聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
パラッツォ教軍はいまだ、イブキラッセン城から出ていなかった。
戦いは既に終わっている。後は帰国するだけなのに動かない。
総指揮官であり旗印たる教帝オルランドゥが原因だ。
実の父にやられた手首の痛みが悪化し、熱を出して寝込んでしまったからだ。
やられた後に治療はしたが、痛みは引かなかった。それでも決戦に臨むべきだ、と彼は無理を押して出陣した。それが尾をひいたのだ。
「ごほっ……すみません、教主様」
戦いから戻って熱で倒れた時、ベッドの上で毛布をかぶるオルランドゥは涙を浮かべながら、看病につとめるコーザに謝罪した。
「謝ることはありません。もう少し養生したら帰りましょう」
転移魔法を用いて、オルランドゥだけ先に戻らせるつもりだ。
軍はコーザ自身が率いる。パラッツォ教軍がイズヴァルトに敵対したという話が北部諸侯の陣営に届いており、そう簡単に通してくれないような情勢になりつつあったからだ。
コーザはここに来る時、枢機卿を1人つけていたカヅノ=セイジである。彼を連れて来たのはこの軍のもう1人のかしらと仲が良いと聞いたからだ。ヘラのことである。
そのカヅノはイブキラッセンから北西に20キロ離れた、建設途中だったホーデンエーネン軍の砦にいた。一緒に行きたいとねだったヘラを連れてだ。
そこには街道の東側に高台があり、そこに物見の櫓が設配されていた。
2人はそれに登ると、ヘラは北側の手すりにてをかけ、カヅノに背後から襲わせていた。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
法悦をしながら北部諸侯側の領土を眺める。いくつも軍用の狼煙があがっていた。帰途のパラッツォ教国軍を、押し留めて詰問するか、襲撃する軍を集めているらしい。
ヘラの肉穴を貪りながら、カヅノは心の中で呟く。
(教典の巫女の話によれば、襲うつもりは無いらしいが、油断はできんだろうな。)
北部諸侯軍には亜人の兵団がある。それとパラッツォ教の信奉者で、司祭騎士や教典の巫女から魔法を学んだ兵士もだ。
それと『ゴーレム』の術式を知るパラッツォ教信者の魔道士も。
ホーデンエーネンに伝わった、精霊魔法のデキの悪いタイプのものではない。神聖術式の『プラーグのヨッセル』だ。枢機卿のものと比べてかなりの劣化版だが、それでもパラッツォ教軍を苦戦させるに違いない。
彼らにいくらかの神聖術式を教えたのは、このカヅノ=セイジである。乱世を好み策謀を愛する彼は、初歩的な神聖術式をオーミゲニアだけにだが、こっそりと広めていた。
腰を動かし、ヘラの熱い股穴をほじくり、彼女の甘える声を聞きながら考える。オーミゲニアが力をつければ、パラッツォ教国は背後を脅かされるだろう。
そうなれば教国は、敵に囲まれたようなものとなる。
東にクボーニコフ、南にオーミゲニア。西のサイゴークでは、イナーヴァニアの隣接国が、依然として教団に不信の態度を表している。
(フン。他の枢機卿の連中はコーザに華を持たせて、教国を世界一の大国にしてやろうと考えているが、ますますそうはいかなくなるだろう。)
オーミゲニアが独立し、強大な軍事力を得ることによって、パラッツォ教の教典による『千年王国』はますます夢のまた夢になるに違いない、とカヅノは見ていた。
「あふっ♥ 空を見てのほーえつ、きもちいいっ♥」
ビキニパンツの間にある穴を開け、腰をくねらせながら下腹の欲を満たそうとするヘラに、カヅノは彼女の尻をさすりながらささやいた。
「そろそろ、お前の欲しがっていたものをくれてやる!」
カヅノはヘラの腰をぐっと抱え込み、その中に放精した。
引き抜くと彼女は振り返ってしゃがみ、精でよごれたペニスを舌で清めだした。
「おお、いいぞ……随分と献身的になったもんだ」
これまでは膣を使うだけだったが、最近じゃ行為の後のお清めフェラをしてくれるようになった。
舌使いはかなりのものだ。一緒に旅をしていたマイヤから教わったという。こうするとちんちんをまた、おまんこに挿れたがるようになるからと聞いたそうである。
「ちゅぱっ。ちゅぱっ。……どう? だいぶうまくなったでしょ?」
「そうだな。それと、青い空を見ながらしゃぶられるのは乙なものだ。お前をこんな従順な娘にしてくれた、孕ませたがりのオルランドゥには感謝せねばならん」
ヘラは舌を動かすのを止めた。
「あんな雑魚とはもう寝たくないよ。教帝の妃なんてやめたい」
彼女は夫にひどく失望していた。イズヴァルトと戦うのを止めたのに、無理やり自分を口説いて軍も引っ張り出した。
挙げ句、イブキラッセンではイズヴァルトと戦って負傷するハメになり、続くヨコヤマヴァールの決戦では、イズヴァルトに一太刀も浴びせられず、横から入ってきたトールキンに馬から振り落とされた。
ヘラの今のオルランドゥに対する評価は、これだけに尽きた。
(どうしようもないザコじゃん。)
とはいえあの男の種は良質だ。『仔』を得るだけに使おう。それ以外は無用。もはや忖度は必要ない。
教帝のことをあれこれと思い巡らせるのをやめ、カヅノの太く大きなものをヘラは舌で確かめる。
また硬くなっている。
射精したのに大きく脈を打っていて、もっと欲しがっているようだ。
ざらざらとした皮膚は、濃い牡のにおいと味がする。
「あはっ♥」
ヘラは舌を出して笑った後、股のあたりがぽっかりと穴が開いているビキニパンツを脱いだ。
また手すりに抱き着き、精液が滴っているヴァギナと蒸れたにおいを放つ肛門をカヅノに向け、また頂戴とせがんだ。
「わかっているだろう?」
カヅノはヘラにしがみついた。
「1度や2度の射精じゃ、俺は満足せんぞ?」
ヒクヒクと動く肛門を指でさすりながら、とろとろとした粘液をこぼす陰裂に圧し入れた。
「あひゃっ♥ ほーえつ、きもちいぃ♥」
奥まで押し込まれ、激しくしごかれてヘラは喘ぐ。
カヅノの精液で孕むのは、ゴール族の彼女にとってはそう簡単にはいかない。受精しやすいニンゲンの精子とはうのだ。
しかし、身も心も阿呆になる法悦を与えてくれることだけは確かだった。
「ずっと♥ ずっとこうして、なーんも忘れてつながっていたい♥」
性の喜びに貪っている間は、悩みだけは忘れられる。
□ □ □ □ □
夕刻。ヘラの愛液のにおいをたっぷりと股間につけたカヅノから、北部諸侯の動きを聞いた教主は、明日の朝、彼にヘラとオルランドゥを先に連れて行くように告げた。
「連れて行くのは……ヘラ様もですか?」
「ええ。夫婦ですからね。私はこの夜明けまでに、北部諸侯の方々を説得しに参ります」
教主ならやりかねないだろうとカヅノは思っていた。
彼を目の前にしたら、いくら怒り心頭でも心変わりをしてしまうからだ。
コーザの容貌と物腰、香気と淫気を伴ったカリスマというものの前に、誰一人として抗える者はいないからだ。
「武将の皆さんにも、明日の朝にここを出る様にお伝えします。但し私は同行しません」
「……何故!」
驚くカヅノにコーザは微笑んだ。
「しんがりを務めます。イズヴァルトさんが追撃したら、私一人で食い止めましょう」
カヅノは耳を疑った。
(イズヴァルトは、そこまで好戦的ではないぞ?)
虫の好かない奴ではあるが、一応は決まった話に従う奴だ。騙し討ちで後の憂いを根絶やしにしようと思う様な、乱世の姦雄タイプではない。
「戦いが終わったというのに、あの男が追い打ちをかけるとお思いですか!!」
「ははは。言い間違えました。むしろ、私が最後の一戦を仕掛けたい」
「何故ですか?」
「『ゆうしゃ』の実力、是非ともこの目で拝んでみたい。この身体で受けてみたいからですよ?」
サート銀山の戦いから、どれだけ成長したかを確かめてみたい。
果たして彼は、トーリ=カツランダルクの様な恐るべき男となっているか。
「負ければ諦める。しかし私が勝てば、イズヴァルトさんをエチウに連れ戻します。司祭騎士団長の位は、まだ任じられておりますから」
カヅノは大変不愉快に思ったが、教主がそう考えているのなら仕方が無い。
だが、この淫魔の傑物はとんでもないことを付け加えた。
「そして、マイヤ=カツランダルクさんを是非にも教団に迎え入れ、私の跡継ぎに指名したいと考えております」
(……なんて言った?)
カヅノはもう一度聞き返してみた。
教主ははっきりと答えた。
イズヴァルトを叩きのめしたら、マイヤを教団に迎え入れて次の教主の座に指名する、と。
(ヘラの事はどうした! 教帝正妃と兼ねて、あいつをパラッツォの教主にするんじゃなかったのか!)
いや、マイヤが教団に迎え入れられるのは、カヅノにとって大変喜ばしいことだ。
ヘラと違って学識はあり、何よりお世話したくなるかわいらしさに溢れている。アスカウの村で出会った時、彼はマイヤを見て撃ち抜かれてしまった。
この男は『かわいげ』がたっぷりある女には、とんでもなく弱かった。特に、乳児や幼児みたいな存在にはだ。
あの子が教主になるんだったら、おれ、悪いことからすっぱり足を洗うよ、と思うぐらいにカヅノはマイヤにぞっこんだった。
「あはは。カヅノ=セイジさんはマイヤさんをとても好いているのですね?」
「……心を読まれておりましたか。恥ずかしい」
「ヘラさんは少々、戦いに向き過ぎている性格のようです。教主の荷は重すぎるのかも。教団の要職としては、次の副司祭騎士団長で良いかもしれません」
この場にヘラはいなかった。別の男漁りにかまけている最中だったからだ。
(ヘラを副司祭騎士団長にか……。)
妥当な判断だとは思う。イズヴァルトが司祭騎士団長であれば、あの娘は大人しく付き従うだろう。
「それでは、明日の朝までよろしく頼みますよ?」
そう言ってコーザはその場から消えた。カヅノは深い溜息をつき、胸を撫でおろす。
(これでようやく心を読まれずに済む。マイヤが教団に来るのはとても嬉しいが……。)
カヅノは思った。そうなってしまうとヘラを『おもちゃ』にして遊ぶことができなくなる。
彼はもう既にイズヴァルトがマイヤを連れて戻って来る、という前提でものを考えていた。
何故ならコーザの人を惹きつけ、心を思いのままにする力の前には、いくらイズヴァルトが恐ろしい武器を得たとしても、勝つことは不可能だからだ。