聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
オルガスムナ領とフジイデール領の間にある山あいの関所は、かつてはタマテガルデン要害と呼ばれていた。
せいぜいが1000人程度の武者が籠もれる程度の小城。しかしキンキ大陸の戦国時代には30年に渡って西へと拡張しようとするホーデンエーネン王国を防ぎ続けたという。
ナントブルグ側の道からだと、関所に近づけば途端に勾配が急になる。馬が息を切らしてヘタれるのを見て、イズヴァルトは嘆いた。
この関所を抜け、フジイデール領に入ったらアジール川の船で一気に港町まで下るつもりであった。しかしこの関所がなかなかの難所だったとは。
「百聞は一見にしかず、でござる」
「でもここ、話によれば荷馬車を引っ張り上げてくれるおじさんたちがいるらしいよ」
馬から降りたマイヤは小型の弩を背負い、前のめりになって上り始めた。先手を受け持つ兵士やカルカドらがそうしたからだ。
イズヴァルトも馬をつなぎ、坂を登り始める。しばらくして関所となる建物が見えた。初めて見るそれを見て驚きの声をあげてしまった。
関所は2つの山の間に設けられていた。石材を積み、それをセメントで固めたもの。その中も坂があるようで、弩台がある二重の壁となっていた。
その左右の山のてっぺんには、いにしえの時代の狼煙台や物見台の跡がある。山間の小城ではなく、大規模な山の城と言っても差し支え無かった。
石畳とセメントは、砦とその周囲を覆っていた。あちらこちらにまあるい屋根付きの射撃台も見られる。
しかも要害の壁面にはどこにも、崩れた所はどこ1つ無かった。殆ど垂直にできているその外見を見て、とても美しいとイズヴァルトは漏らしてしまった。
対してマイヤは気難しそうに「うーむ」と唸る。どこかで見た建物だとかなんとかつぶやきはじめる。
「この世界で見てきたお城とぜんぜんちがう。セメントだけだったら、前世の世界の『にほんぐん』や『なちすどいつ』が建てるような様な砦みたいだわ」
「もしや、マイヤの様な転生人の設計でござろうか? しかし、とても美しいでござる……」
「あれを見てうっとりとできる性格がうらやましいなあ。私はあの左右に突き出している砲台に気をつけろってカルカドさんに意見しておくから」
そのカルカドはマイヤの注意に「わかっている」とそっけなく返した。あの防備は何度も見学しているから恐ろしさはよく分かる。
「あれはカントニア流の築城術だ」
「カントニア? そんなことってあるんですか?」
「貴様は知らぬか? カントニアのカイロネイア=エルフの築城技師、ミレーユ=キョーライの名を。多分彼女の弟子が設計したのだろう」
「存じません……というかどこかの築城本でその名前があったかな?」
「若い頃、カントニアに留学して彼女に学んだのだよ。あいつと一緒にな。貴様達夫婦が良く存じている、聖騎士団のライナー=イナトミッテンフェルトとだ」
夫婦と言われてマイヤは頬を赤らめ、「そんなあ」と照れてみせた。ミレイユは築城術を学ぶ代わりに、たんまりとちんぽをいじめられたぞとカルカドは笑った。
「おかげでライナーのやつは亜人にのめりこんでしまった。ミレイユはとんでもない美人だから、会う時は夫を盗られぬよう注意しろよ?」
「ふん。言われなくてもわかってますよ?」
マイヤが憤ると同時に前方の砲台から矢が放たれた。一度に10も20も飛んで来たから連射弩だとわかった。
しかし事前に盾を置いて防備を固めていたから、矢が被害を与える事は無かった。見てていろ、とカルカドはマイヤに言い、側近数名と矢を防ぐ大盾を持つ歩兵らを率い、左側の砲台に向かった。
砲台からは尚も矢が飛んでくる。その都度盾につきささる。近づくと歩兵の中に負傷者が出た。それでも構わずカルカドは突き進み、砲台からおよそ100メートルまでの所に進むと、側近等に号令をかけた。
「山賊共の度肝を抜かせてやれ! 印を切れ!」
側近らは剣を持たぬ左手を動かす。彼等の頭上10メートルほど上に、1メートルぐらいの火炎の球が現れた。カルカドの上にもだ。
「放て!」
火焔の球は砲台へと飛び込む。たちまち中で悲鳴があがり、身体に炎をまとった山賊が2人現れて助けを求めてきた。無慈悲にもカルカドは彼等を斬り殺す。
「次だ! 右翼の弩隊、砲台に向けて矢を放て!」
号令とともに弦の音が鳴り響く。矢は何本かが砲台の窓に溶け込んだが叫び声は聞こえなかった。カルカドは突撃隊を右側の砲台に向かわせた。
突入した者の内1人が、「逃げられた!」とカルカドに返した。カルカドは驚きの顔を向けるマイヤを呼び寄せ、炎が鎮まった砲台の中をのぞかせた。
煙をたてる焼け焦げた死体に目をそむけるマイヤに、ちゃんと見ろとカルカドは指で指し示した。
「見ろ。鉄の扉があるだろう。あそこが関所の建物と地下でつながっている」
「取っ手が無いみたいですけど……」
「裏から開け締めするのだ。あの扉は分厚い。我らの魔法ではどうにもならん。そこで貴様の夫に頼みたい」
強大な重圧の魔法を蓄える『覇王の剣』でこじ開けてほしい。イズヴァルトは早速呼ばれた。しかしその力をもってしてもびくともしなかった。
剣で切りつけても扉も壁もかすり傷のみ。『姫竜の牙』の風の刃でも同じだった。
「なにゆえでござろう?」
「築いたドワーフ達や魔道士の護符のせいだろうな」
盆地西側の山地には、こうした魔法防備に優れた城跡がごまんもある、とカルカドは言った。山賊団の中にはそれを知っており、根城にする者もいるのだと。
「それほどこの大陸の戦国時代は激しかったってことだ。おしゃぶり姫の夫よ、この事を貴様は覚えておくと良い」
おしゃぶり姫の夫、と愛する少年が呼ばれたのに対し、またもマイヤは両手で顔を隠して照れてみせた。
おのろけもこうなるとしつこい限りであるが、半ば事実であるから仕方が無かった。おまんこから残った精液と一緒に女汁がしたたっているぞ、とカルカドは嫌味を言う。
「……ふん。わかりやすい女が嫁にして良かったな」
「お戯れを。まだ拙者とマイヤは婚儀を執り行っていないでござるよ」
「でも婚前交渉はさんざんやっているでしょ、イズヴァルト?」
「だ、そうだ。赤ん坊ができる前に式をあげておけ。貴様らのことだからこの旅でこさえるだろう。サイゴークにもマハラ教の神殿はあるから心配するな」
カルカドはイズヴァルトとマイヤを連れて本陣に戻った。搦手からの奇襲を警戒して、砲台の中に数名の武者を残す。
奥の砲台からは攻撃は無かった。魔法が使える手強い敵と見て山賊達は籠もるらしい。関所となる古い砦は、鉄門を閉ざしたまま静かに、不気味な姿をたたえたままだ。
「なかなかに抜き難そうな城でござる。どうなさるおつもりでござるか?」
「フジイデール側にもこうした防備がある。しかしあちら側はこちらよりも手薄だ。坂はなだらかであるし道幅が広い。砲台の数も少ない」
しかしながらフジイデール領には、カルカドのような魔法戦士の鍛錬を受けた武者が1人もいなかった。
その上フジイデールの武将は誰もが皆、近衛騎士団の連中とどっこいどっこいの戦下手だとカルカドは蔑んだ。
攻城兵器を用いるだろうがうまく用いられないだろう。何度かの住民反乱でかの武将らが、せっかくの兵器をむざむざと奪われた事がよくあったと語って笑った。
「この戦いは消耗戦となるだろうな。それでようやく突入となっても、山賊等に逃げられてあと、というのが関の山だろう」
「で、良いではござらぬか?」
「犠牲を多く出した上でだぞ? これまでに負傷者や死亡者も出ている。そんな勝ち方を俺は好かん」
多くの犠牲を払ってでも山賊たちを残らずひっ捕らえ、首を刎ねてやるとカルカドは意気込んだ。奇襲を仕掛けたいとイズヴァルトに言う。
「左手側のハクターホルン山だ。坂を下ればそこにまわる間道がある。古文書を調べたらあそこに抜け穴があるそうだ」
「抜け穴を通るのでござるか?」
「いいや、あの山をよく見てみろ。右のアンプクフェルト山に比べて低くなだらかだ。崖もそれほど険しくない」
一旦山頂まで登って城に向かって駆け下り、中をかき乱せとイズヴァルトに命じた。無茶振りだとマイヤが憤ったが、カルカドは意に介さぬと鼻息を鳴らしてみせた。
「おしゃぶり姫。山頂に登ってのおしゃぶりはとても美味しいものになるだろう。試してはみないか?」
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「う、うひいい……」
ハクターホルンの山頂で、凍えるぐらいに冷たい風とちらつく小雪を浴びながら、イズヴァルトはコートの中にもぐったマイヤに吸いたてられていた。
高い場所から美麗な山々を眺めながらのフェラチオを受けるのは、たしかに気分がいいものである。自分が山の王か何かになった気分が味わえる。
しかしマイヤはコートの中で、しゃぶっている最中に「ふぇーっくしょん!」とくしゃみをしてばかりであった。
けれどもペニスへのぬめりきった愛撫は続く。陰嚢も肉軸もいつまでもこうしたもてなしを続けてほしいと蒸れ続けていた。
「おふ! も、もう出るでござる!」
彼女の口の中でイズヴァルトは、びゅるるるる、と精を放った。濃厚かつ新鮮な1本に喜びの声があがる。
飲み終えた彼女が口の周りを精液まみれにした顔を出したが、顔が寒いと嘆いてまたもイズヴァルトのコートの中に潜ってしまった。
「さむい。さむいよー!」
「我慢するでござる。もう始まるでござるよ。すぐにでも降りなければならぬでござる」
「やだよー! お腹がまた冷たくなったからもう1回飲ませて!」
「うむむむむ……」
寒いのは確かだがペニスは熱を持っていた。勃起はなかなかに収まらない。亀頭がマイヤの口に包まれ、陰嚢が手で揉まれると作戦のことが考えられなく成った。
眼下ではカルカドによる囮の総攻撃が始まっていた。山賊たちは投石や弩などでなかなかに寄せ付けない。
対するフジイデール側は未だに軍勢の着陣が無かった。この時彼等は1キロ先の宿場町で、守兵らを骨抜きにしたサキュバス達と乱交に明け暮れていたのだ。
イズヴァルトの前方で、命綱の準備を終えたカルカド配下の精鋭達が手を降って合図していた。若い側近はまだ嫁が子供を産んでおらぬからと、カルカドの元にいた。
「イズヴァルトさん。ここらでおしゃぶりをやめてくれませんか。もう2回目も終えましたよね?」
「す、すまぬでござる! おううう……」
またも亀頭が愛らしく温かい口と舌で愛でられる感覚が。美しい景色を見ながらの愛撫に、射出を繰り返そうと金玉袋は盛んにうごめいてしまっていた。
「おうう。うふうっ!」
またもやびゅっくびゅっくと。もう3回目のごちそうでござる。腰に気持ちいい疲れを覚えながらイズヴァルトが呼びかけると、ようやくマイヤは顔を出した。
「寒いけどおぶってね?」
「もちろんでござる。あの命綱はそうそう切れる事は無いでござるが……」
イズヴァルトは凍えるマイヤを背負い、大きな乳房がたわむのを感じながら紐でくくりつけると、彼女に鞘から抜いた『姫竜の牙』を持たせた。
「マイヤ。今日限りで良いから力を尽くすでござる
「これを持たせて何をさせるつもりなの?」
「浮遊魔法の真似事をしてもらうのでござるよ。拙者がこの体でもって盾となるから、そなたは存分に力を引き出すでござる」
え、どういうこと。マイヤが首を傾げるとイズヴァルトは左脇に抱えた『覇王の剣』を抜き、これから崖を降りようとする者達に向けて呼びかけた。
「貴殿らは後から城に潜り込むでござる! では先に失礼いたす!」
イズヴァルトはマイヤを背負ったまま、その場から助走をつけて走り出した。目をつぶり崖から飛び降りると、マイヤは小便をちびらせながらの悲鳴をあげた。
「イズヴァルト! こ、こんなことするなら始めっからちゃんと説明してよ!」
「貴殿をよく存じている拙者ならば、そんな説明など無用でござる! 早めに印を切り引き出すでござるよ、マイヤ!」
さて、このやけっぱちな気もするイズヴァルト行いは、マイヤとともに飛び降り心中で終わるか、それとも?
その続きについてはまた、次回にて。