聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
ダテーゾフの援軍は、夜を徹しての強行軍でフルカワグラードに向かっていた。疲労困憊だった。あまりの疲労により、途中で1000ほど脱落し、今では4000しかいなかった。
だが、フルカワグラードの防衛部隊と、コゴタスクに集結した1万以上の公子軍をもってすれば、ワターリ王家が送った討伐軍を討てると目論みていた。
この先遣軍団を指揮する総大将は、公都に近づくだけで勝つだろう、と意気込み、疲れ切って荒い息をはく兵や馬を叱咤した。
そして先頭は、サイゴークからの傭兵部隊が走っていた。途中の街で馬をもらい、全員が騎乗をしている格好だった。それだけの期待をかけられていたのだ。
そしてこの一団は本隊よりも一足早く、フルカワグラードの城壁が見えるところまで近づいていた。
先陣を指揮するのは、ヒッジランド人の傭兵隊長だった。酒くさい息を吐きながら、全員に止まれ、と命じた。城壁を見てどうもおかしいと思ったからだ。
「隊長、なぜ止まるんです?」
フルカワグラードの南壁に目を向けていた傭兵が尋ねた。
「わからないか? 城壁に見張りがいない」
「ええと……見えるには見えますが、詳しくはわからんですね?」
傭兵隊長は鞍の荷にぶら下げていた荷物入れから、望遠鏡を取り出して手渡した。
「確かにいませんね。ムーツの奴らは野戦主体だから篭城戦のやり方を知らんのでは?」
「エルフに弓術を教わっているヒッターチと、矢が得意なゴブリンの騎兵がいるミョーゲチャコフだぞ? 遠矢が得意だ。あれは多分、反斜面戦術を仕掛ける腹積もりだろう」
この傭兵隊長は、ヒッターチが研究しだした戦術を知っていた。反斜面戦術とは、城壁などの障壁の向こうに射手を配し、観測役の魔道士が高所で敵の進み具合を調べ、斉射の合図をかけるという戦法だ。
【ギルバート=カツランダルク注:反斜面戦術はそもそも、エルフやゴブリンの得意技だ。英雄・スーワシューロに率いられたカイロネイアとツックイーのエルフたちは、古代ムサシノ帝国との戦いで相手方を散々に苦しめたという。】
それと、城壁よりも気になる箇所があった。崩れた南門の前に立つ、朱塗りの具足をまとった武者が1人。いや、前に担いでいるもう1人を含めて2人いた。
そこら辺に野太刀を何本も地面に刺し、3メートル以上の剛そうな長槍を掲げていたが、背を反らして腰を落としていた。
担いでいたもう1人の尻のあたりが、妙に艶めかしく動いているようにも見えた。言われて望遠鏡で覗いた傭兵は、なんだかいやらしい気持ちになってしまい、手で股間を抑えてしまった。
「あれ、やっているところなんですかね?」
「戦場でもおめこをか……オーガの武者だろうか?」
「どうも違うようです。ツノが生えているように見えません」
「おい。後ろの旗指し物に何かが書かれているようだが、何と読める?」
「『だいぶへんもの』……ですかね?」
返事を聞き、傭兵隊長の額がさっと青ざめた。それから皆に呼びかけた。あの武者とは絶対に立ち向かうな。
「なぜです? たった2人でしょう。余裕で勝てますよ」
「本当ならそうかもしれない。でもな、世の中にはとんでもない『規格外』ってのがいるんだよ。その旗指し物ならその人物だ……俺達のエドワード=ルーカスと肩を並べる、ホーデンエーネン最強の騎士のはずだ!」
傭兵隊長がその名を発する。
「あれに見える朱塗りの鎧の勇者が、イズヴァルト=シギサンシュタウフェンその人だ!」
その名を聞いた、サイゴークの傭兵らがどよめいた。彼らの多くは5年程前まで、イーズモーやヒッジランドでパラッツォ教団と、戦ったことがある者たちだった。
そしてその戦争で、最も多くの武勲をあげた猛者がいた。それこそがイズヴァルトだった。イズヴァルトの名はサイゴーク大陸で、本国よりも畏怖と崇敬を込めて口にする者が多かったのだ。
「隊長、どうします?」
「全軍停止。本隊の到着を待つ……しかし、イズヴァルトの名前を絶対に言うな。語るな。まだダテーゾフの連中は、イズヴァルトさんの凄さを知らないはずだ」
そこに周囲の戦士よりも10センチほど背が低く、その代わり肩幅が倍近い鉄槌を携えた男が呼びかけた。
ダミ声で、サイゴーク北部の訛り丸出しだった。イワッミーのドワーフだった。
「……そうけえ。つまり、ダテーゾフのもんを見殺しにするんかのう、ウォルターさん?」
「もちろんだ。イズヴァルトさんとやりあうなんて、『同士討ち』みたいなもんさ」
その傭兵隊長、ウォルター=ベンジャミン=ウラスコーは腹を決めた。
「連中が城壁に張り付き、イズヴァルトさんに構いだしたところで寝返りだ。それまではここで機をうかがう。一番槍はダテーゾフの勇者に譲るとか、理由をつけてな」
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ヒッジランド人の傭兵隊長・ウォルター=ウラスコーの目論見どおりになった。
一番槍を譲られたダテーゾフの精鋭騎兵隊は、門の前でへこへこと腰を振る相方に苦悶の表情を見せるイズヴァルトを、まずは討ち取らんと殺到した。
至近距離になれば、この聖騎士がどんなナメた格好だったのかがよくわかった。抱いていた鎧の武者は女だ。
しかも互いの性器が結合しやすいように取り計らっていた。女が夢中に腰を振るものだから、でっかい生尻が見えてしまった。とても良い尻穴をしていた。
一番手を担うこととなった騎馬武者が、槍をしごいて性交に夢中なイズヴァルトに呼びかけた。
「そこの朱塗りのべっちょ狂い、名乗れぇ!」
「ちんちんしゅこしゅこだいしゅきざむらいにござりゅ!」
「だからぁ、名前を名乗れっていってるんだべよ!」
もう一度訊かれてやっと名乗った。さあ、一騎打ちだ。相手はイズヴァルトが抱いているローラの背中を狙って歩を繰り出した。
しかし、前に30キロ近くのおもりを付けている様な格好で、なおかつ性の悦楽によって腰がへなへなになっているはずのイズヴァルトは、目にも見えぬ動きで相手の槍を弾き飛ばし、その肩を柄で叩きつけた。
聞くにも堪えない大きな打擲音だった。騎兵の悲鳴をあげて落馬した。叩かれた肩の骨は粉々に砕けていた。
イズヴァルトはローラの女膣を亀頭で激しくこすりながら、長槍をぶん回して敵兵らを散らせた。足で大地を踏みしめて腰を落としたその構えは、見る者を恐れさせる
「次の相手は誰でごじゃりゅか! おまんこでちんちんじゅぽじゅぽしながらも、貴殿らに鍛えに鍛えた武というものを、お見せする所存でごじゃりゅ!」
次に続く者はいなかった。イズヴァルトの身のこなしと馬鹿力に恐れを為したからだ。
イズヴァルトは闘志をむき出しにし、陰茎をさらに硬くした。可愛い声で「ひゃう♡」とあえぐローラに、ますます欲情して腰を振った。
「おりゃぬのか! ならば! せっちゃからお相手いたしゅ!」
イズヴァルトは走り出し、大きく跳躍した。エルフやオーガのようなジャンプ力だ。
騎兵らは見とれてしまった。ローラのまんこに入り続けるイズヴァルトの巨大なちんぽと陰嚢と、その相手のむしゃぶりつきたくなる女尻もそうだったが、あまりにも高く飛んだからだ。
まるで、異界の英雄の『八艘飛び』とやらとも例えられるような飛躍だった。
イズヴァルトは騎馬隊の中に飛び込み、きれいに着地すると、奥を強く突かれたローラの「おほっ♡」という声によってますます促進された射精感に悶えながらも、長槍を激しくぶん回した。
馬や兵士は思い切り殴られ、遠くまで弾き飛ばされた。中には打ちどころが悪く、兜を凹まされて頭蓋をつぶされる可哀想な武者もいた。
精鋭騎兵は一度に十騎も崩された。怯んだところをイズヴァルトは容赦しなかった。
尖り具合が鈍い穂先や、同じぐらい硬い石突きで騎兵らを突き、泣いて詫びたく鳴るような風の音を立たせる柄による打擲で次々と倒していった。
精鋭騎兵達が撤退をはじめる。戦いが始まってから10分も経っていなかった。
イズヴァルトは依然、実力の半分も発揮できていなかった。特に魔法だ。『覇王の剣』の重圧の術式と、『獄炎の凱歌』から学んだ炎の術式の粋を発揮しておらぬ。ましてや、エルフたちから学んだ魔道もだ。
腰を振って「あははん♡」と悶えるローラに精液をくれてやりながら追い散らしてしまった。ダテーゾフの武者らは、隔絶した実力差を思い知らされ、牙がぽっきりと折れてしまったのだった。
「待つでござりゅ! まだ拙者は本気を出しておらぬでござりゅよ!」
聞いてられるか、と悔しそうな声が聞こえた。イズヴァルトは止めるがちんぽの愉しみは止めていなかった。
精強と謳われるダテーゾフのこの騎馬武者らは、もうやってられんと吐き捨てて自陣に戻っていった。
「……どういうことだ?」
戻ってきた彼らを見て、ダテーゾフ側の武将らは一番槍に臨んだ彼らを叱責した。遠目から見てイズヴァルトの武芸に恐れおののきはしていたが、多勢に無勢ならもっとやれると思っていた。
「俺達はもう、御免被ります」
「コゴタスクの軍はまだですか? それを待ってからの総攻撃がよろしいでしょう」
イズヴァルトに追い払われたとはいえ、この騎兵らはそれなりに戦況分析ができていた。
しかしたった1人に追い返されたことに、不甲斐なさを覚えた諸将らは、総攻撃を仕掛けると言い出した。
「ここでようやくサイゴークの魔法戦士団を用いる時だろう! ウォルター=ウラスコーに出撃を命じよ!」
しかしまとめ役の武将の命令に、ウォルターは「コゴタスクの軍を待つように」と意見した。返答を聞いてやきもきした諸将らは、もういい、と怒って全軍に命じた。
「今より南壁を攻める!」
「戦いが始まれば公都にいる守備隊が呼応して、道を開いてくれるはずだ!」
「ワターリの王家の軍がなにするものぞ! 我らはオーシラ神に愛されているダテーゾフ! 進め、ウラーッ!」
長旅で疲れてはいたが、4000近くの軍勢はフルカワグラードの南壁に殺到した。
攻めて来た大軍勢にイズヴァルトは発奮し、いよいよ武者冥利に尽きると胸を高鳴らた。
敵の武将らは彼を足止めする為に、オーガの戦士を集め、向かわせた。
ユリアゲツクに赴いたダテーゾフのオーガの戦士達であるが、騎馬愚連隊など弓騎兵の毒矢の餌食になり、射られた半分は死に、もう半分は戦闘不能で砦の寝床にあった。
そして今、イズヴァルトに会い向かうのは女オーガの武者達だ。各々が薙刀や大段平を持ち、『ぐそく』に身を固めるが、男のオーガと比べれば、格落ちの感が拭えない。
しかし、ローラに負けず劣らずのでかい乳を揺らし、安産型の尻をつけ、弱々しく見えるけれどもオーガである。薙刀を振り、槍で突いてくる速さは、一級品のニンゲンの戦士の倍以上であった。
まさに刃の嵐である。それをイズヴァルトは身をかがめ、脚を軽やかに舞ってかいくぐった。女オーガたちは驚愕した。
しかし、その刃のうち、薙刀による下段からの斬撃が、ローラの尻を狙った。なれど、斬り断とうとした女オーガは、驚愕する光景を目にした。
その薙刀をローラの尻は素肌で、尻の筋肉を固め、受け止めたのだ。
「これこそ、尻陰流奥義、尻白刃取り!」
その信じられない秘技を目にした女オーガは、思わず薙刀を落としてしまった。勢い余ってローラは屁をこき、受け止めた薙刀の上にぶりゅぶりゅと軟便をひねって汚してやった。
そのにおいに、イズヴァルトは股間と闘志をみなぎらせた。
大槍でをぶん回してオーガたちを弾き飛ばすと、後ろに跳躍してそれを投げ捨て、地面に刺さった野太刀を左右の手に取った。
「オーガの衆、少しオイタを致すが、諦められよ!」
野太刀に切り替えた『ゆうしゃみならい』は、ローラを担ぎながら貪狼のごとく駆け出した。
その素早さに呆気に取られる女戦士たちに、ゴブリンの双剣技のような早業を披露する。
類まれなる武の才能と鍛錬を積んだ者による剣風が起こった。死神の鎌の如きその刃は、オーガ女達の額のツノを、次々と切り落としていった。
ツノをやられると、オーガらは無事では済まされなかった。断末魔の様な悲鳴があがった。斬られた女達は泡を吹いて失神した。
オーガ達が一方的にやられている間、城壁に取り付いたダテーゾフ兵たちの間からも、悲鳴と命乞いの声があがっていた。
城壁の向こうに控えていたイナンナたちが、お得意の『爆炎弓箭』を放ち、彼らの背後に炎の暴風を見舞ったのだ。速射も得意とする彼女らは、矢をつがえるのを止めなかった。
戦況はついに窮まった。南壁を攻めていた軍勢が逃げ始めた。
精鋭騎兵らと共に見守っていた本隊の総大将は怒号を放って軍配を叩きつけた。
「ウォルターはまだかっ!」
それに呼応する声が真上から。ウォルターほか、サイゴークの傭兵団が飛翔魔法で飛んできたのだ。
「俺はここだっ!」
ウォルターが着地した。すぐさま、精鋭騎兵の1人を素早い剣さばきで葬った。
「まさか、裏切るつもりか!」
「ダテーゾフの衆、俺達サイゴークの傭兵団は、義によって相手方に寝返ることにした!」
斬りかかった相手を二合で倒す。ウォルターの剣はゴブリンの凄腕の剣士と同格か、それ以上の速さであった。
「うぬめ! ただでは済まされんぞ、ウォルター!」
「ヒッジランドの先の王家の末裔、ヴィクトリア=アルグレイブを師と崇めた、聖騎士イズヴァルトがいなけりゃ、あんたらに最後まで従ったんだがな! 恨むなら、自分の運の悪さを恨んでくれよ!」
ウォルターの寝返りによりダテーゾフの援軍は、頭目と戦意を失って瓦解した。
戦いの後、イズヴァルトはウォルターとの再会を祝った。酒を酌み交わしながらサート銀山からこの4年間、お互いの身に起こったことを夜明けまで語り続けた。
その後、ウォルターは傭兵団をサイゴークに帰し、イズヴァルトの『ゆうしゃ』となる旅に加わると約束するのだが、さて、その旅はどこへ向かうこととなったのか?
その続きについてはまた、次回にて。