迎えが来ても致し方の無い歳だ。ところで……」
この部屋にいるが、さっきから無言を通したままのヨーシアキレウスの名を呼んだ。部屋の片隅の椅子に座り、じっと伺っていた若者が近づいて来た。
やせ型で目つきは暗かった。体格立派な兄の様に、金色の刺繍をつけた服を着ていなかった。黒の無地だった。
「この婚儀、お前は受け入れてくれるか?」
「と、いいますと?」
ヨーシアキレウスは上着の右ポケットから、包み紙でくるまれていた何かをつまみ出した。広げると丸い玉が入っていた。それを口に投げ込んでもごもごと動かす。唾液で溶かすと舌に甘味が広がった。飴玉である。
「また飴か。いつも手放せぬのだな? 虫歯になるぞ?」
「単刀直入に申しますと、食事の後は必ず歯を磨いておりますので。あと、頭の動きを活発にします。煙草を試しましたが煙たくて喉と胸が痛くなる。咳もするし痰も出る。いつぞやのマリベーラとかいうハーフリング女が、あれを好んで吸っていたのがわかりませんな。その分、飴玉を舐めると喉の調子が良くなりますし、心が落ち着く。虫歯以外であればいい事づくめです」
「話が長いな。それと、お前の単刀直入は、どこがずばりと言い切っているのかがさっぱりわからん。まったく、意味が無い」
「声を出す為の準備というものですよ、父上」
それで、国王から申し出があった、ロゼ姫との婚儀の件についてはどう考える?
「……相手が、マイヤ様でないことが悔やまれます」
「そういえばお前は、年上好きだったな? 手を付けた侍女らは三十路ばかりだったが、年下は嫌いか?」
「いや、そうではありません。マイヤ様と結婚したかった、ということでございますよ」
手足が短くなってしまい可哀そうに思えたが、あんなに愛くるしい年上の姫君はなかなかに見られなかった。それと転生人であり頭が良いので話も弾んだ。陰茎からたくさん搾り取った口と膣と尻穴は、言うまでもない。おっぱいとお尻は、一日中頬ずりしたくなるほどに甘いにおいがした。理想の女性に思えた。
「病気でもう子を産めぬ、と聞いたがな?」
「単刀直入に申せば、跡継ぎなど妾に産ませればよいのです。しかしロゼ姫様のことは、すぐには承知と申せません」
「……何故だ? 歳は12だが2年もすれば月のものが始まり、子供も孕めよう。それと母親似の美少女とも聞いたが?」
男のちんぽから出るものをたくさん摂取しないと病気になったり、うんこを日に3回以上する身体なのは玉に瑕だが、妻として迎え入れるには問題ない娘だとヨーシハルトスは手紙で知った。なのに、この『次男』は何を気にしているのだろう?
「我らが国の守護神、イズヴァルト殿が戻って来られてからではだめでしょうか? 一方の親の断りなく婚儀を進めるのは、いささか王家の権力を振りかざし過ぎなのではないのかと……」
(こいつはそういうやつだった。イズヴァルトへの尊敬をまだやめておらん。)
父親の意を汲んで何か言おうとしたヨーシテルシウスの手を、大公は枯れた腕を伸ばして握りしめた。何も言うな、という合図だ。
「イズヴァルトの話であれこれと、お前とよく口喧嘩をしたものだったな?」
「仰せの通りで。イズヴァルト殿を軽んじてはなりませんよ、王家の者は。あのお方を重んじることで、民から支持を得られるのです」
マイヤと違ってイズヴァルトは今も、ホーデンエーネンの人々の間では人気者だ。騎士界のトップスター扱いである。国を捨て、パラッツォ教の司祭騎士団長となってからの消息はなかなかつかめないが、下々の者らはいずれ、国に戻って来ると信じていた。
「王が皆に愛される豪傑を重んじれば、皆に喜ばれて支持を集めるでしょうに、か」
「そうです。陛下と兄上の話は、イズヴァルト殿が戻り、この件を承諾してくれるまでお待ちください。シギサンシュタウフェン公にお伺いするのも忘れずにです」
「……用心深いな。お前は」
「そうでもございませんよ。腰が重いだけです」
ヨーシアキレウスは飴玉を転がしながら笑った。イズヴァルトが受け入れてくれるのなら、自分は姫と夫婦になろう。
しかし事はそうは進まなかった。ヨーシアキレウスが知らぬところで、ロゼは、過酷な運命と惨い宿命に飲み込まれようとしていた。