※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

555 / 767
182 船出

「どちらにしろ、タンゴバルドの連中は下手な商売に手をだしたわけだ。自分のケツぐらい自分で拭えと言いたいところだが……ここは貸しを作ってやればいいじゃないか」

 

 そう言い放ったカヅノに、オハラはこう言いたかった。

 

「貸しを作るというが、どうやってだ?」

 

 けれども、喉から声が出なかった。彼は教主に頼んでパラッツォ教のルートからホーデンエーネンに、作戦の中止を求めることぐらいしか考えつかない。無策だったからだ。

 

 しかしカヅノの言葉も、全く信用できない。

 

 「すべて俺に任せろ」の一点張りだ。

 

 この件は忘れて、オハラが担っているイナーヴァニアの巡回に戻れとまで言った。

 

「いや、俺はカナザワースに行き、コーザ殿に伝えておこう……」

「そんなもんは不要だ。大体、教主をこんなことで煩わせる気にもなれん。たとえホーデンエーネンがタンゴバルドに到達しても、何一つ殺せやしないだろうさ。せいぜいが島の占拠だ。そいつを5年、10年も保持すればその分余計な出費が出るだろうよ。この諸島にはそれほどの旨味がない」

 

 タンゴバルド諸島の資源は、せいぜいが硫黄や石炭である。それに山がち。耕作地と住むに良い土地があまりない。

 

「教主に言わなくていい。泣きつかれたがしょうもない話で、忘れていい話だった。そう思い込んどけ。俺が、『なかったこと』にする」

「ホーデンエーネンを撤退させるための、いろいろなことをつかんだ、というわけだな。では君を信じよう」

 

 承知したオハラはサイゴークに戻った。諸島にはカヅノだけが残った。彼はオハラや教団の他の者が潜めた『草』がいないかを確かめ、見つけ次第闇討ちして海に投げ入れた。これからやることを見られないためにだ。

 

 およそ5日。彼はヨナゴルグへと飛んだ。ある人物と会うためにだ。そこにある街で一番大きな宿屋に入ると、食堂でビールの杯を手にしていたその人物がいた。

 

 灰色の毛織のマントについたフードを目深にかぶり顔を隠していた。けれど首から下は顕わだった。異様な格好をしていた。

 

 青く塗った鉄の肩当てと腰の左右に革と鉄を張り合わせた腰当てを身に着けており、戦士や傭兵らしいのだがそれ以外がおかしかった。

 

 赤い色をした細い胸の覆いと、太ももが丸見えの同じ色のショーツ。ビキニアーマーという格好だ。

 

 真っ白な肌を隠さず、乳もいくらか実っていた。女だった。

 

「待ったか?」

「ううん」

 

 女の声は思いの外高くて可愛らしい。この近辺でたくさん漁ったからよく暇をつぶせた。男と遊びまくっていたのだ。

 

「ここまでうまく巻けたか」

「まあね」

 

 破けたザルみたいだと笑った。どんな間抜けでも逃げ出せるような監視だったと。というよりもここ最近は、自由行動が許されている。自分に慮ってのことだ。

 

「名前は出していないな? 顔を隠したままとはいかんだろうが……」

「幻惑の魔法を使ったからだいじょうぶ」

 

 人の視覚を改ざんする魔法だ。経典の巫女が潜入時によく使う。

 

「あたしよりすっごいブスに見せてたけど、いろんな男の子が寄ってきたよ?」

「ほう……その格好でならそうかもな。そこそこ大きくなったな?」

 

 1年前よりは育っている。順調に育てば谷間ができそうだ。カヅノは相手の乳房を触ろう手を伸ばす。叩かれた。

 

「けちだな。これまで散々触らせてくれただろう?」

「だって気持ちよくないんだもん。大きくなりだしてから鈍くなっちゃった。でもね、こっちは……」

 

 彼女は大きく足を開き、両手で赤い下履きの布をつまんだ。真ん中がぱっくりと割れ、生の女芯が顕わになる。カヅノは顔をしかめた。生々しい肉裂にではない。そこから漂ってきた男の種汁のにおいのせいだ。

 

「さっきまでそれで咥えたようだな?」

「あなたが来るのが遅いから2人ひっかけたよ。あかちゃん、できたかな?」

 

 女は白い腹を撫で、顔つきをゆるめる。しかしかつての彼女の表情とは、趣ががらりと違っていた。

 

 血生臭く、寒気を催させるような顔だ。

 

 美味そうな子鹿を見つけて舌なめずりする、飢えた猛獣のようだった。

 

「で、仕事はいつ?」

「もうすぐだ。あと3日といったところだな。セイン王が出港して他の船団と合流し、オーキ島海域に入ったところでケリをつける」

「……ふうん。皆殺しでいいのかな?」

 

 彼女の八重歯が見えた。犬歯というよりは牙そのものの尖り方をしているように見えた。カヅノはますます身震いした。尋常なニンゲンが放つような気配ではない。化け物のそれだ。

 

「そうしてくれ。が、セイン王の遺体は回収しろ。心臓をひと突きすれば終わるだろう。猛将と呼ばれているがただのひ弱なニンゲンだ」

「で、見返りは?」

 

 問われてカヅノはにやりと笑った。

 

「お前のいろいろをサポートしてやるよ。ついでに『お仲間』たちもな。お前がなにかをやりたい時に、きっと役に立つはずだ。あいつらは」

「それでいいよ。でも、もう1つ欲しいものがあるの」

 

 彼女はこう申し出た。海賊団の中で一番赤ちゃんを授けてくれそうな男の人を紹介して。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 アーサーの機嫌は悪かった。突然の訪問者のせいでだ。

 

 出港前の慌ただしい準備を終え、一息入れようとしていたのに。その一息とは女の肌と戯れることだ。

 

 彼は寝室の寝台でその楽しい時間を過ごしている最中だった。尻がとてもまあるく大きな、美しい女だ。

 クボーニコフの海賊がアジール襲撃時に拉致して連れてきた。

 

 三十路で夫と子がいる身であったが、クボーニコフのオーガらに調教され、今では性交に夢中な淫婦と化していた。

 

 柔らかな尻が自分の上ではね、たまらない悦楽を与えてくれていた最中だったのに邪魔をされた。カヅノ=セイジが連れてきた小娘だ。

 

「ねえねえ。さっさと終わらせてよ? おまんこしながら話そうよ、お仕事のこと」

 

 フードが付いた灰色のマントを脱いで椅子にかけ、その下にの白い肌をほとんどさらけ出す格好をした金髪の娘だが、アーサーは食指を動かせなかった。

 

(あけっぴろげにすぎる……。)

 

 この娘とは違い、性交相手の女は違う。

 

 自分に騎乗し下の口で勃起を咥えこみながら激しくあえいでいるが、平素は慎ましやかだった。

 

 自分の艶かしい身体つきを、落ち着いた色合いの衣で隠し続けていた。

 

「ねえねえ。まだおわんないの?」

 

 娘は突然下履きの左右を引っ張り、割れ目をさらけだすと指でかきはじめた。とても汚い絵面だ。

 

 かゆい。かゆい。性病にかかっているんじゃないかとアーサーは怖れた。

 

 年齢と性格が趣味に合わないとはいえ、美少女なのは見てわかるから、なおさら台無しに見えた。

 

「きたねえな。さっさと戻せ」

「ちがうよ。かゆくなっちゃったんだよ」

「下品だ。やめろ」

「待ちくたびれてかぶれちゃったのよあそこが。はやくかまってほしいなーってあたしのあそこ、言ってるよ♥」

「わかったよ……おらっ!」

 

 アーサーは女の腰を強く掴んで無理やり射精を施した。上下運動に疲れ果てた女が腰を深く落としたままにしていると、尻をぴしゃりと叩いてたわませた。女が彼から降りた。

 

 寝転んでいた彼の勃起は未だ天井を向いていた。長さは18センチほど。しかしとてもぶっとい女穴えぐりだ。

 

 アーサーは普通の生まれではなかった。母方の祖母がドワーフだ。

 

 亜人の血筋が与えてくれたお宝が、鈴口から尿道に残存していた精液がこぼれ出て、肉棒の表面を潤わせていた、ぬらりとした相手の膣液とともに生臭いにおいを放っていた。

 

「へえ……出してもギンギンのままなんだね? おじいちゃんのくせにすごいね♥」

「さあ、こっちへ来いよ。俺が飽きるまで存分に可愛がってやるよ

「うふふ♥ そうこなくっちゃね♥」

 

 女は乳を覆っていた布と小さな下履きをその場で脱ぎ捨てると、ブーツを履いたまま寝台にあがった。間近に来られるとアーサーは気持ちを改めた。

 

(下品なだけと思えたがなかなか……男をその気にさせるにおいをぷんぷんさせるじゃねえか。)

 

 勃起を高ぶらせる、汗臭くも甘いにおいを、この娘は漂わせていた。特ににおいを強く放っているのは、脇の下と股間だ。精巣を盛らせる魔力があった。

 

 受動的な快楽の貪り方をしたくないと考えた。起き上がり、娘を寝かせる。

 

 脚を大きく広げさせて腰を持ち上げさせ、十分に潤っていて強い牝のにおいを放つ陰裂が、天井を向くようにあげさせた。

 

「この体勢でさせるのが好きなの?」

「若い頃はな。ほらっ。お前が欲しがっていたひっかき棒だ。いいと言うまでくれてやる」

 

 娘に覆いかぶさり、アーサーは勃起を女陰に突きこんだ。とてもいい締まりだ。

 

 ぬるりとした潤滑液がたっぷりと含まれていて、引くと絡み込んでくる。射精を盛んに促す膣だった。

 

「おおう……たまらねえな」

 

 陰茎から起こる快楽だけでなく、この娘のにおいもだ。間近で吸えば吸うたび、蟻の戸渡りのあたりが苦しくなった。

 

 激しくリズミカルに振り続ける。娘も男根がすべるたびに喜悦の声をあげた。その響きが悩ましい。陰裂を真上に向け、脚を広げる身体にめいいっぱい力強く突く。休み無く女の膣穴を掘った。

 

「す、すごい♥ これならあかちゃんができそう♥」

「へえ、排卵してんのか?」

「そ、そうみたい……♥」

 

 そりゃあたまらない。興奮したアーサーは我慢ができずに放ってしまった。

 

「おっ……おおっ……」

 

 たっぷりと注ぎ込んだ。抜き放つと大量の精液がこぼれた。娘はにひ、と笑って口をあけたままにする。お清めしてやろうという合図だ。

 

「大盤振る舞いだな。やってもらおうか」

 

 相手の上体に乗ってペニスを突き出すと掃除が始まった。慣れた舌遣いだ。仕事ができる娼婦のそれみたいだった。元はその仕事をしていたのだろうか。

 

(いや、パラッツォ教の女信者だろうな、この娘。舐め方が刺激させに来ている。)

 

 舐められているうちにまた起ちが限界に来てしまった。相手の娘は口を離し、もう一度ちょうだいと呼びかけた。

 

「で、俺はどんな報酬を与えればいいんだ?」

「あたしとあかちゃんを欲しいの♥ それとおなかがおっきくなってくるまで、ずっとたねつけをしてね♥」

 

 アーサーはたまらず、また乗り込んでしまった。女は腰を持ち上げ、精液が残存する膣の中に、ずぶりと射精柱が入り込んでくるのを感じ取り、自分の腹に手を当てた。

 

(あ……たぶんあかちゃんできそう♥)

 

 妄想ではない。魔法でしっかりと調べたのだ。この男の精液はとても良さそうだ。

 

 彼女は排卵のための魔法も身体にかけていた。明日にでも受精が起こり、この男との子が育まれることだろう。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 アジール海域の海賊団の中で、セインが指揮する船団が結集するアジールの港に一番早く馳せ参じたのは、カイル=グリーヴァスのモナファン海賊団だ。

 

 船はたかだか3隻。しかしどの海賊団も似たりよったりの数である。今回の海戦はホーデンエーネン水軍が主となって戦う。モナファン海賊団らはそのサポートにまわるのだ。戦力としては期待されていない。

 

 カイルは数名の部下とともに小舟に乗り、セイン王の御座船に移った。海賊船と違い軍船は大きく頑丈だ。その偉容に驚きながらセイン王と顔を合わせた。

 

「初めて顔を合わせるな。俺がセイン=ホーデンエーネンだ。よろしくな、カイル」

「はい。お顔を拝謁できて光栄です、陛下」

「ははは。よせよ」

 

 セインはカイルをまじまじと見る。

 

(……まるで女そのものじゃねえか?)

 

 しかも美しい。目の前のハーフエルフは、海賊稼業がまるで似合わぬように見えた。声も男のそれとはやや違った。ちょっと低いが柔らかい響き方をしている。これで女ものの服を着せたら騙されるだろう。

 

(そういや、先代のアジール大公がこいつを愛人に囲っていたっていう話があったな。マイヤが話してたんだっけか。けど、ばかでかいちんぽをぶら下げているって聞いたな。人は見かけずに寄らずだぜ。)

 

 男だという証拠もある。カイルの妻、マイヤと同い年ぐらいのクリスティーナが毎年のように子を産んでいるのだ。かれこれ8人。どの子も元気らしい。娘ばかりだが。

 

「で、後から来る連中にも話すが、おめえら海賊衆は主戦場に出るなよ。哨戒と掃討戦で使ってやるからな。一番槍の手柄はあきらめてくれ」

「わかりました。仰せのままに、陛下」

 

 カイルはかしこまって頭をさげる。その仕草がどうにも優美過ぎるぐらいに見えた。セインは思った。こいつ、やっぱり女じゃねえのか?

 

 カイルが部下と共に船から去ると、他の海賊団の頭たちがぞろぞろと甲板にあがってきた。助っ人たちは全員揃ったようだ。セインは傍にいた海将に命じた。

 

「ホーデンエーネンの旗を掲げろ! 出陣だ!」

 

 一番大きな帆柱に王国の旗が掲げられた。物見台にいた海兵が角笛を服と、軍船は次々とアジールの港を発った。

 

 いよいよ、タンゴバルド海賊団を倒しに行く船旅が始まる。久しぶりの戦争だ。

 

 セインの胸は高鳴っていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。