聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
1年前のとある日。
エチゴニアから一隻の船が到着した。大柄なニンゲンの女の女を背中におぶったドワーフとその付き添いが降りた。
女は太っていたが頑丈そうで健康的に見えたが、顔は青ざめ、びっしょりと汗をかいていた。サワータキャビクの町を見渡してたドワーフは、負ぶっていた女に呼びかけた。
「エッダ、もう少しでクリスタっちゅう医者のところに着くからな!」
でも、女の方は一言も発さなかった。脂汗をかきながら、苦しい笑みを浮かべるばかりだ。乗合馬車の停車場に着くと、エルフの男が待っていた。とても大きな、寝台がついた馬車の前に立っていた。
「さあ、乗って」
彼は2人を馬車に乗せた。向かうは街はずれの診療所だ。
□ □ □ □ □
診療所の奥の部屋。クリスタは寝台の上で寝そべっていた。素っ裸で、とても大きな乳房を露わにしていた。
その上を一糸まとわぬ、やや肥った男の子がのしかかっていた。
「クリスタさん……」
男の子がクリスタの大きな肉まんじゅうぐらいの大きさの豊かな乳房にしがみついて頬ずりをする。
「とってもやわらかくていいにおいだっ!」
勃起したペニスを、彼女の太腿にこすりつけた。包皮は切り取られていて亀頭が丸出し。少年のそれにしては雁の縁が膨らんでいた。形の良いペニスだ。
「まだするずらかあ? とってもやんちゃなおちんちんずらなあ?」
「えへへ……」
少年のペニスから真っ白な先走り汁がこぼれていた。クリスタは脚を広げる。柔らかくて肉厚な女芯から、精液がとろとろと流れ出ていた。この少年が放ったばかりの精液だ。彼はこの中で5回、射精した。
「またしたいずらか?」
「……うん」
クリスタは彼を導き入れた。少年はこのエルフの、柔らかくて包み込んでくるヴァギナの中で暴れ出した。性交の初めての味を知って、少年は狂ってしまっていた。彼はこの診療所の近所に住む子で11歳になったばかりである。この子に昨日、精通が訪れたばかりであった。
クリスタが受け入れていたのは、彼の母親に頼まれたからだ。ご近所づきあいだけでなく、『女同士のひめゴト』も存分に楽しむ仲のその母親は、初めての女になって欲しいと懇願した。
男の子の『思い出に残るはじめて』は、自分もはまった素敵な女の人で体験して欲しい。少年の母親はクリスタの豊満な肉体に「うひょっ♡」と喜んでばかりいた。愛と豊穣の女神ガンガの生まれ変わりみたいなこのエルフの女と、しっぽりと体験してほしい。我が子には。
どこかゆがんでいるとも見て取れるが、母の息子に対する愛は確かだった。それからクリスタは、この少年が、まだおむつをつけていた頃にちんちんに手を加えた事があった。彼女に包茎手術を受けた男の子は皆、クリスタで性交の素晴らしさを知ると島では言われていた。
少年の腰の動きが激しくなった。
「クリスタさあん!」
彼女の名前を呼び続けた。それから強い感激がほどばしった。6度目の射精を、このエルフの女の中で果たした。ぐったりとなった彼はクリスタの大きな胸に顔を埋めた。
「いい……やわらかい……」
「これで大人の仲間入りができたずらなあ? これからは勉強や家の仕事の手伝いを頑張るずらよ?」
「うん……でもおいら、この診療所で働きたい。クリスタさんの弟子になりたい」
少年は緩く腰を振りながら乳房を咥える。柔らかくて大きな彼女の上に乗ると、陰茎に活力が湧いて来る。7度目もいけそうだ。少年は枯れきるまで放とうと意気込んだ。
「クリスタさん。おいら、クリスタさんがいない毎日なんて考えられないよ……」
その時、診療所の入り口の扉が勢い良く叩かれた。患者が来たのだ。
「お仕事ずら。おまん、この続きはまたあとにするずらよ?」
「クリスタさん、おいらも手伝うよ!」
「うれしいずら」
クリスタは起き上がり、下半身についた体液を布切れでぬぐうと、さっと服を着た。少年もそれに倣う。消毒薬を手にかけて、診療室へ向かった。
待っていたのは顔なじみのパスカルと、とても大柄な女を背負ったドワーフの男だった。顔はひげもじゃだが漂う体臭からしてまだ若者、といったほうが良い位の年齢だと見た。
「パスカル、そのお嬢さんが言っていた患者さんずらか?」
「そうだ。エッダというパラッツォ教徒の娘だ。それから……」
ドワーフが名乗った。
「俺はトールキン=ローリンソン。パラッツォ教団の傭兵じゃ」
「ああ、おまんがそうずらか。確か、ナオエニアの守備隊で活躍していたらしいずらな?」
そのナオエニアから来た。苦しそうにしているエッダは愛人だ。1週間前、ナオエニアのある戦いで敵が撃った鉄砲の弾に当たった。
「一斉射撃にぶち当たっちまってな、俺はかすり傷で済んだんだが、エッダは身体に4発も受けちまった」
エッダの身体から血しぶきがあがった。応急処置と治癒術式は施したが、どうにも回復がよろしくない。
「ほうずらか……どれ。診てみるずらよ」
クリスタとトールキンはエッダを寝台に運んだ。
服を脱がせ、包帯を外した。彼女の豊かな腹と胸には、計4カ所の穿ち傷があった。傷口は化膿の跡があったが、治癒魔法を施されて落ち着いていた。
「弾は抜いたずらか?」
「それはやった。ナオエニアにも医者はいるし治療魔道士だっておる」
「でもあそこ、金色の兄弟姉妹の版図だから、あんまし期待できねえずらよ?」
エッダの顔色がますます悪くなっている。これは相当深いところで傷ついているとみたクリスタは、印を切って彼女の身体に触れた。
「クボーニコフ、いやらしいもんを作り出したみてえずら」
クリスタは見立てを述べた。その弾にはヒ素などの毒物が混ざっている。弾傷が浅くても確実に死に至らしめるような工夫が施されていた。
「しかもゴブリンの衆が考え着くようなもんずら」
パスカルはため息をついた。
「『森の蝮』が使う様な毒物をか?」
クリスタがねめつけた。医術の師匠の昔の仇名だ。カントニアの闇の界隈でそう呼ばれていた。数千年前に暗殺稼業は廃業したが。
「どうじゃ?」
「だめずら。覚悟したほうがええ。嬢ちゃんに入った毒は取り返しもつかないところまで入り込んでいるずらよ」
もってあと3日か4日の命だ。トールキンという男は泣きじゃくった。
「そんな! そんなあ! エッダは儂の、儂の子を産む前に死ぬんかあ!」
トールキンはエッダにしがみついた。エッダは4人の子を産んでいたが、トールキンとの間のものではなかった。遥かに年下のこの女は、ドワーフの頭を優しく撫でて慰めの言葉をかけた。
「トールキン、あたしはマハーヴァラさまに呼ばれるんだよ。子供たちに会ったら声をかけてね。あたし、この13年間、あんたと一緒にいて、とっても楽しかったよ……」
クリスタの見立て通り、エッダは3日後に息を引き取った。
□ □ □ □ □
エッダの墓は、診療所の裏手にある墓地に立てられた。木の杭を立てただけの仮の墓である。これから石材屋を巡るが、その前に彼とクリスタは、エッダに花を供えた。
「エッダと出会ったのはイナーヴァニアの、トットリーブールででじゃよ」
サート銀山の調査のためにだ。その時エッダは14歳だった。あと3カ月で15歳になると聞いていた。
「あいつはとても発育がよくてなあ、7歳の時には12歳の娘みたいに大きかったらしいんじゃよ。そのせいか、子供を産んだのも8歳で。誰もがうらやむような安産だったらしいがのう」
それから12の歳まで4人を産んだ。子供達は皆、親元に預けられているという。もちろん父親が誰かはわからない。教団の信徒は行きずりの相手と性交をするからだ。
「エッダは、食いしん坊で卑しい奴じゃったが、儂にとって最高の愛人じゃった。牛肉のような匂いを放つワキガの持ち主で、股間も汗ばんでてきつく臭うがのう……」
けれどもそれが大いに愛おしかった。エッダの優しい気質も好みだった。彼は毎朝毎晩、好きな場所で人前でも構わずに彼女と交わり狂った。この13年間はこの女の肉を抱きながら、夢の様に過ぎた、とトールキンはつぶやき、そして泣いた。
「そうだったんずらか……」
「聞けばお前さんも、男に死なれてここに来たらしいのう? 娘さんの名前はユミールちゃんだったか。その子の父親だったようじゃが」
「マルカス、ずらよ」
エドニアで一番の、暴れ種馬傭兵だった。あちこちで女を口説いたり惚れられたりして、大陸のあちらこちらにわんさかと子供がいると聞いていた。
それからツックイーの白エルフの里には、フィリッパという女が産んだ男子がいる。アルガスという名の元気な男の子だ。
「お前さんのようなべっぴんに惚れられて、とても幸せじゃったろう」
「けど、死んじまったら元も子もねえずらよ……」
「いや、充実していたんだ。そう思ってやらんといかん。よし、決めた」
どこかに腕のいい石工はいないか、とトールキンは尋ねた。その人物に弟子入りしてエッダの墓を自分で作る。
「それが儂にできる最後のはなむけじゃよ。しばらくは、『
そうしてトールキンは、島に移り住むこととなった。
□ □ □ □ □
その時、トールキンは木こりの手伝いから戻って、居候をさせてもらっているクリスタの診療所に戻っていた。パスカルが患者を診ていた時にだ。クリスタに筆下ろしをされて弟子になりたいと言っていた少年も、そのエルフと一緒だった。
患者は猟師で、足を踏み外して低い崖から落ちてから腰を動かすと酷い痛みを覚えるようになった。診てもらおうとしたところ、ちょうど仕事から帰って来たトールキンが一発で痛みの原因を見破った。
「ケツの骨がちょっと外れておるようじゃ。どれ、儂が按摩で直しちゃる。魔法を使わんでもええ程度じゃ」
トールキンは患者を寝かせ、強い力で尻のあたりをもんでやった。骨がずれていたところが治ってしまった。痛みを覚えずに、いつものように身軽に動けるようになって嬉しがり、トールキンの手を取って何度も頭を下げる患者を見て、パスカル達は驚いた。
「すごいもんだな。サイゴークのドワーフというのは整体術にも長けているのか!」
「そんな大層なもんじゃ無いぞ。儂の様な鉱山仕事をするドワーフっちゅうもんは、自然と身につくんじゃよ」
「そういうものなのか。木こりや石切りで働くより、整体師として診療所で働いてはどうだ?」
トールキンははにかんだ。でも答えなかった。今は一人で考え事ができるような、静かな場所で仕事をしたかったのだ。
パスカルの意見に、トールキンの太い手を取って感謝を述べていた猟師も同意した。
「そうだよ。人っけの無い寂しい森や岩場にいるより、クリスタさんみたいなべっぴんさんの側で働いたほうがいいよ……クリスタさんとは毎晩、仲良くしているんだろ?」
トールキンは猟師の手を振り払った。怒ってはいないが眉間にシワを寄せ、うつむいていた。
「エッダが死んじまってからずっと、右手で済ませておるよ……」
トールキンにとってもクリスタは魅力的に映っていた。眼の前にいる少年や、彼女に筆下ろしを受けた男の子たちが慕うのがわかるぐらいにだ。街の男たちもクリスタにぞっこんだった。眼の前のこの猟師もである。彼女と野原で、爆乳に生のちんぽをこすりつけるなど楽しい逢引を繰り返していた。
しかしドワーフの男は、しばらくは喪に服したかった。エッダが死んだのは1年前だが、あと2年は男やもめのままでいたい。墓石はとうに出来上がり、好いていた女への餞は終わっていたが、魂がしばらくの静寂を欲しがっていた。一人でいたかった。
「私も……クリスタと君なら、似合っていると思うが?」
本気で思っていたパスカルが口にした。トールキンは一瞬だけ、拳に力が籠もってしまったが、すぐに落ち着いてしまった。エッダがいればその場でパスカルを張り倒し、この男色家エルフのケツアナに、ドワーフの『ガン掘り』がどれだけ凄まじいのかを味わせてやっただろう。でも、力が出なかった。
「ははは。よしてほしいのう……儂はこのままがええ。今はな……」
その時だった。診療所の入口の扉が激しく叩かれて、クリスタと子どもたちが入ってきた。
彼女は客人たちを伴って帰ってきた。トールキンの顔見知りのイプセンと、まだ見たことが無い青年、オルフレッドである。