聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
「お前の夫は天国で72人の処女に慈しまれるであろう。しかしこの世ではお前がその72人分、夫に尽くすのだ」
そう言われて始められた、ナヒーダの婚姻は15回目となった。
相手は30になる貧しい男だ。叔父が面倒を見ている農家の倅だという。
彼もまた、1ヶ月後には国境を越えたイラクの地で、
15回目になる純白の結婚衣装をまとい、彼女は新郎の部屋に入った。前に顔を合わせていたが、優しそうな性格をしていたから良いとも思った。
薄絹の顔覆いから貧相な顔立ちの新郎をナヒーダは見上げる。男は熱のこもった視線を彼女に向けていた。
「……もういいかい?」
ナヒーダはうなずいた。男が扉に鍵をかけ、ナヒーダに手を伸ばした。顔覆いがめくれ、素顔がはっきりと見えた。
「お前はとても可愛いね。まだ9歳だったか?」
「はい。でも聖戦士様の為に、この身を捧げよと『
これも叔父から言わされていることだ。『
ナヒーダとその一家は、開明的な宗派に属していた。聖戦とは己の信心を守り抜き、それに沿った節度ある暮らしをするという意味であると規定している一派だ。
『神風特別攻撃隊』の真似をする意味で、『聖戦』という言葉を用いる宗派には属していなかった。
その上、彼女は
特に美少女戦士ものと呼ばれる女の子向けのアニメだ。自己犠牲的ではあるが、必ず生き残る。生きて自分たちが救った世界を見る。そしてそこで日常を過ごす。
なぜ、それを聖戦の戦士たちは望まない。天国に行こうとするのだろう。72人の乙女たちは、そんなにも魅力なのだろうか。
「脱がせていいか?」
ナヒーダは新郎に嬉しそうな顔を作って抱きついた。身を任せるという意思表示だ。
しかし相手は寂しそうな顔になった。いや、悲しそうだ。自分をじっと見つめて来る。
「まるで娼婦のようだな?」
「しょうふ? それはなんなの?」
「いや、忘れていいよ……」
新郎はナヒーダの白いドレスを脱がした。褐色と肌色の境界の肌は、入浴をしたばかりで爽やかなにおいが漂っていた。
新郎も服を脱ぐ。農夫の骨ばった裸体と、割礼を受けた長いペニスがナヒーダの瞳に映った。
新郎はナヒーダの小さな体を抱き上げ、ベッドの上に寝かせた。節くれだった太い指でいまだ膨らまぬ彼女の胸をさすった後、尻に手を触れた。
同年代の他の女の子に比べ、ナヒーダの尻は肉をつけ、大きくなっていた。この15ヶ月を毎日、大きな夫達の求めに応じ、腰をくねらせ続けたからだ。
新郎の手が臀部をさすり、それから口がふっくらとした割れ目に近づいた。ナヒーダは脚を広げて股の奥を開いた。不自然に発達してしまった、小さな女性器があった。
男はそれに口をつけ、舌で慈しみだした。ナヒーダはみをくねらせ、歓喜の声をあげて受け続けた。
そのうち腹の奥で強い波動を感じ、その余韻にふけると小さな膣口から蜜がこぼれ出た。男はいきりたったペニスを掴み、入口にぴったりとつけた。
「だいぶ濡れているな。とても馴れているんだな?」
「……」
「言わなくてもいい。でも止まらないんだ。お前がとてもかわいらしい。頼むから受け入れてくれ」
新郎が腰を沈ませる。入ってくる異物を感じてナヒーダはシーツを強く掴んだ。
痛みではなく喜びを感じていた。この15ヶ月は破瓜の痛みで泣き叫んでいた幼な子の身体を変えていた。彼女は既に、数え切れないほど女の歓びを知っていたのだ。
新郎が動き出す。ナヒーダも動きに合わせて呼吸の調子を整えた。シーツを掴んでいた小さな手、相手の大きな手のひらがかぶさってきた。
柔らかく細い脚を相手の背に絡ませ、ナヒーダはよがった。大きく太いものに力強く貫かれ、男の顔をじっと見た。
相手は泣いていた。歓喜によってではなかった。
「私とすぐ離れちゃうのが嫌なの?」
言葉で返ってこなかった。新郎はナヒーダの身体を掻き抱き、彼女の頬に口づけながら腰をうち続けた。そのまま何度も何度も精を吐かれた。
行為が終わると新郎は横に寝そべり、まだ大きく上下するナヒーダの柔らかい腹を撫でながらこう言った。
「俺がお前の、最後の死に別れた夫になることを祈るよ」
「……どうして
男は彼女を抱き上げ、自分の腹の上に乗せた。開いていた膣口から、その奥に精液がこぼれ出た。
「『
キアロスタミ。叔父のことだ。
彼はこのあたりの信者にとって指導者的な立場にあった。ナヒーダの父はイラクのとある町の由緒正しき名士だったが、いとこである叔父もそれなりに偉い立場にあった。
「おじさまに、言われてそうするの?」
「ああ、そうだよ。キアロスタミ師のお言葉は絶対だ。そして俺は四男だ。家にはいてもいなくてもいい」
この街やその周囲には、そんなあぶれ者の男達が溢れかえっている。キアロスタミはその中から有望そうな者を選んだ。聖戦に赴ける勇者になれそうな若者をだ。
15番目の新郎が、またナヒーダに覆いかぶさった。彼女は疲れ切っていたが、求めを拒まなかった。この男をせめて、安心して天国に向かわたいと思ったからだ。
1ヶ月後、ナヒーダの15番目の新郎は旅立った。二度と帰ってこれない戦いに向かったのだ。
代わりに16番目の新郎が入ってきた。15番目のあの男と比べて10歳若かったが、最初の夫のように乱暴だった。
寝床に入るなりナヒーダのドレスを乱暴にめくった。下着を剥ぎ取り尻を出させると、思い切り叩いて荒々しく叫んだ。
「俺も1ヶ月したら死にに行くんだ! それまでしっかりと楽しませろよ!」
打擲は繰り返された。なき叫び、尻が腫れ上がった頃には何故か秘部は濡れきってしまっていた。相手はベルトを外してペニスを出すと、ナヒーダの中に押し込んだ。
「ほら、腰を振れ! 俺様に気を遣わせるんじゃねえぞ! めいいっぱい腰を振って気持ちよくさせろ! この1ヶ月間、ずっとそうしてもらうからな!」
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ヘラは目を覚ました。気づいたら股を大きく広げ、『食児』を生み出していた。
陰茎をそそり立たせたままの首無しの男の身体が、ヘラのほうをじっと向いていた。
「あたし、眠りながら産んじゃってたの?」
生まれでたものを見る。食用の仔であった。腹が鳴り出した。
血と羊水で股を濡らしたまま、『獄炎の凱歌』を手にとって『食児』に押し当てた。産んだばかりの不完全な仔は、悲鳴もあげず、焼き切られるのを受け入れた。
斬られたところから血が出始めた。それをセイン王の喉元に空いた穴に注ぎ込む。今の彼は液状のものしか、身体に受け付けなくなっていた。
そしてようやく、肉片をひとかじり。身体が喜んでいた。疲れが癒え、活力がみなぎった。脚を広げるとセイン王の身体がしがみついてきた。出産で中断していた法悦の再会だった。
(けど……あの夢は?)
同じものを見た記憶がある。それと、あの乱暴な16人目の夫の後のことも、夢の中で。
あのナヒーダと呼ばれた子は確か、全部で18人の夫を迎えたはずだ。16人目以降は乱暴きわまりない者ばかりだった。
特筆すべきは最後の18人目だ。イズヴァルトのようにペニスが大きかった。ナヒーダはそれで赤ん坊を宿す器官を壊され、二度と子を産めない身体になった。
(でも、あのナヒーダという女の子は……)
あの夢を見るたびに、誰だ、とそれまで彼女は考え続けていた。
しかしようやくわかってきた。あれはきっと、自分だ。
『前世』かあるいは『前々世』の自分。ナヒーダとよばれた少女。
(アッラー、アクバル……。)
ヘラの魂は、失われた記憶を取り戻そうとし始めていた。