※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

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第十五回

 さて、サイゴークへと向かうイズヴァルトとマイヤ。その船旅はどうであったか?

 

 甲板に出て身体を動かすのと、食堂や風呂場に行く時以外はいつも、船室に籠りきりでセックスに高じていた。つまりは、いつも通りの仲睦まじい毎日を送っていたのである。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

「んんっ、いじゅばるとぉ……」

 

 ベッドの上でマイヤは、愛する少年騎士にヴァギナとクリトリスを存分に嬲られて喘ぎ声を出し続けていた。膣蜜は洪水。アナルは絶頂により開いてぱくぱくと開け閉めを。

 

 彼女はイズヴァルトの頭を撫でながら、彼の舌と唇が自分の柔肉を舐り続けるのに身を任せた。くちゅっくちゅ、じゅぷうっ。音を立ててイズヴァルトはマイヤのそこを味わい続ける。

 

 溶けてほぐれきった彼女の膣口と、厚くなった陰唇から口を離したくなかった。舐めれば舐めるほど、マイヤはおいしい汁を垂らしてくれるからだ。

 

 舌の先を細かく動かし、血が集まって膨らんだクリトリスにちょんちょん、と触れると、マイヤはのけぞって乳房を揺らす。

 

「陰核も陰唇も、もっとなめなめが欲しいとせがんでいるでござるよ?」

「……きもちいいんだもん、いじゅばるとのなめかたがっ……ぅふうんっ!」

「マイヤのおまんこはおしっこのにおいがほんのりとのってて酸っぱいでござるが、甘くてたまらない……」

「きゃん、そんなこと言っちゃいやだようっ!」

 

 イズヴァルトは女陰に顔をくっつけた。その感触にマイヤがまたものけぞる。女陰の奥へと舌を突き入れ、みずみずしく熱いヴァギナの肉を舐り始めた。

 

 弾力と柔らかみに富んでいる。ラヴィアはキスのし心地が良かった。いつまでも顔を埋めていたかった。うん、うううん、とマイヤがよがり、太ももを押し付けて来る。

 

 イズヴァルトの舌によるたまらない快感が続くとお腹の中が熱く渦巻く快感を起こし、彼女は「ひゃあああん!」と叫びながら絶頂の波に身を任せた。

 

 はあーっ、と彼女は大きく息を吐き、強い体温を部屋の中に放つとイズヴァルトに、「おまんこの中に入れてみて?」と呼びかけた。

 

 ではそうするでござる、と彼は程よくほぐれたヴァギナに差し込んだ。ぎゅい、と深く侵入しようとする。膣肉はぬめりながら勃起に絡み、亀頭と軸に心地よさを与えた。

 

「相も変わらず……精液を取り立てるに過ぎる具合でござる……」

「そっちだって、硬くてぶっといままじゃない!」

 

 イズヴァルトのペニスが中ほどまで埋まった。きついがペニスは感激しきって腰に早く動けと命じてばかり。陰嚢もすぐさま精を出すように盛んに動いていた。

 

 彼はゆっくりとぐい、ぐい、と腰を動かし始める。

 大きく広がった膣入り口に押し上げられて快感神経が刺激を受け、マイヤは再び大きなよがり声をあげた。

 

「ひゃああんっ! いいっ、いいいいっ! いじゅばるとぉ、とめないで、たっくさんうごかしてぇっ!」

「そ、そのつもり……ふううっ、うふっ!」

 

 少ししか入らなかったが、キツいヴァギナの中での抽送はかなりの快感をイズヴァルトに与えていた。自然に腰が動いてしまう。

 

 ぐいっぐいっ、ぎしっぎしっ、と腰を動かしベッドをきしませて、イズヴァルトはマイヤを抱き上げて立ち上がった。

 

 重力と船の揺れで、マイヤのヴァギナが、より深くイズヴァルトの男根を包み込む。裂ける様な痛みを伴ったが、Gスポットを押された快感に参ってしまい、マイヤは「ううううんんっ!」と喜んでイズヴァルトの肩に抱きついた。

 

 イズヴァルトは彼女をはめて抱えたまま、船窓のほうへと近づく。大きく波立つ外を見て、「マイヤ、この海はずっと続くでござるな」と呼びかける。夢見心地な顔のまま、彼女は灰色の空と黒い海を見た。

 

「ちょっと……さびしいかな」

「何が寂しいでござるかな?」

 

 イズヴァルトはぐい、と腰を引き押しすると、彼女は「あひゃんっ!」と可愛いらしい声で啼いてしまった。彼は中腰になってくい、くい、くい、とマイヤの膣を男根でマッサージし続ける。

 

「だってわたしといじゅばるとはこんなにもにぎやかなのに、おそとのうみのしおさいは、とおりいっぺんのなみうちかたしかしてくれないんだもん!」

「なら、拙者とマイヤどのとのみっともない営みで、海を呆れさせてやるでござる!」

 

 イズヴァルトは腰を動かすのを早くする。マイヤの下腹は彼のペニスが動くたび、ぽこ、ぽこと盛り上がったり落ち着いたりとするが、彼女の快楽神経はたじたじだった。

 

「うん、ふっうんっ! や、やっぱりきれい! このうみ……なんだかピンクにみえてきちゃうっ! はあんっ!」

「そうでござろう……拙者もマイヤと繋がりながらだと、この海と空が青く澄み渡ったものに見えるでござるよ…ふうっ!」

 

 マイヤはヴァギナに程よくかかる重圧と快感に酔いしれて、お尻の穴をヒクヒクと動かしてしまった。それから一声。マイヤの中に大量の精液が注がれた。

 

「お、おにゃかが……」

 

 精を得て子宮が吸い込むのを想像しながら、マイヤは絶頂の余韻にひたった。もっと欲しい。クリトリスは勃起したままだった。

 

「いじゅばると……もっとおなかにのましぇて……」

 

 不意にぷす、と可愛いオナラの音が鳴った。イズヴァルトは可笑しさが抑えられずに笑ってしまうと、彼女は怒って彼の肩に噛み付いた。

 

「い、痛いでござるよ!」

「イズヴァルトのいじわるっ!」

 

 彼女は腰を退いて向きを変えた。快感でほぐれていたアヌスをイズヴァルトの亀頭の先にくっつけると、ぐぐぐぐぐ、と腰を落として包み込んだ。

 

 こちらはヴァギナよりもペニスを食い慣れている。直腸とその入口はすんなりと受け入れ深々と飲み込んだ。中はヴァギナにも負けず貪欲だ。弾力があって包囲を縮めて来る。

 

 深い快楽臓器の感触に、イズヴァルトは「い、いいいっ!」と喜びの声をあげる。今度はマイヤからの攻撃だ。

 

 彼女は可愛く柔らかいお尻をぐっ、ぐっ、と動かして「あん、あああん!」と喘ぎながら、彼のペニスにお仕置きし続けた。

 

「…いじゅばぁるとぉ、どう? わたちのおしりのなか、きもちいい?」

「あっ……うん、いいっ、きもちいいいっ!」

「そう? わたちもだよ…ひうんっ! ちょくちょうおまんこのなかでいじゅばぁるとのおちんちんがかたく、あつく、ぐいぐいとうごめいてて、たっくさんのせーえきをだしたくてうずうずしゅてるっ!」

「そ、そのようでござるっ!」

 

 少年騎士が叫んだ時、マイヤの直腸の中にまたも大量の精液が流れ込んだ。びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ、と勢い良く飛びながら、自分の尻の穴の中で温かい液体座薬が注がれる。

 

 マイヤは尚も自分のすぼまりで、彼のペニスの幹をしごき続けた。ぎゅるる、ぎゅるる、と尿道に残っていたザーメンが搾り取られる。彼女は左右におしりをぷるぷる、と振って欲情を誘った。

 

「もっと、ざやくをいれてちょうだいね。わたしだけのかわいいおくすりやさん?」

 

 ささやきにイズヴァルトはペニスに力を込めてしまう。マイヤは再びお尻を押し引きし始めた。イズヴァルトとマイヤの結合部は、ちょっと茶色いものが混じった精液で、びちょびちょになっていた。

 

 そんな汚いのをものともせず、イズヴァルトは彼女のアヌスとその奥で暴れ、弾け、悶え続けた。マイヤもまたお尻の穴の快楽に身を任せる。

 

 股の付け根が我慢できないほど痛くなったところで肛門性交は終わった。快楽で阿呆になったマイヤは四つん這いで「えへへ~!」と笑いながら、自分のアナルを見物させる。

 

 うんちかす混じりの精液にまみれた穴は、すっかり大きく広がって内臓を丸見えにさせていた。イズヴァルトはそこに鼻を近づけ、思い切り吸い込んで満足げな笑みを浮かべた。

 

「本日もマイヤの尻穴の奥のにおいを嗅げたでござる……」

「というかほとんどイズヴァルトの精液の匂いだと思うよ?」

「いいや、マイヤどののうんちの出口の匂いでござるよ!」

 

 しょうもない事で言い争う。それから船室備え付けの風呂場で身体を清めるが、性欲過多な2人はそこでもいちゃいちゃとし始めた。

 

 湯舟の中でパイズリやフェラチオ、アニリングスなどで疲れた身体をもっと困憊させた。旅のうち何度か、湯舟で互いに抱き合って眠ることもしばしばあった。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 船の生活のほとんどは、2人の腔愛の時間に費やされてばかりだった。おかげでイズヴァルトのペニスは増々太くなってしまったし、マイヤのヴァギナとアナルは興奮した時、指でみょーんと広がるようになってしまった。

 

「こんなに伸びたよ! みょーん!」

「小陰唇がのびのびでござるな!」

「でも、指を離してしばらくすると……ちょこーん!」

 

 平常時のマイヤのラヴィアは、その年頃の少女のそれと大差無かった。少しばかり使い込んだ感のする崩れ方をしていたが。割れ目は相も変わらず毛が生えずつるつるである。

 

 対してイズヴァルトは陰毛が増えていた。とはいえ激しい交合をしてばかりだからどこも擦り切れてみょみょーんと伸びる事は無かった。

 

 素っ裸になって互いの陰嚢や肉襞をつまんで、「のびーるのびーる!」などとトンチキな遊びをしていると、廊下から船員の呼びかけが聞こえて来た。

 

「もう少しでオーキ本島に到着です! 水や食料を積み込むので3日間立ち寄りますので、島で滞在される方はお申し出ください!」

 

 イズヴァルトとマイヤは接岸を見る為に向かう準備を始めた。急がねばならなかった。この旅客船は大きいからだ。

 

 ドワーフの船大工の魔法で、木材と竜骨とを強化して大戦艦の如き威容を誇っていた。イワッミーの船工場で建造されたものだという。100年前に。

 

 着替えてから廊下に出た。堅牢な船には床板に腐ったところは無かった。長い廊下と階段を昇って甲板に出た。雪がちらつき潮風は身に染みるほど冷たかった。

 

「イズヴァルト、さむいよ! ふえっくしょん!」

 

 マイヤがくしゃみをしてイズヴァルトの防寒用のローブに潜り込んできた。ズボンをつける暇も無かったから、ローブの中は風通しが良過ぎた。

 

「マイヤ。接岸するまででござるよ?」

「はーい」

 

 マイヤは返事すると共に、イズヴァルトのペニスを指でつついてきた。やめるでござるよ、とたしなめようとした時である。

 

「イズヴァルト君ではないですか!」

「あなたも外を見に来たの?」

 

 隣の船室に乗っていたゲーンズブールという姓の若い夫婦である。食堂でよく顔を合わせたりする事があった。夫のほうは20歳になったばかり。妻はイズヴァルトの1歳年上だと聞いた。

 

 ゲーンズブールはヨナーゴに拠点を構える交易商で、奥方の実家があるサカーイの街に、妻のおめでたを報告しに行っての帰りだ。ゲーンズブール氏とその奥方は、幸せいっぱいの顔をイズヴァルトに見せた。

 

「イズヴァルト君。あそこに見える島がオーキ本島ですよ」

「あまり大きな島には見えぬでござるが……」

「意外と広いのよ。入り江や水平線で隠れてしまっているけど、ナントブルグ市の4倍の広さはあると思うわ」

 

 ゲーンズブール夫妻は肩を寄せ合って島を眺めていた。イズヴァルトは自分とマイヤと同じく、2人も朝からお楽しみをしていたのだろうと思った。2人とも体臭がきつかったからである。

 

「まったく、船旅は暇なものですね。なにもすることがないですよ……あはは……」

「同じくでござる。鍛錬や読書をしても、時間が余ってしまうでござるよ」

「私たちもよ。それとこの海域は寒いから、暖房を付けないととてもじゃないけどやっていられないわ。うふふ……」

 

 当たり障りの無い言い方をしちゃって、とマイヤがつぶやく。夫妻は朝っぱらから激しかった。イズヴァルトとマイヤがお互いの生殖器の皮を「みょーん!」と伸ばして遊ぶ間も、夫婦の営みの声はずっと聞こえ続けていたのだ。

 

 それはゲーンズブール夫妻も思う事。この凛々しい少年とどこかにいる可愛い恋人の交合はきりが無い。奥方がイズヴァルトに近づいて、マイヤがどこにいるのか聞いてきた。

 

「マイヤどのなら拙者のローブの中に入っているでござる」

「あらそう? ううふ。マイヤさんは本当に寒がりなのね?」

 

 奥方がはにかんだ。彼女はおっとりとした容貌の美人だった。胸もマイヤに負けず大きかった。彼女の腋のあたりから漂うにおいがイズヴァルトの鼻孔をくすぐり、女泣かせのもの膨らませてしまった。

 

 ゲーンズブール氏が艦尾の方に向かうと、彼女はイズヴァルトの耳元でささやいた。

 

「……ねえ。今晩ダンナが島の商人たちと会合で空けているんだけど、うちの船室に来ない?」

「どういうことでござる?」

「うふ。わかっているくせに……」

 

 夫人はイズヴァルトの右腕に抱き着いた。大きな乳房を押し付けて誘う。

 

「何なら『おしゃぶり姫ちゃん』と3人で。どう?」

 

 突然の浮気のお誘いにイズヴァルトは戸惑った。そのゲーンズブール氏だが島の娼婦を酌させての飲み会に行く為、貞操を守ってくれる保証が無かった。

 

 彼は既に子がいた。2人の下女との間に5つと3つになる子を為していたのだ。見合いで結婚した奥方は、夫の下半身がやんちゃなのは存じている。だから自分も。

 

「どう?」

「ええと……そのう……あのう……うひっ!」

 

 イズヴァルトが変な声を漏らしてしまった。気づけば亀頭のあたりが温かくぬめったものに包まれている。マイヤがフェラチオを始めたからだ。

 

「うひ…ふひ……」

「どうしたの?」

「な、なんでもないでござるが……拙者達は船ではなく。島で宿を取ってみようかと思っているでござる……うひ!」

 

 ゲーンズブールの奥方は残念そうな顔でうなずいた。仕方ないわね。それよりもイズヴァルトが悶えているのを見て、可愛い恋人にいじめられているのを悟った。

 

「ほんとうはおしゃぶり姫ちゃんとなかよくしたかったのになあー。まあいいわ。女同士の親睦を深めるのはまた今度にするから」

 

 そっけない様子で腕から胸を離した彼女は、島で一番おすすめの宿を告げた。飯も寝台も上等だと告げて船尾へと向かっていった。

 

 そこに泊まってみよう、とイズヴァルトは呼びかけたが、直後に股間が激しい快感で貫かれた。マイヤが出てきて、口の周りについた精液を舐めとってイズヴァルトの右すねを蹴った。

 

「ゲーンズブールの奥さんが、イズヴァルト好みなのがわかっているんだから!」

 

 ああいうたれ目でおっぱいが大きくて、ほわわんとした感じの美人を見かけると、良く凝視する癖があるよね、とマイヤが指摘した。イズヴァルトはしょぼん、とうなだれるだけで言い返せなかった。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 オーキ諸島。ホーデンエーネンとサイゴークの航路の中継地点である。その本島の港からはサイゴークの北の玄関口であるヨナーゴの港へ。

 

 もう1本、南側の航路もあった。大陸中央部の沿岸にある、ハリマーヌ公国への航路だ。ハリマーヌは小国だが交易商を多く輩出して栄えていた。

 

 とはいえこの諸島は、重要な海洋拠点であるがいささかうら寂しい。温泉があり新鮮な海の幸にも恵まれているものの、住人はそれほど多くは無かった。

 

 中心たる本島だが、ゲーンズブールの奥方がいうナントブルグ4つ分の広さの倍はあった。とはいえ人口はこの当時、一万にも満たなかった。

 

 交易街というより漁村といった風情の中心都市は、野良犬がほっつき歩き、掘っ立て小屋同然の家の軒先で尻を出して野糞をしている子供達がひねったものを狙っていた。子供らは髪の毛が脂っぽくて光っている。道行く者の多くがそうであったが。

 

「もったいないなあ。もっと栄えててもいいと思うんだけど。温泉も飯屋もなかなかだと聞いているのに」

「歴史書にあったがこの諸島は、諸外国がぶんどる為にしょっちゅういくさが起こっていたらしいでござるよ」

 

 ホーデンエーネンもまた、オーキ諸島の占有を狙って侵攻してきたらしいとイズヴァルトは言った。島の人口が半分にまで減る激戦だったという。オーキ諸島は一応だが、古くから独立国だ。

 

「島では温泉以外に娯楽が無いゆえ、ここに移り住もうとする人もおらぬそうでござる」

「女の人は結構多いみたいだけど、男の人が少ないよね……」

 

 マイヤは道行く人を見ながらつぶやく。女ばかりだ。若い娘に中年の女。夫と思しき男を連れている者は殆どいない。

 

 それもそのはず、ここの島の男達は成人すると出稼ぎに出て帰って来なかった。サカーイやヨナゴルグ、ハリマーヌに行ったきり、そこに定住して島に戻らぬ者ばかりだったからだ。この島の民は貧しかった。

 

 とはいえ子供達の姿は多かった。島の女の多くが船乗りや商人の愛人だからだ。彼女達は島に立ち寄る男達を恋人にし、子を宿すほど求め続けた。だから独身でも子だくさんなのが多かった。

 

 イズヴァルト達が歩いていたのは、街でも貧民が集う一画だった。舗装されていない土の道を歩き、中心地へと入る。そこもホーデンエーネンの田舎町のほうがまだまし、という程のどかだった。

 

「こんなところに本当に宿屋や大商人の館があるのでござろうか?」

「期待しないほうがいいよ。いざとなったら温泉だけ入るようにして、寝るときは船の中に戻ろう?」

 

 それよりも、とマイヤはゲーンズブール夫人の誘いは受けておけよ、とイズヴァルトに念押しする。彼女も夫人の美貌とおっぱいに思うところがあったからだ。

 

「それはともかく、まずはゲーンズブール夫人が教えてくれた飯屋に向かうでござる」

「寝泊りする部屋もあるみたいだね。そこ」

 

 そこには混浴だが、温泉浴場もあるという。狭い船の風呂にはもう飽きた。思い切り脚を伸ばせるような湯舟に浸かり、うまい飯を腹いっぱい詰め込みたいとイズヴァルトはぼやいた。

 

 中心地に入って5分程のところでその宿屋はあった。『塩辛亭』と呼ばれるその宿は、確かに飯がうまいと評判で、客がひっきりなしだった。

 

 10分ほど並ばされて席に着くと、最初の『お通し』にと、麦酒とともにバターを乗せたふかし芋に、イカやタコの塩辛を乗っけた料理が運ばれた。マイヤはフォークでひとつまみ。もぐもぐ。

 

「な、何これ! しおからんまーい!」

 

 彼女は感激した。それからメニュー表を見せて貰い、妙な料理ばかりが揃えている事に気が付いた。『魚介とキャベツを溶かした小麦粉に混ぜて平べったく焼いたパン』や、『タコの脚の一部をまあるくしたパンに入れて揚げ焼きしたドーナツ』など。

 

「ふーん。お肉系の料理もあるんだね。『串で刺した豚肉を揚げたもの』とか『揚げた内臓のぶつ切りを入れた麺』……なんなんだろ?」

 

 とりあえず頼んでみた。メニュー表の名称通りの物が並べられた。どれも濃厚な魚介出汁が効いていて美味だった。イズヴァルトはぱくぱくぱくと食べ続けたが、マイヤは難しく考えながらちょぼちょぼと口にする。

 

「どうしたのでござる?」

「うまい。それだけは言える。けれどもどうにも、昔見たことがある料理ばかりが並んでいるような……」

「昔、でござるか?」

 

 マイヤはうなずいた。いわゆる『粉もん』と前世で呼ばれていた料理ばかりだと。形や味付けは微妙に違うがそっくりである。いいや、限りなく再現されている。

 

「私の前世では『おそーす』がべったりついていたり……特にこの『くしかつ』なんかはそれにじゃぶじゃぶ漬けて食べていたの。こちらではケチャップみたいだね」

「乗っかっているトマトソースの事でござるか。うむ? 塩気が効いていてやや違うでござるな?」

「……もしかして」

 

 マイヤは平たく焼いたものを咀嚼してまあるいドーナツにも手を付けた。備え付けの塩汁につけるらしい。前世で食べたことがある味だと思いながらも、どうにも違うとつぶやいた。

 

「これはまるで……『かんさいじん』の味付け!」

「かんさいじん? どこの国の人々でござるか?」

「おなじ『にっぽん』だよ! でも舌がとても肥えてて、私たち『かんとうじん』が食べるものをしょっぱいだけ、と馬鹿にするとても嫌味な連中だったわ!」

 

 この食堂にはもしかしたら、『かんさいじん』の転生者がいるのだろうとマイヤは思った。しかし舌と本能は正直である。出汁がきいた美味な料理に夢中になった。

 

 それから温泉に入った。人はまばらだったが誰もがイズヴァルトとマイヤに目を向けた。ちんことおっぱいがでかかったからである。異国でも彼等は目立って仕方が無かった。

 

 洗い場に行くとイズヴァルトはマイヤに呼びかける。彼女が背を向けると石鹸がたっぷりとついた手ぬぐいで清め始めた。わきの下や指の間、つま先を念入りに。

 

 特に尻や会陰には余念がなかった。素手でやってくれとせがまれると、衆人環視の元でもイズヴァルトは気にせず行う。一番感じやすいところを清められると、マイヤはおっぱいをたっぷり揺らして悶え始めた。

 

「ひうっ。しょ、しょんなにごしごしあらわないでっ!」

 

 他の客たちは、「うわああ……」と呆れた様な顔をした。マイヤの秘所や窄まりをこすっている間に、イズヴァルトのペニスがむくむくと起き上がり、みっともなさを倍加させていた。

 

 マイヤの窄まりの奥に指を入れ、ぬちゅぬちゅぬちゅ、とこねくって「あふう……」と言わせたところで、イズヴァルトは周りを見て赤面した。

 

「……いささか周りを気にしなさ過ぎたでござるな?」

 

 身体を清めた後の湯は、熱かったが心地よかった。効能は腰痛や肩こり、潮風による皮膚病や水虫などである。マイヤはおっぱいをぷかぷかと浮かばせながらおばさんくさいため息をついてイズヴァルトを笑わせた。

 

「好みの湯でござったか?」

「ちょっと熱い気もするけどね。ゆっくりお風呂に浸かったら船にもどりましょうよ。ゲーンズブールさんがおっぱいとおまめを膨らませて、イズヴァルトを待っているよ?」

 

 狙われているのはそっちのほうでござる、とイズヴァルトは返した。2人してのんきに鼻歌を歌い、たっぷりと熱気を身体の中に取り込むと湯から出た。

 

 湯からあがると休憩室では、船員らしい者らが話す声が聞こえた。この島にいる現地妻とその子らがどれだけ成長したが一番下の娘だけは違うやつの子供だとか、昨晩は激しく燃えて仕込んでやったぜなどと、下種な話ばかりを。

 

「そいでさ。南のゲースティアじゃまだ武器は売れているのかね? お前さんの船の積み荷はそうだったろ?」

「まあな。だがそろそろイーズモーも怪しくなってる。シマナミスタンの鍛冶師がうちの殿様名義での注文を受けているそうだ」

 

 南部ではゲースティアがスーエイニアの僭主の残党狩りを行い、北部ではイナーヴァニアの過半を制したパラッツォ教団が、いよいよイーズモーに侵攻する計画を立てていると。

 

 特にイナーヴァニアは危険地帯だからうかつに近づくな、という話がちらほらと聞こえた。教団が制した土地は前よりも豊かで平和だが、前線は血で血を洗う戦いが続いていると。

 

「サイゴークは魔竜の版図じゃないから比較的物騒じゃないと思ってたけど、どうもそうじゃないみたいだね、イズヴァルト?」

「そのようでござるな。キンキは魔物の総大将が一番の脅威でござるが、サイゴークは人の野心がそれにあたるでござるよ」

 

 それだけでない。サイゴークには人里離れた山奥に、数々の魔物たちの棲み家がある。特にヒッジランドの奥地は、そういった魔物たちがひしめく山岳がいくつもあるのだという。

 

「そうなると、この『姫竜の牙』にこれから助けてもらわねばならぬかもしれぬでござるな!」

 

 イズヴァルトは宿の者に預かって貰っていた『姫竜の牙』を返してもらい、それを抜いてみた。船員達がその美刀ぶりに驚くとともに、廊下から少年の声が。

 

「そ、その刀身はヴィクトリアねえちゃんの!」

 

 イズヴァルトとマイヤは振り向いた。そこには背中に木刀をしょった、ぼさぼさ頭の幼い少年が立っていた。

 さて、この少年とは一体何者だったのか?

 

 その続きについてはまた、次回にて。

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