聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
「クラウス……」
赤子に乳を含ませ、夫に呼びかける妻の目は、すわっていた。
(たすけて、リュカさん!!)
ポコリーヌは止めてくれると期待したが、違った。
リュカはポケットから紙巻きたばこの箱を取り出す。白と薄い青の図柄だ。喫煙者を必ずがん患者にする『はいらいと』という銘柄なのだが、違う世界の煙草である。
これを育児中のリュカに与えたのはツダサンチョーだ。彼はリュカを慰める為、500カートンぐらいプレゼントした。1日2箱のペースで消費していたが、まだ残っている。
リュカは煙草の先に指を立て、少しの間目を閉じる。指先から火が放たれた。紫煙が漂うとその火が消える。
「あのー、赤ちゃんがいるところで煙草はよくないですよ?」
「そう? じゃあ、私がいる前でクラウスと浮気しないで?」
リュカの声はひどく冷淡だった。
クラウスが「うおっ!」と叫んでポコリーヌの中にぶちまける。リュカは暗い目のままにひひと笑った。
「クラウス、ポコリーヌちゃんのおまんこ、気持ちよかった?」
「ああ……たまらねえぜ。サキュバスと違って中がつるつると思ったらそうじゃねえ……獣人のまんこ、すげえ吸い付きぶりだぜ?」
「キツネの……イナリーレンちゃんとどっちが良かった?」
クラウスは尿道に残っていた余韻汁をぴゅっぴゅと放ちこみながら、ポコリーヌのしっぽをさわさわした。
「甲乙、つけがてえ……」
「うん。わかるわ。たぬきもきつねも、クラウスは同じぐらい好きだからね?」
そういうことではないだろうに。再び射精に至ろうとするクラウスのピストンに喘ぎながら、ポコリーヌはリュカに問い正した。
「お願いだから旦那さんを止めていただけませんか?」
「だったら、抗えばいいじゃない?」
そういうことだぞ、とリュカがくわえタバコでポコリーヌを諭す。彼女に抱かれて乳を含んでいた赤ん坊も睨んでいた。
そうは言ってもまんこにちんぽを挿れられた以上、魔界の女はどうすることもできない。アクメのせいで力が抜けてしまっていた。
特に下級魔族はその傾向が強すぎる。ポコリーヌは葉っぱを頭に乗せて精神統一し、逃げる為の魔法を使うことができなかった。この獣人、魔法に関してはそれなりに才はあるのだが。
「ところでね。私、ポコリーヌちゃんのこと、だーいすきよ?」
「そ、それは嬉しいんですけど、だったら旦那さんを……」
「クラウスをもうちょっと構ってあげて?」
「あのー……」
リュカは赤ん坊に抱えさせていた雑誌をチラと見た。『ぱちんこ』の必勝ガイドだ。コンゴウアミダラデンの遊戯コーナーにはこの世界の『ぱちんこ』以外にも、いろんな異世界から入荷した『ぱちんこ』が置いてあった。
「で、私は大事な戦いがあるから、じゃあね」
コンゴウアミダラデンに来てから、リュカは喫煙とゲームコーナーの『ぱちんこ』に淫するダメ女になってしまった。
夫のクラウスはサキュバスの仲居やポコリーヌに、レイプ種付けをしたがる生殖鬼と化している。
向こうへ去っていくリュカが振り向いた。ポコリーヌをいよいよ諦めさせ、「あっ♡ あっ♡ あっ♡」と喘がせている夫にこう呼びかける。
「クラウス。ポコリーヌちゃんを味わい尽くしたら、うちの『
特に、隣の部屋にいるリュックを優先しろ。
「なんでだよ?」
「あいつ、毎晩ちんこをしごく音がうるさいのよ。あなたも耳にしているでしょ?」
「ん……まあな」
激しく腰を振りながら、クラウスはにかっと笑ってサムズアップを妻に向ける。
リュカがにやりと笑い、赤ん坊も母の乳を咥えながら不敵な笑みを浮かべていた。
「おぼぼぼぼっ♡」
ポコリーヌの汚いアクメ声が廊下に響く。彼女は諦めきって、なるようになれと心の中で泣き叫んでいた。身体はしっかりと悦んでいたのだが。
□ □ □ □ □
500人の勇者一行がいるという宴会場へ向かう道すがら、イズヴァルトはその場で大股を開いてへばりこむ、仲居姿のエルザに出くわした。
エルザほか、コンゴウアミダラデン勤めのサキュバス達は宿泊施設の『仲居』としても働いていることは聞いていた。
しかし、疲れ切ってへたり込むことなど早々無いはずだ。
「エルザどの! どうなさったのでござる!」
エルザの身体は精液と恥垢のにおいでぷんぷんしていて臭かった。股をのぞけば大量の精液が、今もゴボゴボとこぼれ出ている。口元もザーメンがこびりついていた。
エルザはへばりきっていた。サキュバスは精液をエネルギーに変えるし多く摂取すればするほど疲れも飛ぶのだが、回復がおっつかなくなるぐらい輪姦されたのだろう。
「誰にやられた! 相手は何者でござるか!」
「え……あ……クラウスとリュカの……」
今も宴会場にいる。サキュバス達総出でキンタマのイライラを『おせったい』しているのだが、しつこくてしつこくて休む暇が無い。
「流石は『ゆうしゃ』。大して強くないくせに体力はバケモノよ……」
「アナどのは? オーラフどのは? ブライアンどのはいかがした?」
「3人はマイヤちゃんと、行方知れずのヴァネロペの捜索に出ているの……この前魔界から戻ってきたハーマイオニーとよ?」
というかハーマイオニーこそここにいりゃ良かったのに、とエルザは嘆いた。あの『あらくれちんぽ』達にへばることなく相対できるのは彼女ぐらいだ。なにせハーマイオニーは魔界の戦士である。根性は半端無い。
「とりあえず、貴殿はここで休むでござる……むっ?」
宴会場の入口から、数名の屈強な若者たちが現れた。下半身丸出しのみっともない格好でだ。
エルザの姿とイズヴァルトの背後にいるイナリーレンを見るや、体液まみれのちんぽからぴゅっ、とザーメンを出して奇声をあげた。
「おいこらエルザ、もっと俺達の相手をしろよ!」
「イナリーレンも中に入れ! たーっぷりかわいがってやるからな!」
男たちはやって来るとエルザを引きずり出そうとする。
それを見かねたイズヴァルトは、彼らをいとも簡単に素手でのしてしまった。
残りの1人が悲鳴をあげると、宴会場から続々とサキュバスのまんこ汁をぷんぷんと漂わせている輩どもが表れ出た。
「サッシュ! ギルモア! どうしてぶっ倒れているんだ!」
「おいゴームフ! 一体どうしやがったんだ?」
呼びかけられたゴームフはイズヴァルトを指さした。
「こいつにやられた! あっという間に2人がやっつけられちまった!」
「なんだと! そのデクが!」
「おいみんな、あのデカブツをやっちまえ!!」
デカブツと罵られたイズヴァルトは、釈然としない。彼らも自分の背丈とあまり差が無かったからだ。
とにかく連中は襲いかかってきた。イズヴァルトは彼らの拳や蹴りをかわし、手刀や急所への軽い一打で次々とのしていった。
「ひえっ! とんでもねえ強いぞ、こいつ! この世界の『ゆうしゃ』か?」
「その、できそこないでござるよ!」
連中のうち1人が、一番うしろにいた男に呼びかけた。
「リュック! ご先祖様をすぐにお呼びしろ! あと、『ティルバーン』も取ってこい!」
「なんで俺がなんだよ?」
「お前が一番弱いからだろうがっ!」
リュックと呼ばれた男は駆け出して行った。
そして彼はポコリーヌをアクメ責めにしていたクラウスの元に行って異変を告げた。
「んだと! わかった! じゃあお前はここで待ってろ! ポコリーヌを構ってやってくれ!!」
「わ、わかりました、ご先祖様!」
リュックは浴衣の前をはだけた。30センチぐらいあるでかいちんぽだった。
クラウスが駆け去っていくのを見ながらポコリーヌに突き込む。クラウスのちんぽよりも硬くて大きい。より圧が強くなったアクメが、ポコリーヌの脳髄を襲いはじめた。
「お゛お゛っ♡ お゛お゛っ♡」
この挿入で彼女は排卵に及んでしまった。ちなみにリュックの精子だが、500人の中で一番活発で卵子への命中率が強いといういわくつきのものである。
□ □ □ □ □
イズヴァルトはクラウスという『ゆうしゃ』と対峙することとなった。波をうった刃の聖剣・ティルバーンを手にしたこの勇者は、ひと目見てなかなかに油断できない強敵だと思った。
「で、俺のかわいい『
こっちの言い分はお構い無しだ。とにかくぶっ殺してやるとクラウスは息巻いていた。
ミツクニュモスとエルフたちは、クラウスの
(それとなんだよ? ピンク色の坊主頭じゃないか。他の連中も……青だったり山吹色だったりするな。髪の毛が。)
なんでこいつらは、こんなカラフルな髪の毛ばかりなのかとイナリーレンに聞くと、
「クラウスの世界は、こことは髪の色が違うんだよ。魔界風だ」
「魔界にはあんな色がどぎつい髪をした連中が、ごまんといるわけか?」
「いるよ。まあ、大抵が下級の魔族だけどね」
ひどく馬鹿にしたようにイナリーレンは言った。毒々しい色合いの髪を生やす男たちをじろじろと見ると、彼らから凄い形相で睨まれた。どいつも人相が悪い。『ゆうしゃ』というよりごろつきだ。
彼らは今、宿泊施設にある『ばすけっとぼーるこーと』にいる。両端に板と底が抜けたカゴがぶら下っている柱が置かれた、たま遊びの練習場だ。イズヴァルトとクラウスはそこで決闘をすることとなったのだ。
イズヴァルトは『氷雪の栄光』を手に持っていた。最初から本気モードでやるつもりなのだ。
魔竜からはクラウスのガス抜きに付き合ってやってくれ、と頼まれたからそうするわけだが、クラウスのティルバーンを見てミツクニュモスはびくびくとしていた。
(これ、殺し合いに発展するんじゃねだろうな?)
傍にいたオクタヴィアが念話で「そうはならんずら」と返した。
「あのクラウスっての、つええのは確かだろうけど、イズヴァルトさんが苦戦するほどでもねえずら」
「そうか? あ、始まった……」
イズヴァルトが先に動いた。消えた。クラウスの横に立っていた。
ティルバーンを持っていたクラウスの腕を思い切りぶん殴り、両腕の肘から下は、あらぬ方向に曲がっていた。
クラウスの絶叫があたり一面に響き渡った。ご先祖様と叫ぶ男たちの声が合唱する。
「……おろ?」
イズヴァルトは首を傾げていた。
「貴殿の闘気や気配を鑑みて、この一撃を避けるか防ぐかと思ったでござるが……油断していたのでござるか?」
「なわけねえだろぉぉッ!!」
うわーん、いたいいたいと泣き叫びながらクラウスは言った。本気の本気だった。しかしこんなに速く動くなんて思ってもいなかった。
「あとなんだよその棒はッ! すんげえ硬くて痛かったぞ!!」
「……なまくら剣に変えてもう一戦、でいかがでござるか?」
「ああくそ! そうしろよ! ちくしょうがっ!」
『氷雪の栄光』をなまくら剣に替え、折れた骨をイナンナに治してもらい、クラウスが息を整え直した20分後にもう一戦。
「今度はこっちから行くぞっ!」
「望む所でござる!」
クラウスのティルバーンが七色に輝いた。
何かビームとか出す系のちからがあるのだなとイズヴァルトは考えると、また大きく踏み込んで姿を消し、神速の一撃をクラウスの右太ももの真ん中に与えた。
おかしい。なまくら剣を選んだはずだ。
なのにクラウスの右脚は、骨まで断ち切れて皮一枚で繋がっている状態ではないか?
「うわああああんッ!!」
クラウスは担架に運ばれ、またもや近くでパオレッタらと共に手術の準備していたイナンナの治療を受けることになった。
相当な深手である。イナンナは泣き叫ぶクラウスを薬で黙らせると、骨がきれいさっぱり切れてしまっている為、1週間ほど治療を要すると告げた。
「いじめはよくないズラよ? こいつ、思ったよりも弱っちいみてえズラ」
「『ゆうしゃ』なのにでござるか?」
「うーん……」
強いのは確かだが、どうにも体が弱っているらしい。骨と肉が構造的に脆い。
「こいつの身体、もともとよくねえ毒に浸っているみてえズラよ。なんていうか、この世界のニンゲンよりも身体の寿命がみじけえ感じがするズラな」