聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
キャイラス山ではクラウスと500人の『ゆうしゃ』達による女神や女神人への輪姦行為が繰り広げられていた。
乱暴はやめて、と乞う女神たちを引っぱたきながら、おらっ、おらっと声を荒げ、ならず者のように蹂躙する。
酷いありさまだ、とイズヴァルト達は嘆いた。男神たちに守られながらエレナとリュカがやって来た。
「クラウスどのらはどうして、あんなに荒ぶっているのでござる?」
「やっぱり不公平だと思ったんだよ」
理由はこうだ。戦場で俺達があれだけ頑張ったのに、女神どもときたらのんべんだらりと暮らしていただけじゃないか。
しかもキャイラス山でただ一人の男であるミツクニュモスと散々セックスをして、ぽこぽこと赤ん坊を産んだ。女はこうだから尊敬できない。
「……というわけよ」
「とーちゃんが言ってた、長期出征中の騎士や領主さんが留守を任せた奥さんやお妾さんに、何故かあかちゃんができるのとおんなじことってわけだよね?」
「で、ござる……」
その場合は夫側は、戦地での強姦祭りや現地妾の調達で帳消しだ。キレて産んだ妻ごと殺すなど、武者として恥ずかしい行いと世界各国で言われている。
間男との子は妻の実家に預けるか、手厚く遇しながら徹底的に教育して、嫡子たちのできる御供衆にさせる。不義の子でもちゃんと役割を与えるのだ。
しかし神様はどうなのだろう。クラウス達の暴虐は振舞に怯える男神に尋ねてみた。
「そりゃあ戦争に行ってたって、たかだか数カ月かそのくらいでしょう。しかも神界の加護で死なないし怪我をしてもすぐ治るしひもじい思いもしない。うっ憤が溜まるような戦いでも無かったと思いますよ。聞いた話によるとクラウスくん達はけっこー強くて思いっきり暴れ回って爽快だった、とか話してましたからむしろあの戦いを楽しんでくれたようです。だから、どうしてあんなに怒っているのか、全然わからないんですよね、僕らは」
「いかにも。いくさ場で武をいかんなく奮い、功も遂げたとあればおちんちんからぴゅっぴゅと出すよりも気持ちの良いことでござる。拙者も理解できぬでござるよ。リュカどのには心当たりござろうか?」
「とんでもなく惰弱になったのよ、あいつら」
毒王を倒した後に魔界に攻め込んでボロ負けし、コンゴウアミダラデンで快楽に耽ってだらだらとした生活を続け、英雄としての矜持を無したのだとリュカは嘆いた。
挫折し、目的を見失った者にありがちなことだった。
彼等を元の鉄の意志を持つ戦士に戻すには、命の危機を察する様な巨大な敵と戦う以外に無いだろう。
「戦士は常にいくさばを求める、でござるな」
「そういうことよ。でも、クラウス達にはこの1年ぐらい、神界で思い切り楽しませて貰えないかしら?」
彼女は男神に頼むと5年でも10年でも、と返事があった。
しかしイズヴァルトと行動を共にしていたリュックらは、先に戻ると先祖に告げた。
「ふうん。スケベな貴方達がどういう風の吹き回し?」
「早く自分たちの元の世界に帰りたいと思ったんです。そのう、星の神様を討ってあげて、自分達の世界を本当に救わなくちゃいけないと思いまして……」
「わかったわ。私もついていく……クラウス!」
彼女は1人の女神を組み敷いてその柔らかい身体に溺れていた夫に呼びかけた。
「私達は先に星神を殺しに帰るわ! 貴方もついてきて!」
「へっ、だったらティルバーンを持っていけ!」
「……帰らないの?」
「俺は戦いに飽きた。いや、別の生き方をしたい!」
この世界の神の眷属か、魔界の王のしもべになる道を選びたいと彼は言った。女たちを貪る他の戦士達もだ。
自分達が生まれて来た世界は本当に糞だった。だったらもっと優しくて慈しんでくれる神や魔王の世界で生きてくほうがいい。
「魔界は俺みたいなのは大歓迎だと聞いているぜ! 『護り手』とかいう仕事があるらしいな。違う世界から攻めて来た『ゆうしゃ』をやっつけるって仕事がさ!」
「……やはり貴方は、『毒王』の息子だったというわけね。まあいいわ」
リュカはクラウスに達に永遠の別れを、それから、ティルバーンをその手に収めた。
父と別れる事になっても、1歳ぐらいの赤ん坊のままのヴァーンは泣きもせず、キッとクラウスのことをにらみつけていた。
怒っていたのではなかった。父との別れを感じて、その姿を脳裏に刻みつけるつもりなのだ。
その親子の足元に、5歳ぐらいの女の子がしがみついていた。リュックの精液でガンガが産んだパンネロだ。
女神たちみたいに腕と足の装飾具以外は何も身に着けていない格好で、しきりに股のあたりをいじいじとしながら女神たちを見つめていた。
実母のガンガが身重の身体で四つん這いになり、『ゆうしゃ』たちのちんぽを咥えて後ろから尻穴をほじられ、膨れた乳房を揉まれてそれにちんぽをこすりつけられる姿を見ながら、さようなら、とつぶやいた。
(おかあしゃまはだっせー女神しゃまだったけど。わたちはああはならないわ。リュカしゃまと一緒に世界を救う旅に出かけるんだから。)
それから彼女は父親のところへ、とことこと歩いて両手を広げた。
リュックはパンネロを抱え上げると、彼女が何を言いたいのか察して、一緒に行こうと告げた。
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「あー、怖かった」
閉じ込められた部屋から助け出されたミツクニュモスは、あのまま神界の部屋の中で一生過ごすのでは無いかと言ってわらった。
女神様と自分の子供達に挨拶して帰りたいとイズヴァルトに言うと、お取込み中だから無理でござろう、と言われて止められた。
「そうかい……ちょっと寂しいな」
「拙者らはあくまでお客さん。目的も達したことであるし、さっさと退散するがよろしかろう」
「でも、子供達には顔を見せたいけど、駄目かな?」
「そこは聞いてみる事に致そう」
男神たちに頼むと、彼等は女神たちが産んだミツクニュモスの子らを連れて来た。
おおよそ300人近く。その数を見てほほう、とイズヴァルトは唸った。
「ミツクニュモスどの、貴殿こそが一番の戦功者かもしれぬでござるぞ!」
「へ? ただ腰振ってちんぽをからピューピュー出してただけの俺が?」
「さようでござる。考えても見てくだされ。この子たちは神の子、神人でござるよ。彼等が育てばいずれ、ガンガどのらの良き眷属となってこの世界を豊かにしてくれるでござろう。それが一番何よりのことでござる」
それにアエーシュマも言っていた。次の1万年は前の1万年で失ったものを、取り戻す時代になると。
「その神側の先兵こそが、貴殿のお子さんたちになるやもしれぬ」
そうですよ、と男神たちも言った。彼等もまた豊穣や秩序に関わる神たちでもあった。
「さあ、ミツクニュモスどの、お子さんら1人1人に声をかけてしばしのお別れを伝えるでござる」
ミツクニュモスの300人近くの子供達は、皆が笑顔を浮かべて父のことを待っていた。
そして彼の頬から涙が伝った。別に本気で愛し合って生まれた子供達ではないのに、こんなにも別れが悲しいのは、なぜなんだろう。
「やりきれないよ……俺、もうちょっと自重するよ」
そしてイズヴァルト達は神界を後にした。
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コンゴウアミダラデンに戻ったが、魔竜は不在だった。その代わりに少々顔立ちが変わったブライアン=スエッツァーが、エルフのオルタンスと一緒に待っていてくれた。
「ブライアンどの、それとオルタンスどの。おひさしゅうござるよ!」
「お久しぶりって……6年も神界で戦ってたのに全然変わってないじゃんかよ?」
イズヴァルトはともかく、エレナもミツクニュモスも6年前とほぼ同じ姿だった。
しかもイズヴァルトからはとんでもないオーラを感じる。魔竜様ぐらいにすごい何かに生まれ変わったようだ。
それはミツクニュモスとエレナにも言えた。よくはわからないが、生命力が強くなって、結構長生きしそうな感じがした。
かく言うブライアンも、エルザ達サキュバスの唾液や膣汁をぺろぺろとして過ごしていたものだから、若干『先祖返り』が起こって、身体の中身は若々しくなっていた。容貌は年相応に変わっていたが。
「今はホーデンエーネンの王国暦で言うと、370年の9月だよ。お疲れ様。コンゴウアミダラデンで1か月ほど逗留していきなよ?」
「しかし、魔竜どのは?」
「……ちょっと用事があってね。マイヤねえちゃんのことでさ」
前世の世界で『生き返った』彼女が、この世界の記憶を完全に取り戻したらしい。戻ってからたった1年でだ。
記憶を取り戻したというのは、どういうことか。
この世界で学んだこと、主に魔法の仕組みについてを思い出したということでもある。それと『禁書図書館』で読んだ本に書かれている、自分の前世の世界でもまだ無かった技術など。
「マイヤちゃんは早速、戻った世界でも暴れ回ろうと画策しているようだぜ。なんでもあちらの世界で封印された魔法技術を、復活させようとか考えているみたいらしいけど」
「本当でござるか!」
「……なんだけど、それを魔竜様は止めに行ったんだ。世の歴史を書き換えることはあきまへんで、ってね」
「そこまでは、許されていないということでござろうな」
とはいえ、マイヤはイズヴァルトに物凄く会いたがっていたらしいとブライアンは言った。
前世の夫はもういないそうだ。親戚はいるが、彼女は寂しい寡婦となった。
「……なんということでござるか。でも、まだ嫁の貰い手はいるのでござろう?」
「むしろたくさんおりそうな感じやのに、と魔竜様は言ってたよ。ちいちゃくてきれいなおにんぎょさんやわー、ってな感じの、そりゃあかわいいかわいいおばさんらしいね」
でも魔竜は生まれ変わったマイヤを今は、イズヴァルトに引き合わせたく無いそうだ。
「でも望みは大、だと言っていたよ。仕上がるまで待ってくれ。でも今はあきまへん。マイヤはんは息子はんみたいなのを持ちなはったようや、と言っていたね」
「息子みたいなもの……何者でござるか?」
夫のほうの甥っ子らしいとブライアンは言った。なんでも凄く気になる少年だという。
「その子が大人になってからだろうね。それまでじっくり待つことにすればいいさ」