聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
「一度、ホーデンエーネンにいる妹さん方に会ってみてはどうでしょう?」
イナーヴァニアの地図と数々の報告書をにらみつけていたオルフレッドにそう薦めたのは、教主その人だった。
戴冠の儀は終えた。世界中に、パラッツォ教国というものが誕生し、その初代皇帝にオルランドゥ=カーンダークが就いたと使者を送った。ホーデンエーネン王国暦で言えば359年の11月。予定では亡きロゼ姫にお悔やみを述べる、弔問団が戻って来る頃だった。
「
自分にはやるべきことが沢山ある。肉親に顔を見せ、ジューンショーン陛下に詫びを入れる余裕は無いのだとオルランドゥは言った。
「余裕ですか。それぐらいの暇をとれるよう、イプセンさんたちに申し伝えましょうか?」
「いいえ、僕がやらなければならない仕事があるのです。例えば……」
イナーヴァニアがそれだ。今は庶流のナンジョラス系が国王となっていた。しかし正統嫡流で前代まで国王を輩出し、教団のイナーヴァニア制圧の頃にイーズモーへ逃げたヤマナウラス家が、王家の正統性を声高に叫び続けて統治を邪魔していた。
「僕は手始めに、ヤマナウラス家をイナーヴァニアの国王に戻すつもりです」
「……何故ですか?」
「ヤマナウラス家は魔法戦士団を多く抱えております。司祭騎士達が手こずるぐらいに強いやつらです。『雪豹の牙』や『熊の爪』、『冬鹿の角』といった精鋭部隊のことは、ご存じですよね?」
もちろんですとも。教主は覚えていた。実際に戦った事だってある。一人たりとも命を奪わなかったが、かなり手こずる相手だった。ミマカサルのゴール達よりも数倍手ごわかった。連れて来た腕利きの司祭騎士が何十名も命を落とした。激戦だった。
「ヤマナウラス家は彼等に守られてイーズモーにあり、依然として王冠の奪還を望んでおります。彼等をこのままにしておくといずれ、マハラ教団を再び刺激し、遠征軍を起こすかもしれない。第三次サイゴーク戦争が起こりますよ?」
それを止める案をいくつか、ヘンリック=イプセンをはじめとする有能な司祭騎士達や各島の代表者たちに出させてみた。その中で一番良さそうなものを取る事にしたのだ。
「そうですか。その案と申しますと、どのような?」
「ナンジョラスを退位させて辺境に追いやり、ヤマナウラスをトットリーブールに呼び戻す案ですよ」
王に就かせる人物だが、現在の当主であるスケイロ=ヤマナウラスでは無かった。息子のトヨイロだ。
可も無く不可も無くな父親と違い、軍事と武将をまとめる才があった。イナーヴァニアにいれば才ある王として名をはせただろうと言われていた。ひどい童女好きではあったが。
そのトヨイロについて、コーザはヘラから聞いたことがあった。イズヴァルトとのスオニアまでの旅で知り合ったそうだ。彼女に魅了されて妻になることを所望された。
ヘラの顔の造りと性格は彼の好みらしく、2年前よりも背が高くなり、乳房が目立った今でも首ったけになっているそうだ。
「トヨイロさんであれば、受けてくれるでしょうが、その策を取ろうとお考えですね」
ヤマナウラスの帰還と即位。それはある意味、イナーヴァニアで流した血をないがしろにする考えだった。信徒はおろか、コーザはその戦争で司祭騎士や教典の巫女達、つまりは、数多くの子供や孫を失ったのだ。
しかしオルランドゥはもう既に決めていた。側近や各地の頭領らに、たくさんの案を出させていたのは、イナーヴァニアに詳しい司祭騎士らが既に練り上げていた、一番良い解決案を出させる為にやったことだ。
「聖下はどうお考えです?」
「そのやり方がよろしいでしょう。最も賢いやり方だと思いますよ?」
しっくりとこないところがあったが、この方法が一番の最善手だと思われた。イナーヴァニアは強力な後ろ盾だが、サイゴークの諸国と地続きで紛争の火種を抱えていた。
また、イワッミーはまだ友邦だが、ヒッジランドとイーズモーは停戦となっても警戒が必要だった。
「ナンジョラス家は私から言って説き伏せておきますよ。場合によってはイナーヴァニアの領土のいくらかを、ナンジョラスの別家が治める国として分けましょう」
「ありがとうございます。聖下からその様なお話を進めていただけるとは。これで私は別の問題に力を入れる事ができますよ」
「さて……別の問題ですか?」
「クボーニコフのことです。あいつらはまたも近海に現れるようになりました。再び不当占拠が行われた場合、エチゴニアのサクラウチ師とノトゼタシアのクニキダ師と連携して討ち滅ぼさなくてはなりません」
眠る時と法悦に浸る時以外、自分には安息の時など無いのだ、という様子でオルフレッドは資料をもって部屋から出て行った。対クボーニコフの作戦案を枢機卿らに聞きに行く為にだ。
(……はあ。)
1人残された部屋で、コーザはため息をついた。
(全て、皆に任せればよいのですが。オルフレッドさん、あなたはただ、教帝として君臨をしていただければ……。)
しかしオルフレッドの性格上、お飾りの王というのはあまり適さなかった。どうにも彼は万事、手を出さずにいられない性分だった。
□ □ □ □ □
教主との会談の3日後にはもう、オルランドゥはエチゴニアにいた。船を使わず、遠距離の転移魔法が使える教典の巫女の手を借りてだ。
彼は急ぎの用の為に、エチウの各島々に置くように命じていた。また、転移術式が使える者を増やす計画も立てていた。何はともあれ万事、スピードが命だ。
そして彼もまた、転移術式が使うようになった。西の港近郊に上陸すると枢機卿がやるように、銀の像がついた首飾りを手に取って「ヒイメン」とつぶやき口づけする。
枢機卿らの「エイメン」という声が、彼には「ヒイメン」と聞こえたからそうしただけである。
その像だが、尻を突き出してしゃがむ、全裸の幼い少女をかたどっていた。大層小さなものだったが、割れ目と尻穴が微細に刻み込まれていた。金色エルフの愛人に作らせたものだ。
その像のモデルは幼い頃の叔母。彼はその像に口づける時は、必ず尻にしていた。あっという間にハルヒアトゥントゥリの本山。サクラウチはオルランドゥの転移術式の上達ぶりに驚いた。
「やはりトーリ=カツランダルクのご子息というべきか! 短い期間にここまで転移術式を扱えるとは、驚愕ものだ!」
「お世辞はここまででいいよ。サクラウチ枢機卿、状況は?」
クボーニコフの海賊が、エチゴニアから南東に50キロ離れた島を襲撃して占拠。船影はおよそ5で、大型の船は無く、海賊の数は200人程度。
「守備兵と住民は?」
「わからんが多数の犠牲者が出たようだ。『プラーグのヨッセル』の準備がもうそろそろできる。終わり次第、私が突入して奴らを打ちのめしてやろう」
「……僕も同行する。船団も同時に向かわせよう。医療魔道士や救援物資を多めに加えてだ」
サクラウチは承知した。教帝が陣頭指揮をとるという実績を積み上げることによって、彼の名を国内外で高めるのだ。
1日して『プラーグのヨッセル』の準備が整うと、サクラウチは教帝と共に島に向かった。
島に入ったオルランドゥは、サクラウチと共に村が見渡せる高台に潜んで様子を伺う。海賊たちは島の男らを一か所に集めて監禁し、女たちを全員慰みものにしながら宴に興じていた。
オーガの数はおよそ10人ほど。しかし西沿岸の種族はそれほど強くない。オルランドゥも1度か2度は討ち取ったことがある。サクラウチなら申し分なくやれるだろう。しかし、『プラーグのヨッセル』だけで十分制圧できる程度だ。白兵戦にはならなそうだった。
「サクラウチ枢機卿、準備はいいか?」
「できているよ。発動と共にヨッセルたちはあの広場に現れるだろう。間違って女達を押しつぶしたりはしない。私が操るのだからな」
それを聞いてオルランドゥは首にかけた銀の像を手に取った。何をしようと企んでいるか、サクラウチはわかっていた。
「待て。斬り込むのは無しだ。どうせなら私がやる」
「一番槍の功だけは譲らないよ……ヒイメン!」
銀細工の尻に口づけた直後、オルランドゥは消えた!
まばたきするよりも短い時間で、彼の姿は村の広場にあった。
オルランドゥが短槍を構える。女達の悲鳴と、海賊たちの怒号があがると、オルランドゥが槍を振り回して名乗りをあげた。
「僕はオルランドゥ=カーンダークだ!」
その名を聞くと、ならず者たちの顔が凍り付いた。血なまぐさい恐怖とともに知られる、パラッツォの『魔槍』の名であるからだ。
「クボーニコフの悪鬼ども! 来世に行く駄賃に、『皆殺しオルランドゥ』の槍さばきをとくとご覧じるがいい!」
クボーニコフの軍との数々の戦いで磨かれた武芸は、容易に弱卒どもを圧倒した。
『皆殺しオルランドゥ』が次々と血の雨を降らしだすと、遅れてサクラウチは村の広場の近くを定め、『プラーグのヨッセル』を喚び出した。
しばらくして、戦いは終わった。オルランドゥはここで80ほどの首級を自らの手で得た。
今回は土人形にオーガをとられて残念でならなかったが、彼が討ち取った者の中には鬼族の血を引いた剛腕もかなりいた。普通のニンゲンであれば大勲章ものの戦果だ。
捕虜は男の住民達に入れ替わる様に監禁された。サクラウチが見ている手前、皆殺しにはできなかった。
「捕虜は全員、エチゴニアの傭兵団に加えることは可能かい? それなりに活躍してくれると思うんだけど、どうだい?」
「教帝陛下のお心のままに、と答えておこう。それに、和議がなっても賊としてエチウに攻めて来る理由も聞き出さないとな。食えなくなった、となれば、傭兵なり漁民なりと働き口を斡旋してあげよう。隣人に妻を寝取られたら、次は自分の尻穴を差し出せ、でいこう。それが神が説く愛というものだ」
滅ぼすのではなく受け入れる、なのだ。
侵略をする者とそれに従う者には理由がある。
その問題を解決することこそが和平の道だ。
とはいえ、クボーニコフ王国はパラッツォ教国に対し、正式な国交を結ぶことを断り続けていたが。
「船はそろそろ来るかな? 出発してかれこれ5時間になるけど」
「帰り道はゆっくりと船旅を楽しんでくれ、教帝陛下」
「僕は女の子がいないと旅を楽しめない性分だよ?」
「そんなこともあろうかと、娘達を乗船させておいたよ。君を慕っているあの子たちだ」
それを聞いてオルランドゥは満面の笑みを浮かべた。ツノが生えておっぱいが大きい、可愛い女の子達と船室に籠って汗まみれになる。これが彼の戦いの後の楽しみだった。
やって来た船からサクラウチの娘達が降り、オルランドゥをねぎらった。
彼の娘達の中では年がいっているが、オルフレッドと同じぐらいの年齢の女にしか見えない。誰もが『色男』の父親から、良い遺伝子を受け継いだ美人で胸が大きかった。
「さあ、オルフレッド様、法悦を為しながら戦勝を祝いましょう?」
一番上の娘に誘われた。まずはこの女からだ。
あてがわれた部屋に入ると彼女に汗臭くなった身体を押し付けた。それから接吻をしながら額のツノを撫でる。彼女の身体がびくんと動いた。
「……んんっ♡ そこはっ♡」
ツノはオーガの性感帯だ。中は硬かったが、手触りはすべすべとして柔らかい。男のツノは少年の亀頭の様な手触りだが、女のそれはクリトリスと同じだ。
いや、ツノ全体がこの種族の額にあるペニスでもありクリトリスである。性感帯はやや丸っこい先端から、根元まで広がっていた。
オルランドゥは甘いしごきを続ける。相手の下と唇が貪欲になった。胸をしっかりとつけて相手の乳房の柔らかさを楽しみながら、彼女の身体の火照りが強まるのを感じた。
オルランドゥは唇から離れると、そのツノに唇と舌を這わせた。
何度もしつこいが、オーガのツノはそれ自体が快楽器官だ。彼女の頭に快感が広がった。こうなるとオーガの女は正気でいられなくなる。
だからこの種族で育ちがいいところの女は、割と純潔で貞淑な者が多かった。
「も、もうだめです……♡ は、はやく法悦を……♡」
オルフレッドは彼女の服を脱がせ、寝台に押し倒した。自身も鎧と服を脱ぐ。
十分に血が行きわたり、亀頭が天を向いている屹立があらわれた。
エチウに来てから修行、とも言えるぐらいの時間の法悦を為してから、彼の陰茎は30センチ近くにまで伸び、その胴回りはより一層、太ましくなっていた。
サクラウチの娘はうっとりとした笑みを浮かべながら脚を広げた。陰毛に覆われていたが、そこは濡れそぼって赤い入口を開き、蜜をこぼしていた。
教帝はそこから放たれる匂いを吸い込み、覆いかぶさりながら彼女にささやいた。
「美しくていやらしい君に、僕の情けない姿を見せてもいいかい?」
「……はい♡」
オルランドゥは女の大きな乳房に顔を埋めた。青い血管が透けて見える、真っ白い乳房である。
ゆっくりと揉みながら、ピンク色の乳首を吸い立てる。汗の味しかしなかったものに優しい味が混じった。この女の豊かなものが蓄えていたものだ。
女オーガは子を産まなくても、乳を出せる者が多くいた。もう片方の乳房の、乳頭の辺りをつまむとしぶいた。
(ちなみに、オーガの里では女達から出た乳を瓶に入れて売る店がかなりある。牛や山羊みたいに彼女達は大量に絞りだせるのだ。)
乳を吸われて喘ぐ声を聴きながら、オルランドゥは彼女に覆いかぶさった。
たっぷりと濡れ、法悦の時を待ちわびていた女の園に奥まで入り込んだ。
彼女が下腹に力を込めると、押しつぶされそうになりながらも起伏がある豊かな膣と密着した。動き出した。
オルランドゥは旺盛に乳房を貪り、腰を突き動かした。
身体を密着させて彼女をより深く感じた。
女の方も頭ひとつ分大きい教帝にあわせて腰をくねらせる。
行為は終わりの頃まで激しいものだった。波をかき消すぐらいにベッドを揺らし、2人は何度も絶頂する法悦の時を過ごした。
けれどもオルランドゥは彼女だけでへたれたりはしなかった。汗のにおいが立ち込める船室から相手が出ると、すぐ次の女を引き入れた。同じぐらいの濃密な時間をもう1人と過ごした。
彼はエチゴニア島に戻るまで、サクラウチがつけてくれた娘達全員と、教帝との法悦を望む船団の女信者全員を抱いた。
彼女達の半分近くがこの時に、彼の子を胎に宿した。
教帝には実父の様に、無尽蔵の精力と必ず女を孕ませる凶悪な強さを持つ精子に恵まれていたのだ。
教帝・オルランドゥ=カーンダーク。
彼はエチウの島々で、母がホーデンエーネンで果たせず、実の父がはねつけた大志を成し遂げた。パラッツォの教えの下の巨大な帝国のあるじとなったのだ。
しかしこれには教主やその下にいる者達の思惑があったから、お飾りの王と呼べたかもしれない。
けれども彼は、紛争や戦争では全軍を指揮し、属国イナーヴァニアの王の処遇を決めて従わせる力があった。
事実、彼が治めた時代はエチウ諸島の黄金期とも、後の世の歴史家たちに評されるほどだったのである。