聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ 作:CHACOとJAGUAR
そのあとすぐにマイヤがやって来た。宿屋の使用人たちを連れてだ。
グスタフは彼女を前にすると、みっともなく顔を緩めて抱き着こうとしたが、「トーリに乱暴する子なんてきらい!」と怒鳴りつけられてその場でへたりこんでしまった。
マイヤはトーリを助け出してくれたことに感謝して、解き放たれたルッソの頭を撫でて労った。
「おー、よちよち。ルッソ、こんなに怪我をして痛かっただろうねえ?」
「君のお姉さんに踏んづけられたよ。ああそうそう、こういう話があってだね……」
トーリが『宿場』では有名な『サセ子』だってこと、知っているかい?
それを聞いてマイヤは、目をきょろきょろとさせて力の無い笑みを浮かべた。存じていたらしい。
「……知ってたのか」
ルッソは拳を振り上げた。こめかみには青筋が立っていた。
それを目にしたグスタフ達が、「やめてええ!」と叫んでルッソを止めた。宿屋の使用人もだ。拳を落とした。
「かわいいマイヤを殴る? そんなことするわけないじゃないか」
グスタフは胸をなでおろした。使用人もだ。彼もマイヤに『おしゃぶり』を楽しませてもらったうち1人だったからだ。
「マイヤは自分のおまんこがどれだけおいしいのか、いつも味わせてくれるからね」
「そんなことみんなの前で言っちゃうわけ? ひどいよ!」
「そうだよルッソ。自分が悪いと思ったら俺達にも、マイヤちゃんのおまんこをぺろぺろさせてくれよ!」
そんな話が聞けるか。マイヤにぞっこんなこいつらは、きっとクリトリスを噛みちぎることだって致すだろう。
ならもう一度と問いただした。マイヤはしぶしぶ認めた。
「え、ええと、そうみたい。トーリは私と違って下の口で飲む派だからね。あと、お尻の穴でも……」
トーリは直腸摂取をもっと好む、と余計な一言を加えた。
「やっぱりそうか。でも尻穴か。前世は騎士のお小姓さんだったのかな、マイヤ?」
「たぶん、そうかもしれないね♡♥」
マイヤが笑む。まことに気色が悪かった。この子は『薔薇』が好きなのか、とルッソは怖気づいた。
「まあ、トーリがちんちん無しでは生きて行けない困ったちゃんなのは気にしないよ。むしろああいう美人さんがすけべなのは、俺達にとっては好都合だ。きれいな便器というやつさ」
「あのう、ものすごくきったない罵り方してないかな? 私のおねえちゃんだよ? もしかして、私のこともそう思ってんの?」
「違うよ。マイヤはとってもかわいいと思っているよ。ミルクをねだる子ヤギみたいにね」
「比喩として素朴過ぎるけど、なんかきざったらしいな! むなくそわるい!」
「まあまあ言葉なんてどーでもいいものもあるし、気にすんなよ。それより『尋問』に行こう」
「えーと、誰に?」
レイラとレオナの2人だ。聞いた話だとトーリを宿場町で淫乱な本性を発揮させたのは、どうもあいつらの紹介があったらしい。あのデブ2人をとっちめ、あらかた吐き出させるとルッソは息巻いた。
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レイラとレオナはアスカウで一番の大金持ち、アーレント商会にお邪魔していた。そこにいるハンナという女の子に会う為だ。将来はトーリに負けず劣らずの美人に育ちそうな、可愛い女の子だ。
この姉妹はデブだが、顔立ちは良い方だった。しかも背が高くておっぱいが大きかった。そのせいか、彼女達をセックスフレンドにする若者が多かった。トーリを『サセ子』と呼ばせる程に男人脈が豊富だった。
商会の前で、レイラとレオナはハンナと一緒にけんけんぱ、をやって遊んでいた。ハンナの家はお金持ちなので、こうして遊んでやるとおいしいお菓子を必ずもらえた。この2人はハンナをとても可愛がっていたが、食い物も目当てにして付き合っていた。
仲良く遊んでいるところに、そこにルッソとマイヤが現れた。2人はマイヤを見ると手招きしたが、ルッソが前に立ちはだかった。
「やあ、ラードデカ盛りおっぱいが取柄だけの豚姉妹じゃないか?」
怒りを腹に抱える時のルッソは、まったくもって口汚い。
「ルッソ! あたしたちをその仇名で呼ぶんじゃないよッ!」
「何しに来たのよ! マイヤちゃんだけ置いて、さっさと羊の世話でもしてなさいよ!」
ハンナはマイヤをじっと見ていた。恋している乙女、というより、発情した雌犬の様な目つきだった。彼女は姉妹の様にマイヤに『おまんこぺろぺろ』の洗礼を受け、ぞっこんになったクチであった。
「やだね。聞きたいんだけど……トーリにチンカスまみれの野良犬どもをあてがってるの、お前らだな?」
姉妹はイキリ声をあげた。トーリのセックスフレンド達は自分達の『カレシ達』でもあったのだ。それを悪く言われて怒ったのだ。
「チンカスまみれって何よ! 羊やロバのまんこを使っているアンタなんかに言われたくないんですけど!」
「そうよそうよ! レイラちゃんもあたしも、男を見る目があるんだから!」
ルッソと姉妹との乱闘が始まった。アスカウの女の子、特に牧童の郷の子らは大抵、ファイティングスピリッツが旺盛だ。喧嘩になったら拳を握る。それと、大抵は力がある。男に負けてはいなかった。
しかしルッソも羊や牛を引っ張ったりする毎日を送っていたので頑丈だった。ぴょんぴょんと飛ぶ子ヤギの頭突きを喰らわされる事だって結構ある。ちょっとやそっとの打撃で怯まなかった。
「ぐふう!」
「ぎょへえっ!」
10分にも及ぶ戦いで、姉妹はのめされた。ふらふらになりながらも、豚が、と吐き捨てたルッソは早速尋問にとりかかった。
「君達、どうしてトーリにチンカスどもを紹介したのさ? どうせなら、俺のご近所さんを紹介すりゃ良かったじゃないか?」
「それやったら、トーリの取り合いになるわよ!」
「お姉ちゃんの言う通りよ! あと腐れ無いようにあたしたちのカレシたちを紹介したんだから!」
姉妹らはこう述べた。男子たちの間で、いや、年上のお兄さんや下半身がだらしないおじさんの間で、トーリはかなり好かれている。清楚な美少女だがどこか、ドスケベなにおいがぷんぷんと漂っているからだ。
「何せ、マイヤちゃんのお姉さんだからね!」
レイラが言った。ぶひい、と鳴く豚みたいな響きだった。ルッソは気の毒そうにマイヤを見るが、彼女はいつの間にかハンナにまとわりつかれて頬をちゅっちゅとされていた。
「そうなるわけか……だったら、君達を性処理の為に使っている宿場のアコギなにいちゃんたちを紹介するのもわかるけど。でも、どうしてトーリがおまんこ狂いになったのかがわからないよ?」
「アンタのせいよ!」
今度はレオナだ。彼女はトーリから相談を受けたことを語った。
「失恋したから気を紛らわせる方法を教えてって! トーリはみなしごなんでしょ? だったら、受け入れ先の倅のアンタが責任もって見てあげなよ!」
「ええっと、君達じゃまったく足元にも届かない、あれぐらいの美人さんだったら、ナントブルグのセイン王子様の奥さんになれないかな?」
ルッソは否定した。僕程度だとせいぜいマイヤがちょうどいいところだ。それを口にしたらマイヤに脛を蹴られた。ハンナもそれにならった。マイヤは彼の尻を思い切り引っぱたいた。
「いてっ!」
「ねえルッソ、そろそろ覚悟を決めなさいよ!」
「覚悟って、なんだよ?」
「さっきのように、トーリのことをかわいいかわいいと言っているじゃない! 自分に正直になってよ! ここの大抵の男の子ってみんな、トーリみたいなゲキマブ、肉便器にしたいぐらいしか言ってないじゃない! 美人さんだとか言うの、貴方だけだよっ!」
(そうか……。)
ルッソはようやく、自分が何をトーリに抱いていたのか気が付いた。恋だ。自分はトーリに恋をしている。
「……わかった。覚悟を決めるよ、マイヤ」
「ほんと?!」
「うん。けど、ついでに君を2番目の奥さんにできないかな? どうかな?」
マイヤは本気でルッソの脚を蹴った。あまりにも強い力でやったものだから、彼女の足の骨にひびが入ってしまった。
「びえええええんっ!」
地面を転がり、脚を抱えて泣き叫ぶマイヤを介抱する為、ルッソと姉妹は仲直りをすることにした。
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トーリは家に戻っていた。その日は目を合わさず、何も話さなかった。
しかし翌日、学問所へ向かう時にルッソは彼女に手を差し伸べた。
「ねえ、俺の手をつないでいけるかな?」
トーリは嬉しそうにうなづいて、そっとルッソの手を取った。道をいく人々は「とうとうトーリちゃんをよめさんにしたのかい?」と尋ねたが、彼は憮然とした様子を貫いたままだった。
対してトーリはたいそう恥ずかしがったが、彼と手をつなげて喜んでいた。学問所の教室に入り、女の子達の集まる一角に近づいた後、彼は「聞け!」と皆に言った。
「ん、ルッソ。トーリとそんなにひっついてどうしたの?」
レイラが呼びかけると、ルッソはトーリの肩を強く抱きしめた。
「トーリは俺のいいなづけで、将来の奥さんになる子だ」
女の子達は驚いた。男の子達は我関せずという素振りだったが、これからどうやってトーリと浮気できるか、頭の中で計画を立て始めていた。
「俺はな、トーリとちゅっちゅちゅっちゅいちゃいちゃしながら暮らす。トーリに俺のあかちゃんをたくさん産ます。かわいがる。それ以上にトーリをかわいがるつもりだ!」
おおっと、とレイラとレオナが目を見張ると、ルッソはトーリに「いいよね?」と問いかけた。
「……私に黙ってマイヤと毎日なめなめしてるくせに?」
「そいつは言いっこなしだよ、トーリ?」
「ずるいわ」
しかしトーリはうれしかった。大好きなルッソが顔を近づけ、まっすぐに顔を見て、ゆっくりとうなずいた。
「じゃあ、俺の恋人になってくれるよね?」
「言うのはへたくそだから、私……」
トーリは実の妹とおまんこをなめあったり、宿場で『させ子』として股を開く、どすけべ娘の本性をさらけ出した。
ルッソの唇を、自分から封じていった。しかも舌を入れての生々しいキスだ。
女の子達はトーリの舌と唇に興奮して、キャッキャキャッキャと笑い始めた。
「わーっ、きったねー!」
「なにそのキスのしかた! トーリって奥手だと思ってたけど全然違ってたのね!」
「大事な告白なのにどうしてルッソの股間を手でさするのよ! ていうかルッソもトーリのおっぱいに手を当てない! なによそのムードもへったくれもないどすけべなキスは!」
それでも女の子達は、ルッソとトーリが「んぐんぐんぐ……」と幸せそうに接吻をし続けるのがうれしく思えた。彼女たちはトーリのことを好いていなかったが、ルッソと早く『家族』になってこの村に馴染んでくれれば、とも思っていたからだ。
自分たちよりも美人で頭が良く、どこかスカしたところがとことん大嫌いだったが。
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これを期に、ルッソとトーリは恋人同士と認知されるようになった。
シュミット氏はまだ真実を言わなかったが、ルッソとトーリはキスはおろか、お互いの股の者をいじりあったり舐め合ったり、羊遊びをしたりセックスをするようになった。
性交になるとトーリは恐ろしいほど貪欲だった。夜の皆が寝静まった時だけでなく、ルッソが牧場にいる時も、ねえねえ、と甘えてねだって来るぐらいだった。
恋人宣言からしばらく経って。今日も牧場で一緒に家畜たちの世話をしながら、トーリは目の前にいるルッソに呼びかけた。
「ねえ、ルッソ?」
「なんだい?」
ルッソはいささか頬がやつれていた。無理もない。トーリに毎日吸われているからだ。
「そろそろ、私がどんなわるいことをしたか、教えようか?」
「……君が激安中古品になった話、聞きたくないんだけど?」
「いいじゃない! こういう話はおちんちんにくる、って言うじゃない!」
トーリはルッソの股間を掴んでねじりあげた。いてえいてえ、と悲鳴をあげるルッソに彼女は言った。
「私のはじめては8歳の時。大家さんの息子さんだったわ」
「なんだ、近所の野良犬じゃなかったのかい?」
トーリはまたもルッソの股間をねじった。
「いてえっ! いてえっ!」
「なんでそんなことを言うのかしら! 大好きな女の子の初体験の話、男の子だったら聞きたいものでしょうに?」
「いやいやいや。そんな過去の話なんかより、今この時やこれからを語り合ったほうがいいじゃないか?」
マイヤが『そーごーだいがく』っていう学問所を作りたいらしいんだが、どうやれば叶えてあげられるんだろうか。姉なら当然知っている妹の夢について尋ねてみた。トーリはまだマイヤのことを妬むかと思いきや、にっこりと笑って自信ありげに答えた。
「ふふ……何とかしてみせるわ」
「でもうちの稼ぎじゃ難しいかもよ? ナントブルグ中の学問所をあつめたぐらいにでっかくなるらしいし」
「あのね。私にもおっきな夢があるの。今はまだ言えないけど、それが叶った時、マイヤの夢も一緒に果たしてみせるわ」
その時の彼女は歳よりだいぶ子供っぽい、けれども輝きに満ちた笑みを浮かべていた。それにルッソは気づいた。叶えられる夢、というよりかたはもっと、妄想や幻想について語っているように聞こえた。
その時北の方角から、いつもより一層冷たい風が吹きこんで来た。羊たちが何かを知らせようと啼くいたのを聞いてルッソは思った。アスカウでは珍しい雪が降るかもしれない。
防寒具を着込んでいる自分より薄着の彼女に呼びかけた。しかし寒さに震える様子は無かった。彼女は風が吹いた時から、北の空に顔を向けていた。
「羊たちを小屋に戻そう。手伝ってくれないかな?」
「……そうみたいね。ものすごい吹雪が来るかもしれないみたいだし」
その後、トーリが言った通りになった。まる2日、吹雪が続いた。
よろい窓から外をのぞきながらルッソは、ぴたりと当てたことで疑問に思った。彼女が魔法を習得しているのではないか。寒いのが嫌いな妹を抱き込んでいたトーリに尋ねた。
「君は、ご先祖様みたいに魔法が使えるのかい?」
「かもしれないわね。でも、今はまだ教えられないわ」
意味ありげに笑う。ルッソは気色悪さを全く感じなかった。好奇心でいっぱいだった。
(じゃあこれからは、君のことをいろいろと聞かせてもらおうか。)
その秘密だが、トーリから徐々に教えてもらうこととなった。これより1年後、イズヴァルト達と出会い、彼女の腹にオルフレッドが宿ってからだった。