聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
その三週間後、ヘラはオルフレッドの『子』を産んだ。
母親の腹から出てすぐに、命の灯火が消えたそれを喰らったのは、キンキ大陸とサイゴークの間にある、タンゴバルド諸島の無人島でだった。
オルフレッドの『仔』は、とても肉厚で美味だった。それから血と脂に甘味があった。サキュバスの肉に似た味と肉質であるのだが、ヘラは知らなかった。
そしてサキュバスの肉だが、食した者に凄まじい性欲をもたらす。性交をしないと陰茎や子宮が痛くなるほど盛らせるのだ。
その肉を喰らった後、ヘラはそれまで以上に自慰行為に耽った。陰裂をいじる手が止まらない。
奥も疼いた。『獄炎の凱歌』の柄を無理やりにねじ込んで落ち着かせようとしたが、それをやると尻穴にも激しい疼きを覚えた。
(ううっ……狂っちゃう♥)
ヘラは大便をしたての尻穴にも指を挿れた。皺穴を乱暴にこね、血が滲み出すようになっても止めなかった。
およそ一昼夜を自慰に費やして、ようやく彼女の疼きは止まった。股と尻は血だらけだった。
快楽でふらふらになった身体で立ち上がって泉で清めると、その傍で丸裸のまま『獄炎の凱歌』を抱き、泥の様に眠った。
そしてオルフレッドの『仔』がくれた肉は、彼女の身体に作用した。
深い場所に眠っていた記憶の一部を、夢として見せたのだ。
□ □ □ □ □
「ナヒーダ! 起きろ!」
その声に彼女は起こされた。学校から戻ってからしばらく昼寝をしていた時にだ。
目を開けると兄がいた。12歳年上で既に自分の家を持っていて、妻と子供がいるのだが、しょっちゅう父親のところにやって来る、少々頼りない兄だ。
兄はバドワイザーの缶を持っていた。飲酒は戒律では禁じられているが、それを守る男は殆どいなかった。
「カシムお兄ちゃん、またお酒飲んでいるの?」
「仕事が終わったからいいんだよ! それよりも居間に来い! テレビでとんでもないニュースをやっているんだ! 父さんも母さんも、ウマルとガーズィもみんなで観ている!」
寝ぼけ眼で引っ張り出された。居間では父と母、次兄らが沈鬱な顔を日本製の大型トリニトロン管テレビに向けていた。
その画面には、飛行機が2つの大きなビルのど真ん中に突っ込んで爆発を起こす映像が流れていた。
「あのビル、どこの国なの?」
「アメリカだよ。ワールドトレードセンターだ」
画面が切り替わり、ニュースキャスターが早口で原稿を読んでいた。ビルに衝突したのはどうやら、ハイジャックされた飛行機のようだ。実行犯は不明。
「しかし原理主義者のテロである可能性も考えられます。その場合、災いの種を蒔いたのが何より、アメリカであることを忘れてはなりません……」
何かものが挟まった様な言い方に聞こえた。父と母が頭を抱えてなにやらつぶやいている。
「湾岸戦争のような事が起きませんように。
とはいえ父も、バドワイザーの缶を手にしていた。そしてテレビは日本製。旅行に行った時に買った、プレイステーションやセガサターンも置いてあった。
「お父さん……」
ナヒーダは呼びかける。どうして飛行機がビルに飛び込んだの。これから何が起こるの?
「ナヒーダ、おいで……」
父親は不安がる娘を呼び寄せ、抱きしめた。
「何も起こらないよ……
□ □ □ □ □
そこで目が覚めた。
その夢から覚めた時、ヘラは懐かしさと深い悲しみを覚えていた。
そして腹の虫が鳴った。
(何か食べたい……。)
起き上がると胸のあたりが重たいと感じ、触ってみた。柔らかさが増していた。
泉に半身を映し出すと、記憶にある大きさのそれよりも、もっと大きくなっていた。もはや少女の大き目の乳房ではなかった。大人のそれだ。尻も触ってみたが、少しばかり膨らんでいた。
(でも、背丈は変らないんだね。ちぐはぐ……。)
浜辺に向かう。脱ぎ捨てて置いたままだった服を着る為にだ。しかし浜には一艘の漁師船があがっていて、3人の屈強な男が置いて行った自分のものをつまんで、面白がっていた。
「見ろ、この水着、股のところが開いているぜ?」
「マントと上着もかいでみろよ。小娘のいいにおいが漂っているよ」
ヘラは男達に呼び掛けてみた。つま先まで素肌だった彼女を目にして彼等は衣類を持って駆け寄って来た。
「へへ。この服は嬢ちゃんのかい?」
「こんなに寒い島なのに、はだかなんて元気だね?」
男達の目は獣欲で満ちていた。ヘラは二の腕を乳房に押し当て、せり出させて誘った。
「お腹が空いて何か食べたいの♥ アナタたち、なにか持ってない?」
男たちのうち1人が船に戻り、魚を持って来た。
「これやるよ。ついでに送ってやる」
「その代わりにな……へへへ」
1人の男がヘラの乳房を触って来た。彼女は手で払いのけ、その場に座り込んで脚を開いた。
「下の口にも何か食べさせてよ♥ そしたらおっぱい、気が済むまで触ってもいいから♥」
「うへ、そうかい?」
乳房を触ろうとした男が下を脱いだ。皮をめくると、亀頭の縁にびっしりと垢がついていた。冷たい潮風の中でもにおってきた。
それでもヘラは陰核を指で揉み、愛液を滴らせながら相手を誘った。腹が空いたままの『法悦』は胃の痛みに邪魔されたが、それでも彼女を満足させてくれた。
□ □ □ □ □
数刻のち。
ヘラは浜で1人焚火をしていた。『獄炎の凱歌』で火の勢いを強め、木の枝に刺した肉の塊が焼けるのを待った。
表面が焦げ始めて肉の脂がしたたり落ち、うまそうな匂いを放つと彼女はそれをとってかぶりついた。
鋭く硬い歯でかみちぎり、そして飲み込む。少々硬い肉だが、なかなかの美味だった。
「……おいしい★」
他の肉もいい具合に焼けて来た。彼女は思った。気持ちよい法悦とこんなにおいしい肉を与えてくれた彼等に感謝しなければ。
彼女は後ろを振り向いた。そちらに在ったからだ。
「おいしいお肉とたっくさんのあかちゃんのもと、与えてくれてありがとう♥」
そこには血の匂いを放ち、四肢を切られ、空に向かって口を開けていた漁師たちが倒れていた。
彼等はヘラの身体を思う存分貪った後、彼女に命を食われたのだ。
そして漁船の中にあった魚たちは、腐敗が始まり、臭いにおいを放っていた。