聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
マサタクトゥス=クォーサカ。
聖マサタクトゥスと呼ばれる、カヅノ達の前世の宗派『救世主派』で最も偉大とされた人物。
その人物は、旧文明時代の『ミレニアム』の年以前に生を受け、海の向こうの大破壊とその十数年後の『救世主の降臨』に出会った人物でもある。
そして救世主の使徒となり、『救世主派』を興したという。彼の死後、利権と欲に塗れたのは、彼の孫弟子のせいだ。本人は至って潔癖だった。口は大層悪かったそうだが。
彼はカヅノ達が身に着けている『神聖魔法』を全て覚え、自在に使えた大魔道士でもあった。『シディムの炎』も『アルキメデスの空気砲』も、彼が発展させたそうである。
死後に聖人と呼ばれ、偉大なる始祖と言われたマサタクトゥスだが、おおよそ90年の生涯で1人も子を為さなかった。最愛の想い人を亡くしたのを引きずっていたからだという。しかも2人もだ。
その1人は、彼がアメリカで暮していた頃に出会った少女で、もう1人は青年の頃に知り合った日本人の女だという。
だが、彼は救世主の墳墓の奥で会った、墓の『守り手』についてこんな話を聞いた。救世主と思われる棺を前にしてだ。
その『守り手』は、棺の中の人物を『ともだち』と言っていた。
「でも△△と〇〇にまけちゃった」
その〇〇こそ、マサタクトゥスによく似た名前だった。
マサタカ。そういう人物の名だ。
△△は『救世主』と同じ世界に生まれ、それを倒す為にその世界の恐るべき秘宝を使いこなす戦士達と協力する大魔道士達と共にこの世界にやって来た。
そして彼等はマサタカと知り合って仲間に加え、『救世主』を討ち滅ぼしたそうだ。△△と戦士達は死にはしなかったが、大魔道士らは全員が命を落としたらしい。
戦士達は先に元の世界へ戻った。△△はしばらく、マサタカの元に身を寄せ、『守り手』をかわいいかわいいと甘やかしながら、30年も過ごしたそうだ。
しかしここには『彼女』はもういない、と嘆き、ボロボロになった世界をマサタカという男に託した跡、元の世界へ帰って行ったという。
それがあの『守り手』が語ってくれた話だった。
関節から先の手と脚がなくなっていて、額に可哀そうな傷があったけれども、あのかわいいかわいいおちんぽ大好きな『魔物』は、ちんちんをちゅーちゅーしながら洗いざらいを自分達に語ってくれたのだ。
(しかし、あのだるまちゃんはどう見ても……。)
今更ながら思い出した。マイヤにそっくりだった。
そしてあの魔物の『ともだち』という特徴もまた、横にいる金髪でビキニアーマーの美少女そのものにそっくりだ。
「なんかじろじろと見ているけど、どうしたの?」
ヘラはビキニの股に指をかけ、くい、と右にずらす。愛液でぬめった陰裂が顕わになった。
「その『ともだち』のことを語ったら欲しくなっちゃったの?」
「やらせてくれるなら頼もうか。俺もあのかわいいのとぬっちょんぬっちょんとやったことを思い出してイライラしてきたところだ」
カヅノは股間が盛り上がっていた法衣の裾をあげる。勃起したペニスが顕わになった。
ヘラは彼に飛びつき、その巨根の先に自分のビキニの穴をあてがった。ぐい、と腰を沈めると歓喜の笑みを浮かべる。
「……いひ♥ カヅノのおちんちん、すっごいかたいよ♥」
「お前も随分とまんこの中が仕上がっている様だ。自分からケツを振れ。この体勢じゃ腰を動かし辛い」
「なまけものだなあ♥」
ヘラは彼に抱き着きながら尻を振り始めた。乳間が思い切り弾む。
カヅノの勃起はヘラの暖かい生殖内臓に舐めとられ、さらに硬直を増す。鋼の棒のように硬くなっていた。
その射精中枢はとっくに準備を始めている。たっぷりと精を吸い取ってくれた『守り手』との思い出のせいで、昂ってしまっていたからだ。
「うひっ♥ うひっ♥ うひっ……あたしはもういっちゃいそう♥ アナタはどう?」
「も、もうそろそろだ」
「ちぇっ♥ そーろーやろーめ♥」
耳に残るようなねっとりとした音をたてながら打ち付けて来る腔に向け、カヅノは一際強く突き動かした。おおっ、と叫び、最初の解放感を味わった後、腰を止めたヘラの中で小刻みに動かし、残っていた小さな欲望を何度か吐き出した。
だらんとなったカヅノの勃起から離れたヘラは、その場でビキニを脱ぐと、膣から精液を垂らしながら小水を放った。
大きくて強いものが何度も行ききしていたから大腸も刺激され、汚い音を立てながら砂の上に臭いものをぽと、ぽと、と落とす。
「……お前のうんこ、ますますにおいがひどくなっているな。それだけゴールの身体になり出しているということなのか?」
「そうかもしれないね。司祭騎士団長さんとマイヤちゃんも、ひどく顔をしかめていたよ……」
どうやら異変に気付いている様だ。もうバレるかもしれない。ヘラはそう言って涙をこぼした。
「もしかしたら、2人の次の敵はあたしかもしれない」
「悪いことは考えるな。だが、お前はもう、あいつらとは交われんだろうな。人食い鬼になってしまった」
それにセイン王の死体も『下僕』にしている。もはや彼女に残されているのは1つしかない。前世の復讐がそれだ。
「ヘラ、迷いなんか捨ててしまえ。俺はお前の味方になる。お前がやりたいことをやれ。パラッツォの教主なんぞつまらんもんだ。そこらへんの適当な司祭騎士や教典の巫女にやらせればいい」
「本当に、そう思っているの?」
ヘラは水魔法で尻と股を清めながら彼を見る。
カヅノは覚悟を見せろ、と彼女に言った。
「本物の『悪鬼』になって見せろよ。その為の儀式をやれ。教主にバレるとやばいが、ちょっといい相手を紹介してやろう」
□ □ □ □ □
「なんで私だけをこんなところに連れて来たのだ?」
全身が黒い甲冑で覆われた魔族は、カヅノ=セイジと酷寒なのにビキニアーマーという格好のヘラの2人に苛立たし気な声で尋ねた。
その魔族の名はグラットン。ヘラが背中に負っている『獄炎の凱歌』の元々の持ち主だ。魔王の宝物庫から盗み出したらしいが。
「ここはどこだ? あたりは雪と氷ばかりで何もないじゃないか?」
「うるさい鎧だな。黙ってろ」
「黙るもんか。おい、そこの小娘。どうして私の秘宝であり愛刀が、そんな無様な姿になっているのだ? 暗黒卿に奪われた時まで、我が『黒騎士の剣』はとても大きくて、美しかったのだぞ?」
「うるさいなあ。あたし、その辺の事詳しくわからないよ。イズヴァルトさんに聞いたら?」
ヘラもぞんざいな様子で返す。この鎧の魔物はぶつぶつと、「私の愛刀が、愛刀が……」などとぼやきだした。
彼等が来たのはノトゼタシア島の北側だ。一応はまだ海が波をうっている。流氷ばかりだが。
しかし誰もいないというわけではない。あちらこちらによちよちと歩く太った鳥がそこかしこに見えていた。カヅノいわく『ぺんぎん』によく似た鳥だという。
「前世で聞いたことあるよ。この世界だとなんて名称なのかしら?」
「ううん、人魚族が言うには『よちよち鳥』という名前らしいが、ここはペンギンでいいだろう」
「あ、何羽かこっちにやって来た♥」
ペンギンたちはヘラ達のところに近づくと、物珍しそうに彼等を見上げた。
潮くさくてちょっとにおうが、ふっくらとして可愛い生き物だ。
その雛たちがもっと近づいて、ぴい、ぴい、と鳴いて警戒心を全く持たない様子で翼をぱたぱたと羽ばたかせだした。
「なるほど、こんなにかわいい生き物を見せに連れて来たのか?」
「そういうことになるな。グラットン、こいつらはとても人懐っこいぞ?」
「そうみたいだね。あたしも抱いてもいいかな?」
手を差し伸べると抱き着いて来た。とてもくさいがヘラも鎧の魔物も、カヅノも目をほころばせて撫でてやった。
ペンギンの雛たちは愛くるしかった。子供らが可愛がられるとその親らしい鳥たちは嬉しそうに鳴いた。自分達もかまってくれと言っているようだ。
カヅノが不意に涙をこぼした。それから嗚咽しながら雛と親鳥たちの頭を撫でて、こう言った。
「ヘラ、やれ」
「え、なに?」
「こいつらを、全員斬り殺すんだ。それが儀式だ」
「ねえ、ちょっと待って? 何言っているのかわからないよ?」
そうだぞ、とグラットンも怒った。ヘラは唇をわなわなと震えさせていた。
「ヘラ、お前は『人食い鬼』だったはずだ。ニンゲンの大人も食えば子供も赤ん坊も喰い殺したはずだ」
「食べたのは、転生人とおちんちんで楽しませてくれた大人の男のひとだけだよ……」
「やれ! やるんだ! 悪魔に魂を売れ! イブリースの徒となっても復讐を成し遂げてやると自分に言い聞かせろッ!」
ヘラもまた泣きそうな顔だった。きょとんとした様子のペンギンたちを見ると、手を柄にかけられない。
グラットンが彼女の前に立ちはだかった。
「ダメだ。あいつの言う事を聞くな」
「う、うん……」
「それとその剣を私に返してくれ。あと、いい鍛冶を紹介してくれ。元通りにするつもりだ」
「アナタにこれを返すのは、ちょっといやだ……」
グラットンが手を差し出して来た。それから柄に手を伸ばそうとする。
その時、ヘラは避けようとしたが、グラットンが迫って来た。
いきなりカヅノに言われて混乱していた彼女は、つい『獄炎の凱歌』を抜いてしまい、グラットンの身体を一閃してしまった。
「な、なにを……!」
右胸の下から腰にかけ、鎧の魔族の身体が真っ二つになった。灼熱をまとった刃のせいで傷口は溶けていた。
大きな音を立てて崩れ落ちたのを見て、ペンギンたちは悲鳴をあげた。
酷く耳障りな声。自制心があまり育っていなかったヘラの狂気に火が付いた。
「うるさいッ! うるさいッ!」
ヘラは炎をまとった剣でペンギンたちを追い立てた。逃げ遅れた雛は刃に切り裂かれて炎に包まれ、親鳥たちも
カヅノは大声で泣きながら、ヘラにこう呼び掛けた。
「そうだ! そうだぞヘラ! ゴールの血をもっともっと呼び覚ませ! かわいいこいつらを食いちらかした『仔』の様に殺してしまえ! あはは、あははは……」
ヘラは涙を流し、泣き叫びながら逃げるペンギンたちを追い立てる。
懐いて来た可愛らしい生き物たちは、次々と斬り殺され、ついた炎で消し炭となっていた。
カヅノはその光景を目の当たりにしながらその場にへたりこんだ。
ヘラによって斬り焼かれた雛の死骸を手に取り、それに顔を突っ込んで泣きじゃくった。
「ごめん、ごめんなさい……かわいいきみたちを、俺は犠牲にしてしまった。すみません。もうやりません。これきり、これきりだからゆるしてください……」
でもこれは大事な儀式だ。ヘラが雄飛する為の。
酷寒の中でヘラは狂気にとりつかれ、泣き笑いながら生き物たちを殺していった。
かくして『食人姫』は誕生した。狂気がまだ残っていた良心というものを、蝕みきったのだ。