聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
セイン王は信じられなかった。率いていた軍船が次々と燃え上がり、沈んでいく光景にだ。
長い、青色の何かが海面すれすれに飛びまわり、船体にぶつかると途端に火の手があがる。そんなはずがないと思った。例えあれが炎だとしても、火が移るには時間が必要なはずだ。側舷であれば潮に濡れてもいる。けれども乾季の枯れ葉よりも容易く燃え上がった。
(おかしい。なんなんだこいつは? タンゴバルドの奴ら、どんな魔道士を連れてきやがった?)
同じものを見ている武将たちの悲痛な声。陛下、早くお逃げください。でもどこへ? 例え鼓舞でに乗り換えて海賊たちの救援を待っていても、あれはきっと見逃さないだろう。甲板から海に投げ入れた脱出用の小舟にも、その青く長い何かは焼き払った。海に飛び込んだ海兵さえも。
「……同士討ちしても構わねえ。投石砲と連弩、鉄砲で応戦しろと各船に伝えろ。弓じゃ当たらねえよ、あの速さじゃ」
「無理です! 捉えきれません!」
「エルフやゴブリンの弓使いなら……やれたかもしれねえな」
でも船団にはそうした亜人は1人もいない。いや、あいのこやクォーターは参加していたかもしれないが。あらかたすべてを焼き尽した青い線が、こっちに近づいて来た。肉眼でようやくわかるようになった。
青い線のようなものは炎であった。30メートル、いや、100メートルぐらいの長さだ。それはいびつな形の、幅広の剣から伸びていた。
それを両手で握っていたのは、女。年若い少女。金髪の。ブーツと胸覆いとほんの少ししか隠さない下着みたいなものを身に着けて肌を露出していた。ふざけた格好だ。肩と腰を守る当てもの以外、装甲は見当たらない。
真っ白な肌をさらす痴れた姿にセインは怒りしか覚えなかった。なんであんな売女みてえな格好のやつにやられるのだ。しかもガキ。お腹がやや膨らんでいたのもわかった。妊婦のようだ。なおさら癪だった。
(あんな裸みてえな格好の身重のガキに、ホーデンエーネンの猛者どもがやられっぱなしか? 一方的な負け戦で終わるのか?)
そんなのが通用してたまるか。セインは武将や海兵たちに呼び掛ける。
「その命を寄越せ。鉄砲や連弩を持て。構えろ。撃て。死んでも離すんじゃねえ」
彼は腰にぶら下げていた短銃と弾詰め用の棒を手に取る。飛距離は無いが号令の道具にはなる。武将らや兵士達も連弩や鉄砲を構えた。
ポケットから弾と火薬が詰まった袋を取り銃口から入れ、棒で込める。標的はこちらに飛んで来ていた。顔も見えた。幼い。子供だ。でも容赦はしない。
「ハチマンウーサよ、加護を!」
武神への祈願と共に短銃の中の発火装置が動いた。銃には魔道具が仕込まれている。セインの銃口が火を噴くと共に他の射出機からも一斉に放たれた。セインのは射程距離が短くて当たらないが、他のものなら充分射程距離に入っていた。少なくとも1発ぐらいは小娘に当たるはずだった。
「……!!」
阻まれた。波にではない。目に見えぬ何かだ。物理防御の術式。風を使ったものかあるいは力場だ。矢や弾丸は彼女の前方で何かにぶつかったようにはじかれて反れて、海に落とされた。憎たらし気に笑む顔がセインの目に焼きつく。これまで味わったことが無い屈辱感と憎悪が胸を焦がした。
「怖気づくんじゃねえッ! 第二波ッ!」
撃ち続ければいつかは当たるはず。そう願った。けれども相手はそれを許すまでの温情は持ち合わせていなかった。歯を見せてにひひと笑ったかと思うと旋回し、セインの船ではなく周辺の数隻に狙いを定めた。
その後、彼は間近で無力感を味わい、絶叫し続けた。その間にも味方の船は次々と燃え上がった。
気づくと自分の船にも火の手があがっていた。武将たちに取り押さえられて小舟に押し込まれ、海に落とされてからの記憶が途絶えた。
□ □ □ □ □
気づくと目の前にトーリがいた。乳房と陰部が透けて見える、薄絹の腹を一枚だけまとい、口元に真っ白な覆いをかけていた。
「どうなされたのですか、陛下?」
「……どうしたって何がだよ。俺は海の上で戦っていたんだよ。どこだ、ここは?」
セインは起き上がり、周りを見回す。見たことが無い建物の中だ。城の大広間ぐらいの広さだ。
ふかふかとした布団の上に寝かされていたようだ。尻がとても心地よい。セインは自分が裸だと気が付いた。
「なんだ? 俺は確かに船の上で戦っていたはずだが……」
「陛下はお眠りになられていたのです」
艶やかな蒼にも見える黒い髪をなびかせながら、トーリは微笑んだ。
自分や妾との交合の最中に眠ってしまったのだと。
周りをもう一度よく見渡す。
この部屋にはトーリ以外にも沢山の女達がいた。
彼女と同じく、膝上までの丈の薄絹一枚をまとった姿。
どの女も、とても丈夫そうな子を産む大きな尻である。
顔をよく見てようやく思い出した。彼が種付けを施した妾達だ。
「で、ここはどこなんだよ?」
「わたくしの、秘密の館ですわ。カツランダルクの家の遠い遠い祖先が築いたお屋敷です」
カツランダルクの一族がナントブルグを治めていた頃、初代の女王が『真祖』の為に築いた館だ。
都の北にある山にあったらしい。
ここで『真祖』は初代女王を含むたくさんの娘達とともに、ニンゲンや亜人の男達と愛欲に狂奔したそうだ。
「そうなのか……」
「話したではありませんか。もっと子を造りたいって。だからジューンショーン様に国事の一切を任せ、この1年はわたくしたちとずっと過ごす、とおっしゃっていたではございませんか?」」
そうかだったか。セインは自分を納得させることにした。
床を見てみる。一面、赤い絨毯で敷き詰められ、白い柱がいくつも立ち天井を支えていた。
いいや、柱というよりは彫像だ。
胸と乳房が豊かな美女の裸身像が大きな杯を掲げて立っていた。足は女の陰を模した土台に埋もれていた。
壁は描かれた絵で埋め尽くされていた。乱交の情景を描いた淫蕩な絵画だ。
柱代わりの彫像の豊満な美女だけでなく、細い少女やまだおむつを取れたばかりの年頃の娘までもが、たくましい男や太った男と交わったり、相手のものを咥えていた。
「そういうことをするための部屋ってことか」
「寝ぼけていらっしゃいますのね」
「で、その口元の覆いはなんだ?」
「ふふ。陛下がおっしゃった『趣向』ですわ。さあ、仰向けになられて?」
セインは言われるがままにした。トーリが腰に顔を近づける。ペニスはずっと勃起しっぱなしだった。生暖かい呼吸が亀頭にかかり、生暖かいものに包まれた。
「おお……おおお……」
紛れも無くトーリのフェラチオ。しゃぶられている様子が隠されていることで、感覚が鋭敏になった。
いや、この覆いの中で、彼女はどのように口を動かし、どう舌で絡めているのだろう。
その想像で輸精管のあたりに強い疼きを覚えた。
「こ、こいつはたまんねえな……」
艶めかしい口の音が続くと妾達が集まって来た。彼女達は彼の手を自分の陰裂に持っていき、晒した乳房で彼の頬をくすぐりだした。
(ははは……あれは夢だったんだな……)
自分は今の今まで、トーリ達とこうして耽っていたのだ。あの戦いは悪い夢だった。こんな心地よいことをしていたから、あんな悪い夢を見ていたのに違いない。
股の付け根から迫り出るものを感じた。せっかくの子作りの素を口の中に放つのが忍びなかったが、あまりにも気持ち良すぎて呼びかけられなかった。
「うおっ。おおおっ……」
快感と解放感が貫いて、セインは大きく身じろぎした。大量に放った。けれどもペニスは勃起したまま。言う事を効かなかった。
「うふふ……お元気ですこと……♡」
精液を飲み込んだトーリが乗りかかって来る。薄絹から太ももがまろび出る。そうして始まった快感は、口唇のものよりもずっと深い、肉の沼であった。
□ □ □ □ □
「……おおっ!」
セインは目を覚ました。ふかふかとした敷布団の上に寝転がり、トーリの中で放ったはずだ。しかし今、彼の背中と尻は、ざらざらとしたもののに触れていた。
長い眠りだったのか、まぶたを開こうとするとぱりついていて、とても痛かった。目やにのせいか。
(ひでえぐらいに甘くていい夢をいたな……。)
裸にされていたようだ。トーリの館と違って肌寒い。腰とペニスはとても熱いものに覆われていた。
女の、いや、女郎買いや囲った妾との体験には似たような体験があった。
生理が始まったぐらいの年頃の少女との交合。肌の滑りと熱さが、大人の女のそれとは段違いの。
「うふ♥ うふふふ♥」
目は開けられなかったが耳はしっかりと聞いていた。幼い娘の声だ。高くて可愛らしいが、しかしどうにもぬめっとしていて、不健康そうな響きがあった。
「おほ♥ やっとお目覚めになったんだね♥」
目を開けた。真昼間のようだった。しかしびっしりと覆う葉のせいで、空を見るのが邪魔されている。森の中だ。
身体を持ち上げようとするが、首から上しかあげられなかった。しかし声の主の姿が見えた。
13歳ぐらいの金髪で全裸の少女。
愛くるしさと美しさが同居している顔かたち。
やや小柄だが、狭い肩幅に比して乳房は大きい。
両方の二の腕で挟まれていたものは、谷間を作っていた。
「……てめえはッ!」
あの沖で青い炎を振り回していた、ふざけた格好の魔道士の小娘だ。
その娘は今、ブーツ以外は何も身に着けない格好でセインの腰の上に乗り、粘りっこい汁だらけでぐちゅぐちゅになった己の女裂の奥に、彼の肉棒を納めていた。彼のそれは狂おしく勃起していた。
「ひふ♥ あなたはね、あたしとこの10日間、こうしてずーっと愛し合っていたんだよ♥」
「10日! 俺は10日も眠ってたのか!」
「そうだよ♥ くひひ……♥」
セインは相手を退けようとする。でも動けない。ペニスは仇敵のものとはいえ、膣に入る快感を貪ってばかりで縮みこめなかった。
その娘の身体には、大きな違和感があった。腹が異様にせり出しているのだ。妊婦、いや、腹水が溜まった末期の病人みたいだ。
「……てめえ、その腹はどうした?」
「ふふ♥ これが終わったら見せてあげるから♥ はふーっ♥ はふーっ♥」
娘は気持ちよさげに大きく呼吸し、それからよだれを垂らしながら絶頂の波に酔いしれた。同時にセインのペニスも反応して、彼女の腹の中にたっぷりと精を放った。
「ふひーっ♥ も、もうそろそろ……♥」
「何がもうそろそろだよ? てめえ、おかしい真似しやがったら……」
「しないよ♥ あたし、これからあなたに、あかちゃんを産むところをみせてあげるだけだから♥ タンゴバルドの海賊のおじいさんとのあかちゃんだよ♥ にひ♥」
そう言うと娘は起き上がり、セインのペニスをゆっくりと引き抜いた。四つん這いになってセインの右横に尻をつけた。彼女の女陰のとセインの精液が混ざった、凄まじいにおいを放っていた。
「くせえ……」
「はう♥ はう♥ み、見せてあげるから♥ 首が横を向けるようにしてあげる♥」
見たくもないものを見せるな。けれども彼女の『ご厚意』は無理やりだった。見えぬ力で彼の首は右に向けさせられた。
大股開きにしていたその少女の陰裂がはっきりと見えた。数えきれないほどの交合で形が崩れたラヴィアは、恥垢にまみれて薄汚かった。
「く、くうっ……」
「まぶたも閉じれないようにしたから♥ はうーっ♥ はうーっ♥ う、うまれそう……♥」
娘は腰を少し上に持ち上げ、力みはじめる。驚くぐらいに女陰が伸びたと思うと、丸見えになった肛門が開いて臭い便をひねり出した。
生臭い女陰と尻穴から漏れ出る排泄物の悪臭が混ざり、セインの目は涙でにじんでしまった。
「あうううう♥ はおおおお♥ しゅ、しゅごくきもちいい♥」
耳を疑った。出産は苦痛のはずだ。でも娘の顔は悦楽で蕩け切っていた。この世で最も心地が良くてスパイシーな快楽に包まれているようだ。
(こいつ、まさか……?)
ニンゲンではない。サキュバスの血が流れているトーリは違っていたことを思い出した。淫魔あるいは魔族はそうだと聞く。出産は一番最高の悦楽なのだそうだ。あの種族にとっては
「はうう♥ はううう♥ あ、あかちゃん産むの、でっかいおちんちんでごしごしされるような気分……♥」
娘の腰にさらに力が籠った。尚も尻から便を出し、女陰がゆっくりと開き出した。赤黒い何かが頭を見せた。これから本当に子を産むのだ。この娘は。
「はうううんっ♥ うううううんっ♥」
広がった女陰から湯気が放たれる。新しい生命が生み出される時の、濃厚な血と生臭さに満ちたにおいがセインの鼻に入り込んできた。
あろうことか彼のペニスはそそり立ってしまった。生命を生み出す為の欲求が刺激されたからだ。
「お……おおうっ♥ おおおおうっ♥」
とうとう『命』が、母親の女陰から外に出される時が来た。娘は腹に力をめいいっぱい込めてひねり出す。生命の神秘。聖なる存在があるのだと信じさせる時、である。だが。
(な、なんだよこいつは……?)
その体が出された時、セインは目を疑った。赤ん坊と思っていたものは人の形をしていなかった。
ぶよぶよとした身体と、血管がびっしりと覆った軟体の何かだ。
羊水にまみれたそれは娘の腹から排出され、母親が漏らした糞の上に落ちた。
それから幼い母は、へその緒らしき肉の紐とそれにつながっていた胎盤を手で引きずり出すと、新鮮で真っ赤なものを口に持っていき、かじりだした。
「お、お、おい、おまえッ!」
驚きのあまりに言葉が上手く出せない。母親は胎盤をうまそうにくらい、嚥下した
。それから肉の紐をかみちぎると、血だらけの口元をゆがませて残りの一部をセインの口元に持って行った。
「うふ♥ うふふふ♥ これあげる♥」
胎盤の一部が口に押し付けられる。セインは抗った。けれども娘は細くて小さな指に驚くほどの強い力を込めて、彼のあごをこじ開けた。口に入れさせた。無理やりに咀嚼させた。
生臭いにおいと血の味。
だが、それ以上に舌が喜びの声をあげていた。美味な塩味のゼリーのような。それでいてかつ、コクがある。
巷でいうレバーのようなものとはまるで違う様子だった。
「……」
「おいしいでしょ、それ♥」
セインはうなずきそうになった。それよりも飲み込んで食道を通りはじめると同時に、ペニスが脈を打ち、射精したことに驚いた。
「あらら♥ 男の子ってみんな、あたしのおまんこから出たものを食べて、おちんちんをぴゅっぴゅさせちゃうんだね♥」
(みんな……? こいつ、何を言ってやがる?)
「うふふ♥ あとでもっとおいしいものをあげるよ♥ もっとぴゅっぴゅと出ちゃう、すっごくおいしいものだよ♥ このおちんちんが1週間、ずっと起きっぱなしになっちゃう、とんでもなくすごい栄養があるんだから♥」
その前に下準備をしなければ。そう言って娘は生み出した何かを掴み、ゆっくりと立ちあがった。我が子に対してぞんざいな持ち方だ。
「そ、そいつをどうするつもりだ……?」
「……わからない? いっしょに食べようよ? あたしのあかちゃん♥」
娘は印を切り、宙に浮かぶ水の玉を作り出した。血まみれのそれを放り込む。『赤子』は水の玉の中でくるくると回りながら、身体についた汚れを落としていく。玉は縮み、羊水と糞便が混じった水は下に流れた。また印を切り、水の玉が大きくなった。
「あなたにごちそうしなくちゃいけないから、念入りにあらっておかないとね。お腹を壊しちゃいそうだし♥」
娘はにひり、と笑った。あまりにも邪悪に見える笑みだが、邪気はまるで感じなかった。こうしていることがまっとうな、正しいことと信じているかのようだ。
「あたしが飽きるまで、月に1度ごちそうしてあげるよ♥ その代わり、あかちゃんのもとは、あなたからたっぷりと頂戴するね♥」
セインは拒むことができなかった。生殺与奪の権は娘にある。
異形とはいえ、『我が子』を喰らうという、彼にとってのこの世の地獄が始まった。