※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・まとめ   作:CHACOとJAGUAR

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第三十回

 今にでもマハーヴァラ神の導きが来そうな死にかけの男が名乗った。

 

「フレデリク=バーエル。トンダバヤシの引き口で、お前の名前を初めて知った」

 

 それから友人から貰った映像水晶で。イズヴァルトがマイヤにみんなの前で吸われたり、天幕の中でのセックスの隠し撮りを記録したものだ。

 

「隠し撮りを! 言えば見せるでござるのに!」

「せめて出演料を払ってほしいと常々思っているんだけどね……で、フレデリクさん。あなたは何故私たちを知っているの?」

「俺が……ここにいる皆がホーデンエーネン人だからさ」

 

 まぎれもないホーデンエーネン語でフレデリクは返した。やや北部のイントネーションであったが。彼はアヅチハーゲン周辺の警備兵団にかつて所属していたと語った。

 

「俺達は皆、警備兵団に所属していたパラッツォ教徒だ」

 

 一口で三食分の栄養を得られる『甘露(アームリータ)』のみを飲むという戒律があったが、それだけでは腹が減るのでほかの食物も取っていたとも語った。

 

「そう、3年前まではな……」

 

 フレデリクは言う。パラッツォ教徒への弾圧が強まったせいで職をやめさせられてしまった。領主より隔離地区へ移住するよう命じられた。

 

 そのことが何を意味するかをイズヴァルトとマイヤは知っている。一斉処断。赤子も生かしておかない恐ろしい行いだ。

 

「俺を含めたアヅチハーゲンの信徒達は船で逃げたよ。エチウ仁な」

 

 フレデリクには9人の子供がいた。とはいえパラッツォ教は隣人を愛せの教えを説いていたので何人かは違う男の子だ。とはいえ彼も他人の妻や少女と交合し、子を為した事が何度かあった。

 

 そんなあやふやなところがあっても、我が子として育てた子供は可愛かった。彼は仲間や家族らとともにエチウへ逃げた。教団は漁師や商品作物の栽培の仕事をあっせんしてくれたが、彼は兵士になりたいと志願した。

 

「そして俺とアヅチハーゲンからの仲間達は、ヒッジランドの潜入作戦に名乗り出た。今こうして、故国の若き英雄とかわいい『おしゃぶりひめ』と、顔をあわせているというわけさ……」

「フレデリクどの。ヒッジランドに潜入したパラッツォ教軍はいかほどでござる?」

「教えるかよ……もう、マハーヴァラさまからのお迎えが来たようだ」

 

 フレデリクは目を閉じ。パラッツォ教で臨終の時に歌う詩を口ずさむ。それから安らかな眠りについた。ウォルターは殺した者全員の衣服を剥ぎ取り、打ち捨てておけとイズヴァルト達に告げた。

 

「なにゆえでござる?」

「雪オオカミや鳥達の為にさ。ヒッジランドではたおれた死者の身体は飢える獣たちに与えよ、と言い伝えられている。土に埋めてもこの冬の間はずっとそのままさ」

 

 イズヴァルトとマイヤは言われる通りにした。パラッツォ教徒は皆、腰と臀部の筋肉が他の部位に比して頑丈だった。ペニスが異様に発達して亀頭が大きい。沢山の性交をして使い込まれていた。

 

 教団は性交で繋がりながら絶頂すれば、男女とも神々と対話が出来ると説き、重視していた。その性交を『法悦』と教団は定義した。

 

 教徒は法悦を毎日の様に求めた。その為の精力は備わっていた。彼等は皆、『甘露(アームリータ)』という薬の様な食物の様な飲み物を、赤子の頃から飲まされて来たからだ。

 

 信徒は物覚えがついた頃にはもう、射精が出来るようになったという。女の子の生理も6歳ぐらいで。日々のたつきを繰り返しながら盛んに交わっていた。

 

 更に子を産み育てる事も奨励された。それが例え他人の子であっても我が子として愛せと教主は告げたという。ゆえに信徒達は幼い頃から相手かまわず交合を行い、沢山の子を産んでいったのである。

 

 『甘露』で育った女教徒は一生の間に20人以上も子を産んだ。男はそれ以上の子の数を得る程の種を振りまいた。病気にかかることなく身体も頑強になる。

 

 ただ、『甘露(アームリータ)』は副作用があった。誰もが40年程の短命になるというものだ。30歳ぐらいに見えるフレデリクもあと10年の命。しかし沢山の法悦を為し子を作ったから、心置きなくこの作戦に参加したに違いなかった。

 

「このような形で、ホーデンエーネン人と出会う事になろうとは……」

 

 イズヴァルトはフレデリクのペニスをじっと見る、マイヤの頭を小突いて抱き寄せた。ウォルターは「もう行くぞ」と2人に呼びかける。今はこの山を越えなければ。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 道中、こうしたパラッツォ教徒の潜伏隊や本物の山賊による襲撃が何度もあった。ウォルターの剣技とイズヴァルトの豪勇で幾度も初手で打ち払ったが、どうにもきりがないとウォルターは嘆いた。

 

「このへんの治安が悪くなってきてやがる。10年前までなら、表街道よりも安全だったんだが……」

 

 ウォルターはその頃までは何度か、ウラスコーとミョージバーグを行き来していた。彼は露店温泉の縁に腰を掛け、マイヤにフェラチオをされながらイズヴァルトに語る。

 

「さようでござるか。何故でござろうな……」

 

 イズヴァルトはお尻を突き出したマイヤにくみつき、湯面から出ていたアナルにペニスを差し込んだ。ウォルターは彼女の吸いつきが余計に強くなったとつぶやいてうめいた。

 

 そのマイヤもイズヴァルトにアナルを刺激されて喜んでいる。この宿の露天風呂だが、貸し切りにしていたから他の客が入って来る恐れは無い。いや、彼等以外に客はいなかった。

 

「うへえ……」

 

 ウォルターはマイヤに一発を飲み込まれた。尚も陰茎への愛撫が続く。旅立つ前よりも少しばかり太く元気になり、弓なりに反ったペニスを可愛い舌でくすぐられて喜悦に震えていた。

 

「イズヴァルト。ウラスコーの手前で俺は別れる事にするよ」

「いかがしたでござる?」

「ウラスコーの手前のタッケハールっていう街がある。ヒッジランドの北西方面軍の拠点だ」

 

 タッケハールにはおおよそ6000の軍勢が常駐していた。ウォルターはそこの武将らと知り合いだった。礼にもよって彼の剣の腕を見込んでのヘッドハンティングもしばしばあった。

 

「これを機に俺は国軍に志願する。その見返りに山岳地帯の討伐を頼むつもりだ」

「で、ござるか……」

「すまんな。マイヤちゃんともそこでお別れだ」

 

 ウォルターは自分のペニスを丹念にしゃぶってくれるマイヤの頭を撫でてやった。マイヤはアナルセックスの悦に浸りながら、寂しそうにペニスを舐める。せめてお別れの時まではたっぷりとかわいがってあげたかった。

 

 そのタッケハールまでは後2日、というところであった。街にたどり着くとウォルターは西の方角を指さして、あの山を越えればウラスコー盆地に着く、と告げて去って行った。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 ウラスコー盆地はかなり狭い。その山で一番見晴らしの良いところから一望できるのだが、ウラスコーの街以外には1つか2つの村があるだけだった。

 

「猫の額ほど狭いでござる……が!」

 

 下腹に灼けつく様な快感を覚えてイズヴァルトは唸った。コートの中ではマイヤが、めいいっぱいフェラチオをして射精にまで導いたからである。

 

 山道で疲れた後の一服を終えたマイヤが這い出てきて、「さむい……」とつぶやいた。ミョージバーグよりもこの地は気温が低かったからだ。

 

「雪ですっかり覆われているでござるが、春になればとても良い田園地帯となるでござろうな」

「イズヴァルト。この景色を見ながら……いいかな?」

 

 マイヤが彼のコートをめくり、まだ勃起しているペニスを握ってみせた。イズヴァルトは木に繋いでいた2頭の馬のほうを少しだけ伺うと、スカートをめくったマイヤを持ち上げ、自分にしがみつかせた。

 

「まだ歩くでござる。ゆえに1回だけと心得られよ?」

「うん!」

 

 マイヤの準備しきっていた緋裂に己の亀頭を差し込んだ。互いに腰を動かしながら、イズヴァルトとマイヤはここまで来たという感慨にふける。

 

 2人の吐く息はシンクロしあっていた。マイヤは喜びに打ち震えて中はびしょびしょだった。イズヴァルトのペニスもまた、さっき放ったばかりなのにまたも射精をしたいという欲に駆られていた。

 

「マイヤどの……拙者らは……」

「ヴィクトリアさんの故郷に。ああっ!」

 

 感極まっていたのはマイヤのほうだった。高揚感のせいで鋭敏になっていた身体がすぐに、絶頂に導いてしまった。

 

 子宮と膣の強い収縮をペニスで感じたイズヴァルトは、この交合でもってマイヤにヴィクトリアの生まれ変わりをと願いながら腰の動きを強めた。

 

「ああっ! イズヴァルト!」

「孕むでござるよマイヤ! ヴィクトリアどのの生まれ変わりを! うううっ!」

 

 イズヴァルトのペニスがめいいっぱい、精液を彼女の膣の中に注ぎ込んだ。2人は深くため息をついてしばらくつながったまま、遠くにあるウラスコーの街を眺め見た。

 

「イズヴァルト……」

「なんでござる?」

「もう一回、しようよ?」

 

 マイヤの膣の中は力強くうごめいている。生殖欲を増しているのだと思ったイズヴァルトは、再び彼女を揺らした。ヴァギナはもっと精を頂こうとぎゅっと絞って来た。

 

「お子が、出来るでござろうか?」

「うん。うん……きっとそうだよ、イズヴァルト……」

 

 マイヤはイズヴァルトとの更に強い絆を得る為に、悦に浸り続けた。スカートがめくれ過ぎて尻がむき出しになってしまっても、寒いと感じなかった。身体はとても汗ばんでいた。

 

 イズヴァルトも熱くなったマイヤを抱きしめながら、彼女の軽い身体の中にある重い願いを叶えようと頑張った。いや、ペニスはただただ望むがまま、愛おしい少女の粘膜と湿潤にのめり込んでいた。

 

 山を下りたのは半刻後のことだった。イズヴァルトとマイヤは、うっすらと雪をかぶせた田畑の間の、古い城市へと向かう道を歩いていた。

 

 道路の表面には、細かく砕かれた砂利が敷き詰められている。不思議に思ったイズヴァルトが何故でござろうか、とマイヤに問うと、彼女は前世で覚えたことを思い出して答えた。

 

「雨の日でぬかるまないよう、冬は滑らないように施しているのかも」

「このごつごつがぬかるみ避けで滑り止め、なのでござるな?」

「寒い所の道路では滑り止めの砂をばらまいて、車のタイヤが滑らない様にする、んだったかな……」

「くるま? たいや? 前世の話でござるか?」

 

 マイヤはうなずいた。前世の自分が生きた街には、アスファルトというタールで作った砂利のようなもので舗装し、道路は泥だらけになることは無いと。

  

「マイヤが前世に暮らしていた土地は、かなり雨が多いところだったでござるか?」

「うん。ニホンはどこも雨が多くて湿気ていたからね。私が住んでいたところなんかは川が近かったから台風の時はよく床下浸水が起きていたわ」

 

 前世に住んでた自分の実家は、マンションの5階にあったのでそういう被害を受けなかったが。

 

「一戸建てに住む友達のところへはよく後片付けを手伝いに行ったなー」

「浸水が茶飯事の場所、というわけでござるな?」

「そうそう。東京からすぐ近くの住宅地って殆ど、川沿いの低地にあるとこばっかなんだから!」

 

 『トウキョウ』とはなかなかに住み辛そうな街でござるな、とイズヴァルトは笑う。彼の視線の先、うっすらと雪化粧が施された畑の中では、農民の子供らがしゃがんで尻を出して用を足し、茶色いかたまりをぼとぼとと落としている最中だった。

 

「人肥の直接的な散布かな?」

「マイヤもやってみたくなったでござるか」

 

 イズヴァルトが湿った白い息を吐くと、彼女は「ばかだなあ」と笑った。とはいえ寒気でお腹がごろごろ言い出して来たので、「やっぱりそうさせてもらおうかな」と。

 

 イズヴァルトも今朝は出していなかったので、お腹に溜まっている感覚を無理やりにでも吐き出したいと思った次第。

 

「ではあの方たちにお頼み申すか」

 

 彼は彼女の手を引っ張って畑の中へと入っていった。この時期は地面さすがに凍っていいて、足を取られなかった。イズヴァルトは尻を出してしゃがんでいた2、3人の農民の少年に近づいた。

 

「拙者たちもここでひねってよいでござるか?」

「畑の土を肥やしてくれるなら大歓迎じゃ!」

「そうじゃ! あんちゃんたちはいっぱいええもんを食ってそうじゃからのう!」

 

 気持ちのよい笑い方だ。イズヴァルトはズボンを降ろして股間を丸出しにした。それを見て少年達は「おったまげた!」と叫んだ。イズヴァルトがぶらんぶらんと出したペニスと金玉が、とても大きかったからだ。

 

「でっかいちんぽときんたまのお兄ちゃんじゃ!」

「わしらもあんな立派なもんをぶら下げたいのう!」

 

 少年達は笑い合った。そこへ、イズヴァルトの後ろにいたマイヤが「それでは失礼」と告げ、少年達の前に出る。

 

 目を見張る様な可愛い女の子で、しかも胸が大きい。マイヤの容貌は都会っ子の垢抜けた美しさがある……と、少年達は見た。

 

 そんな女の子が、いきなりスカートをめくり、タイツを膝まで脱ぎ、しゃがむのだ。彼等は丸出しにしていたちっちゃいものを途端にぶくぶくと太らせてしまった。

 

「うわ、ねえちゃん、おらたちの前でそんなことせんといてくれんかの」

「め、めのどくじゃけえ!」

 

 マイヤのおまんこの割れ目がしっかりと開き、紅い女芯の上部から、ちょろちょろちょろ、と透明なおしっこを放ち始めた。少年達は無言になり、食い入るようにその光景を見つめる。

 

 同年代か、年下の可愛らしい少女が恥じらいも無くこんな事をするなんて。

 

「都会っ子かと思ったら、違う村から来たんかいの?」

「まるでわしらの村の娘っ子みたいじゃけえ」

「あはは。これでも都に住んでいるんだよ私? そんなにあけっぴろげかな?」

 

 マイヤはうふふと笑う。小悪魔といった風情である。しかし小便を出し終え、尻から茶色いものをぐぐぐと押し出し始めた時に地が出てしまった。

 

「ふんにゅにゅにゅ!」

「あ。わしんとこの妹がうんこをするときの気張り声によく似とるのう……」

「都にも畑があるかいの? 牛とか農具とか?」

「ふにゅにゅ! だから私は都会っ子なんだってば!」

 

 言い返すマイヤの尻からぶにゅり、と茶色く長いものが押し出された。同時に先ほどイズヴァルトに貰ったザーメンが、膣の入口からどろりとこぼれた。

 

「……都会っ子もうちらの村の娘みたく、おめこをするもんじゃな?」

 

 既視感たっぷり。少年達はそう評してマイヤがうんちをするところを眺め続けた。そのうちの1人が興奮しすぎて、ぴゅっと雪の上に精液を放ってしまった。

 

「どういうことじゃけえ。このねえちゃん。俺の妹のうんちのにおいより、ええ香りがするけえ……」

「お前、妹のけつあなのにおいを嗅いでたんか?」

「嗅がせるだけでなくおめこもさせてくれるが、それが何か文句あるのかしら、じゃけえ?」

「おめえの妹、まだ5つになったばっかじゃろ! ひっどいのう!」

 

 この村の子供達は、下世話な自慢話をし始めた。姉や妹がしゃぶってくれたり、尻穴を貸してくれる、などと。大抵はお小遣いやおやつや夕食の大好物を与える条件付きなのだが。

 

「ははは……どこも似たり寄ったりでござるな」

 

 イズヴァルトは故郷のシギサンシュタウフェンとマイヤがいたアスカウの村で聞いた事を思い出した。5人の子の母となった村娘達からは、性愛の最中に自分達が弟らの筆おろしやおねだりを何度もした、と語ってくれたのを思い出した。

 

 近親相姦で子供が出来るのは恐ろしい事だったが、口や尻穴を使うのは何ら問題が無かった。勉強家の女の子は、生理周期さえ覚えとけば兄や弟とヴァギナセックスしても問題ないとまで豪語した。

 

「ふうーん……私もなかなかに負けてられないや!」

「マイヤ。変なところは競ってはならぬでござるよ? まさか。拙者たちの間に男の子が出来たら、その筆おろしを母親が務めようなどとは……」

「そこまでひどいことは考えてないよ! うにゅ!」

 

 またもマイヤはぶりぶり、と太いうんちを雪の上に落とした。イズヴァルトもそれにならい、乾ききった小さなそれをぼとぼとと落として転がす。

 

「というわけで拙者らはこの畑に、肥やしを献上したでござる。ところで、貴殿らはウラスコーの街のお子さんがたでござるか?」

「この集落にすんどるけえ」

「ウラスコーにもここにも、温泉があるけえ!」

「こっちの湯のほうが街より湯かげんがいいから、入るんならこっちじゃ! にいちゃんもねえちゃんも毎日遊びに来ればええよ!」

 

 ところで、と少年のうち1人がイズヴァルトが傍らに置いた『覇王の剣』を見て尋ねて来た。

 

「それ、ウラスコーの『ひめさま』の剣とおんなじもんか?」

「ひめさま……ヴィクトリアどのの事でござるか?」

「そうじゃ!」

 

 いつもこの村に温泉に入りに遊びに来てたのに、最近滅多に顔を見せない。どこでなにをしているのかとイズヴァルトに尋ねた。

 

「まさか……にいちゃんとねえちゃんは『ひめさま』の隠し子だったんか?」

「……違うでござる。ヴィクトリアどのは、もう既に」

 

 イズヴァルトは尻を拭きながら真実を語った。少年達はうわあああんと泣き始めた。

 

「ひめさまが! ひめさまが!」

「うちのねーちゃんにおっぱいを吸わせてくれたひめさま、もう死んじゃったんか!」

「うわあああん! おれもひめさまにおっぱい吸わせてもらいたかったに! うええん! くやしいのう! くやしいのう!」

 

 少年達は尻の始末をしながら語った。自分達にとってヴィクトリアがどれだけ憧れの人物だったのかを。強くて優しくてとても美人。しかもおっぱいでかでか。

 

 ヒッジランド王家の正統な末裔であった彼女は、ウラスコーの街でもとてもちやほやされていた。お家再興の為に各地の戦地で武功をあげようとしたことを長老達は諫めたが、ヴィクトリアはこの地の領主となるべく、いくさ旅に励んだのだと。

 

「ヴィクトリアどのは、ウラスコーの領主ではござらなかったか?」

「ぐすん。それは先代様までの話じゃけえよ。ひめさまは女の子だからだって、ヒッジランドの王様が領主さまの権利を取り上げちまったんじゃよ」

「ウラスコーのみんながミョージバーグにまで行って何度も直訴したけど、どうにもならんかったけえ……」

 

 直訴をしたが取り上げられず、今度は一揆まで起こした。ヴィクトリアが魔竜戦役の為にこの地を出て行った1年後にである。タッケハールの軍に鎮圧されてしまった。死者も出た。

 

「で、父ちゃんから聞いたんじゃよわし。なんでも王様は、都にいるウォルターっちゅうひめさまの遠いいとことひめさまが結婚すれば、2人にウラスコーの領主に迎えるって」

「なんでもウォルターさんはとんでもなくつええ美男子らしいのう! ねえちゃんがいっぺん抱かれてみたいとか言ってたけえ!」

「ほう。にいちゃんがひめさまに赤ちゃんをこさえる役目を受けてたんか! なら、にいちゃんがウラスコーの領主さまになればええ! なあに、おかざりでも出来る仕事らしいからのう!」

 

 どうにもこの土地の子供達はフレンドリーだ。他の村では石を投げられたり意地悪をされたこともあるのに、とイズヴァルトは思ったが、ぎすぎすした土地柄が多いホーデンエーネンだからである。

 

 マイヤは呆れて笑いながら、まだ尻を丸出しのままぶりゅり、とチョコレートクリームを尻からひねった。この姉ちゃん、えっらいくそひねるのう。

 

「にいちゃん。このおねえちゃんはなんなんじゃ?」

「ウォルターさんの妹さんか娘さんけえ?」

 

 イズヴァルトは自分の将来の妻であるが、もうすでにお嫁さんであると答えた。少年達はひどく残念がった。

 

「……わしら程度の男のよめさんがええよ?」

「なんてことをいうの!」

「そんなにうんちぶりぶりなのは、どうにも優雅さに欠けるけえ。ひめさまを間近に見たことがあるなら、そのぐらいわかるじゃろ?」

「そうじゃそうじゃ。そのぶりぶりねえちゃんはおれたちの嫁さん程度でええ。対してヴィクトリアひめさまは三国一の美人じゃった! とってもおしとやかだったしおっぱいぷるるんだったし!」

 

 マイヤは「ふぬぬう!」といきってまたも茶色いものをぶりゅりゅと。イズヴァルトは苦笑いして持っていた葉っぱでマイヤの尻をぬぐった。

 

「ははは。もう神殿で誓いを立ててしまったでござる。長いことお邪魔したでござる。それでは拙者達はこのへんで……」

 

 イズヴァルトは少年達に「あっかんべー!」をするマイヤを抱き上げると、のっしのっしとした足取りで畑を去った。残された子供達はイズヴァルト達の姿が見えなくなると、マイヤがひねった残し物に近づいた。

 

「あんなに細いのにこんなにもりもりと……はしたないおなごじゃけえ……」

「で、でもこのくそ、なんだかたまらんにおいがするけえのう……」

 

 少年達は全員が彼女のうんちのにおいで勃起してしまっていた。多分あの子はとんでもなくドスケベに違いないと思った。おっぱいもでかかったし。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 荷場と簡素なテントが立ち並ぶ城市の門前の広場にたどり着くと、マイヤは「随分と原始的な城壁ね」と呟いた。

 

 ウラスコーの街の城壁は、この世界の都市の城壁にあるような切りそろえた煉瓦造り・石造りのものではなかった。

 

 大小さまざまなごつごつの岩を積み重ね合わせ、土砂で隙間を固めた粗末で不格好なものであったが、途中で立ち寄った街の城壁より高い。

 

 マイヤは雪で冷たく湿った礫の層を見て、野面積み(のづらづみ)で出来ている、イズヴァルトに教えた。

 

「ほう。何の変哲もない大昔の石垣に見えるでござるが、そういう呼び方があったのでござるか?」

「そっか。ホーデンエーネンじゃ乱積みと言ってたっけ。カントニアではミレイユという名前のエルフが書いた築城本には、確かに『野面積み』と記していたけどなあ……」

 

 カントニアの築城名人、ミレイユ=キョーライの書籍『これでおまんも築城名人ずら!』にはこう書かれていた。

 

「気取った城みてえに石を切り出してつるつるの城壁にするのは、手間暇がかかって危急の時には作れんずらよ。ゆえにおらが住むニラッサの里のエルフの城みたく、むかしっからある野面積みで塁や防壁を作るずら。だいたい、きれいに整えた石垣というのは、割れたり崩れたりするとどうにも整え直したくなって手間をかけてしまう、ろくでもねえ欲をかかせてしまうところがあるずら」

 

 カントニアの古い城市は、高くした土塁に乱積みの石で覆った城壁があるところばかりだという。そうした城壁は厚くて、破壊魔法や爆裂魔法にもよく耐える。ムーツ大陸もまた土塁式だ。

 

 対してきれいに整えた石で積んだ城壁ばかりがあるホーデンエーネンやサイゴーク諸国では、そうした魔法に弱いという話があった。ただ、ウラスコーのこの街の壁はカントニア様式である。

 

「というか、上から見たでござるが、この街は……」

「地面が高かったよね。これは城壁じゃなくて土台だよ。山を崩して造ったのかも」

 

 果たしてその入口の向こうには、馬や荷車が並んで通れる、上り坂の大きなトンネルがあった。そこにも床と壁はぎっしりと石が敷き詰められていた。相当な防備を施した城だったのだなとマイヤは思った。

 

 きつい傾斜を登りきり、目に太陽の光が差し込んだその先にウラスコーの街があった。おおよそナントブルグの北街区ほどの広さのその街は、かつて山城だった事にマイヤは気が付いた。

 

 街の外周には豊富な種類の石で固めた土塁があった。トンネルの出口の反対側にある階段に登れば、ここが敵を迎え撃つ防壁なのだとぽっかり空いた銃眼と思しき穴や、弩台の跡らしき突き出しで理解できた。

 

「なるほど。ということはこの盆地はかつて、ウラスコー城の城下町だったんだね……」

「しかし見えるのは畑と集落のみでござる。確かイーズモーに滅ぼされる前のウラスコー王朝は、南部にあるミッハーラバーンに都を置いていたと本に書いてあったでござるが……」

 

 ミッハーラバーンはウラスコー盆地や山岳地帯の南、広大なミッハーラ平野にある王国第2の人口を誇る都市だ。そこは容易にイーズモー軍によって落とされた。交通の要衝で東西南北から攻められやすかったからである。

 

「でも、ミッハーラバーンに本拠を移す前はウラスコーが都だったんだよ。イズヴァルト、行こうよ?」

 

 この街の長を尋ね、ヴィクトリアの生家に向かう。そこに『姫竜の牙』を納める事こそがこの旅の目的であった。

 

 さて、戦場での師の遺品を携えて向かうイズヴァルトと従うマイヤに、この街の住人達はどう迎え入れるのであろうか?

 

 その続きについてはまた、次回にて。

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