聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
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触手姫以外にも、碩学姫を慕い、いつまでも思い続ける人がいた。
それがマレーネ姫だ。
彼女はマイヤへの帰還を願い、毎日神に祈りをささげようと尼となった。
そして6年ぶりに、私とイズヴァルトは彼女と再会した。
彼女は容貌こそ変わっていなかったけれども、妄執というものは隠せなくなっていた。
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スオニア、キッカワンテス領。
イズヴァルトの母・セシリア=セーニャ=キッカワンテスの故郷である。
しかし母もイズヴァルト自身も、ここには良い感情を抱いていない。当主・サマリーノ=キッカワンテスもまた、イズヴァルトのことを嫌っていた。
当主サマリーノはイズヴァルトが街の門をくぐったことを伝えた家宰に、この館には入れるなと命じた。
「ですが、セシリア様のご子息なのですよ、イズヴァルト様は?」
「二度と来るな、と私は申し出ました。どうせマハラ本山のイーガ女に会いに来たのでしょう」
イーガ女とはマレーネのことだ。
軽蔑したように言うが、サマリーノは心の中ではマレーネを頼りにしていた。総本山の高位の巫女となった次女のカイジャを面倒を、いろいろと見てくれている。
しかしイズヴァルトについては本気で嫌がっていた。今年で13になり、既に王国一の美少女として名が知られているセニカを、あの男に近づけたく無かったからだ。
セニカが口説かれて手籠めにされる、という恐れを抱いているのではない。
既に『竿男』と常日頃交わって男の身体を楽しんでいるセニカに、下品で猛々しい巨根の話を聞きつけて、このキッカワンテスにとどめ置こうとねだるのを嫌がったからだ。
カイジャと違い、セニカは後継者として指名したから、自分も周囲も甘やかし過ぎてしまった。何度言ってもだだをこねて突っぱねてしまう。
(はあ……誰に似たんだか。)
そのセニカが、彼女の執務室にやって来た。
母と同じように銀髪の、背が高くてとても美しい姫である。
「お母さま、イズヴァルトおじさまを招かないとは、どういうことですのっ!」
「忌み子の子供だからよ。イズヴァルトには我が家の敷居をまたぐ資格はありません」
そう返すとセニカはギャーギャーとわめきだした。
スオニアで一番豊かなキッカワンテスの後継者であり、婚約希望者ひっきりなしの国内随一の美少女だというのに。
しかもおっぱいとお尻はボリューミー。腰は安産型である。
彼女の処女を開通させ、その後も毎晩おまんこのお世話をする『竿男』によれば、ホーデンエーネンの『おしゃぶり姫』に勝るとも劣らぬ美しい巨尻だという。
かくいうサマリーノもまた、恵まれてた容姿と肢体の持ち主だが、最近は労咳にかかるようになってしまった。彼女はまだ知らぬが、寿命の終わりが近づいていたのだ。
「ねえ、お母さまってば!」
やかましい愛娘に苛立ち、家宰に連れて行かせた。キッカワンテスの郊外の別宅にだ。そこで巨根自慢の召使いたちと思い切りハメ楽しんで貰うことにした。
結局、イズヴァルト達はキッカワンテスの邸を訪れなかった。
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マハラの山に入ると、まずは高僧ばかりが眠っている墓地に向かった。
墓地は入口から東に進んだところにある。高僧の墓は観光資源にもなるので、参拝客が行きやすいところに設けられていたのだ。
立派な墓石がずらりと並んだその墓地のはじっこに、小さてこぢんまりとした墓があった。面倒を見てくれたイブン=マグリビーの墓である。
『僧聖』と贈り名されたゴブリンのハーフの高僧の墓は、生前の遺言通りにつくられていた。遠目からでは目立たぬが、手入れは行き届いていた。
他の墓はアプサラーの女神の像を置いたものや、自身のデスマスクを彫ったもの。
はたまた、何百人もの尼僧や巫女を孕ませた逸話がある高僧の墓では、自慢だった陰部の石膏を、墓石の飾りに置いていた。
それに比べたら、マグリビーの墓は落ち着いている。しかも他の墓と違ってよく磨かれていた。
「とても、慕われていたのでござろうな……」
「そうお聞きしましたわ」
傍らの尼僧の声。杖をついている。マレーネだ。彼女の美貌は相変わらずだった。
マハラの尼僧になった彼女だが、この山にいる同業とは毛色は違う。山の北にある、各国の王族や大貴族が置いている巡礼の為の別宅から通っているのだ。
館にはイーガから連れて来た者が10名ほどおり、スオニアやサイゴークの各地をまわる為に土地事情に詳しい者も何人か雇った。
この墓参りに、現地採用組の1人が加わっていた。どこかで見たことがある顔立ちだ。
ウラスコーにいた老婆、数十年前の街の少年達の筆おろしをつとめたという女だ。
少年の頃に見た時は80を越えていたが、パラッツォ戦線で再び目にしたとき、いくらか若返っていた。妙に艶っぽく、かつては色女として名を馳せたのだろうと思わせた。
その人物によく似ている。しかしどう見ても30代ぐらいだ。色気がとにかく凄い。山のマハラ僧とどれだけ淫らなことをしているのだろうと思わせる女っぷりだ。
「マレーネどの」
「なんでしょう、イズヴァルト様?」
「……あのお方、まさか、サキュバスではござらぬか?」
その女はうふと笑って、そうかもしれんのうと意味ありげにささやいた。そして、緑だった瞳が紅に変わる。
「おっしゃる通り。ダイアンさんは『先祖返り』を果たされましてよ」
やはりそうだったか。魔力はあまり感じられないが、相当搾り取ってきそうな気配があった。かなり夢中にさせて来る妖気みたいなものがあったから、近づかない様にしようとイズヴァルトは自戒した。
マレーネが住む別荘に行き、居間に入ると、彼女はオットーとローザマイヤを傍らに呼び寄せた。あなたたちはイーガ王家の
但し、カイルは別だ。彼が入り婿となったモナファン海賊団の頭領家は、1つの王家の末裔だったからである。
「それはわかるが、ローザマイヤもというのはどういうことでござろうか?」
「かわいいからに決まっているじゃありませんか」
ソファに2人を侍らすと、彼女は後ろを振り向いて誰かに手招きした。
開いていたドアの向こうから、ピンク色の可愛いミニブタが、とことことことやって来て、ローザマイヤの膝に飛び乗った。
「ミニブタでござるか。マレーネどののお供でござるか?」
ミニブタが口を開いた。
「はい。おくさまのちょっとした雑用係です」
「しゃべったでござる! 魔獣でござるか!」
「まあそんなところです。魔獣と家畜用の豚の配合種のそのまた配合種なので、魔獣ほどではございません」
そういう改造ミニブタだ。イーガではペットとして定番である。50年ほどの寿命があり、いろいろな魔法が使えるという。
「この子はアドルフお父様のペットでしたの」
「アドルフさまはぼくのこと、たくさん可愛がってくれたんですよ!」
あの鬼畜が、と思う事は、この頃のイズヴァルトはもう無かった。悪党のくせに可愛いものが大好きだったり、子供達には情愛深いことをいろいろと聞いている。
ただ、マイヤが「ぶたしゃん、きらいっ!」と拒むようになった、豚便所に突き落とされて糞にまみれたまま種豚たちに犯されたという話は、受け付けられなかった。マレーネが話してくれたことだ。
マレーネは糞まみれになって、おねえちゃまと一緒に種豚たちに犯されたかったと語った時は、もっと怖気がたったが。
「今日は、アドルフの昔語りをされるでござろうか?」
「そういうことじゃございませんわ。マイヤおねえちゃまをさらった張本人らしい人物が誰か、つかめそうですの」
10年ほど前、サイゴークでは前世の記憶を持つ転生者を狙っての拉致事件が多発していた。
世をはかなんでの失踪、あるいは神隠しという線も考えられたが、当人の略取目的が有力だった。
マレーネはそれらの事件を詳しく知るにつれ、サイゴークにいるイーガの諜報に連絡し、あることを調べさせた。
「どこかに潜伏している、人食い鬼族がやらかしたことに違いありませんわ」
「……ゴール族でござるか。しかし、ヘラどのの故郷の集落以外は、もう無いと聞いたでござるが」
「けれどもチンゼーやシマナミスタンには、まだいるのでしょう? そこから流れ出て来たのでは?」
別に他の大陸でなくても、部族を抜けて市井に紛れ込む者だっている。ゴール族は人の血をすすり、肉を喰らうだけで覚醒する。男のゴールが生まれる限り、世代交代で能力が劣化することは無い種族だ。
「おねえちゃまをさらったのも、その連中に間違いないでしょう」
「船の上にいたマイヤを、でござるか?」
「サキュバスや飛ぶ魔物を用いたのでございましょう。おねえちゃまは先祖返りを果たしつつあった。その肉がどれだけ美味だと思ったのか、想像に難くありませんわ……」
そう言ったマレーネの目はギラついていた。おねえちゃまを食べたいのはわたくしのほうでございましたのに。そう言っている目であった。
「おねえちゃまを殺した張本人を、是非ともイズヴァルト様の手で、討ち果たしてくださいませ」
「そのつもりでござる。しかし、ゴール族が……ううむ」
イズヴァルトはブランカに念話で呼びかけた。彼女はエレナを連れ、マハラのお山で高僧たちに饗応を受けている真っ最中だった。触手姫はマハラ教団にとっては大切なお客さんになっていたのである。
「……とおっしゃっているでござるが、考えられることでござろうか?」
「その線もあるかもしれないでち。ウーゴちんとオリガちんに会ったら、サイゴークに戻って調査を始めるでち」
とりあえずはマレーネの申し出を信じることにした。
しかし彼女は、本当の真犯人を掴んでいた。
そして、マイヤを討った報復を、既にイーガの魔道士たちに命じていたのである。
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エチウ諸島のとある島。カナザワース島から西に5キロという海に浮かぶ小さな島だ。
その真ん中にウキトゥスの一族は集められて、館を与えられ住まわされていた。
ヘラの実母や祖母はもちろんのこと、彼女の姉や、ゴールの戦士になりうる祖父や父や兄も住んでいた。
パラッツォ教徒となると、世代の間隔が著しく縮む。ヘラの姉と兄はまだ30ぐらいだが、もう孫がいる身の上だった。
教主コーザはこのウキトゥス家への扱いについて方向変換をした。
最初はゴールの血を薄める為にばらばらに住まわせていたが、パラッツォ教国の興隆には優れた魔道士家が要ると思い、ウキトゥスの末裔とその夫となったゴール族を集めることにしたのだ。
だが今のところは週に2度の魔道研究所への出仕ぐらいでやる事は無い。なので彼等は農業をやることにした。
この島にはあちこちに、マイア=テクニカの饅頭型ビニールハウス『栽培まん』が建てられていた。エチウの防寒仕様だ。
そこでも最近、イナーヴァニアでしたように雪蚕を飼い出した。シルクはエチウでも需要がある。装飾用のペイスティースや、ちんぽに巻き付けるマフラーなどの小物に使われていたのだ。
その日はちょうど、ヘラの姉の孫にあたる童女の誕生日だった。
彼女は暖房が効いた部屋で素っ裸になっていた。
祖母が誕生日プレゼントとして作ってくれたペイスティースを、まだ16歳の母の手で、小さな乳首につけてもらっていた。
「おかあさん。このちくびのかざり、とても柔らかくてあたたかいねー!」
ハート型のペイスティースには、温熱魔法が封じ込められていた。祖母は魔道士でもある曾祖母から、魔法を学んでいた。
「そうみたいね。じゃあこれを張ったら、みんなの前に行きましょうね」
母が取り出したのはピンク色のシートの様なものである。しかしその裏側には、前と後に小さなハリガタがついていた。くびれがいくつもあり、なかなか抜けそうになかった。
「さあ、テーブルの上に乗って股を広げて?」
若い母親は娘に促す。小さな割れ目と可愛いお尻の穴が丸見えになると、そのシートを娘の股にかぶせた。前のハリガタが膣口に、後ろの突起物が入っていく。
「うひゅっ♡」
女の子は感じてしまった。前と後ろのものはがっちりと、彼女の肉で固定された。
「さあ、行きましょう。みんなが待ってますよ」
「はあい! うひゅっ♡」
今日は彼女のお誕生会が開かれる。4歳になった彼女は、待ちに待ったおまんこに入って来るおちんちんとご対面することになっていた。
相手は一族の遠縁に連なる、10歳になる少年だ。これは婚約式も兼ねていた。こんな格好をするのは、みんなの前ではじめてのおちんちんを体験する為でもあった。
これを恥ずかしいこと、はしたないことだと彼等は思っていない。性に放埓で多産をよしとする、パラッツォ教徒であるからだ。
そして数をめっきりと減ったイナーヴァニアのゴール族であり、迫害され衰退したウキトゥス家の者の、子孫繁栄を願っての行いだった。
母子は皆が集まっている、1階にある居間に進んだ。すると、金物くさいにおいがぷうんと漂うのを嗅ぎどった。進めば進むほど、血の匂いが濃くなる。
何が起きたのだろう。母親が素足で歩く娘を抱き上げて、息を潜ませながら進むと、居間の扉の隙間から声が漏れ出て来た。
「これで全部か?」
「いや、残り2人いるみたいだ」
「だが16歳の若い女とその娘だけだろう」
「近くにある渡し場まで逃げ込まれたら見つかるかもしれない」
「追うのはよしにしよう。ここまでやれたら上出来だ。ウキトゥス当主とゴールのかしらを殺れたのだから、我らはマイヤ様の仇を討てたことに相違ないだろう」
沢山の足音があちらのほうで鳴り響いた後、静寂だけが残った。
ヘラの姉の娘は、子供を抱きしめながら、おそるおそる居間の方に近づき、扉を開いた。
「……!」
血だまりと屍ばかりがあった。誰もが首を刎ね飛ばされていた。彼女の娘よりも、もっと幼い子までも。
彼等が云っていたように、教帝正妃の実母とその母、そして、教主が連れて来たゴールの長とその息子の骸も、この中で血に浸かりながら横たわっていた。
走り去った実行犯は、世界各地にいるイーガの魔道戦士たちだった。中には半亜人の姿もある。
彼等はとある人物の密命を受け、この虐殺を行使した。
マイヤを殺した犯人をつきとめていた、マレーネ=トードヴェル=キョウゴクマイヤーがその人だった。