聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
「むーん。こまったなー」
治療を受け、身体を清められたのち、ベッドの寝かされたヘラの裸体と毒物が入った腹の傷を見ながら、『屍』は短くなった腕を組んで唸った。
「ほうしゃのうのどくはごーるでもやっかいだよー? たぶんもうだめかもしれなーい」
ズルイルとミーシアが顔をしかめた。同席していた2人のサキュバスは、部屋の片隅に追いやられ、縄で縛られたエレクトラとピピン王子をちらと見て睨んだ。
しかし彼等に聞きたいのは、エレクトラとピピン王子もだ。
どうして失踪したと聞いたマイヤが、こんなところにいる?
そしてどうしてしゃべり方が、前よりも阿呆になっているのだ?
「……『ぽろにうむ』だったか。シマナミスタンの毒遣いじゃ『汚エルフのチンコの垢』と呼ばれているあの猛毒をぶち込んだ、というわけだな?」
エレクトラは少しだけうなずいた。なんでこんなことをした、と批難がましくにらみつけるピピン王子の視線を感じながらだ。
「『森の蝮』が編み出した最強の毒物ですよ。そこの人食いに、クジラでも殺せる量をぶちまけたんでさぁ」
「まだ生きているってことは、ヘラもゴール族の血に目覚めたってわけだな? カヅノからは聞いちゃいなかったが、そこまでなっていたとはな」
ズルイルたちがこのアジトについて聞いたのは3日前だった。ヘラのお守りをして来いと、カヅノに言われてやって来た。
あの男はマイヤの『屍』を見て、ひどくうろたえ、みっともなく泣きじゃくった。
きつく抱き着かれて「いたーい」とぼやく『屍』を抱えながら、ヘラを殺す、などと怒り狂っていたが、動揺が鎮まるとズルイルたちに、ヘラが向かったトットリーブールに行かせた。
(呑気にちんぽあさりをやっているのかと思ったら、とんだ陰謀にかかっていたとはな……。まあ、『おしゃぶり姫』を殺したんだから仕方あるまい。)
面倒だと思いながらもズルイルは『屍人形』に尋ねた。助かる方法はあるんだろうか?
「うーん。ごーるのからだのままだと、たぶんむりー。でも、ヘラちゃんはわたしにちかいよー?」
「何を言いたいんだ?」
「まぞくのからだになりつつあるのー!」
『屍』は説明する。ヘラの身体の組織は今、半分がゴールで半分が魔族という状態だ。
今のところゴール族の血が目覚め、それの特性が表に出ている状態だが、何かのきっかけで魔族の血も呼び起せる。
「まぞくのからだになれば、しなないですむー」
「完全に毒を抑え込める、というわけだな?」
「そうなんだけどー、でもにくたいは、ごーるのほうによっちゃうかなー。まぞくのちをよびさましても、ヘラちゃんがしねんたいでいきられるちからをえるだけだし、からだはどくでつねにこわれつづけるままだよー?」
放射能で常に崩壊する身体を、治癒魔法で抑え込むことになる、と『屍』は言った。しかし魔族の治癒能力があれば、すぐに肉体が滅ぶことは無いだろう。
「じゃあ、どうすればいい?」
「わたしのうでとあしー。それをつかうといいよー?」
「……聞いたことがあるな。教主がイーガの王子から贈られたという、趣味の悪い宝物というのがそいつか?」
アドルフ王子。
マイヤの手足。
エレクトラは吐き気を覚えた。本人が手紙に書いて知っていたが、忘れようと努めていた話でもある。
(けど、その当時のマイヤさんじゃあ、ナントブルグ王家の血は覚醒してなかったでしょうけどねぇ……。)
失敗してしまえ。そう願いながら目をつぶる。ピピン王子がエレクトラに聞いた。
「どうしてヘラちゃんを憎んでいるんですか?」
「……あのマイヤさんを見て、わからないんですか?」
ピピン王子が首をかしげると、エレクトラはこう言った。
「人食いをやらかしたからですよ。あのお嬢さんは。何人も、何十人も」
□ □ □ □ □
マイヤの手足は、サキュバス達の手によりまる1日でアジトに運ばれてきた。ヘラの身体は既に生気が失せ、やせこけていた。
『屍』は両脚を鍋でどろどろに溶けるまで煮て、それをヘラに飲ませる様にとズルイルたちに言った。
「ゴールぞくだから、たべてまりょくをきゅうしゅうしたほうがいいかもー」
ズルイルはミーシアと一緒にかまどをつくり、サキュバスの1人に大鍋を探させた。
サキュバス達が戻って来て、ズルイルたちはマイヤの両脚をぶつ切りにするとその中に入れ、煮込み始めた。
水をつぎ足しながらおおよそ5時間。たっぷりと煮込んでそれは出来あがった。ズルイルたちは、肉や皮膚がどろどろに溶けたそれから漂う匂いを嗅いでみる。
「……ひどく甘ったるいにおいがするな」
「だべえな。これ、肉のスープだべえ?」
「だよな? 俺達はジャムでも煮詰めていたのか?」
「サキュバスどもに聞いたほうが、いいかもしれねえなあ」
ミーシアはピピン王子のズボンをはいで、彼の股間で気持ちよく喘いでいたサキュバス達にできたと伝えた。
大鍋から漂うそれを嗅いだサキュバスらは、その匂いをひと嗅ぎして驚いた。
「……これ、トリミミノ様のひねりたてのうんちのにおいとそっくりね!」
「トリミミノ? 誰だべえ?」
もう1人のサキュバスが答えた。マイヤのご先祖の1人。魔王の一族に連なる大サキュバスだと。
「そうか。そのトリミミノというのは、あま~いうんちをだすんだべえか?」
「うん、そう! 1度に1キロか2キロをドバドバ、とおひねりなさるの! それを日に5回も6回も!」
「えらい良くでるんじゃのう。大食いのうちでも、そんだけひねることは滅多に無いき」
「トリミミノさまの尻穴はすっごい性感帯らしくって、暇だといつもおまんこと一緒にいじくるそうなの! 常にアナルビーズを挿れているって噂があるほどよ!」
その魔界の大サキュバスは13歳ぐらいの少女に見える体格と体型で、美人と言うよりも可愛さが際立っているそうだ。
そんな姿となりであるが、身体のあらゆるところが凄まじい搾精機能を持っているそうである。どんなに不感症のペニスでも、挿れただけで射精してしまうそうだ。
「なるほどな。『おしゃぶり姫』のご先祖はそこまで偉大だったか」
ではこれをヘラに飲ませるとしよう。鍋から一椀すくうとアジトの中に入った。
『屍人形』が心配そうに見つめている中、ヘラは脂汗をかきながら眠りについていた。ズルイルとミーシアは顔をしかめてしまう。人食いのゴール族の体臭は、精霊人にとって耐えがたい悪臭だったからだ。
「もうできたー?」
「まあな。とにかく飲ませてやろう」
ズルイルはヘラを抱き起し、ミーシアがさじですくって、細かい肉が浮かんだスープを飲ませようとする。
しかしヘラは飲みこもうとしなかった。『屍人形』が口を開いて含ませろ、と言って来た。
「お前が口移してくれるのか?」
「んん!」
「友達思いなんだな。お言葉に甘えさせてもらおう。ゴールの女と接吻は、どうも気が引けるんだ……」
ズルイルはひとさじ、ふたさじを『屍』の口に含ませた。口を閉じると彼女はヘラに抱き着いて、彼女と唇を重ね合わせた。
まるで母親が幼児に、薬を口移しで飲ませる様だった。『屍』の口に入ったものがヘラの口の中へと流れ込み、ごくりと喉が鳴った。
「もっとのませよーう!」
『屍』が口を開ける。口移しで飲ませる作業が長く続いた。
椀の中身がなくなると、だるま女の屍はズルイルに抱き着き始めた。
「ねーねー。ちょっとだけせーえきちょーだい?」
彼女は大きな尻をくねらせる。冷たいはずだった身体はまるで人肌のように温まり、股からどろりとした分泌液を垂らしていた。
「ねーねー?」
「ヘラはいいのか?」
「たぶんだけど、いまはまだこれぐらいしかのめなさそー! ねえねえ、ざーめんみるく、ぴゅっぴゅとださせてー?」
ズルイルは言う通りにした。『屍人形』の身体から、むらむらとさせる甘い匂いが漂っていたからだ。
抱きあげて外に出ると、適当な草むらで腰を落とし、ズボンの紐を解いて男根を出した。そこに彼女がまたがった。
やや低い体温だったが、そこはぬるりとして潤っていた。奥まで沈むと絞り上げて来て、ズルイルは思わず呻いてしまった。
「きもちいいー?」
「ああ、ものすごく、だ」
「きがすむまで、ぴゅっぴゅとだしていいからねー!」
『屍人形』の柔らかく、たわわな乳房が揺れ始める。粘りっ気のある生々しい音が響き始め、ズルイルは喜悦に浸った。
(凄すぎるな、こいつは……。)
あまり放ちたがりでないエルフのペニスでも、この潤った女の園の吸着力にはかなわなかった。
惨い額の傷と虚ろな視線を不気味に思いつつも、生前のものそのままの、可愛らしいザーメン喰いの魔物の魅力は健在だった。
しかし『屍』は、死んでいるわけではなかった。大きな盛り上がりについているものに口づけ、指でクリトリスをいじってやると、それはかすれがちだが可愛らしい声で喘ぎだした。
「きもちいーい。もっといじいじしていーよ?」
「俺もだ。まったくもって素晴らしい。お前は魅力的だよ?」
「おせじでもうれしー!」
お世辞ではないのに。内心で寂しく思いながらもズルイルは『屍』の中で達した。その体は精液を取り込むと、もっと甘くかぐわしいにおいを、わきの下から漂わせだし、彼の性本能を刺激した。
「もっとして、いーい?」
「かまわんさ。というか枯れるまでやってくれていい。どうせヘラのやつは明日まで飲めないんだろ?」
雪がついた草むらの上での性交は、尻と背中が冷たかったが、それにもまして股間は暑苦しかった。
交合は夜更けまで続き、ズルイルは『屍人形』を抱いたまま眠った。
そしてその朝、彼はミーシアに叩き起こされた。
「どうした?
「ヘラが目を覚ましたべえよ。あいつに鍋の残り、全部飲ませるべえ」
ズルイルは目を閉じながら頬ずりをしてくる屍人形を抱きながら、大鍋をのせたかまどに火をつけた。